Facebookの月間アクティブユーザー数は全世界で30億人を超えています(2023年12月公表)。
基礎と事例を解説!Facebook広告完全ガイド 2021年度版
このガイドではFacebook広告の目的やメリットだけではなく、広告の構造や料金体系、関連ツールなどについて詳しく解説しています。ぜひご活用ください。
- Facebook広告の目的とメリット
- 広告の種類や料金体系
- わかりやすい出稿方法
- Facebook広告の活用事例
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acebook広告は、実名制を活かした精度の高いターゲティングで狙ったユーザーに適切なアプローチができ、高い効果を期待できる広告媒体として注目されています。高いターゲティング精度から、費用についても高い費用対効果を期待できるでしょう。
Facebook広告では何ができる?
Facebook広告はFacebook内で表示される広告であり、通常、フィード投稿に紛れ込むように表示されます。
画像や動画の他、複数の画像・動画を組み合わせたカルーセル形式などさまざまなフォーマットで表示可能です。冒頭で述べたとおり、Facebook広告は高いターゲティング性能が特徴であり、自社がリーチしたい層に対し効果的にアプローチできます。
Facebook広告は現在「Meta広告」として提供されており、Meta社が提供しているその他の広告(Instagram広告、Messenger広告、モバイルアプリへ配信するオーディエンスネットワーク)と合わせて運用することになります。もちろん、Facebookにのみ出稿することも可能です。
Facebook広告では効果測定も容易であり、自社Webサイトへ遷移してからのユーザーの動きもトラッキング・分析可能です。どんな広告が高い効果を発揮したのか、運用のどこに課題があるのかを分析できれば、費用対効果を高めていけます。
Facebook広告の全体像について知りたい場合は、以下コラムをご覧ください。
Facebook広告の最低出稿金額は?
Facebook広告は最低100円から出稿することができますが、成果につなげるためには適切な予算を設定する必要があります。
料金設定の目安は、売上目標から逆算することがおすすめです。
例えば、単価1万円の商品の月間販売目標額を100万円とします。販売目標に到達するには、100万円(月間販売目標額)÷1万円(販売単価)=100個販売する必要があります。
原価や人件費などの費用を引いて、商品1個あたりの広告費が1000円だとした場合、1000円(1個あたりの広告費)×100個(販売目標数)=10万円の予算が必要になります。
Facebook広告の費用体系
Facebook広告の費用体系は以下の3種類です。
- インプレッション課金(CPM)
- クリック課金(CPC)
- ThruPlay(動画再生)
Facebook広告費用はどう決まる?
それぞれの課金方式について解説する前に、Facebook広告ではどのように広告費用が決まるのかについて解説します。
Facebook広告ではまず、広告配信で使用したい予算を設定します。広告の配信はある程度自動的に行われますが、設定した予算を超えて配信が行われることはありません。予算は「通算予算」と「1日の予算」から選択でき、通算予算ならその金額まで、1日の予算ならその7倍の金額までを1週間かけて消費します。
その後、広告配信のどの時点で料金が発生するかを決める「課金」の方式を選択します。それが「インプレッション課金(CPM)」と「クリック単価(CPC)、「ThruPlay(動画再生)」の3つです。ほとんどの場合はインプレッション単価で運用することになり、一部のシーンにおいてその他2つが選択できます。
実際に広告出稿がスタートすると、ユーザーの画面に広告が表示されるとき、似たような条件の他の広告とオークションを行います。
主にターゲットとの親和性、広告クリエイティブの品質、予算が比較対象となり、勝利した広告が表示されます。このとき、勝利して表示される広告以外に課金が発生することはありません。
インプレッション課金(CPM)
インプレッション課金(CPM)は「Cost Per Mille」の略で、広告が1000回表示されるごとに発生する費用のことを指します。CPMの算出方法は以下のとおりです。
CPM=広告表示のためのコスト÷表示回数×1,000
例えば、10万円の広告費で20万回の表示があった場合、CPMは500円となります。
CPMは広告を多くのユーザーに見てもらいたい場合に向いていて、商品やサービスの認知向上、企業のブランディングを目的とした広告配信におすすめです。
CPMでは広告のクリック数ではなくインプレッション(表示)数に対して課金されるため、広告の内容やクリエイティブがユーザーによってクリックされなかったとしても費用が発生します。
広告内容や掲載ジャンルによって異なりますが、Facebook広告のCPMの費用平均は100円∼500円となっています。
クリック課金(CPC)
クリック課金(CPC)は「Cost Per Click」の略で、ユーザーが広告をクリックするたびに料金が発生する費用体系です。CPCは以下のように算出します。
CPC=広告表示のためのコスト÷広告配信で発生したクリック数
例えば、10万円の広告費で1000回のクリックがあった場合、CPCは100円となります。
