企業や部門、あるいはチームの組織をどのように構成するのが最も良いか考えることは、自家用車を新しく選ぶのと似ています。

まず最初に、路上を安定して走行できる車を選びたいと思うでしょう。今いる場所から目的地まで、自分と同乗者がスムーズに移動できることが大前提です。しかしそこからは、数えきれないほどの選択肢、たとえばオートマかマニュアルか、4輪駆動か2輪か、GPSを付けるかどうか、シートは革張りがよいか、などを決めていかなくてはなりません。

一方、組織の構成を決定する場合に考えるべき選択肢としては、指揮系統(単純か複雑か)、統制範囲(広いか狭いか)、集中化の度合い(意思決定を集中あるいは分散させるか)など、挙げればきりがないほど見つかります。

ウェブ制作会社とマーケティング代理店の組織作りガイド

この記事では、これらの要素を組み合わせて作成される、さまざまなタイプの組織構成を紹介し、それぞれの利点および欠点についても説明します。皆さんの企業に最適なタイプがどれかを考える一助になれば嬉しく思います。

機構的 VS. 本質的構成

組織の構成は、大きく分けて「機構的」か「本質的」かに分類されると思います。

  • 機構的構成: このタイプの構成は、統制範囲が狭く、意思決定がかなり集中しており、各自の専門性が高く、役割の分担が明確であるとともに、部門別に厳格に分けられています。また、指揮系統が単純か複雑かが必ず明確になっているという特徴もあります。
  • 本質的構成(フラットな構成): 機構的構成とは対照的に、統制範囲が広く、意思決定が分散し、各自の専門性はそれほど高くなく、役割の分担が曖昧であり、部門別に厳格に分けられていないという特徴があります。そして、指揮系統が単純か複雑かを解釈しにくい場合があります。

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以上の説明でお気付きの方も多いと思いますが、前者は従来型のトップダウンアプローチで構成されるのに対し、後者はより協調的で柔軟性の高いアプローチを採ります。

次項からは、組織構造のいくつかのタイプについて、より具体的に説明していきたいと思います。従来型の機構的構成の特徴を持つタイプを中心にご紹介します。

1)機能別組織構成

最も多く見られるタイプの構成で、一般的な職務に基づいて組織が部門化されます。

したがって、組織を機能別で構成する場合は、社内のすべてのマーケターが1つの部門に所属し、すべての営業担当者が別の部門に所属し、すべてのカスタマーサービス担当者がもう1つ別の部門に所属します。

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この構成には、社員それぞれの専門性が高まることや、企業が成長するにつれて容易に組織を拡張できるなどの利点があります。

一方、欠点としては部門間の連携が取りにくいことが考えられます。特に、さまざまな製品やサービスを提供したり、ターゲットとする市場が複数存在する企業では、効率的でない可能性があります。

2)分業型:製品別組織構成

ここで言う「分業型」とは、小規模な複数の機能組織が内在する組織構成を意味します。つまり、分業型の構成では、各部門にそれぞれマーケティングチームやセールスチームなどの小規模なグループが含まれます。製品別に分業して組織を構成する場合であれば、企業の各製品ラインに対して専用の部門が割り当てられます。

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製品の種類が多い企業に適したタイプの構成で、製品の開発サイクルを短縮化するのに役立ちます。

欠点としては、拡張性に欠けることや、各部署がそれぞれに単体で機能することが求められるため、リソースの重複が発生することが挙げられます。

3)分業型:市場別組織構成

こちらも分業型の構成で、組織が市場別、業界別、あるいは顧客のタイプ別に分けて構成されます。

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市場別組織構成は、製品やサービスを市場ごとに明確に分類できる企業に適しており、それぞれの市場区分で高度な知識を有している組織で特に効果的です。

ただし、各部門があまりにも独立して機能し過ぎるため、それぞれが完全に分断されてしまう可能性があります。そのため、ある部署ですでに処理している業務を、別の部署が知らずに重複して開始する恐れがあります。

