【HubSpot導入事例】サービスローンチ1年目にHubSpotのGrowth Suiteをフル導入。チーム横断で顧客のライフサイクルに寄り添うLAPRAS株式会社

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土井 早春 (どい さはる)
土井 早春 (どい さはる)

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57338826_383893465800775_971257955787735040_n2016年に株式会社scoutyとして創業した同社は、エンジニアがSNSやGitHub、Qiita等WEB上に投稿したオープンデータを元に個人の技術力や嗜好性を判定し、エンジニア採用を希望する企業とマッチングするAIヘッドハンティングサービス「scouty」を提供してきました。2019年4月には社名をLAPRAS株式会社(以下LAPRAS)、サービス名を「LAPRAS SCOUT」に変更すると同時に、従来採用企業側のみに公開してきた個人のプロフィール情報を候補者本人に公開しより精度の高いマッチングを実現するための取り組みを始めました。

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LAPRASはサービスローンチ1年目という早い段階からHubSpotの成長プラットフォームを構成する4つの製品であるHubSpot CRM、HubSpot Marketing Hub、HubSpot Sales Hub、HubSpot Service Hubをすべてを導入し、エンジニアを採用する企業向けのマーケティング、営業、カスタマーサクセス活動にインバウンド手法を活用しています。

57555555_1135901829946556_8250580000353288192_n (1)[LAPRAS SCOUTの製品画面]

具体的な課題が現れてくる前にオールインワンのツールを導入し、そのツール上で定義されている最適なオペレーションをチームに適用したかった

2018年に入社直後のプロジェクトとしてHubSpot導入を主導したカスタマーサクセスマネージャーの丸山裕太氏(以下丸山氏)に導入を検討するきっかけとなった社内の課題を質問したところ、「実は『業務が増えて現場が回らなくなってきた』だとか『これがうまくいっていない』というネガティブな課題が出発点というわけではないんです。」という答えが返ってきました。

導入の検討を始めたのがサービスローンチ1年目だったという背景もあり、現状うまくいっていないものを改善したいというよりは、メール配信など基本的なマーケティング施策を始めるにあたって「単なる施策実行ツールではなく業務のフレームワークを導入したい」という思いがあったと丸山氏は語ります。

さらに丸山氏の以前の職場が導入していた複数ツールを連携したシステムが非常に使いづらかったという経験もあり、業務をひとつのサービス上で完結させられることもツール選定時の大きなポイントだったといいます。検討当時の従業員数は10名以下でマーケティングやセールスなどの明確な役割分担はなく、創業メンバーの知人などリファラルを中心として企業にアポイントメントを取り、顧客開拓を行っていました。リード(見込み顧客)の情報や関連するタスクはGoogleスプレッドシートやTrelloなど基本的に無料のツールを組み合わせて管理していました。

「業務の流れや情報管理の方法がまだ確立しておらず人数も少ない段階でオンリーワンのツールを導入し、そのツール上で最適とされているオペレーションを実践すれば、必然的に自社のオペレーションも最適化されると考えました。」

そのため検討期間中にはメール配信など特定機能に特化したサービスも含め様々な候補を調査したそうですが、最終的にはマーケティング、セールス、カスタマーサクセスという同社のフロント部門が必要とする業務を単一サービス内で完結でき、「インバウンド手法」という明確なフレームワークを提唱しているHubSpotの導入を決めました。

 

SaaSプロダクトだからこそ、機能の裏にある思想を伝え共感を得ることが成功の鍵となる

「そのツール上で最適とされているオペレーションを実践する」という丸山氏の言葉通り、LAPRASはインバウンド手法に則ったリードの創出から顧客とのコミュニケーションまでを全社で行っています。

まず、マーケティング担当者(現在1名)は「HR TECH LAB」というブログでHRTech関連の記事やダウンロード資料を定期的に公開し、それに興味を持った方からの問い合わせを獲得するという方法でリードジェネレーションを行います。広告など有料のチャネルで獲得したリードよりも、ブログで発信した内容に共感して流入してくる方の方が契約更新をして長期的にLAPRAS SCOUTを利用してくれる傾向があると丸山氏は語ります。

「LAPRAS SCOUTはSaaSですが、SaaSプロダクトを機能だけで比較していただくのは難しいと考えています。機能は日々追加・変更されていきますし、そもそもお客様が必要とされる機能は競合他社も提供しているんです。そのため表面の機能のみを推してしまうと、ちょっと使ってみたけどやっぱり他社のツールでもできますねとおっしゃって離脱してしまうリスクがあります。ですから、ウェブサイトやブログでは機能の一歩手前にある当社の思想を訴求するように留意しています。」

ブログ経由で取得したリードの連絡先情報はHubSpot上で営業担当者(現在1名)に引き渡されます。営業は基本的にフィールドセールスの形をとっており、担当者が訪問をしてフリートライアルと本格導入を提案していきます。これと並行してLAPRASが行っているのが隔週の「ミートアップ」イベントです。企業の採用担当者がノウハウや悩み、採用の成功・失敗事例を共有する勉強会を企画し、HubSpot CRM上に蓄積されている見込み顧客に集客Eメールを送ります。イベントでは参加者に有益な情報を提供しながら、LAPRAS SCOUTのリードナーチャリングを行うことができます。イベントに参加した見込み顧客にはHubSpot CRM上でフラグ立てをしており、今後はHubSpot Marketing Hub上でスコアリングを付与したりしてその後のコミュニケーションの最適化を図っていく予定です。

