目標設定の管理ツールとして注目されているOKR。GoogleやFacebookといった大手企業が採用していることでも知られていますが、従来の管理ツールとの違いや運用方法がわからないという方も多いのではないでしょうか。

→ダウンロード: 効率的な目標管理ができるOKR無料テンプレート

そこで、今回は主に以下について解説します。

  • OKR導入のメリット
  • KPIやMBOとOKRの違い
  • OKRの具体的な設定例
  • OKRを管理できるテンプレートの紹介

無料でダウンロードできるテンプレートもご紹介していますので、経営管理やマネジメントに課題を感じている方はぜひ参考にしてください。

OKRとは?

OKRとは

OKRは「Objectives and Key Results」の略で、組織が掲げるゴールを目指すための「達成目標(Objectives)」と、目標達成に向けた「成果指標(Key Results)」を意味します。つまり、組織と個人の方向性を明確にする目標管理のフレームワークのことです。

OKRが従来の目標管理と異なる点は以下の通りです。

  • まずは組織全体の目標を掲げる
  • 組織全体の目標とリンクさせた複数の「成果」を個人やチームの指標として設定する

個人やチームの目標が組織全体の目標とリンクするので、全体的な方向性が統一され、取り組むべきタスクの優先順位も明確になります。
 

OKRの要素と仕組み

OKRの図解

OKRは「O(目標)」と「KR(成果指標)」のふたつの要素で構成されます。最上位に組織の「O」があり、その「O」にチームや個人の「O」と「KR」が連なるイメージです。

OKRの構成

各要素を詳しく見ていきましょう。
 

要素1:Objectives(目標)

「Objectives(目標)」はシンプルで覚えやすく、チームや個人を鼓舞する挑戦的な内容にします。また、目標は定量的ではなく定性的でなければいけません。

目標達成までの期間は長期で設定せず、1ヵ月から四半期に定めます。なお、OKRでは設定期間内に60%〜70%の達成が予測される目標が必須です。
 

要素2:Key Results(成果指標)

「Key Results(成果指標)」は目標とは異なり、数値で明確に測れる定量的な内容にします。「難しいが実現は可能」「全力で挑めば達成できそう」というレベルがベストです。

KRは、1つの目標に対して2〜5つ設定します。KRが多すぎると負担が増え、集中力が削がれる可能性があるので注意しましょう。
 

OKR導入のメリット

OKR導入のメリット

OKR導入の具体的なメリットを見ていきましょう。

  • 評価サイクルをスピーディに回せる
    評価のサイクルが1ヵ月~四半期と短期間なので、目標の柔軟な調整や変更が可能です。また、OKRは目標そのものがシンプルなので、評価に時間がかかりません。
     
  • 社内コミュニケーションを改善
    同じフォーマットを組織内で共有するため、組織内のコミュニケーションが改善されます。定期的な目標の設定と評価の過程で上司と部下が接する機会を増やせば、組織内の意思疎通もスムーズになるでしょう。
     
  • 従業員の意欲向上
    組織と個人の方向性が統一されるOKRは、従業員の会社に対する自主的な貢献と意欲の向上にも役立ちます。また、全社員が目標を共有するので、個人の努力が組織に貢献できていることを社員のひとりひとりが実感できます。

    目標が多いとかえって集中できなくなる可能性もありますが、OKRは目標を限定し集中できるため、ひとつの目標に対して高いレベルで取り組めます。
     
  • 大胆な目標設定が可能に
    OKRの目標達成度と人事評価は切り離して運用します。成果が報酬に絡むと目標が保守的になりがちですが、OKRなら失敗を恐れずに大胆なチャレンジができます。
     

OKRと他の目標管理の違い

OKRと他の目標管理の違い

目標管理には、OKRのほかにも「KPI」や「MBO」があります。それぞれの特徴や違いを見ていきましょう。
 

KPIとの違い

業績管理のひとつに「KPI(Key Performance Indicator)」があります。KPIは最終目標達成に向けた「経過目標」を管理する方法で、成果の実行状況を設定されたマイルストーンごとに確認します。

目標に対する現状を客観的に測定して報酬を決定するKPIに対して、OKRは最終目標達成までのプロセス共有と可視化を主としたフレームワークという位置づけです。
 

MBOとの違い

MBO(Management by Objectives)は個人の報酬に関わる目標管理で、成果主義のさきがけとして活用されてきました。OKRとは異なり、100%の達成で成功とみなされます。

  OKR MBO
目的 生産性の向上 報酬の決定
レビューの頻度 毎週~四半期に1回 1年に1回
共有範囲 全社 本人と上司
達成水準 60~70% 100%

OKRの成果は人事評価に直結しないため、報酬に絡む目標設定と達成度を測る場合にはMBOを導入しましょう。
 

すぐに活用できるOKRの設定例

すぐに活用できるOKRの設定例

ここでは、OKRの設定手順と目標の設定例を紹介していきます。設定のイメージが湧かないという方はぜひ参考にしてください。
 

手順1:O(組織の目標)を設定する

まずは組織の「O」を設定します。到達できそうなレベルよりもワンランク上の挑戦的なゴールを設定しましょう。「目標」は定性的にする必要があるので、具体的な数値は不要です。

