自分の施策は同業他社と比べて優れているのかどうなのか、気になったことはありませんか?

「ランディングページへの流入数も毎月増えているし、メルマガへの登録者数も先月に比べて増えているので、ある程度の効果を上げてうまくいっていると思う。でも競合と比べてどうなのだろう?」と考えたことのある人は少なくないでしょう。

自社のコンバージョン率の良し悪しを知りたければ、まずは他社の平均コンバージョン率と比較するべきです。

実際に他社のコンバージョン率を知るのは困難ですし、日本国内のコンバージョン率平均を知ることができる調査は少ないのが実情です。一方、アメリカではいくつかの統計が公開されています。今回は、その中から日本でも参考になりそうなデータを集めました。

ランディングページやECサイト、メルマガ、アプリについて、各業界別のコンバージョン率の平均と改善に向けた取り組みをご紹介します。

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コンバージョン率の平均値を知るメリット

まず、コンバージョン率はしっかり算出できているでしょうか? スモールビジネスでありがちなのが、「最初は計測していたけれど、あまりに低いのでイヤになってしまった」というパターンです。しかし、その数値が本当に低いかどうかは業界平均と比較してはじめて判断できます。
 

コンバージョン率が1%を下回るのはいたって普通のこと

もしかしたら、「コンバージョン率が1%にも届いていない、低すぎる…」と愕然としている担当者がいるかもしれません。事実を冷静に捉えた上で、以下のグラフを見てみましょう。

下の図は、ランディングページのコンバージョン率のグラフです。リスティング広告運用ツールを提供しているWordstream社が、Google広告を活用している自社クライアント14,197のアカウントから、サンプル調査を実施した結果です。

ここではコンバージョン数が月間10未満のアカウントや、クリック数が月間100を下回るアカウントは除外されています。

What Is a Good Conversion Rate? It's Higher Than You Think! | WordStream

グラフを見ると、0.5%未満、1%未満がともに13%を超えており、総アカウントの約1/4のコンバージョン率は1%未満であることがわかります。

一方、中央値が2.35%であり、上位25%は5.31%以上、上位10%となると、11.45%という驚異的なコンバージョン率を上げています。

仮に、現在コンバージョン率が1%を下回っていても悲観する必要はありません。しかし、放置したままでは下位1/4から脱却することもできません。
 

平均値を知ることで、自社サイトが最適化されているかが推測できる

コンバージョン率は、Webサイトがどれだけ最適化されているかどうかを測る目安です。コンバージョン率の高いサイトは次の3点が達成されているサイトだと考えられます。

  1. 自社の商品・サービスに合ったユーザーを集められている
  2. ユーザーに響くメッセージを発信できている
  3. カスタマージャーニーに沿った設計ができている

仮に、あなたの会社のWebサイトでのコンバージョン率が2.8%だったとします。この数値が良いのか悪いのか、どうしたら判断できるのでしょうか? コンバージョン率の平均を知っていれば、自社のWebサイトが最適化されているかどうかを判断する目安になります。

では、ランディングページ、ECサイト、メルマガ、アプリ、4つのカテゴリの業界別平均コンバージョン率を見ていきましょう。

業界によってコンバージョン率には差があるため、できる限り同業者の数字を追うようにしましょう。
 

ランディングページの業界別平均コンバージョン率

ランディングページのコンバージョン率の中央値は2.35%です。

What Is a Good Conversion Rate? It's Higher Than You Think! | WordStream

この数値は業界横断的な数値ですが、Unbounce社が測定した統計では、10の異なる業界での結果を見ることができます。その結果が下のグラフです。

この統計では、ランディングページからリード(見込み客)に転換した割合をコンバージョン率として最上値と平均値を比較し、グラフにしています。上の数字が最高値、下の数値が平均値です。

グラフは左から

  • 旅行
  • 不動産
  • ビジネスコンサルティング
  • B2B
  • クレジット・融資
  • ヘルスケア
  • 大学・専門学校
  • ホームリフォーム
  • 法律関連
  • 職業教育・職業訓練

の順に並んでいます。

各棒グラフの下の数字が平均値、上の数字が各業界での最高のコンバージョン率を示しています。

高い平均値を出しているのが、

  • 職業教育・職業訓練(6.0%)
  • クレジット・融資(5.5%)
  • 旅行(5%)
  • ビジネスコンサルティング(5%)

となっています。

平均値が2%~5%の狭い範囲の差であるのに対し、最高値は大きな差があります。もちろん、業界や企業、さらに言えば1つ1つランディングページのコンバージョンポイントは異なる可能性が高く、一概に判断できるものではありません。

