Facebookは世界最大級のSNSであり、日本でも月間アクティブユーザー数が2,600万人を超える(2019年発表)巨大なプラットフォームです。
基礎と事例を解説!Facebook広告完全ガイド 2021年度版
このガイドではFacebook広告の目的やメリットだけではなく、広告の構造や料金体系、関連ツールなどについて詳しく解説しています。ぜひご活用ください。
- Facebook広告の目的とメリット
- 広告の種類や料金体系
- わかりやすい出稿方法
- Facebook広告の活用事例
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Facebook上で利用できるFacebook広告は、豊富なユーザー数と詳細なターゲティング機能、シンプルな運用が可能な広告システムで、ブランドの認知拡大をしたい・Webサイトへのアクセスを増やしたい・リードを獲得したいなど、ビジネスの目的に合わせて広告を配信できます。
本記事では、Facebook広告についてこれから知っていきたいと考えている方に向け、Facebook広告ならではの特徴や基本的な仕組み、広告を設定するステップについて包括的に詳しく解説します。
Facebook広告とは?
Facebookは、2022年3月時点で1日当たりの利用者数が19億3,000万人、1か月当たりの利用者数29億人を抱える巨大SNSプラットフォームです。Facebookには基本的に実名で登録されるといった特徴があり、多くの企業がFacebook広告を利用しています。
Facebookを利用されている方は、ニュースフィードで投稿に溶け込んだ形の広告を見たことがあるのではないでしょうか。また、Amazonで検索した商品が、Facebookに表示された経験もあると思います。これらはすべてFacebook広告です。
Facebook広告の配信先は Facebookだけでなく、InstagramやFacebookと提携している多種多様なメディア・モバイルアプリ(オーディエンスネットワークと呼びます)にも配信可能です。この中から、広告の目的や内容に適した利用者を選別(ターゲティング)して、広告を配信します。
Facebook広告の特徴
Facebook広告の特徴は以下の通りです。
- ターゲティング精度が高い
- 少額からの広告配信が可能
- Meta社の媒体などに配信可能
- 広告出稿の手順がシンプル
- ニーズに合わせたコスト戦略が設定可能
- 広告の効果測定が簡単
それぞれの特徴について詳しく解説します。
1.ターゲティング精度が高い
Facebook広告の最大の特徴は、高いターゲティング精度にあります。
FacebookはほかのSNSとは異なり、実名での登録を求められます。ユーザーの本名はもちろん、年齢や居住地、勤め先など正確なプロフィール情報に基づいて広告を配信できるのが強みです。
またFacebook広告では、類似オーディエンスを設定することもできます。類似オーディエンスとは、既存の顧客と属性や行動履歴が似たユーザーをターゲティングできる機能で、自社商品や自社サービスに関心を持つユーザーにリーチを広げられます。
2. 少額からの広告配信が可能
Facebook広告は 1日あたり数百円から配信できるため、初めての方でもリスクを抑えて取り組める広告だと言えます。最初は少額で広告配信を開始し、効果を確認しながら予算を増額して大きな効果を狙うという運営が可能です。
また、Facebook広告はリスティング広告に比べてCPC(クリック単価)も低くなる傾向があります。Facebook広告はターゲティングの精度が高く、同じ予算のリスティング広告よりもクリック率が上昇しやすくなることから、CPCをより低い水準に保てます。
なお、実際にFacebook広告で成果を出していきたい場合は、業種や狙いたいマーケットの規模にもよりますが月間3万円から始めていくのがおおよその目安になります。ここから必要なら増額したり、A/Bテストや効果測定を通して費用対効果を高めていったりすることで、Facebook広告ならではの効果の高さを実感できるでしょう。
Facebook広告の具体的な費用については、以下の記事をご覧ください。
3. Meta社の各媒体および提携アプリに配信可能
Facebook広告は、Meta社(旧Facebook社)が運営するさまざまな媒体に配信できます。
主な配信先は以下の通りです。
- Facebook
友達や家族とつながり、自分に関連する情報やニュースをシェア・発信することが可能
- Instagram
SNSのなかでも特に写真や動画の投稿がメインとなるプラットフォーム
- Messenger
