Facebookは、2022年2月時点でデイリーアクティブユーザー数19億3,000万人を持つ巨大なプラットフォームです。国内の利用者数も2,600万人と最大規模を誇るため、Facebookに広告を出稿することで数多くのユーザーにリーチできます。
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Facebook広告の基礎と事例がわかる完全ガイド!
無料ガイド
・Facebook広告の目的とメリット
・広告の種類や料金体系
・わかりやすい出稿方法
・Facebook広告の活用事例
・広告の使いこなしによる差別化
Facebook広告は 1日あたり数百円から出稿でき、実名登録のSNSならではの高精度なターゲティングが特徴です。本記事では、Facebook広告の特徴や仕組み、出稿方法について説明します。
これからFacebook広告を出稿する方や、広告のプラットフォーム選びに迷っている方はぜひご覧ください。
基礎と事例を解説!Facebook広告完全ガイド
Facebook広告とは?
Facebookは、2022年3月時点で1日当たりの利用者数が19億3,000万人、1か月当たりの利用者数29億人を抱える巨大SNSプラットフォームです。Facebookには基本的に実名で登録されるといった特徴があり、多くの企業がFacebook広告を利用しています。
→ダウンロード: Facebookでオーディエンスを特定してリーチする方法
Facebookを利用されている方は、ニュースフィードで投稿に溶け込んだ形の広告を見たことがあるのではないでしょうか。また、Amazonで検索した商品が、Facebookに表示された経験もあると思います。これらはすべてFacebook広告です。
Facebook広告の配信先は Facebookだけでなく、InstagramやFacebookと提携している多種多様なメディア・モバイルアプリ(オーディエンスネットワークと呼びます)にも配信可能です。この中から、広告の目的や内容に適した利用者を選別(ターゲティング)して、広告を配信します。
オーディエンスネットワークについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
Facebook広告の特徴
Facebook広告の特徴は以下の通りです。
- ターゲティング精度が高い
- 少額からの広告配信が可能
- Meta社の媒体などに配信可能
- 広告出稿の手順がシンプル
- ニーズに合わせたコスト戦略が設定可能
- 広告の効果測定が簡単
それぞれの特徴について詳しく解説します。
1.ターゲティング精度が高い
Facebook広告の最大の特徴は、高いターゲティング精度にあります。
FacebookはほかのSNSとは異なり、実名での登録を求められます。ユーザーの本名はもちろん、年齢や居住地、勤め先など正確なプロフィール情報に基づいて広告を配信できるのが強みです。
またFacebook広告では、類似オーディエンスを設定することもできます。類似オーディエンスとは、既存の顧客と属性や行動履歴が似たユーザーをターゲティングできる機能で、自社商品や自社サービスに関心を持つユーザーにリーチを広げられます。
2.少額からの広告配信が可能
Facebook広告は 1日あたり数百円から配信できるため、初めての方でもリスクを抑えて取り組める広告だと言えます。最初は少額で広告配信を開始し、効果を確認しながら予算を増額して大きな効果を狙うという運営が可能です。
また、Facebook広告はリスティング広告に比べてCPC(クリック単価)も低くなる傾向があります。Facebook広告はターゲティングの精度が高く、同じ予算のリスティング広告よりもクリック率が上昇しやすくなることから、CPCをより低い水準に保てます。
Facebook広告の具体的な費用については、以下の記事をご覧ください。
3.Meta社の媒体などに配信可能
Facebook広告は、Meta社(旧Facebook社)が運営するさまざまな媒体に配信できます。
主な配信先は以下の通りです。
- Facebook
友達や家族とつながり、自分に関連する情報やニュースをシェア・発信することが可能 - Instagram
SNSのなかでも特に写真や動画の投稿がメインとなるプラットフォーム - Messenger
Facebookユーザー同士で簡単に連絡を取り合えるメッセージアプリ - オーディエンスネットワーク
Facebookと提携しているモバイルアプリやモバイルサイトに広告を配信できる仕組み
こうした複数の媒体で広告が表示されることで、Facebookユーザー以外にもアプローチが可能になります。4つ目のオーディエンスネットワークについては、以下の記事で詳しく解説しています。
4.広告出稿の手順がシンプル