ただ、やはり検討期間が長くなりやすい(様々なサービスを見比べた上で判断する)業種、例えば不動産やホームリフォームなどはコンバージョン率が低くなる傾向だということがわかります。
 

ランディングページのコンバージョン率改善の取り組み

ランディングページのコンバージョン率を向上させたい場合は、以下のポイントをチェックしてみてください。

  1. キャッチコピーで自社独自の価値を訴求できているか?
  2. 広告とキャッチコピーの内容は一致しているか?
  3. 自社商品のメリットが見出しで簡潔に説明されているか?
  4. 内容が把握しやすく、スクロールしたくなるような説得力があるか?
  5. 検索用にページタイトルやURL、メタディスクリプションは最適化されているか?
  6. フォームを入力すると得られるメリットがわかりやすく(画像などで)ユーザーに表示されているか?
  7. 入力フォームの質問項目は多すぎないか?
  8. 送信ボタンは「送信」とだけ書いてあるのではなく、送信後どうなるかわかりやすく明記されているか?
  9. 過去に入力したことのあるユーザーの場合、入力の手間を省けるよう自動入力などを設定しているか?
  10. モバイルデバイスにも対応しているか?
  11. コンバージョン後に遷移する「サンクスページ」やお礼メールは用意されているか?

このチェックリストを元にランディングページを改善し、効果検証してみましょう。
 

ECサイトの業界別平均コンバージョン率

ECサイトの場合はどうでしょうか。ECサイトの場合、目的が「商品購入」に絞られているので、ほぼ全てのECサイトのコンバージョンポイントは「商品購入」に置かれていると考えていいでしょう。データを見ると0.8~4%とこちらもカテゴリごとの開きが大きいようです。

その中でも美術工芸品やペットケア関連商品を扱うECサイトは、高いコンバージョン率を上げています。反対にベビー・子供用品や、飲料食品は上位の約1/4の数値になっています。
 

ECサイトのコンバージョン率を下げる直接の原因となる「カゴ落ち」どう防ぐ?

ECサイトでコンバージョン率を下げる大きな原因の1つとして考えられるのがカゴ落ちです。商品をカートに入れながらも、支払い直前で離脱してしまうまでの行動を指します。世界平均ではかご落ち率は69.57%となっています。

カゴ落ちの理由をユーザーにヒアリングし、まとめたデータを見てみましょう。

41 Cart Abandonment Rate Statistics - Cart & Checkout - Baymard Institute

53%のユーザーが「送料、税金、手数料など、商品の料金以外のコストがかかるから」を上げています。第4位の「料金総額が事前にわからないから」(20%)というのも同種の理由だと考えられます。

自分の過去のECサイト体験を振り返ってみてください。決済直前になって意外と手数料や送料が高くついて、買う気持ちが萎えてしまったことが一度はあるのではないでしょうか。

続いて第2位の「アカウントを作成しなければならないから」が31%、第3位の「支払いプロセスが複雑すぎる」が23%、第5位「カード情報を知らせるほどサイトを信用できない」と考える人が17%もいるのがわかります。

自社の信用を上げるためには長期的な取り組みが必要になりますが、それ以外のポイントについては少しの改善で対応できそうです。
 

ECサイトのコンバージョン率改善のポイント

カゴ落ち率を低下させ、コンバージョン率を改善するために、以下のポイントを抑えると良いでしょう。

  1. Webサイトにチャットを追加して、ユーザーが質問しやすくする
  2. 商品の口コミを表示する
  3. できる限り早い段階で送料、手数料を明示する
  4. 支払いプロセスを簡略化する
  5. アカウントを作成しなくても購入できるようにする
  6. さまざまな支払いオプションを用意する
     

メルマガ・DMの業界別平均コンバージョン率

イギリスのダイレクトマーケティングアソシエーション(DMA)が2019年に発表したデータをもとに作成したのが、以下のグラフです。

DMAは世界9社の主要プロバイダから発信された350億通のダイレクトメールからサンプルを取り、開封率、CTR(配信されたメールの中でクリックした人の割合)、CTOR(メールを開封した人の中のクリックした人の割合)、解約率、スパム率のデータを公開しています。

メルマガのコンバージョンポイントは、大別して3点あります。

  • 開封率(OR)
  • クリック率(CTR)
  • 開封した人のクリック率(CTOR)

開封率やクリック率も重要ですが、メルマガ自体の効果を測る上では、開封した人がメルマガを読んで、どれほどコンテンツに関心を持ってクリックしたかを表すCTORも重要な数値です。

非営利団体や外食産業、出版など、ユーザーが興味を日頃から抱いている分野のORやCTORが高いのは当然かもしれません。その中で、通信業界のOR、CTORが28.8%と22.1%と高いのは、多くのユーザーがスマートフォンなどの情報に強い関心を持っていることがうかがえます。
 