Facebookユーザー同士で簡単に連絡を取り合えるメッセージアプリ
- オーディエンスネットワーク
Facebookと提携しているモバイルアプリに広告を配信できる仕組み
こうした複数の媒体で広告が表示されることで、Facebookユーザー以外にもアプローチが可能になります。
実際の広告運用では、「広告マネージャ」というMeta社提供の広告ツールを用い、4種類の媒体への広告配信をまとめて管理することになります。特にFacebookとInstagramはSNSとしての機能に近い点が多いことから、同じクリエイティブ(画像や動画)を同時に配信しやすく、同時運用することも多いでしょう。
オーディエンスネットワークは外部のモバイルアプリへ配信することから、Facebook広告やInstagram広告とは少し使い勝手が異なります。例えば、アプリ画面の上部や下部にバナー広告を表示したり、画面全体に大きくポップアップするインタースティシャル広告を表示したりします。
オーディエンスネットワークについては、以下コラムで詳しく解説しています。
4. 広告出稿の手順がシンプル
Facebook広告の出稿は、表示される指示に従っていくだけで簡単に行うことができます。具体的には広告の目的や予算、ターゲティング、配信期間、画像やテキストを順に入力します。
広告の目的に合わせて多彩な広告フォーマットが提供されています。
5. ニーズに合わせたコスト戦略が設定可能
Facebook広告には、広告オークションの入札価格をコントロールする仕組みがあります。
この仕組みにより、「一定の入札価格を維持したい」「広告費に対して得られた売上を最適化したい」など、広告主によるコスト戦略を設定することができます。
6. 広告の効果測定が簡単
広告配信において、効果測定は費用対効果を最大化するために欠かせないプロセスです。
Facebook広告のプラットフォームには、いいね!の数や自社サイトでの問い合わせ数、アプリのダウンロード回数などを定量的な数値で確認できる機能があらかじめ備わっているので、効果測定のためのツールを別途用意する必要がありません。
Facebook広告の基本構造
Facebook広告の出稿を設定する際には「キャンペーン」「広告セット」「広告」の3層構造を理解しておく必要があります。
- 【キャンペーン】 「自社サイトのアクセスを増やしたい」「Facebookページのファンを増やしたい」などの目的に対応した枠組みを「キャンペーン」と呼びます。1つの目的に対して、1つのキャンペーンを設定します。
- 【広告セット】 広告セットでは、予算や配信スケジュール、配信先の選定(ターゲティング)の設定などを行います。キャンペーンの下に複数の広告セットを設定できます。
- 【広告】 広告とは、実際に配信される広告のコンテンツ(テキスト、画像、動画)を設定する場所です。広告セットの下に複数の広告を設定できます。なお、複数の広告を同時配信することにより、どの広告が最も効果的なのかを比較することができます。
例えば、自社ではFacebook広告を通してブランド認知を広げたいので、キャンペーンの目的で「認知度」を選択するとします。今後この目的のみで運用を続けていくなら、キャンペーンはずっと1つで問題ありません。一方、月間で分けるなど運用上の理由からキャンペーンを分けるといった使い方もあります。
広告セットはキャンペーンの下に複数セットできます。月ごとに管理したいなら、1月の広告セット、2月の広告セット…というように分けると運用しやすいでしょう。また、異なるターゲットに同じ広告を配信したい場合も、広告セットを2つ用意することになります。
広告セットの下に、広告を複数セットできます。同じ条件の広告セットの中で、どの画像が最も良い反応を得られるか見たい場合は、広告を2つ作成することになります。
以下、キャンペーン・広告セット・広告の設定例を2パターンご紹介します。
キャンペーン・広告セット・広告の設定例1
設定例1では、まずキャンペーンの目的を「認知度」で設定しました。ブランドの認知度を上げ、中長期的に想起やファンを増やす戦略です。
どのオーディエンス(ターゲティング)が最も高い効果が出るかを探るために、広告セットは2つ設定しました。1つは、性別・年齢・地域・興味関心などの属性で絞り込んだオーディエンスを使用します。もう1つは、カスタムオーディエンスを使用し、Facebookでなんらかのエンゲージメントがあったユーザーおよび近い属性のユーザーへアプローチします。
広告では、どちらも基本的に同じ広告を使用します。こうすることでデータを蓄積し、どのようなオーディエンスに一番広告が届きやすいかを探っていきます。