  • 組織のObjectives(目標)設定例
    「自社商品の知名度を上げる」
    「自社商品を海外に展開する」
     

手順2:組織のKR(成果指標)を設定する

組織のKRは定量的で明確に成果を測定できる内容にします。また、組織全体の目標と関連性がなければいけません。

  • 組織のKR設定例
    「自社商品に関する問い合わせを○○%増やす」
    「新規顧客を拡大して売上を○○円以上にする」
     

手順3:部門、チームのOKRを設定する

組織のOKRを基に、部門やチームのOKRを設定します。具体的な設定例は以下の通りです。

  • チームのOKR設定例
目標(O) 家電といったら自社の商品と思ってもらえるようにする
KR① 自社商品の販促を25カ所で行う
KR② HPをリニューアルして、自社商品のPV数を3倍にする
KR③ 自社商品ならではの魅力を3つ以上の媒体で紹介する

 

手順4:個人のOKRを設定する

部門やチームのOKRにリンクさせる形で、個人のOKRを設定します。具体的な設定例は以下の通りです。

  • 個人のOKR設定例
目標(O) 自社商品の良さを20代にも知ってもらう
KR① 20代が多く集まる都市で、自社商品のデモンストレーションを10回以上実施する
KR② HPに20代向けの特集ページを作成する
KR③ 20代に人気のインフルエンサー5人に、SNSで自社商品のコメントを書いてもらう

 

手順5:個人のOKR共有

全てのOKRが決まったら、ビジネスチャットなどを利用して全社員がOKRを共有できるようにします。誰でもいつでもOKRの内容を確認できるようにすることで、組織全体の方向性がより明確になります。

導入後も進捗状況の確認と目標達成の可能性、設定したOKRの妥当性を定期的に検証します。検証は毎週、あるいは隔週1回程度の頻度が最適です。
 

手順6:中間レビュー

設定期間の中間地点では、全体的な「中間レビュー」を実施します。設定期間を四半期にした場合は、1.5~2ヵ月が経過した時点で行いましょう。進捗に遅れがあるときには具体的な改善点を議論します。場合によっては、目標そのものを変更しても構いません。
 

手順7:最終レビュー

対象期間終了後は、全体的な成果の測定と評価をします。1から10までの「10段階評価」や、0から100%の「パーセント評価」を採用して明確な評価を行いましょう。評価に時間がかかると他の業務に支障をきたす恐れもあるので、初めから数値化しやすい目標を定めましょう。

達成度が低すぎたり高すぎたりした場合には、異なる目標への切り替えを検討します。
 

OKRの評価と人事評価は分ける

OKRの達成度と人事評価を直結させてはいけません。OKRの評価と報酬が直結すれば、多くの従業員は容易に達成できる目標を設定するでしょう。

OKRの目的はあくまでも「これまでの改善では達成できない高い目標の達成による個人の成長」です。組織の目標達成に向けて野心的に取り組むためにも、OKRの達成度と人事評価は切り離して運用してください。
 

OKRを導入したGoogleの狙いとは

Googleは四半期ごとに全社ミーティングを開いて、OKRの評価を実施しています。Googleでは個人の価値観でOKRを定めているため、チームでの統一は図られていません。

しかし、OKRで設定した目標には個人の信念が反映されるので、OKRを見ただけでもその個人が大切にしているものがわかります。また、上司と部下が1対1で話をする機会を定期的に設けて、各社員の現状を把握しています。

企業規模が大きくなるほど社内での意思疎通は難しくなりますが、Google はOKR導入のメリット「社内のコミュニケーション改善」を上手く利用している代表的な企業といえるでしょう。
 

OKRはテンプレートで管理できる

OKRのテンプレート管理

有料のOKRツールもありますが、Excelなどの表計算ソフトを使えば、テンプレートを自作することができます。作成したテンプレートを社内システム上の共有フォルダに置けば、社員同士の共有も可能です。

ただし、テンプレートの作成には表計算ソフトを扱うスキルや知識が必要になります。導入コストはかかりませんが、高機能なテンプレートの作成は難しいので、使用できる機能は制限されるでしょう。
 

無料でダウンロードできるテンプレート

テンプレートの作成方法がわからないという方や、多機能で扱いやすい無料のテンプレートを探しているという方は、HubSpotのOKRテンプレートを活用してみてください。

このOKRテンプレートは無料で利用できますが、OKRの階層イメージをダッシュボードに反映させるので、視覚的なOKRの運用を実現させます。設定期間の終了後には「主な成果」や「振り返り」のチェックと達成率の確認も可能です。OKRのスムーズな運用には欠かせない「評価者からのコメント」欄も設けられています。

OKRの導入で働き方改革の実現を!

新しい目標管理のフレームワークを検討しているのなら、ぜひOKRを導入してみてください。OKRは組織の目標と個人の士気をリンクさせ、パフォーマンスの改善につなげます。

多機能な有料のOKR管理ツールもありますが、企業規模によっては使いこなせない可能性もあるので注意が必要です。

初めてOKRを導入するなら、無料ツールから試してみるといいでしょう。HubSpotの無料テンプレートなら、全体的な階層イメージや成果の測定、評価の内容の把握も簡単です。

ぜひOKRを導入して、社内コミュニケーションの活性化や従業員エンゲージメント向上にお役立てください。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

okr 目標管理

元記事発行日: 2020年6月09日、最終更新日: 2020年6月09日

トピック::

組織運営