4)分業型:地域別組織構成

地域別組織構成では組織が、お察しのとおり、地域ごとに構成されます。あるいはテリトリー別、領域別、地区別などで構成されることもあります。

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たとえば配達や、現地サポートなどの業務を行い、製品やサービスの提供場所とカスタマーの距離が近いことが要求される企業に最適なタイプの構成です。

地域別組織構成の主な欠点としては、地域別の各部門が本社から距離的にかなり離れて独自に機能するケースも多いため、意思決定が過度に分散しやすい傾向にあります。

5)プロセス別組織構成

プロセス別組織構成では、企業の業務フローに含まれる(「研究開発」、「顧客獲得」、「受注処理」などの)さまざまなプロセスに基づいて組織が構成されます。社員が活動するプロセス別に部門を作成しますが、各部門ごとに完全に独立して機能するのではなく、それぞれを互いにどう連携させるかが重要視されます。

下のダイアグラムで、各部門のプロセスが左から右へと流れている点に注目してください。顧客獲得のプロセスは、製品の開発が完了し、販売可能になるまでは開始できません。同じく受注処理のプロセスも、顧客を獲得し受注が発生するまで開始することは不可能です。

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この構成は、業務のスピードや効率をアップさせたい企業に適しています。また、容易に調整が可能なため、ビジネス環境が目まぐるしく変化する企業に最適です。

主な欠点としては、部門間の連携がうまくいかないと、業務が全体ですぐに停滞する恐れがあります。

6)マトリックス型組織構成

ここまでの説明で登場した他の構成とは異なり、マトリックス型の組織構成は階層構造を持ちません。その代わりに、すべての社員(下のダイアグラムでは緑色のボックス)が機能別の部門(青色のライン)に所属すると同時に、製品別の部門(黄色のライン)にも所属するという、2重の直属関係を持ちます。

下のマトリックス型組織構成のダイアグラムでは、青色の実線が強くて直接的な直属関係を表し、黄色の破線が2次的、あるいはそれほど強くない直属関係を表しています。つまり、この例では機能別の直属関係の方が、製品別の直属関係よりも優先されることがわかります。

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この構成の主な利点には、柔軟性が高いことに加え、指揮系統が1つではなく2つあることから、バランスの取れた意思決定を行いやすいことが挙げられます。

その一方で、構成が複雑なために、社員が混乱しやすいという欠点もあります。

7)円形型組織構成

下のダイアグラムを見ると、ここまでで説明した他の組織構成とは劇的に異なっているように思えるかもしれませんが、この円形型組織構成もやはり階層型の構造をしており、立場が上の社員になるほど円形型の内側に位置し、立場が低い社員ほど円形の外側に位置します。

つまり、リーダーや経営者が組織の最上部に置かれ、指揮系統で下位に位置する部下に指示を出すのではなく、組織の中心に位置して外側を全体的に監督します。

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理屈としては、円形型の構成は、コミュニケーションを向上し、組織の部門間で情報を自由にやり取りすることを目的としています。従来型の構成では、複数の部門や部署が存在し、それぞれに従属する下位グループが置かれますが、それとは対照的に、上の円形型のダイアグラムは、すべての部門が同じ1つの部門に属するように作成されています。

ですが、実際には円形型の構成は、特に入社したばかりの社員には紛らわしいかもしれません。従来型のトップダウン構成とは異なり、円形型の構成では自分の直属の上司が誰で、自分が組織のどこに位置付けられるかを理解するのが難しいと思われます。

以上、本稿ではさまざまなタイプの組織構成をご紹介しました。これらはいずれも原型であることを覚えておいてください。実際の企業では、これらを複数取り入れ、それぞれの良い点を組み合わせて組織が構成されると思います。

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編集メモ:この記事は、2014年12月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Erik Devaneyによる元の記事はこちらからご覧いただけます。

元記事発行日: 2017年8月07日、最終更新日: 2019年3月25日