キャンペーン・広告セット・広告の設定例2
設定例2では、キャンペーンを2つ設定し、「認知度」と「リード」を用意しました。ブランドの認知度を増やしつつ、リードを創出しコンバージョンを増やす狙いです。
認知度のほうは、広告セットにて主にInstagramで配信する設定にしました。魅力的な写真や目を引く動画コンテンツを駆使して、ファンを増やしていきます。広告では、画像や動画などさまざまなパターンを試します。
リード獲得のほうは、広告セットにて主にFacebookで配信する設定にしました。今すぐにでも購買行動に移しそうなユーザーはFacebookに多いと仮定し、見込み客の関心を後押しする内容の広告を配信します。画像広告やカルーセルなども駆使しますが、Facebookページも運用しているため、自社フィード投稿をそのまま広告クリエイティブとしても使用します。
Facebook広告ではこのように、自社の目的や戦略に合わせて3層構造の設定を使い分けていくことになります。
Facebook広告の仕組みと課金方式
Facebook広告は、基本的にオークション形式を採用しています。
ユーザーに広告を表示するタイミングで必ず「広告オークション」が行われ、候補に挙がっている広告の中から最適だと判断された広告が選定され、表示される仕組みです。
広告オークションのプロセスでは、利用者と広告主の両方にメリットがあるようなアルゴリズムで広告が選定されます。
具体的には「入札価格」「推定アクション率」「広告品質」から広告ごとの全体的な価値が計算され、最も価値の高い広告が表示されます。
また、Facebook広告では課金されるタイミングを以下の2つの方式から選択できます。
- クリック課金(CPC:Cost per Click)
- インプレッション課金(CPM:Cost Per Mille、Milleはフランス語で1,000の意味)
クリック課金
クリック課金とは、広告がクリックされた時に課金される方式です。
クリックされなければ、何度ユーザーに広告が表示されても課金されません。
インプレッション課金
インプレッション課金とは、広告がユーザーに1,000回表示されたときに課金される方式です。
インプレッション課金の場合は、クリックやいいね!の回数に関係なく、広告の表示回数に応じて課金されます。
クリック課金とインプレッション課金のメリット・デメリット
Facebook広告の料金体系の詳細を知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
Facebook広告の配置と広告フォーマット
次に、Facebook広告では「どこに」、「何が」表示されるのかを解説します。
「どこに表示されるか」については、Facebook広告においては「配置」と呼ばれます。配置の場所を理解することで、自社の広告がどのように見えるかを想像しながら運用ができます。
「何が表示されるか」については、広告フォーマットと呼ばれます。
配置
配置は、大きなくくりでいうとすでにご紹介した「Facebook」「Instagram」「Messenger」「オーディエンスネットワーク」の4つです。Meta社が提供する4つの媒体に向けて、広告を配信していきます。
それぞれの媒体において、具体的な配置が決まっています。
Facebookにおける主な配置は、以下のとおりです。
- Facebookフィード
- Facebookマーケットプレイス
- Facebook右上広告枠
- Facebookストーリーズ
- Facebookリール
- Facebookインストリーム広告
- Facebook上の検索結果
さまざまな配置へ広告を配信できることがわかります。中には、特定のキャンペーン目的でしか使用できない配置もあります。
Instagramにおける主な配置は、以下のとおりです。
- Instagramフィード
- Instagram発見タブ
- Instagram発見ホーム
- Instagramストーリーズ
- Instagramリール
- Instagram検索結果
FacebookとSNSとしての機能に共通点が多いことから、広告を配信できる配置も似ています。
Instagram広告では、Instagramならではの「発見タブ」にも広告を配信できる点が特徴だといえます。
Messenger
Messengerにおいては、配置は「Messengerストーリーズ」のみとなります。つながりのあるユーザー同士のメッセージのやり取りが主なアプリのため、広告を配信できるスペースは限られています。
オーディエンスネットワーク
オーディエンスネットワークにおける配置は、以下のとおりです。
- ネイティブ