CPCの場合は実際にクリックされた回数が課金対象となるため、商品やサービスの販売、資料請求を目的とした広告配信など、コンバージョンを重視する場合に向いています。ただし、人気のキーワードで出稿する場合は料金が高くなる傾向があります。
Facebook広告のCPCの費用平均は100円前後で、ジャンルによっては300円になることもあります。
ThruPlay(動画再生)
ThruPlayは、広告のフォーマットに動画を使用したときに選択できる費用体系です。
15秒未満の動画の場合は、すべて再生されると課金が発生します。なお本当に最後まで再生されることは稀なことから、97%の再生ですべて再生されたとみなされます。
15秒以上の動画の場合は、15秒以上再生されたタイミングで課金が発生します。
Facebook広告費用どう決める?相場・運用パターンから考える
Facebook広告を始める際は、少なくとも月間3万円の予算を用意しましょう。予算が少なすぎると費用対効果を測るのが難しくなり、オークションで競合に負けてしまいます。
最初は月間3~10万円程度から
最初は1日1000円、月間3万円から様子を見るのがおすすめです。
3万円の予算で運用した場合、CPMが200円であれば1日に5000回表示できるため、ユーザーの傾向や効果を分析するのに十分なデータを得ることができます。2つの広告の効果を比較するA/Bテストで、成果が出やすい広告の比較も可能です。
月間3万円で効果が見込めることがわかれば、より多くのユーザーへ広告を配信するために予算のアップを検討するのもよいでしょう。ただし、予算を増やせば成果も比例して高まるというわけではない点に注意が必要です。
広告は常に検証と改善が必要です。費用対効果を算出して成果を確認することで、利益の上がらない広告に予算を費やすリスクを回避できます。
また、広告費用のみをアップするのが正解とも限りません。例えば、10万円の予算のうち3万円を広告費用にまわし、余った費用をデザインやバナーなどのビジュアル面やキャッチコピーに使うなど、成果が上がる方法を具体的に検討しましょう。
10万円以上運用する場合
月間10万円以上の予算で広告運用する場合、高単価のジャンルや商材の広告掲載にも取り組めます。また、代理店に広告運用を依頼する場合も最低でも月10万円の費用が必要です。
10万円以上の予算運用を検討している場合、適切な広告費を事前に予測することが重要です。ここではその方法を解説します。
広告費をシミュレーションする
Facebookでは、広告マネージャで広告をセットする際にターゲットを設定すると、1日あたりのコンバージョン数などの推定値をシミュ レーションできます。シミュレーション可能な指標は以下のとおりです。
シミュレーションを行うと、運用実績がなくても事前にパフォーマンスを予測でき、社内の意思決定の参考にもなります。
Facebook広告のシミュレーションは時間をかけるほど精度が上がるため、効果の高い広告運用に役立つデータを入手するためにも時間をかけてじっくりと取り組むことをおすすめします。
広告ライブラリで競合の具体的事例を調査する
Facebookが提供する「広告ライブラリ」機能では、Facebookに掲載されている広告のうちアクティブな広告をすべて閲覧できます。
掲載中の広告は誰でも検索が可能で、競合他社がFacebook広告に費やした金額などの情報を調査できます。
広告ライブラリでは以下の情報が確認可能です。
- 掲載開始日
- インプレッション数
- Facebook広告にあてた費用
- 広告を見たユーザーの年齢と性別の構成比
- 広告が表示された場所
広告ライブラリでは、フリーワードによる検索でさまざまな広告のステータスを確認できます。フィルター機能を使うことで、媒体や広告フォーマットのタイプなどを絞り込むことも可能です。
広告代理店に依頼する
Facebook広告は簡単な設定フローにより社内で運用することも可能ですが、広告代理店に運用代行を依頼する選択肢もあります。
広告代理店であれば費用感や効果的な広告の設定内容についてのノウハウがあるため、高い費用対効果での広告運用が期待できます。広告運用のための社内リソースを割く必要もなくなり、必要な業務に集中しつつプロモーション効果を得られるのも利点です。
広告代理店へ運用代行を依頼する際は、自社の予算内でFacebook広告に回せる金額と、代理店側が提案してくる金額をすり合わせていくことになります。費用をかければ必ず成果が出るわけではないため、まずは少額からスタートし、広告代理店が出してくれるレポートをもとに最適化していくのがいいでしょう。
また、Meta広告内にもInstagram広告などその他の媒体があり、Web広告でいえばX広告やLINE広告、Google ディスプレイネットワークなどさまざまな広告があります。Webプロモーションに使用できる予算から、どの媒体に配信すると効果を最大化できるかも広告代理店と相談できます。
広告代理店に依頼した場合の手数料は、広告費の20%もしくは1か月あたり3∼5万円程度が相場となっています。
Facebook広告の予算を設定する方法
Facebook広告の予算は以下4つの方法で設定することができ、掛け合わせも自由です。
- アカウントの上限予算
- キャンペーンの上限予算
- 広告セットの上限予算
- 入札単価
Facebook広告では、設定した予算の金額とその他配信方法の設定に合わせて、自動で入札が行われます。設定した上限を超えて費用が発生することはありません。
Facebook広告の仕組み