Facebook広告の出稿は、表示される指示に従っていくだけで簡単に行うことができます。具体的には広告の目的や予算、ターゲティング、配信期間、画像やテキストを順に入力します。広告の目的に合わせて多彩な広告フォーマットが提供されています。
5.ニーズに合わせたコスト戦略が設定可能
Facebook広告には、広告オークションの入札価格をコントロールする仕組みがあります。この仕組みにより、「一定の入札価格を維持したい」「広告費に対して得られた売上を最適化したい」など、広告主によるコスト戦略を設定することができます。
6.広告の効果測定が簡単
広告配信において、効果測定は費用対効果を最大化するために欠かせないプロセスです。Facebook広告のプラットフォームには、いいね!の数や自社サイトでの問い合わせ数、アプリのダウンロード回数などを定量的な数値で確認できる機能があらかじめ備わっているので、効果測定のためのツールを別途用意する必要がありません。
Facebook広告の基本構造
Facebook広告の出稿を設定する際には「キャンペーン」「広告セット」「広告」の3層構造を理解しておく必要があります。
- 【キャンペーン】 「自社サイトのアクセスを増やしたい」「Facebookページのファンを増やしたい」などの目的に対応した枠組みを「キャンペーン」と呼びます。1つの目的に対して、1つのキャンペーンを設定します。
- 【広告セット】 広告セットでは、予算や配信スケジュール、配信先の選定(ターゲティング)の設定などを行います。キャンペーンの下に複数の広告セットを設定できます。
- 【広告】 広告とは、実際に配信される広告のコンテンツ(テキスト、画像、動画)を設定する場所です。広告セットの下に複数の広告を設定できます。なお、複数の広告を同時配信することにより、どの広告が最も効果的なのかを比較することができます。
Facebook広告の仕組みと課金方式
Facebook広告は、基本的にオークション形式を採用しています。
ユーザーに広告を表示するタイミングで必ず「広告オークション」が行われ、候補に挙がっている広告の中から最適だと判断された広告が選定され、表示される仕組みです。
広告オークションのプロセスでは、利用者と広告主の両方にメリットがあるようなアルゴリズムで広告が選定されます。具体的には「入札価格」「推定アクション率」「広告品質」から広告ごとの全体的な価値が計算され、最も価値の高い広告が表示されます。
また、Facebook広告では課金されるタイミングを以下の2つの方式から選択できます。
- クリック課金(CPC:Cost per Click)
- インプレッション課金(CPM:Cost Per Mille、Milleはフランス語で1,000の意味)
クリック課金
クリック課金とは、広告がクリックされた時に課金される方式です。クリックされなければ、何度ユーザーに広告が表示されても課金されません。
インプレッション課金
インプレッション課金とは、広告がユーザーに1,000回表示されたときに課金される方式です。インプレッション課金の場合は、クリックやいいね!の回数に関係なく、広告の表示回数に応じて課金されます。
クリック課金とインプレッション課金のメリット・デメリット
メリット |
デメリット |
|
---|---|---|
クリック課金 |
ユーザーのクリック動作があるまで、何度表示されても課金されない |
軽い気持ちによるいいね!でも課金される |
インプレッション課金 |
表示を繰り返して認知を獲得できる |
効果のないまま予算が消費される可能性がある |
初めて広告を出す際にはクリック課金で様子を見るのがよいでしょう。いくつかの広告を配信すると、広告によるクリック率の違いが見えてきます。
クリック率が高い広告の課金方式をインプレッション課金に変更し、配信コストを抑えつつ広告の効果を確認する運用を検討してみましょう。
Facebook広告の料金体系の詳細を知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
Facebook広告の掲載場所と広告フォーマット
次にFacebook広告の掲載場所と広告フォーマットをご紹介します。こうしたFacebook広告の仕様を知っておくと、よりスムーズにクリエイティブを作成することができます。
掲載される場所
Facebook広告の掲載場所は以下の通りです。
配信媒体 |
対応端末 |
主な配信面 |
---|---|---|
パソコン |
|
|
スマートフォン |
|
|
スマートフォン |
|
|
Messenger |
スマートフォン |
|
オーディエンスネットワーク |
スマートフォン |
|
配信面とは、広告が実際に表示される広告枠のことです。配信面は広告が表示される媒体によって異なりますが、特に以下の種類は目にする機会が多いため覚えておきましょう。
- Facebookニュースフィード
自分や友達の近況やそれに対するコメントなどを表示するニュースフィード内に広告を掲載 - Facebookの右側広告枠