- バナー
- インスタースティシャル
- 動画リワード
外部のモバイルアプリに配信する形式のため、FacebookやInstagramとは配置のタイプが異なっています。
SNSではあまり接点のないユーザーにも広告を届けたい場合、オーディエンスネットワークを使用することになります。
広告フォーマット
Facebookの広告フォーマットは以下の4種類に分かれます。
- 画像広告
1つの広告に対して1枚の画像を表示できる広告フォーマット - 動画広告
1つの広告に対して1つの動画を表示できる広告フォーマット - カルーセル広告
1つに広告に2~10枚の画像や動画を表示できる広告フォーマット - コレクション広告
カタログのように複数の商品やサービスを紹介できる広告フォーマット
広告フォーマットの種類ごとにどのような効果が得られるのかという点を理解したうえで運用することが大切です。リーチ獲得やブランディングなど、あらかじめ目的を明確にしておきましょう。
詳しくは以下の記事で解説しています。
Facebook広告を出稿する前に準備しておくこと
Facebook広告を出稿する前に準備しておくべきことは、以下の3点です。
- Facebookページの開設
- Meta Business Suiteの設定
- 広告クリエイティブの作成
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
Facebookページの開設
Facebook広告を利用するには、まずFacebookページを作成する必要があります。
Facebookページとは、企業や組織・クリエイターなどが自社のプロモーションなどを目的として運用するビジネス用のページです。個人のFacebookアカウントと違い、複数人で管理できます。
基本的な企業のFacebook運用としては、まずFacebookページを作成して投稿を行いながらユーザーと交流し、より多くのユーザーとの接触を増やすためにFacebook広告を出稿する…という流れになります。
Facebookページを作成する大まかなステップは以下のとおりです。
- Facebook個人アカウントを作成
- Facebookページの新規作成
- ページ名・カテゴリ・URLなどページ情報を入力
Facebookページの詳しい作成方法については、以下コラムをご覧ください。
Meta Business Suiteの設定
Meta Business Suiteとは、Meta社が提供しているツールを一元管理できるビジネスツールアセットです。かつてはFacebookビジネスマネージャという名前で提供されていました。
Meta Business Suiteを導入することで、自社のFacebookページやInstagramアカウントはもちろん、本記事の主題である広告マネージャも使用できるようになります。FacebookやInstagramをビジネス運用するなら、欠かせないツールといえます。
Meta Business Suiteは、上記のFacebookページを作成した上で、こちらからFacebookアカウントでログインすることですぐに使用できるようになります。
広告クリエイティブの作成
広告の核となるクリエイティブを準備します。広告クリエイティブの出来は、広告オークションで重要な「広告品質」に影響します。見やすさ、読みやすさ、理解のしやすさを意識して作成しましょう。
画像内、あるいは動画内にテキストを入れ込む場合は、特に見やすさやユーザーにとって有益かどうかに注意しましょう。かつては「画像内テキスト(テキストオーバーレイ)が20%以上になると広告が配信されない」というルールがあり、現在は撤廃されているものの20%未満が推奨されていると考えられています。なお、20%未満推奨の文言もFacebookのヘルプページからなくなっているため、現在は数値を気にしすぎず、クリエイティブ全体の品質に注意を払うほうが得策でしょう。
Facebook広告のテキストオーバーレイについては、以下コラムにて詳しく解説しています。
また、配置によって設定可能なクリエイティブのアスペクト比が変わる点にも要注意です。
例えば、FacebookおよびInstagramストーリーズでは縦長の動画をクリエイティブとして使用できますが、FacebookおよびInstagramフィードでは、オーガニック投稿と同じように「1.91:1~4:5」のアスペクト比が求められます。そのため、ストーリーズで使った縦長の動画を同じようにフィードで使うことはできません。
Facebook広告の出稿ステップ
Facebook広告の設定は、本記事でもすでにご紹介している3層構造「キャンペーン・広告セット・広告」の上から行っていきます。
