AI・機械学習・ディープラーニング(深層学習)の違い&活用のポイントを解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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現代においてAI(人工知能)は、私たちの生活において無視できない存在になりつつあります。ビジネスにおいても、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する企業が増える中で、AIを用いたシステムやツールの導入を検討する機会も多くなっているのではないでしょうか。

AI・機械学習・ディープラーニング(深層学習)の違いを解説!DX活用のポイントとは

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本記事では、DXにおいて重要な技術となっているAIのほか、意味が混同されやすい機械学習とディープラーニングについて解説します。AIへの理解を深め、ビジネスへの適切な生かし方を考えてみましょう。

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AI(人工知能)と機械学習・ディープラーニング(深層学習)との関係

AI(人工知能)と機械学習・ディープラーニング(深層学習)との関係

AI、機械学習、ディープラーニングは、同一の文脈で語られることが多い言葉ですが、この3つには明確な違いがあります。

図のように、AIの技術領域の1つとして機械学習があり、機械学習の中の一分野としてディープラーニングがあるという関係になっています。

ここからは、それぞれの意味や特徴についてより詳しく解説していきます。
 

機械学習(マシーンラーニング)とは?

機械学習(マシーンラーニング)とは?

3つの概念の関係性を押さえた上で、はじめにAIや機械学習とは何を意味しているのか、基本的な部分を理解していきましょう。
 

機械学習とは

機械学習とは、一定の計算手法(アルゴリズム)に基づいて、コンピュータが膨大なデータをもとにルールやパターンを学習する技術を指します。データの学習を繰り返し行うことで、特定のタスクを高い精度でこなせるようになるという特徴があります。
 

AIと機械学習との違い

AI(人工知能)とは、1950年代から研究が進められてきた、コンピュータサイエンスの一つです。「AI」という言葉ですが、学術的にも定まった定義はありません。そのため、本記事では「人間の知能を模した機能を持つコンピュータシステム」と定義することとします。

AIは、計算の過程で分類や推論などの高度な処理を行う点が特徴です。与えられた入力に対して予め決められた計算を行い、決まった出力を行う計算手法とは異なります。

そのAIを構成する技術領域の1つである機械学習は、コンピュータが膨大なデータをもとにルールやパターンを学習し、予測や分類を可能にする手法です。AIというシステムが分類や推論を行う上での重要な役割を担っています。
 

機械学習には3つ学習法がある

機械学習には3つ学習法がある

機械学習は、データの学習方法によって種類が3つに大別されます。
 

1.教師あり学習

教師あり学習とは、正解のラベルをデータに付与した上でコンピュータに学習させる手法を指します。

コンピュータが大量の正解データを学習することでパターンやルールを見つけ出し、次に入力されたデータを学習したパターンやルールに則って分類できるようになっていきます。

電子メールのスパム判定や銀行取引の詐欺予測など、多くの場面で用いられている手法です。

仕組みとしては大きく二つのステップに分かれます。

第一ステップとして、正解のラベルを付与した大量かつ良質なデータを用意し、コンピュータに学習させます。データ数が増えるにつれて、ルールやパターンをコンピュータ自身が学習しやすくなっていきます。

次に、大量のデータを学習したコンピュータに、正解のないデータを入力します。そうするとこれまで学習したパターンやルールと照らし合わせながらデータを認識し、結果を予測することができるのです。
 

2.教師なし学習

教師なし学習とは、データに正解ラベルを付与せずに学習させる手法です。正解が与えられていない大量のデータに含まれる特定のパターンや類似性を学習し、それらを分類したりルールを抽出したりすることを得意としています。

小売店を例にすると、大量の購買データをもとにした様々な分析に活用されています。平均購買年齢が高い商品や季節によって売上が伸びる商品を自動抽出したり、「牛乳を買う人は洗剤も買いやすい」など隠れた相関関係を炙り出すことも可能です。
 

3.強化学習

強化学習とは、目的として設定した報酬(スコア)を最大化するように行動を学習していく手法です。

例として、二足ロボットの歩行制御が挙げられます。「歩く距離」を報酬として与えることで、その最大化のために足を曲げる角度や速度について試行錯誤を繰り返し、結果的に倒れずに歩行できるようになります。

ただし、その技術的な難易度の高さから、あまり活用が進んでいないのが現状です。
 

AIにブレイクスルーを起こした「ディープラーニング(深層学習)」とは?