Facebook広告はシンプルな入れ子構造になっており、その各段階で費用の予算を設定できるようになっています。
基本的な仕組みは下図のとおりです。
まずMeta広告のアカウントがあり、この中で複数の広告を運用していきます。基本的には、1つのFacebookアカウントごとに1つの広告アカウントを運用することになります。
実際の広告運用においては、最も大きいカテゴリが「キャンペーン」です。キャンペーンは広告配信を行う目的ごとに設定します。例えば、認知度を上げるための広告と、Webサイトへのトラフィックを増やすための広告は別のキャンペーンで設定します。
1つのキャンペーン内には複数の「広告セット」を設定できます。広告セットでは、例えば広告をどこに表示するかを示す「配置」を設定でき、Facebookだけ・Instagramだけ・Facebookのストーリーズだけというように表示位置を分けられます。また、ターゲットのことを指すオーディエンスの設定もここで行います。
1つの広告セットには複数の「広告」を設定できます。広告はクリエイティブのことを指し、画像フォーマット、動画フォーマット、カルーセルなどから設定します。ここで新しいクリエイティブを登録することも、Facebookのオーガニック投稿をそのまま広告に使用することも可能です。
以上の構造の各段階のうち、「アカウント」「キャンペーン」「広告セット」にて、予算の上限や消費の仕方を設定できます。
アカウントの上限予算
アカウントの上限予算を設定して、広告アカウントごとに調整可能な予算を設定できます。
アカウントの上限予算を設定すると、広告費用を誤って設定してしまった場合など、想定外の事態が起きても、設定した予算以上の費用はかかりません。
広告費が上限に達すると配信中の広告はすべて停止し、費用は発生しなくなります。アカウントの上限予算の金額を引き上げるか、上限金額をリセットすれば、広告の掲載が再開可能です。
キャンペーンの上限予算
キャンペーンごとに上限予算を設定できます。
キャンペーンの上限予算は「1日の予算」と「通算予算」の2種類の設定から選べ、どちらを選んでもFacebook側でキャンペーンの目的を最適化するように調整してくれます。
配信の目的を決めるキャンペーンごとに予算が設定できるので、目的に応じた予算の配分が可能です。
広告セットの上限予算
広告セットごとに上限予算を設定することもできます。
「広告セット」とは、自社のFacebook広告をどのように配信するかを指定するもので、広告を配信するユーザーの指定や掲載期間の設定、広告レイアウトの選択などが行えます。
先ほど解説した「キャンペーン」では、「最終的に広告でどんな成果を得たいか」という広告の土台を設定し、広告セットでは「広告をどのように配信するか」を設定します。
広告を配信するユーザーの指定や掲載スケジュールの設定、予算、広告レイアウトの選択など、キャンペーンよりも具体的に配信に関する設定ができるため、費用対効果を算出しやすくなります。
入札単価
Facebook広告の入札単価は自動で最適化されますが、自分で設定したい場合は入札単価の上限を決めることができます。
入札単価の上限を設定しない場合、予算内で入札単価が際限なく上がる可能性があるため、CPCやCPA(コンバージョン1件あたりの単価)が高くなってしまいます。費用対効果も悪くなるので、広告運用に慣れてきたら入札単価の設定を検討しましょう。
Facebook広告の費用対効果を高めるには
Facebook広告の運用で費用対効果を高めるためには、以下のポイントを参考にしてください。
キャンペーン・広告セット・広告を使い分ける
上記で解説したように、Facebook広告はシンプルな入れ子構造になっていますが、始めからすべての段階で最適な運用を行うことは難しいでしょう。しかし、この構造を上手く使い分けることで、費用対効果を高められる可能性があります。
例えば、1つのキャンペーンの中に広告セットを追加し続けていると、目的に沿わない広告を配信してしまうかもしれません。自社Webサイトの商品ページの情報をまとめた広告を作ったのに、キャンペーンの目的が「認知度」だと、うまくコンバージョンせず予算を多く消費してしまうでしょう。
クリエイティブを改善する
優れたクリエイティブを登録することで、オークションに勝利し配信できる可能性が高まります。また、配信された後、ユーザーの目にも留まる可能性が高まり、費用対効果の改善が期待できます。
クリエイティブの改善には、A/Bテスト機能を活用したり、広告ライブラリで他社事例を確認したりといった方法があります。
効果測定の指標を活用する
Facebook広告では、広告マネージャからレポートを取得できます。配信しっぱなしではなく、こうしたレポートを活用して効果測定を行い、改善し続けることが重要です。
Facebook広告の効果の高め方については、以下コラムをご覧ください。
Facebook広告の費用対効果を高めよう
Facebook広告の最低出稿金額や費用体系、費用の目安、費用の設定方法を解説しました。
Facebook広告の費用は、広告作成で設定した費用体系によって決まります。配信の目的をきちんと定め、適切な費用体系を選択することで、予算が限られていても高い費用対効果を期待できます。
まずは月3万円の予算からはじめて、Facebook広告の効果を測定しましょう。本格的な広告運用を行う場合は、広告代理店への外注も検討するとよいでしょう。
業界や商材によって適切な予算は異なるため、時間をかけて試行錯誤してみてください。