2010年のリリース以来着実に成長を続け、アクティブユーザー数10億人を突破したInstagram(インスタグラム)は、ビジネスとの親和性の高さからSNSマーケティングにも活用されています。国内企業や個人のビジネス用Instagramアカウント数は1万社にものぼり、特に「リール」は、より多くのユーザーに認知してもらえる動画投稿機能として注目されています。
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Instagramのリールとは、TikTokのように短い動画に音楽やエフェクトを追加して共有できる機能ですが、「使い方や活用方法がよく分からない」とお困りの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、リールの特徴・作り方・投稿方法・活用するポイントをご紹介します。リール投稿を楽しみたい方や、Instagramをマーケティングに活かしたい方は参考にしてください。
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Instagramのリール機能とは
2023年2月時点で、Instagramには「フィード」「リール」「ストーリーズ」「ライブ」の、4種類の投稿方法があります。本章では「リール」の特徴と、リールと似た機能を持つ「ストーリーズ」との違いについて解説します。
リールの特徴
Instagramのリールとは、15秒・30秒・60秒の短い動画の投稿と視聴ができる機能です。音源の追加やAR(拡張現実)エフェクト、レイアウトなどを編集することで、幅広い表現が可能になります。
リールの特徴は、複数のクリップを組み合わせた動画の作成や、動画再生速度の変更、録画のタイマー機能、オリジナル音源が使用できる点です。具体的には、リール作成画面上で動画の長さを編集することや、複数のクリップの並べ替え、0.3倍速~4倍速の再生速度変更、動画録画時のタイマー設定、オリジナル音源のインポートができます。これらの機能は、動画のフィード投稿やストーリーズにはない機能です。
さらに2021年4月には、他のリール投稿とコラボレーションができる「リミックス」機能も実装されました。TikTokの「デュエット機能」のように、2分割された画面上に、自分とコラボレーション相手の動画が表示されます。
リールは、フィードだけでなく「リール専用タブ」や「発見タブ(虫メガネ)」でも表示されるため、自身のフォロワー以外のユーザーにコンテンツを見てもらえる機会が多くなります。リールを活用することで、プロフィールに来てもらえる可能性が高くなるため、フォロワーの増加にもつながりやすい機能といえます。
また、Instagramのショッピングタグを利用して、リール内で紹介している商品をタグ付けすることで、そのまま動画から購入できる導線を作ることも可能です。
ストーリーズとの違い
Instagramのストーリーズは、1コマ15秒の動画や静止画を、スライド形式で投稿する機能です。15秒の短い動画が投稿できる点や、機能スタンプを使用して音源やハッシュタグ、リンク、ショッピング機能などを追加できる点はリールと似ているため、混同されやすいかもしれません。
しかし、投稿へのアクセスのしやすさと、見つけやすさという点で、リールとストーリーズとは大きく異なります。アカウントをフォローしていない場合、投稿者のプロフィール画面やアイコンからアクセスしない限りストーリーズは閲覧できません。対してリールは、「リール専用タブ」と「発見タブ」を経由してユーザーの目に触れ、興味をもってもらえる可能性があります。
そのため、ストーリーズはフォロワーとのコミュニケーションに活用し、リールは新規ユーザー創出のために活用するのがおすすめです。
フィード投稿との違い
以前はInstagramに動画を投稿する際、写真と同じようにフィードに表示されていましたが、リールの登場後はリールのほうに表示されるようになっています。
2023年2月現在、動画の投稿先は原則としてリールとなっており、写真を投稿するフィードとは差別化されています。
TikTokの違い
Instagramのリールと同じく短時間の縦動画を共有するプラットフォームとして、TikTokがよく知られています。短時間の縦動画プラットフォームとしてはTikTokが先駆けであり、現在はInstagramのリールやYouTubeショートが類似サービスとして知られるようになっています。
