Facebook広告は、拡散性の高さと実名登録制という特徴から、自社がコンテンツを届けたい層にしっかりと広告を届けられます。一方で、どこから改善すれば費用対効果を高められるのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
基礎と事例を解説!Facebook広告完全ガイド 2021年度版
このガイドではFacebook広告の目的やメリットだけではなく、広告の構造や料金体系、関連ツールなどについて詳しく解説しています。ぜひご活用ください。
- Facebook広告の目的とメリット
- 広告の種類や料金体系
- わかりやすい出稿方法
- Facebook広告の活用事例
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全てのフィールドが必須です。
本記事では、費用対効果を高めるための7つのポイントや、効果を測定するための3つのステップについてわかりやすく詳しく解説します。
Facebook広告の費用対効果が他より優れている3つの理由
広告費に対してどれだけの収益を上げられたかを示す指標を、「広告費用対効果(Return On Advertising Spend)」といいます。数値が大きくなるほど、収益が大きいことを表します。
本章では、Facebook広告の費用対効果が他の広告媒体よりも優れている3つの理由をご紹介します。
1. ユーザーターゲティングの精度が高いから
Facebookは実名登録制となっており、データベースの整合性が比較的高いSNSです。そのため、性別・年齢・ユーザーの趣味や関心、「いいね!」などの行動情報を含むFacebook独自のデータを利用し、精度の高いターゲティングが可能です。
適切なターゲティングで、コンバージョンにつながる可能性の高いユーザーへFacebook広告を届けることで、効率的かつ最大限の効果をあげられます。
2. クリック単価が他の広告媒体より安いから
Facebook広告のクリック単価(CPC)は最低100円なので、他の広告媒体より安く出稿できます。
一般的なリスティング広告の場合、クリック単価の相場は200円以上となっており、キーワードによって価格帯が大きく異なります。競合性の低いキーワードであれば100円以下で出稿でき、1,000円程度かかるケースもあります。
一方、Facebook広告はターゲティング精度が高く、同予算のリスティング広告と比べてクリック率(CTR)が高くなる傾向があるため、結果としてクリック単価を抑えた運用が可能です。
Facebook広告の費用の詳細については、こちらの記事でご紹介しています。
3. Instagramと連携できるから
Facebook広告の費用対効果が他媒体より優れている3つ目の理由として、Instagramにも広告配信できることがあげられます。
Instagramの国内月間アクティブ利用者数は3,300万人にのぼり、Facebookの国内月間アクティブ利用者数2,600万人と合わせると、約6,000万人ものユーザーへ広告を届けられます。
InstagramはFacebook(Meta)の傘下にあるため、アカウントを紐づけるだけで、FacebookのプラットフォームからInstagramへ広告配信できることが、他媒体にはない強みといえます。
Facebook広告の運用効果を高めるための7つのポイント
Facebook広告の運用効果を高めるための、7つのポイントをご紹介します。
- クリエイティブの品質を高める
- キャンペーンごとに広告の種類を変えるなど工夫する
- カスタムオーディエンスを活用する
- 自動入札も活用する
- 広告ライブラリを活用し他社広告をチェック
- 効果測定の指標をもとに効果を検証する
- 効果が出ない場合は要因の仮説を立てて検証する
1. クリエイティブの品質を高める
Facebook広告では、ユーザーに興味をもってもらうために、画像や動画などのクリエイティブの品質を高めることが重要です。
クリエイティブの品質を高めるための具体的なポイントは、以下のとおりです。
クリエイティブ推奨事項に基づいた画像・動画を作成する
Facebook広告では、各広告でクリエイティブ推奨事項が決められています。クリエイティブ推奨事項に基づいた画像・動画を作成することで、広告が表示されたときの見栄えがよくなり、ブランドイメージやクリック率の向上につながります。
ターゲットのニーズに合わせる
詳細なターゲティング設定ができるFacebook広告を活用し、年齢や性別だけでなく、趣味や興味・関心のある分野など、設定したいターゲットのニーズに合わせたクリエイティブを目指しましょう。