AIにブレイクスルーを起こした「ディープラーニング(深層学習)」とは?

近年ではAIの進化と実用化がさらに加速していますが、その要因となっているのがディープラーニング(深層学習)の発達です。コンピュータの計算能力向上と、インターネット上のデータ流通量の増加により、今後ますます進化するであろう領域として注目されています。
 

ディープラーニングとは

ディープラーニングとは、多数の層から成る「ニューラルネットワーク」を用いて行う機械学習のことです。

ニューラルネットワークとは人間の脳を構成するニューロンの仕組みを数理的に再現したモデルです。ニューラルネットワークを用いることで、データの認識や分類の処理精度がその他の機械学習より飛躍的に向上する可能性があるとされ、研究が進められています。

ニュートラルネットワークを用いたディープラーニングでは、機械学習において必須とされるパラメータである「特徴量」を人間が予め指定することなく、コンピュータ自身が探して学習を行っていくことができます。特徴量とは、対象となるデータの特徴を数値で表したもので、人間を例にすると身長や年齢などが該当します。
 

機械学習とディープラーニングの違い

機械学習では、原則としてコンピュータが物事を認識する際の基準である「特徴量」を人間が指定する必要があります。例えば、赤いブドウと白いブドウを判別する際には「色」を特徴量とする必要があります。

一方、ディープラーニングであれば「特徴量の選択」という人間の作業が必要ありません。ディープラーニングでは与えられたタスクに対し、どの特徴量を参考にして学習すればいいのかを、コンピュータ自身が判断できるためです。
 

ディープラーニングが得意とする4分野

ディープラーニングが得意な分野は、以下のとおり大きく4つあります。特定領域でのディープラーニングの活用によって、業務の効率化や新しいサービスの誕生など、様々な分野での取り組みが進んでいます。
 

1.画像認識

まず画像認識は、ディープラーニングが得意とする分野の1つです。画像認識には、物体認識、顔認識、文字認識の3種類があります。

身近なものでは、スマートフォンのカメラの顔認識機能に用いられているほか、近年では患部や検査画像から病気の種類や状態を判断する医療技術もディープラーニングによって発展しています。
 

2.音声認識

音声認識の分野でもディープラーニングの活用が進んでます。ここではコンピュータにより音声データを文字データに変換する技術が用いられています。例えば、製造現場における音響データを分析し、異常音を検知するソリューションが登場しました。これにより、検査員の経験の差による保守精度のばらつきがなくなることが期待されています。
 

3.自然言語処理

手書き文字や発話など、様々な文字情報を処理する技術を自然言語処理といいます。ディープラーニングの技術が発展し、機械による自然言語の理解や翻訳の力が向上したことで、現在では自然言語処理を用いたSiriなどのAIアシスタントや、検索エンジン、チャットボットなどのサービスが生まれています。
 

4.レコメンデーション(興味関心予測・提案)

ディープラーニングは、近年レコメンデーションでも活用が進んでいます。例えば、YouTubeのおすすめ動画などに見られるような、ユーザー行動を学習した上でのレコメンデーションをはじめ、ECサイトにおける購買率向上を実現するためにも活用されています。
 

AIと機械学習、ディープラーニングを正しく理解し、ビジネスに生かせるようになろう

企業のDX化が進む現代において、AIはビジネスでも欠かせない技術となっています。事業にAIを導入することで、業務の効率化やコストの削減など、様々な恩恵を受けてきた企業も数多くあります。

例えば、ナビタイムジャパンが画像認識の技術を活用し、ドライブレコーダーの撮影画像をもとに前方車両の接近を検知する機能を開発したり、ヤフーが自然言語処理を用いてニュースの不適切コメントを自動削除するなど様々な取り組みが生まれています。

そして何より、ビジネスでAIを活用するためには、事業の課題に合った適切な技術を取り入れることが重要です。AIを活用することが目的にならないよう、戦略的な検討や導入が必要になるでしょう。

本記事ではAIと機械学習、ディープラーニングの違いや応用事例を紹介してきました。ぜひ、AIでできることを正しく理解し、意思決定していくための参考にしてみてください。

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