機能としては近いですが、TikTokが全画面の縦動画を連続で見せる仕様なのに対し、Instagramはフィードや発見タブからリールへアクセスする仕様であることなど、細かい違いがあります。
Instagramのリールの掲載場所・閲覧方法
Instagramのリールは、以下の画像のように「リール専用タブ」「プロフィール画面のリール」「フィード(タイムライン)」「発見タブ」の4か所に掲載されます。各掲載場所の閲覧方法をご紹介します。
リール専用タブ
2020年11月から実装された「リール専用タブ」では、Instagramのリール投稿だけを閲覧・作成できます。
画面いっぱいに動画が表示され、画面をスワイプして下へスクロールしていくと、注目のリール投稿がランダムで表示されます。
プロフィール画面のリール
リール投稿者のプロフィール画面にある「リール」アイコンから、過去に投稿されたリールを閲覧できます。
「リール」アイコンは、リールを投稿したことのあるInstagramアカウントのプロフィール画面のみに表示されます。
フィード(タイムライン)
Instagramのリール投稿時に、「フィードにシェア」の設定をONにすると、フォロワーのフィード(タイムライン)画面にもリール動画が掲載されます。
フィード画面のリール動画上にある「リールを見る」のボタンをタップすると、全画面表示に切り替わります。
発見タブ
Instagramアプリ下部にある「発見タブ(虫メガネ)」では、注目の投稿が独自のアルゴリズムで掲載されます。1画面で12~15投稿表示される中に、リール動画は1~3投稿程度表示されます。
Instagramのリールの作り方・投稿方法
Instagramのリールの作り方・投稿方法は以下のとおりです。
- リール作成画面を開く
- 動画を撮影する
- BGMを選ぶ
- 動画を編集する
- キャプションの記入とカバー画像の設定
1. リール作成画面を開く
はじめに、Instagramアプリでリール作成画面を開きます。デスクトップ版アプリからはリールの投稿はできないため、スマートフォンから投稿しましょう。
リール作成画面の開き方は、次の3パターンです。
- リール専用タブの右上の写真マーク
- ホーム画面の右上の+ボタンからリールを選択
- プロフィール右上の+ボタンからリールを選択
2. 動画を撮影する
リール作成画面の、各アイコンの機能は以下のとおりです。
- 音源:BGMとなる音楽を追加
- 速度:0.3 / 0.5 / 1.0 / 2.0 / 3.0 / 4.0倍速で速度調整
- エフェクト:ARエフェクトを追加
- レイアウト:格子状に分割し、グリッド・サイズで配置を調整
- タイマー:録画時間とカウントダウンを設定
- デュアル:アウトカメラとインカメラで同時に撮影
- 位置合わせ:動画開始位置のサポートとして、直前の動画が半透明に表示される
画面下の「撮影ボタン」をタップすると、撮影が開始されます。左下の「+」アイコンから、端末に保存されている動画を選択することも可能です。「速度調整」は、撮影後には適用できないため、撮影前に設定しておきましょう。
3. BGMを選ぶ
撮影または動画の選択が完了したら、画面右下の「プレビュー」をタップします。
「音源」ボタンから音源を選択しましょう。「インポート」から、オリジナル音源をアップロードすることも可能です。
4. 動画を編集する
動画の編集には、画面上部の編集ツールを使用します。各アイコンの機能は下記のとおりです。
- 保存:動画を端末に保存
- 音源:BGMとなる音楽を追加
- エフェクト:ARエフェクトを追加
- スタンプ:スタンプを追加
- 手書きツール:スワイプで手書き入力
- テキスト:文字のフォント・カラー・動き・背景色を編集
- スタンプ、手書きツール、テキストで追加した内容は、画面左下の各セクションをタップすることで、表示する時間の長さとタイミングを調整できます。
動画の長さや複数の動画を組み合わせたい場合は、プレビュー画面の左下「クリップを編集」から、クリップの追加・並び替えをしましょう。
この時、編集したいクリップを選択すると、スワイプで動画の長さの調整や、クリップの削除も可能です。編集が完了したら、画面右下の「完了」をタップしましょう。
5. キャプションの記入とカバー画像の設定
リールの編集が完了したら、画面右下の「次へ」をタップし、投稿設定画面へ移動します。投稿設定画面では、下記を入力・設定しましょう。
- キャプション:リール動画の内容に沿った文章やハッシュタグを入力
- カバー:リール動画のサムネイル画像を変更
- フィードにもシェア:ONにすると自身のフィードにも表示される