FacebookのPC版限定で、ニュースフィードの右側にある広告枠に掲載 - Instagramフィード
Instagramアプリを開いた際に表示される写真・動画リスト内に広告を掲載 - Instagram発見タブ
Instagramの虫眼鏡マークをタップすると表示される発見タブ内に広告を掲載 - ストーリーズ
24時間だけフォロワーに写真や動画を表示できるストーリーズ内に広告を掲載 - インストリーム動画
知名度の高いパブリッシャーが公開する動画のなかに動画広告を掲載
広告フォーマット
Facebookの広告フォーマットは以下の4種類に分かれます。
- 画像広告
1つの広告に対して1枚の画像を表示できる広告フォーマット - 動画広告
1つの広告に対して1つの動画を表示できる広告フォーマット - カルーセル広告
1つに広告に2~10枚の画像や動画を表示できる広告フォーマット - コレクション広告
カタログのように複数の商品やサービスを紹介できる広告フォーマット - インスタントエクスペリエンス
モバイル端末でタップするとフルスクリーンで広告が表示される広告フォーマット
広告フォーマットの種類ごとにどのような効果が得られるのかという点を理解したうえで運用することが大切です。リーチ獲得やブランディングなど、あらかじめ目的を明確にしておきましょう。
詳しくは以下の記事で解説しています。
Facebook広告を出稿する前に準備しておくこと
Facebook広告を出稿する前に準備しておくべきことは、以下の2点です。
- 広告クリエイティブの作成
- ビジネスマネージャの設定
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
広告クリエイティブの作成
まずは、広告の核となるクリエイティブを準備します。広告クリエイティブの出来は、広告オークションで重要な「広告品質」に影響します。見やすさ、読みやすさ、理解のしやすさを意識して作成しましょう。
なお、画像内へのテキストの配置は最小限にすることが重要です。画像内におけるテキストの面積が20%を超えると、広告のパフォーマンスが低くなる可能性があります。
また同じ広告フォーマットでも、配信面が異なるとクリエイティブの推奨値にも差が生まれるので注意が必要です。Facebook広告の推奨サイズや適正な文字数などについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ビジネスマネージャの設定
Facebookのビジネスマネージャとは、マーケティングや広告活動を一元管理する機能です。広告だけではなくFacebookページやアカウント、メンバーのアクセス管理も行えます。
新しい広告アカウントはビジネスマネージャから作成でき、広告運用におけるチームメンバーや外部パートナー(広告代理店など)など、メンバー毎に異なる権限を設定することができます。
Facebook広告の出稿ステップ
Facebook広告の出稿ステップは、以下3つの手順に分かれます。
出稿ステップ |
設定内容 |
---|---|
1.キャンペーンの設定 |
|
2.広告セットの設定 |
|
3.広告の設定 |
|
そのなかでも特に重要度の高い3つのポイントについて解説します。
- キャンペーンの目的
- ターゲット設定
- コスト設定
キャンペーンの目的
Facebook広告を出稿する際は、まずキャンペーンの目的を選択します。
Facebook広告で選択できる目的は次の通りです。
購買プロセス |
目的 |
ビジネスの目標 |
---|---|---|
認知 |
ブランディング |
ブランドや製品の認知度を高める |
リーチ |
数多くのユーザーに広告を表示させる |
|
検討 |
トラフィック |
Facebookからリンク先にユーザーを誘導 |
エンゲージメント |
いいね!やシェアする可能性が高いユーザーにリーチする |
|
アプリインストール |
アプリストアにユーザーを誘導 |
|
動画の再生数アップ |
動画コンテンツでユーザーの興味を引く |
|
リード獲得 |
製品に関心を持つユーザーの情報を収集 |
|
メッセージ |
潜在顧客や既存の顧客とコミュニケーションを行う |
|
行動 |
コンバージョン |
Facebook上で特定のアクションを促す |
カタログ販売 |
カタログ商品を掲載して売上を増やす |
|
来店数増加 |
近隣ユーザーに実店舗の所在地をPR |
選択した目的によって設定項目やフォーマットが変わる場合があるため、それぞれの違いをよく理解しておきましょう。
ターゲット設定
Facebook広告は多くの利用者にアプローチできる強力な広告ツールです。幅広いアプローチ先から広告に関心をもってくれそうな利用者を絞り込むためにターゲット設定を行います。ターゲット設定で利用できる基本的な項目は以下の通りです。
【地域】
