国内のFacebook利用者は2,600万人(2019年7月時点)を突破し、企業のプロモーションに欠かせない存在になっています。アプローチできるユーザーが多いからこそ、どのようにターゲティング(Facebook広告ではオーディエンス)するかが費用対効果の高いFacebook広告キャンペーンを展開する鍵となります。
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Facebook広告の基礎と事例がわかる完全ガイド!
無料ガイド
・Facebook広告の目的とメリット
・広告の種類や料金体系
・わかりやすい出稿方法
・Facebook広告の活用事例
・広告の使いこなしによる差別化
実名登録が基本となっているFacebookでは、広告のターゲティングを非常に細かく設定できます。今回は、効果的なFacebook広告のターゲティングについて知りたい方に向けて、設定方法をわかりやすく解説します。広告効果を改善するための活用方法や注意点も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
基礎と事例を解説!Facebook広告完全ガイド
Facebook広告のオーディエンスとターゲティングの違い
ターゲティングの話に入る前に、まずはFacebook広告の全体構造を確認しておきましょう。Facebook広告は3層構造になっており、アカウントの中に「キャンペーン」、その下の階層に「広告セット」、さらに一つ下の階層に「オーディエンス」と「広告」という項目があります。
Facebook広告ではターゲットのことを「オーディエンス」と呼び、オーディエンスが広告を配信する対象の大枠になります。オーディエンスを設定することで、関連度の高いユーザーに配信され、3種類のオーディエンスを活用すれば、さらに配信対象を絞り込むことが可能です。
ターゲティングの種類 |
配信先の詳細 |
---|---|
コアオーディエンス |
年齢、性別、言語、興味・関心、所在地などの基本的な条件でターゲットを設定するオーディエンス |
カスタムオーディエンス |
自社の既存顧客や、Webサイトの訪問者とFacebookのユーザーデータをマッチングさせたオーディエンス |
類似オーディエンス |
既存顧客やWebサイト訪問者と特性や行動が類似しているオーディエンス |
【オーディエンス別】facebook広告のターゲット設定
先述したように、facebook広告におけるターゲティングの種類はコアオーディエンス・カスタムオーディエンス・類似オーディエンスの3種類になります。それぞれの設定方法は以下のとおりです。
コアオーディエンスの設定
コアオーディエンスは、居住地・年齢・性別などの基本的な属性のほか、学歴・興味・関心、アプリ利用状況などの行動で設定できるオーディエンスです。細かく条件を設定できるため、より詳細なターゲティングを行うことが可能です。
コアオーディエンスは、「基本的なターゲット設定」と「詳細ターゲット設定・つながりの設定」に分かれています。
基本的なターゲット設定
基本的なターゲット設定では、ビジネスを展開したいターゲットの居住地や年齢、性別といった基本的な項目を設定できます。年齢は下限と上限を1歳単位で設定でき、居住地は市区町村単位での設定が可能です。
エリアの設定は「この地域に住んでいる人」「最近この地域にいた人」など4つの選択項目があり、居住者に限らず旅行や出張でその地に訪れた経験があるユーザーまでターゲットを広げられます。また、市区町村でエリアを指定した場合は半径での距離指定も可能です。
詳細ターゲット設定・つながりの設定
詳細ターゲット設定には、利用者層、趣味・関心、行動の3つの項目があります。検索窓にキーワードを入力すると候補が表示されるため、その中から今回の商材に合うものを選択しましょう。
詳細ターゲット設定は複数選択による掛け合わせも可能です。掛け合わせの設定パターンは、OR設定・AND設定・除外による絞り込みの3種類があります。
絞り込みの種類 |
詳細 |
---|---|
OR設定 |
複数の条件の中でいずれかに一致する人をターゲットとする(例:AまたはBである) |
AND設定 |
複数の条件にいずれも一致する人をターゲットとする (例:AおよびBである) |
除外による絞り込み |
特定の条件に一致する人は除外する(例:Bは除く) |
つながりは[その他のオプション]をクリックすると展開されます。
このパートでは、自社の「Facebookページ」「アプリ」「イベント」とつながっているユーザーのターゲティングができます。たとえばFacebookページにいいねをしてくれたユーザーはブランドを認知している可能性が高いため、広告効果が出やすい傾向にあります。
カスタムオーディエンスの設定
カスタムオーディエンスは、既存ユーザーや、Webサイトから流入し自社のビジネスに対して、すでに何らかのアクションを実行したユーザーに対するターゲティング方法です。 カスタムオーディエンスは以下の5つの種類から選択可能です。
Webサイトへの訪問者(サイトトラフィック)
サイトを訪問したユーザーや、特定のWebページにアクセスしたユーザーのオーディエンスを作成し、最長180日前までさかのぼってターゲティングが可能です。さらに「Webサイトに滞在した時間別のビジター」では、滞在時間の上位順(上位25%・10%・5%)をターゲットにしたオーディエンスを作成できます。
アプリアクティビティ
特定のアプリやゲームをインストールしたユーザーや、アクティブユーザー等をターゲットとするオーディエンス作成が可能です。購入額の上位順(上位25%・10%・5%)をターゲットにしたオーディエンスの作成も可能です。