- プロフィール画像の切り取り:プロフィール画像を上下に動かして調整
- タグ付け:リール動画に関連するアカウントをタグ付け
- 音源名を変更:音源に名前を付ける
- 場所を選択:撮影した場所や位置情報を追加
- Facebookでおすすめする:ONにするとFacebookへ同時にシェアされる
- 詳細設定:タイアップ投稿ラベルとブランドパートナーを追加
以前はこれらの設定に加え、プライバシー設定で「友人のみ」など公開範囲を決められる機能や、ストーリーズにシェアする機能もありましたが、現時点(2022年3月時点)のバージョンでは表示されていません。
投稿設定が完了したら、「シェア」で公開されます。一旦保存しておきたい場合は、画面下部の「下書きとして保存」からリールの下書きへ保存できます。
Instagramのリールを最大限活用するポイント
基本のリール投稿ができるようになったら、下記のポイントを押さえてInstagramのリールを最大限活用しましょう。
積極的に取り入れるべき要素と避けた方がよい要素
具体的なポイントをご紹介する前に、リール投稿において取り入れたほうがよい要素、反対に避けたほうがよい要素についてInstagram公式のクリエイター向けガイドアカウントが発表しているため、まとめてみましょう。
Instagramでは、以下のような投稿を推奨しています。
- 面白く、楽しい動画
- 興味を引きつける動画
- テキスト、フィルター、カメラエフェクトなどのツールを駆使した動画
- 縦の動画
- Instagram公式の音楽か、オリジナルの音楽、またはリールで見つけた音楽を使った動画
- 実験的で、新しさに挑戦し、あなたらしい動画
一方で、以下のような投稿は避けるべきとしています。
- 低解像でボケた動画
- ロゴや著作権のあるビジュアルを使いまわした動画
- 枠で囲んだ動画
- 大部分がテキストで覆われた動画
1. リールをフィードにシェアする
リールの投稿時に「フィードにシェア」を設定することで、リールを普段見ないフォロワーにも、投稿を見てもらえるきっかけになります。
投稿の閲覧回数や「いいね」「保存」「シェア」などのアクションが増えると、エンゲージメントの高い投稿として、リール専用タブや発見タブで上位表示されやすくなります。
2. リールをストーリーズにもシェアする
リールをストーリーズにもシェアすることで、普段ストーリーズしか見ないユーザーや、フォロー数が多くフィード投稿が埋もれてしまうようなユーザーへリーチすることも可能になります。
ただし、先述したとおり、現時点ではリール投稿時にストーリーズへシェアする機能が削除されています。今後のアップデートで機能が追加された際には、活用してみるとよいでしょう。
3. 最初の3秒でユーザーを惹きつけ離脱率を下げる
Instagramでは、コンテンツに興味・関心がない場合、スワイプで簡単に次の投稿へ移動できてしまいます。
離脱率を下げるためには、リール動画の最初の3秒でユーザーを惹きつけられるかどうかが重要です。どんな動画かわかるように、文字入れ・音楽・エフェクトなどで編集を工夫してみましょう。
4. 新しい場所でリールをシェアする
Instagramの写真やリールの投稿を見て、その場所へ行ってみたいと思う人も多いでしょう。Instagramのリールに新しく加わった「位置情報」機能を活用することで、写真がどこで撮られたものか、ユーザーに伝わりやすくなります。
また、ハッシュタグと同様に、特定の地名や店舗名などで検索したユーザーへもリーチできます。
5. 動画に適した音楽を使う
TikTokで流行りの曲を使用すると拡散しやすくなるように、Instagramのリールでも動画に適した音楽を使うことで、注目を集めやすくなります。
新しい曲やおすすめの曲、動画と相性の良い音源を用いると、飛躍的に動画の視聴回数やアクションなどのエンゲージメントが伸びる可能性があります。
6. リールのリミックス機能を使う
インフルエンサーや「バズっている」動画とコラボレーションができる「リミックス機能」を使うことで、コラボレーション相手の拡散力に乗じることも期待できます。
例えば、企業や個人のInstagramアカウントを運用している場合、自社ブランドや商品について言及しているリールとコラボレーションすることで、ユーザー・企業双方からのコンテンツを融合した、より興味のあるリールが作成できるでしょう。
Instagramのリールについてよくある質問
最後に、Instagramのリールに関してよくある質問についてまとめたので、参考にしてください。
リールを閲覧すると相手にわかる?