ユーザーの地域に基づいて広告のターゲットを設定します。例えば、国、州、都道府県、市区町村、郵便番号が指定できます。地域名(例:ヨーロッパ)でも設定できます。また、以下のような設定も可能です。
- この地域に住んでいる人
- 最近この地域にいた人
- に住んでいる人、または最近この地域にいた人
- を旅行中の人
【年齢】
広告の対象になる年齢層を設定します。13才~65才以上の範囲で設定できます。
【性別】
広告の対象になる性別を設定します。「男性」「女性」「すべて」を選択できます。
【言語】
特定の言語を使うユーザーを広告のターゲットに設定できます。例えば、英語(イギリス、米国、すべてを選択可)、フランス語、日本語などの絞り込みが可能です。
【つながり】
Facebook特有の機能で「ページにいいね!した人」「あなたのアプリを利用した人」「イベントに回答した人」などを設定できます。
【利用者層】
ユーザー層の特性、学歴、仕事、収入、家族状況などをターゲット設定に利用できます。
【興味・関心】
利用者の多岐にわたる興味・関心事(スポーツ、映画、旅行など)をターゲット設定に利用できます。
【行動】
Facebookの決済、キャンパスゲームのプレイ、AOLやAppleなどのメールを使っているか、デバイスのOS、利用しているブラウザ、Facebookの利用デバイス(スマホ等)、頻繁に海外旅行する人など、ユーザーの行動をターゲット設定に利用できます。
Facebook広告のターゲティング設定について詳しく知りたい方は、本メディアの下記ページをご確認ください。
コスト設定
Facebook広告では、広告を表示するタイミングのたびに広告オークションが行われ、多くの広告主の中からどの広告を配信するか決定します。
その際には「入札価格」がオークションの勝者を決める要素のひとつです。広告が表示されなければ意味がありませんが、費用対効果を高めた広告配信を行うためにコストコントロールと呼ばれる機能が提供されています。
コストコントロールを使用しない場合には広告の設定で入力した予算をすべて使うことを前提に、広告の目的に応じたイベント(リーチ、いいね!の獲得、リード獲得、動画再生など)の単価を抑えて広告を配信します。
ここからは以下の代表的な3種類のコストコントロールについて説明します。
- 平均目標達成単価上限
- 入札価格上限
- ターゲット単価
1.均目標達成単価上限
広告の目的に応じたイベントの単価に制限はなく、高い単価での入札も行います。同時に複数回の入札による平均単価に上限を設定できます。単価の小さいイベントを出来るだけ獲得して、平均単価を設定よりも低く抑える運用を行ってくれます。
2.入札価格上限
広告の目的に応じたイベントの単価に制限をかけて、上限設定より高い単価のイベントには入札しない運用を行ってくれます。単価が予想外に高いイベントに入札しないことにより、CPA(Cost Per Action:新規顧客1人を獲得するのに発生した費用)が高くならないようにコントロールします。
3.ターゲット単価
広告の目的に応じたイベントの平均単価が指定値のプラスマイナス10%程度になるように運用してくれます。広告効果の検証で指定した単価での効果を知りたい場合に利用します。コストコントロールの効果を得るには十分な配信データが必要です。少額予算で配信実績が少ない場合は、狙い通りに運用されない場合があるので注意してください。
Facebook広告の効果測定はどう行う?
Facebook広告を配信した後には必ず効果を確認します。広告マネージャを利用することにより、広告の表示回数やクリック回数などさまざまな指標が確認できます。
各指標の詳しい説明を知りたい方は、本メディアの下記記事をご確認ください。
また、Facebookピクセルを利用することで、Facebook広告から外部ページへ遷移した後の効果についても測定することが可能です。
Facebook広告の特徴を理解してビジネスで有効活用しよう
Facebook広告の全体像を理解していただけたでしょうか。
実際にFacebook広告を運用することにより、それぞれのビジネスにマッチしたノウハウが蓄積されていきます。Facebook広告の運用(出稿と効果測定)は自社で行うか、広告代理店に依頼することもできます。代理店に依頼する場合でも、Facebook広告の全体像や効果測定の各指標の意味を理解しておいた方が効率的・持続的に運用ができます。
また、成功事例を知り、そこから学びを得ることもオススメです。ビジネスの種類や規模、目的、広告クリエイティブ、獲得した効果などを成功事例から感触を掴んだ上で、自社のFacebook広告に取り組んでみましょう。
ただ成功事例を真似るのではなく、テンプレートのイメージとして活用することが重要です。Facebook広告の成功事例の詳細を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
Facebook広告への出稿を検討中の方は、本記事を参考に少額から広告配信を試してみてはいかがでしょうか。