タイムラインになじむクリエイティブにする
Facebook広告をニュースフィードへ配信する場合、広告感が強いと、見る人へ心理的抵抗感を与える可能性があります。広告としてターゲットの興味をひく内容であるのと同時に、タイムラインになじむクリエイティブであることも大切です。そのためには、通常の投稿のような自然なクリエイティブを意識するとよいでしょう。
画像を複数テストして効果が高いものに注力する
Facebook広告では、1つの広告で最大6つのクリエイティブを使用できるため、画像を複数テストして比較しながら、より効果が高いものに注力しましょう。
2. キャンペーンごとに広告の種類を変えるなど工夫する
キャンペーンの目的によって広告の種類を変えることも、Facebook広告の運用効果を高めるうえで大切なポイントです。
具体的には、動的要素のある商品を紹介したい場合に「動画広告」や「ストーリーズ広告」を用いることや、同じカテゴリーで複数の商品を紹介する場合に「カルーセル広告」「スライドショー広告」「コレクション広告」を使用するといった工夫です。
Facebook広告の種類の詳細については、こちらの記事を参考にしてください。
3. カスタムオーディエンスを活用する
Facebook広告には、Facebook利用者の中から既存の顧客を発見する「カスタムオーディエンス」機能があります。カスタムオーディエンスは、類似オーディエンスへの広告配信としても活用できます。
カスタムオーディエンスについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
4. 自動入札も活用する
Facebookの入札方法には、手動入札と自動入札の2つの種類があります。手動入札は入札価格の上限を設定する必要があり、広告運用のノウハウが求められます。
初心者であれば自動入札の方が成果をあげやすいため、Facebook広告の運用に慣れるまでは、自動入札を活用することをおすすめします。
5. 広告ライブラリを活用し他社広告をチェック
Facebook広告が提供している「広告ライブラリ」は、Facebookと提携したアプリやサービス上の広告情報を閲覧できるサービスです。FacebookやInstagramなどMetaのサービス上で配信されているアクティブな広告は、すべて広告ライブラリから詳細を確認できます。
広告ライブラリにアクセスしたら、カテゴリを選択後、フリーワードや指名検索で広告を検索できます。検索結果ページでは、フィルター機能で任意の絞り込みをかけることも可能です。
競合他社の広告をチェックすることで、新たな視点で運用のヒントを得られる可能性があるため、うまく活用しましょう。
6. 効果測定を行う
Facebook広告で成果をあげるためには、定量的な効果測定を行い、今どのくらいの効果が出ているのかを正確に知ることが重要です。Facebook広告で効果を測定する方法は公式ツールだけでも多くの種類があり、サードパーティ製のツールも含めればよりさまざまな測定が行えます。
具体的な効果測定のステップについては、次の章にて解説します。
7. 効果が出ない場合は要因の仮説を立てて検証する
予測どおりの効果が表れていない場合は、その要因を分析しましょう。広告の成果を下げる要因には、以下のようなものがあります。
- キャンペーンを分割しすぎている
- オーディエンスが狭すぎる
- 広告がFacebookに適していない
7-1. キャンペーンを分割しすぎている
広告セットやクリエイティブがほとんど変わらない場合は、無理にキャンペーンを分割するよりも統一した方が効率的に訴求できます。
7-2. オーディエンスが狭すぎる
詳細なターゲティングの設定ができる点はFacebook広告の大きなメリットですが、ターゲットを絞り込みすぎると広告の表示機会が極端に少なくなり、集客効果が下がります。
仮にクリック率が5%、コンバージョン1%だとすると、潜在リーチ1,000人未満でコンバージョンを獲得するのは極めて困難です。想定クリック率や、コンバージョン率から逆算した潜在リーチを確保できる範囲で、オーディエンスを設定するとよいでしょう。
7-3. 広告がFacebookに適していない
検索エンジンの広告とは異なり、SNS広告では自然な宣伝が好まれる傾向があります。他の広告媒体で使用している広告素材をそのまま使うと、Facebookでは成果に結びつかないケースもあるので注意しましょう。
一般ユーザーが作ったコンテンツ(UGC)を使った自然な広告の配信で、顧客獲得単価が20%以上改善された事例もあります。成功事例は、こちらの記事でご紹介しています。