※細かい設定項目は一例です。
支払い方法を設定した上で最後まで完了しないと広告は出稿されないので、「広告マネージャ」にログインし、ぜひ一緒にやり方をつかんでみてください。
キャンペーンの設定
- まずは、広告マネージャのキャンペーン一覧から[+作成]をクリックします。
- すると、キャンペーンの目的を選択するポップアップが出てきます。今回は「認知度」を選びました。どの目的を選択するかによって、以降の設定項目はいくつか変更があります。
- 以下のような画面が出てきた場合は、難しくないので手動にチャレンジしてみてください。
- このような画面に移ります。左カラムを見ると、Facebook広告の3層構造に合わせて設定を進めていく様子がわかります。
- 真ん中のカラムが設定項目です。以下、それぞれ解説します。
キャンペーン名
管理しやすい、わかりやすい名前をつけましょう。
キャンペーン詳細
ここからキャンペーンの目的を変更できます。
また、広告で消費する予算は通常次の広告セットで設定しますが、キャンペーン単位で設定することもできます。その場合、ここの項目で上限予算を設定します。
Advantageのキャンペーン予算
デフォルトではオフですが、オンにすることで、キャンペーン内の各広告セット間で予算を自動配分し、より多くの成果が達成できるような出稿が行われます。
A/Bテスト
A/Bテストとは、2種類の選択肢のうちどちらのパフォーマンスが優れているかを測るためのテストで、Web施策では広告に限らず広く採用されています。Facebook広告でもA/Bテストを実施可能です。
ここでA/Bテストの作成をオンにしておくと、キャンペーンの公開後に別の設定項目からA/Bテストを作成できます。
特別な広告カテゴリ
「信用、雇用、住宅、社会問題、選挙または政治に関連した広告」を設定したい場合は、この項目にて申告する必要があります。
これらのカテゴリは人々の生活に密接に関わってくることから、Metaによってより透明性の高い管理が行われます。
広告セットの設定
キャンペーンの設定で「次へ」をクリックしたら、広告セットの設定へ移ります。
広告セット名
キャンペーン名と同様に、管理しやすい名称を付けます。
認知
キャンペーンの目的で「認知度」を選んだため、この項目が出てきました。ここでは、広告のパフォーマンスをどのように最大化するのかや、広告予算のコストコントロールを行います。
コストコントロールは任意ですので、最初は特に入力なしでも問題ありません。
ダイナミッククリエイティブ
一部の目的や、いくつかの設定の組み合わせによっては使用できませんが、Facebook広告では「ダイナミッククリエイティブ」と呼ばれる自動設定があります。
ダイナミッククリエイティブでは、このあと設定する広告について、広告システムが表示ユーザーに合わせて最適な組み合わせを行っていきます。例えば、画像を一部トリミングしたり、暗い写真を明るくしたり、見出しや本文を入れ替えたり、画像から動画を作成したり、といったような変更です。
これにより、表示ユーザーに合わせてより興味を引くクリエイティブの表示が可能だとしています。
予算と掲載期間
広告出稿に使う予算およびその予算を消化する掲載期間について、この項目で設定します。
「1日の予算」では、設定した金額×7を最大値として、1週間のうち効果の高い日に多くの予算を消化します。例えば、1,000円で設定した場合、1,200消費する日もあれば800円消費する日もありますが、1週間で7,000円を超えることはありません。
「通算予算」では、ここで設定した掲載期間の間に消化する最大予算を設定します。1日ごとの消化の仕方については、「1日の予算」と同様です。
オーディエンス管理、Advantage+ オーディエンス
オーディエンス(ターゲット)の設定については、2つの項目にまたがって設定します。「オーディエンス管理」で設定するのは、広告を配信する地域や最低年齢、言語など、「Advantage+ オーディエンス」で設定するのは年齢、性別、詳細ターゲット設定、カスタムオーディエンスです。
それぞれ、以下のような特徴があります。
【地域】
ユーザーの地域に基づいて広告のターゲットを設定します。例えば、国、州、都道府県、市区町村、郵便番号が指定できます。地域名(例:ヨーロッパ)でも設定できます。
【年齢】
広告の対象になる年齢層を設定します。13才~65才以上の範囲で設定できます。
【性別】
広告の対象になる性別を設定します。「男性」「女性」「すべて」を選択できます。
【言語】
特定の言語を使うユーザーを広告のターゲットに設定できます。例えば、英語(イギリス、米国、すべてを選択可)、フランス語、日本語などの絞り込みが可能です。