メルマガのコンバージョン率を改善するには

近年、「メルマガはもう読まれない」「効果がない」とする論調も出てきてはいましたが、先にあげたデータを見る限り、メールマーケティングはまだまだ有効なようです。では、より効果的なメルマガ配信を実現するには何を行えばいいのでしょうか。

まずは、開封率とクリック率を定期的に観測するところから始めましょう。

MarketingProfsの2016年の調査によると、マーケティング担当者の15%は、自社のメールの開封率やクリック率に対して定期的な調査を行っていないと回答しています。 Webサイトとメールを一体化させて、クリック後の行動をトラッキングしていると答えたのはわずか23%です。

まずは定期的に開封率、クリック率を測定できる環境を構築し、自社の平均値が業界平均値に届いているかどうかをチェックしてください。

それを踏まえ、コンバージョンレートを改善するためには、次の3つのポイントに気を付けましょう。

  1. メールの発行回数は、ユーザーがどのくらいの間隔でメールを求めているか、テストを行いながら決める
  2. ユーザーの過去の行動記録の追跡などを元に、ターゲットごとに適切な内容のメール配信を行う
  3. 件名はユーザーにカスタマイズする
     

アプリのコンバージョン率

アプリで「コンバージョン」という言葉が使用されるのは、一般的に以下の3つの場合です。

  • インストール:ユーザーがアプリストアからアプリをダウンロードして、自分のモバイルまたはPCにインストールした時
  • 登録:メールアドレスやユーザー名、パスワード、SNSを通じてログインした時
  • 購入/サブスクリプション:サービスを購入、またはサブスクリプションとして購入した時

この中で、まずマーケティング担当者が注力するのは「インストール」数ではないでしょうか。

今回は、インストールをコンバージョンポイントとした場合のデータを紹介します。
アメリカのApp Storeでの平均コンバージョン率は3.72%となっています。

カテゴリ別に詳しく見てみましょう。

(※AppFollowの2019年8月収集データを元に作成)

ナビゲーションアプリのコンバージョン率が11.8%と飛びぬけて高いのがわかります。

インフラ的な立ち位置であり、検索ユーザーはほぼ確実にダウンロードしたいと考えているGoogle mapやNAVI TIMEなど知名度の高い大手アプリが存在するため、ユーザーは比較に時間をかけることなくすぐにダウンロードしているのではないかと推測できます。

一方、コンバージョン率が1.90%と低いのはステッカーアプリです。これはノートや机などに貼るシールを自作するためのアプリです。そのアプリを使って自分でデザインしたデータを送ると、そこからシールへ加工し、印刷までしてもらえます。

コンバージョン率が低いのは、参入業者が多いことと、比較的年齢層の低いユーザーがアプリストアから製品ページに遷移し、ダウンロードする前に細かく製品をチェックしているからだと推測できます。
 

アプリのコンバージョン率改善の取り組み

アプリではアプリストアページの最適化(ASO)が重要になってきます。ASOを行う際、以下の点に気をつけてください。

  • 使用するキーワードは検索ユーザーの意図に沿っているか?
  • 画像やアイコンはターゲットユーザーを惹きつけるものになっているか?
  • 説明文はわかりやすく、魅力を伝えるものになっているか?
     

平均値を知り、ベンチマークとして最適化を行おう

自社のコンバージョン率を出しただけでは、それが高いのか低いのか、良い数値なのか悪い数値なのかはわかりません。

自社のコンバージョン率を客観的に評価するためには、まずは全体平均を知り、その数値をベンチマークとすることが大切です。まずは業界の平均値を調べてみましょう。

自社の数値は業界平均値を超えているでしょうか。超えていないのだとすると何が問題なのでしょうか。本記事で上げたチェックポイントをもう一度確認してください。

平均値を超えていた場合、ひとまず安心したくなるかもしれません。しかし、もう一度、ランディングページのコンバージョン率を見てください。

What Is a Good Conversion Rate? It's Higher Than You Think! | WordStream

平均値の2.35%はずいぶん左にあることがわかります。つまり、上位1/4の企業は平均の2倍、上位10%の企業は平均の4倍の数値を出しているのです。ランディングページだけでなく、他の分野のコンバージョン率においても同様のことが言えます。

まずは、平均値をベンチマークとし、それをクリアできたら業界の上位1/4を目指してみてください。

コンバージョン率の改善には万能薬はありません。問題点を洗い出し、仮説を立て、テストを実行し、検証する、このサイクルを地道に積み重ねていくのがベストプラクティスです。

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元記事発行日: 2020年3月24日、最終更新日: 2020年3月30日