Facebook広告の費用対効果を測定する3ステップ
Facebook広告で確実に成果を伸ばすためには、効果を高める施策とあわせて効果測定が欠かせません。
具体的には、以下の3つのステップで効果測定を行いましょう。
1. 目標を設定
どのようなビジネスの達成も、目標を設定しなければ始まりません。Facebook広告でもさまざまな定量的なデータが取れるので、それを元にした目標を設定します。
Facebook広告を使用する目的が「ブランドやサービスの認知度を上げたい」ということなら、インプレッションが目標として適しているでしょう。
「ランディングページへの遷移を増やしたい」ということなら、クリック率やコンバージョン率が目標となります。販促まで考えるなら、コンバージョン単価も目標となるでしょう。
2. ツールを活用
目標を設定できたら、各種ツールを用いて効果測定を行います。Facebook公式のツールも多数あるため、まずは手近なものから試すのがおすすめですが、サードパーティ製のツールを導入して一元管理することもできます。
広告マネージャ
広告を作成・配信するための広告マネージャでは、広告のパフォーマンスを確認できるレポート機能も利用できます。
広告マネージャだけでもかなり詳細なデータが取れるため、まずはこちらのレポートを活用してみるのがいいでしょう。
A/Bテスト
能動的に効果測定を行う手段として、A/Bテストがあります。
A/Bテストとは異なる2つの条件を別のオーディエンスで試して効果を比較するよく知られたテスト手法ですが、広告マネージャで広告を設定する際に簡単に利用できます。どの広告がより効果を発揮したかがはっきりとわかるため、活用してみる価値があります。
リフトテスト
リフトテストも能動的に効果測定を行う手段であり、広告を見たグループと見ていないグループとで結果にどの程度の差があったかを測るものです。広告を見たグループをテストグループ、見ていないグループをホールドアウトグループと呼ぶことから、かつてはホールドアウトテストとして提供されていました。
こちらのテストも広告マネージャから実施可能であり、広告の目的にあわせて「コンバージョンリフトテスト」か「ブランドリフトテスト」かを選択できます。
Metaピクセル
Metaピクセルとは、Webサイトに設置できるコードの一種で、自社Webサイトに設置することでFacebook広告の効果をさらに測定できるようにするものです。
デフォルトの状態だと、広告のクリックまでは測定できても、その先のユーザーの行動までは測定できません。Metaピクセルを自社Webサイトに設置すると、例えばFacebook広告で商品に興味を持ったユーザーがWebサイトを訪れ、お気に入りのカラーを見つけたのでその場で購入する……という行動を取ったとき、Facebook広告側でその行動を測定できるようになります。
これにより詳細な分析が可能になる他、Webサイト上でコンバージョンしたユーザーと近い属性のオーディエンスへ次の広告を配信する、といった活用も可能となります。
Google アナリティクス
Webサイトの分析にGoogle アナリティクスを使用している場合、Metaピクセルとは逆のことができます。
具体的には、自社Webサイトへ遷移させるためのURLにパラメータを付与しておくことで、どのルートからWebサイトへ流入してきたかをGoogle アナリティクス側から測定できるようになります。
3. 他の広告と比較
Web広告を運用したいとなったとき、Facebook広告だけを運用することは少ないでしょう。実際、Facebook広告が自社に最も適した広告プラットフォームかはやってみないとわからず、複数のプラットフォームで広告を運用するのがおすすめです。
複数のプラットフォームで運用すると、効果の比較が行えます。例えば、Instagram広告は同じ広告マネージャから配信するため、比較が容易です。比較することでどの媒体が最も高い費用対効果を発揮しているかがわかり、費用の割り振りを再検討できます。
Facebook広告の効果が最大化するように運用しよう
Facebook広告は詳細なターゲティング設定や、多様な広告の種類が選択できること、費用が低価格であることから、他の広告媒体よりも費用対効果が優れています。
広告の費用対効果は、広告マネージャなどのFacebook公式ツールで確認でき、効果がでない時は、キャンペーンを分割しすぎていないか、オーディエンスが狭すぎないか、広告がFacebookに適していないのではないか、といった点を確認する必要があります。
Facebook広告の費用対効果を分析し、効果の最大化を目指しましょう。