【利用者層】
ここから3つは、「詳細ターゲット設定」で設定できる項目です。ユーザー層の特性、学歴、仕事、収入、家族状況などをターゲット設定に利用できます。
【興味・関心】
利用者の多岐にわたる興味・関心事(スポーツ、映画、旅行など)をターゲット設定に利用できます。
【行動】
Facebookの決済、キャンパスゲームのプレイ、AOLやAppleなどのメールを使っているか、デバイスのOS、利用しているブラウザ、Facebookの利用デバイス(スマホ等)、頻繁に海外旅行する人など、ユーザーの行動をターゲット設定に利用できます。
【カスタムオーディエンス】
上記までの要素はFacebook広告独自の絞り込み設定で、まとめてコアオーディエンスと呼ばれます。カスタムオーディエンスとは、自社データをベースとして設定するオーディエンスを指します。
例えば、Facebook広告では設定を行うことで自社Webサイトへ遷移したユーザーの行動をトラッキングすることもできます。こうしたユーザーデータを元にカスタムオーディエンスを作成すれば、より自社ターゲットに近いオーディエンスへの広告配信が可能になります。
カスタムオーディエンスでは「類似オーディエンス」も組み合わせ、自社データに近い属性のユーザーを含めることでより効果的に間口を広げることができます。
Facebook広告のターゲティング設定について詳しく知りたい方は、本メディアの下記ページをご確認ください。
配置
本記事でもすでにご紹介した配置について設定します。デフォルトでは「Advantage+ 配置(推奨)」がオンになっており、広告システムが自動で最適な配置へ広告配信を行います。
特に最初のうちは、自動配置の設定で問題ありません。
広告の設定
広告セットの設定が完了したら、「次へ」をクリックで広告の設定に移ります。
広告名
キャンペーン・広告セットと同様に、管理しやすいタイトルを付けます。
パートナーシップ広告
クリエイターや自社以外のブランドとの協業で広告を掲載する場合は、この項目をオンにします。広告コードと投稿情報を入力することで、広告の冒頭にパートナーの情報が記載されるようになります。
広告に表示する名前
どのFacebookページ、どのInstagramアカウントを使用するかを選択できます。
広告設定
広告フォーマットを画像・動画・カルーセル・コレクションから選択します。あるいは、既存の投稿をクリエイティブとして転用することもできます。
クリエイティブ
選択したフォーマットに合わせて、クリエイティブを登録・設定します。画像・動画については、この広告マネージャ上である程度の編集が可能であり、配置ごとの微調整も可能です。見出しや説明文、遷移先URLなどのテキストもここで入力します。
リンク先
広告をタップ/クリックしたユーザーをどこに遷移させるかを設定します。特定のWebページの他、MessengerやInstagramのメッセージ機能に誘導することも可能です。
Facebook広告の効果測定はどう行う?
Facebook広告を配信した後には必ず効果を確認します。広告マネージャを利用することにより、広告の表示回数やクリック回数などさまざまな指標が確認できます。
各指標の詳しい説明を知りたい方は、本メディアの下記記事をご確認ください。
また、Facebookピクセルを利用することで、Facebook広告から外部ページへ遷移した後の効果についても測定することが可能です。
Facebook広告の特徴を理解してビジネスで有効活用しよう
Facebook広告の全体像を理解していただけたでしょうか。
実際にFacebook広告を運用することにより、それぞれのビジネスにマッチしたノウハウが蓄積されていきます。Facebook広告の運用(出稿と効果測定)は自社で行うか、広告代理店に依頼することもできます。代理店に依頼する場合でも、Facebook広告の全体像や効果測定の各指標の意味を理解しておいた方が効率的・持続的に運用ができます。
また、成功事例を知り、そこから学びを得ることもオススメです。ビジネスの種類や規模、目的、広告クリエイティブ、獲得した効果などを成功事例から感触を掴んだ上で、自社のFacebook広告に取り組んでみましょう。
ただ成功事例を真似るのではなく、テンプレートのイメージとして活用することが重要です。Facebook広告の成功事例の詳細を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
Facebook広告への出稿を検討中の方は、本記事を参考に少額から広告配信を試してみてはいかがでしょうか。