アプリアクティビティの活用により、類似オーディエンスを作成できるため、アプリユーザーのインストール数増加を目的とした場合に有効なオーディエンスです。
顧客リスト(カスタマーファイル)
名前・メールアドレス・電話番号などの顧客データをアップロードし、Facebookユーザー情報と照合してオーディエンスを作成します。カスタマーファイルは既存顧客にキャンペーンや新製品の案内をする際に有効です。
エンゲージメント
FacebookやInstagramのコンテンツにアクションしたユーザーのリストを作成するオーディエンスです。具体的には以下のユーザーをリスト化します。
- 動画を再生したユーザー
- リード獲得広告のフォームを開いたまたは完了したユーザー
- コレクション広告またはキャンバスを開いたユーザー
- Facebookページでアクションしたユーザー
- Instagramビジネスプロフィールで交流したユーザー
- Facebookのイベントでアクションしたユーザー
オフラインアクティビティ
店舗への直接訪問や電話など、オフラインでやり取りをしたユーザーをリスト化するオーディエンスです。Facebookのオフラインチャネルのコンバージョントラッキング機能を活用します。他のオーディエンスに比べてボリュームが出にくいことがデメリットです。
類似オーディエンスの設定
類似オーディエンスとは、自社の顧客や見込み顧客と似ている属性のユーザーに対してリーチできる機能です。自社の顧客に似たユーザーは、趣味・関心が似ていることから広告に興味を持ちやすく、コンバージョンの可能性が高くなります。
特に類似オーディエンスは、優良顧客の新規開拓に向いている施策です。Facebook広告では、ソースとなるオーディエンスを指定し、そのオーディエンスに含まれるユーザーの共通点・行動特性を探し出し、そこから導き出されたユーザーをリスト化する機能です。
オーディエンスサイズを1%?10%の間で指定できます。パーセンテージが少ないほど類似度が高いユーザーに対してリーチが可能です。ただしソースオーディエンスのユーザーが少ない場合、類似性の判断が難しいため、一定数のボリュームは必要です。
Facebook公式ヘルプセンターでは、1,000人?5,000人のソースオーディエンスを推奨しています。
参考:Facebook広告の類似オーディエンス | Facebook広告のヘルプセンター
Facebook広告のオーディエンスのターゲティング行う際のポイント
Facebook広告のターゲティングは、一度設定して終わりではありません。複数のターゲット設定を比較検証し、より費用対効果の高いターゲット設定を見出していく必要があります。ここでは、Facebook広告のターゲティングのポイントを解説します。
カスタムオーディエンスと類似オーディエンスは保存して使う
カスタムオーディエンスと類似オーディエンスで広告配信を行う際は、「保存済みのオーディエンス」に設定してからの使用が必須です。
「保存済みのオーディエンス」にすることで、地域・年齢・性別の属性情報を指定できるようになります。カスタムオーディエンス・類似オーディエンスに属性情報を掛け合わせることで、さらにターティングの精度を高めることが可能です。
ターゲティングは細かく設定しすぎない
Facebook広告は細かいターゲティングが可能な点がメリットですが、あまり細かく設定をしすぎるとリーチできるユーザーが限られてしまい、CPA(アクションあたりの費用)が高騰してしまうため注意が必要です。
また、Facebookでは全てのユーザーが必ずしもプロフィールを登録しているわけではないため、あまり細かく設定してしまうと潜在層を取りこぼすことになります。はじめは広く設定し、広告配信後のデータを見ながら徐々に対象を絞っていく方法がおすすめです。
ターゲティングは複数設定する
ターゲティングを実施する際は、異なるターゲットを複数設定するようにしましょう。異なるターゲットで広告運用を行い、広告配信後のデータ分析・検証によって、どのターゲティングが最も費用対効果が高いか検証が大切です。
またいくつかのターゲティングのパターンを用意しておけば、より多面的にアプローチできるため、広く・長くコンバージョンを得ることが可能です。
オーディエンスが重複しないように設定する
Facebook広告は、ターゲティングの項目が多いため、気づいたときにオーディエンスが重複している場合があります。たとえば同一のターゲットに自社の広告が複数表示されたとしても、ユーザーはいずれかの広告しかクリックしません。
このように自社の広告同士で競合(カニバリ)してしまうため、広告費が無駄になってしまいます。複数広告を出稿する際は、オーディエンスが重複しないように注意し、より多くのユーザーに広告を目に留めてもらうようにしましょう。
特定のデバイスを除外する
Facebook広告では、特定のデバイス所有者をターゲットに設定できますが、同様に特定のデバイスへの広告配信の除外も可能です。たとえば、Androidスマートフォンとタブレットの中で、特定の機種への配信を除外します。
展開する商材によっては、デバイスを限定することでよりターゲティングの精度を高められます。
運用しながらコアターゲットを探っていこう
Facebook広告は細かいターゲティングができるからこそ、「誰に広告を表示したいのか」を明確に定義することが重要です。しかし、自社のサービス・商品のコアユーザーがどのような人なのか、広告運用をスタートする前に決めきるのは難しいでしょう。Facebook広告のターゲティングを利用しながら、本当にアプローチするべきユーザー層を検証し、改善を続けることが大切です。
Facebook広告のターゲティングは項目が多いので難しく感じるかもしれませんが、まずは「地域」「年齢」「性別」「言語」の基本的な設定で配信してみましょう。