リールを閲覧しただけでは、相手に自分が閲覧したことが知らされることはありません。同様に、自身のリールを閲覧したアカウントを知ることもできません。
一方で、ストーリーズは閲覧をすると誰が閲覧したかが投稿者に分かる仕様となっています。
リール動画の重要性は?
リール動画はInstagramが力を入れている機能の1つであり、アカウントを知ってもらうためには重要な要素だと言えます。
フィード投稿の場合はハッシュタグ検索から見つけてもらうなど能動的に探してもらう必要がありますが、リールの場合はInstagramのおすすめから目にとめてもらいやすいという特徴があります。
リールを作成する際の注意点は?
まずは規約に違反しないこと、Instagramのコミュニティガイドラインを守ることが重要です。暴力的、差別的、宗教的な内容を避け、常識的な内容を心がければほとんど問題はないでしょう。
BGMには著作権がかかるため、注意が必要です。Metaサウンドコレクションから使う、オリジナル音源を使うなど、著作権侵害にならない動画制作を心がけましょう。
また、リール動画にはいくつか「できないこと」があります。
ひとつは、キャプションへのリンク張りです。これはフィード投稿と同様であり、リンクを張りたい場合はストーリーズを利用しましょう。
もうひとつは、再生数・いいね・コメントの非表示設定です。フィード投稿ではいいね・コメントの非表示設定ができますが、リールではできないため注意しましょう。
なお、プロフィールのコンテンツ一覧にリールを表示させたくない場合、非表示設定にはできますが、一度非表示にすると再表示ができません。プロフィールの非表示設定は慎重に判断する必要があります。
リールを使うメリットは?
Instagramは、「さまざまなフォーマット(リール、ストーリーズ、Instagram動画など)でコンテンツをシェアすることが、新しいフォロワーの獲得やリーチの拡大につながります。」と述べています。
Instagram上のあらゆる場所でコンテンツをシェアすることでコミュニティを広げていくことができるため、これまではフィード画像のみ投稿していたという方も、積極的にリールに挑戦してみましょう。
出典:Instagramで成長を達成: コミュニティを構築する | Instagram for Creators
Instagramのリール機能を活用してより深いコミュニケーションを
ここまで、Instagramのリール機能の特徴・作り方・投稿方法・活用するポイントについて解説してきました。
リールは「リール専用タブ」や「発見タブ(虫メガネ)」で表示されるため、通常のフィード投稿よりも多くの新規ユーザーにコンテンツを見てもらえます。フォロワー以外のユーザーにリーチする機会が増えると、興味・関心をもった新規ユーザーにプロフィールを見てもらう機会が増え、フォロワーの増加が期待できます。
動画のクオリティや使用する音楽、位置情報の設定、リミックス機能などを工夫することで、Instagramのリールを最大限活用できるでしょう。新しい動きとして、フィード投稿で15分以下の動画をシェアすると自動的にリール動画としてシェアされるテストも開始されており、今後ますますリールを活用する幅が広がると考えられます。