「LAPRASにはインサイドセールス担当者がいませんが、このミートアップによって通常インサイドセールスチームが担う見込み顧客の意識醸成とフォローアップの機能を補完できています。スプレッドシートでの管理を続けていたら、限られたリソースの中でここまで体系的にナーチャリングフローを組み立てることはできませんでした。」

 

営業とカスタマーサクセスの密な情報連携

これらのプロセスを経て受注が決まると、担当のカスタマーサクセスマネージャー(現在2名)が付きサポートをしていきます。LAPRASの営業チームはHubSpot Sales Hubの取引パイプライン機能を使って商談の管理をしており、それを活用してカスタマーサクセス担当者への引き継ぎの精度を高めています。例えば商談の終盤になると、特定ステージの顧客に対してカスタマーサクセスチーム側が行うべきタスクが自動で通知されたり、受注の際に必ず入力しなければならない情報は商談の必須項目にするなど、社内で担当が変わる際の顧客情報引き継ぎのフロー整備にHubSpot導入後の早い段階から着手しました。

「以前の職場では、受注は取れたけれど申込書がなかったり不備があったりしてお客様の情報が分からないということもありました。まだ流れを整えている段階ではありますが、情報受け渡しの正確性はかなり高くなっていると思います。今はお客様の情報は例外なく全件HubSpotで管理しています。」

190320hbs62538fLAPRASは顧客の成功を「顧客の採用の成功」と定義しており、カスタマーサクセスチームの役割は採用成功までの過程に伴走し最短化することだといいます。

「私たちのビジネスモデルから考えると、仕組み化によって今よりカスタマーサクセス担当者1人あたりの対応可能顧客数を増やし、更に効率的に質の高いカスタマーサクセス機能を顧客に提供することが可能だと思っています。HubSpotを使ってうまくそれをやろうという話をしています。」

またカスタマーサクセスとは別に、トラブルシューティングや製品に関する個別の質問に応対する「カスタマーサポート」機能もあります。カスタマーサポートはHubSpot Service Hubのチャット機能を使ってプロダクト内に設けた問い合わせチャットを窓口としています。

 

LAPRASの根底に流れる、チーム横断で顧客1社1社に向き合う姿勢

このように創業後の早い段階でHubSpot製品を一気通貫のスイート(Suite)として導入し着実に業務フローを整備してきているように見えるLAPRASですが、社内の意見のすり合わせなど、ここまでで苦労したことや失敗はなかったのでしょうか。

「それまで無料ツールで行っていた業務を有料のそれなりに大きなツールに切り替えるという話なので、もちろん1~2か月の検討期間の中では『本当にハブスポットを入れるのか?』という話はありました。ただ振り返って重要だったと思うのは、社内全員の共通理解として『いずれ何かのツールを導入しなければならず、それなら早い方が良い。ツールを入れるからにはそれを使いこなそう」という共通認識があったことです。」

従来の無料ツールからのデータ移行やオペレーション変更についても正直に言ってあまり苦労はなく、その要因はやはり時期が早かったためにほぼ更地の状態をゼロから育てていくような感覚でオペレーションの立ち上げができたからだと丸山氏は語ります。

また丸山氏の話からは、見込み顧客を「惹きつけ(Attract)」、「関係性を築き(Engage)」、「満足させる(Delight)」というインバウンド手法における「フライホイール」の戦略(図)を自然と全社で実践していることが伺えます。

zF_ZJJFo-1「これまでお話してきたように、既に確立された方法論の恩恵を受けて成果を出すために忠実に理論を再現しようと努力しているというのがひとつの理由だと思います。もうひとつはおそらく、当社がホラクラシーに則った組織づくりをしていることに関連しています。基本的には部分最適を目指せば全体最適が成立しますが、仮に複数の『部分』でバッティングが置きた場合には全体最適を優先しようという考え方が社内に浸透しています。マーケはリード獲得、セールスは受注獲得というセクショナリズム的な考え方ではなく、みんなで1顧客のライフサイクルをしっかりフォローしていこうという認識が社内にあるのです。」

 

オールインワンのHubSpot Growth Suiteと目指す今後の世界

丸山氏は、このように顧客のライフサイクルを1つのツール上で管理していることを活かし、今後の取り組みのひとつとして一度契約を解除してしまった顧客が別のタイミングにLAPRAS SCOUTに戻ってこられるような仕組みを設計したいと語ります。

「カスタマーサクセスとマーケティングが同じツールを使っているので、一度離脱してしまったお客様をもう一度ナーチャリングのフローに戻し、将来改めてタイミングが来たときに再度顧客になっていただけるような仕組みを作ることが可能だと思っています。商材でしっかり価値提供した上で、たとえ一度それがお客様のステージに合わなくなってしまってもまた戻ってこられるようなパスを作っておきたいのです。」

さらに現在はサービスの料金体系が一律になっており、顧客のニーズとプライシングにミスマッチが起きているのが課題だと丸山氏は語ります。将来的には複数の価格パッケージを用意しておき、例えば「アップセルすることでより価値提供できる顧客をHubSpot上で感知して漏れなく営業担当者が提案をする」というようなオペレーションを作ることも考えているといいます。

「将来的にはHubSpotでサブスクリプションの管理ができるようになったり、Service Hub上でカスタマーサクセスにより特化した機能がより充実してくると嬉しいです。お客様に価値を提供してそれを体感していただき、お客様の行動やコミュニケーションから示唆を得て更に提供する価値を増すというサイクルを作り上げていきたいと思っています。」

本記事のPDF版はこちらからご覧いただけます。

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