私がセールスとマーケティングの連携について真剣に考え始めたのは、ラテンアメリカのセールスチームが数週間のあいだに驚くほど急成長したときのことです。
途端に、セールスとマーケティングとでうまくコミュニケーションを取ることが難しくなりました。以前はセールスの各メンバーと1対1でミーティングを行い、リードの獲得方法などいろいろなことを話し合っていましたが、人員が増えるにつれてその余裕もなくなってしまったのです。
そこで、他のマーケターたちはセールスチームとうまく連携するために、どのように工夫しているのか知りたいと思い、業種やチャネルが同じである大勢のマーケターと会って話を聞くことにしました。
どのマーケターからも、セールスとうまく連携するために必要なプロセスについて素晴らしいアドバイスをもらうことができました。ただ、意外なことにそのプロセスやアドバイスは、皆それぞれに異なるものでした。そのため、今回集めた価値ある情報をチームのメンバーと、そしてセールスとの連携に課題を感じているマーケターの皆さんと共有したいと考えたのです。
というわけで、今回はマーケターの仲間たちが実践する、セールスとうまく連携するためのヒントやコツをご紹介します。
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連携を強化する10のベストプラクティス
1)定期的にミーティングを行う
セールスに新しく人が増えるたびにミーティングを行いましょう。
セールスを効率的にサポートするには、新しくチームに加わった人にプロセスやリソース、ベストプラクティスを最初に正しく理解してもらうことが非常に重要です。このタイミングで互いに自己紹介をし、マーケティングがセールスをどのようにサポートするかについて説明してください。大人数のセールスチームを立ち上げる場合は、月に一度ミーティングを行って、必要な情報を全員で確認したり、質問に答えたりする時間にしてください。
週1回のセールスミーティングに参加しましょう。
週に一度セールスミーティングに参加すると、ノルマや目標の達成に向けて順調に進んでいるか確認したり、必要に応じてサポートしたりできます。また、その週にマーケティングチームが予定しているキャンペーンやコンテンツ、オファーについてミーティングで説明してください。あるいは、何か良いコンテンツのアイデアがないか尋ねたり、オファーやブログ投稿についてアドバイスをお願いしたりするのもよいでしょう。
セールス責任者と月1回のミーティングを行いましょう。
マーケティングとセールスの責任者どうしで月に一度ミーティングを行い、成果の分析や、SLA(サービスレベルアグリーメント)の評価を行いましょう。重要なメトリクス、すなわちリードジェネレーション、MQL(マーケティングによって創出されたリード)、見込みの高いリードの割合、リードからカスタマーへのコンバージョン率などについても話し合ってください。
2)メールエイリアスを作成する
セールスとマーケティングの両方のチームが受信できるメールエイリアスを作成してください。
3)コンテンツの作成への関与をお願いする
セールスの人はいつも見込み客と会話を交わしています。つまり、自分たちの会社の何を説明すれば興味を持ってもらえるか最もよく理解しているのはセールスです。しかしながら、忙しくて時間が足りないために、それを文書にして伝えることができないのです。それなら、この重要な情報を得るための効率的な手順を考えましょう。
週1回のミーティングでブレインストーミングセッションを行いましょう。
セールスミーティングのあいだに5分間のブレインストーミングセッションを設けて、どのようなコンテンツを見込み客に見せたいか、あるいは、リードが本当に興味を示すコンテンツは何かについて意見を求めてください。
Googleの共有ドキュメントを使ってアイデアや情報を集めましょう。
Googleのスプレッドシートを共有し、セールスがアイデアを入力したり、コンテンツ作成に役立つ情報を追加したりできるようにしてください。
4)マーケティングキャンペーンに参加してもらう
マーケターは新しいオファーやコンテンツを継続的に作成し提供しています。セールスチームにはそれらのプロモーションについて常に最新の情報を伝え、リードが現在どのオファーを受け取っているのか把握してもらう必要があります。
そのための基本的な手順をここで説明します。
a.プロモーションの情報を共有カレンダーに入力する。
Googleカレンダーを利用し、プロモーションの情報をその開始日時に入力します。プロモーションはEメールやウェビナー、ソーシャルメディアキャンペーンなどさまざまですが、そのURLや主なトーキングポイント、オファーの説明などを追加してください。セールスチームをこのカレンダーに招待し、それぞれが個人のアカウントでカレンダーにアクセスできることを確認しましょう。
b.オファーの情報をセールスにメールで送る。
オファーの提供が始まり、リードを獲得し始めたら、セールスチームにメールで以下の情報を送ってください。
- オファーのトーキングポイント。セールスがそのオファーを読んでいないと想定し、そのオファーについて見込み客と話す際に理解しておく必要のある重要なコンセプトを2-3項目の箇条書きで説明してください。統計データや活用事例、方法に関するアドバイスなどは、有効なトーキングポイントになりやすい項目です。
- リードの概要。オファーによって獲得したリードのリストを送り、セールスがアクションを開始できるようにします。CRMを使用していれば、概要のビューを簡単に作成してセールスに送ることができます。
- 今週の一言。トーキングポイントに加えて、リードとの会話に最新の情報を織り交ぜるための便利な引用をセールスに伝えます。何らかのデータや関連性の高い情報などが有効です。業界の最新のトレンドや統計などを含めるようにしてください。
c.プロモーションのフォローアップメール用テンプレートを作成する。
新しいリードを創出するためにも、古いリードのエンゲージを取り戻すためにも、オファーは素晴らしい手段です。メールのテンプレートを作成し、セールスチームに送って会話を始めてもらいましょう。テンプレートはオファーごとに、そして見込み客が興味を持ったサービスの種類ごとにそれぞれ作成してください。
5)専門性を示すのを手伝う
セールスの名前でブログを投稿しましょう。
ゴーストライターになって、セールスの人の名前でブログを投稿してみてはいかがでしょう。ブログのトピックについてセールスにインタビューをし、会話をテキストに起こしてから編集してブログの記事を作成します。こうすることでセールスのトークに説得力が増し、リードと親しくなれる可能性が高まります(関連記事はこちら:Ghostwriting101 : How to Capture Their Voice Without Losing Yours)。
ソーシャルメディアの利用を促進しましょう。
ソーシャルメディアを使用している人をセールスの中に見つけて、自社のコンテンツをシェアするよう促します。シェアする際のちょっとしたメッセージを書いて渡せば、セールスは自分がよく利用するネットワークでそれをコピーアンドペーストするだけで済みます。
6)セールスとして電話で会話する
マーケターが電話で自社の製品やサービスの事例などについて説明すると、非常に喜ばれることがあります。週に一度、とりわけ月末や期末に時間を空けて、セールスの電話に応対することをお勧めします。
7)電話での会話を聞く
あるいは、セールスチームが電話で話している横に座り、会話に聞き耳を立てるのもかなり参考になります。この先どのようなコンテンツを作成するか、オファーに対するフォローアップメールをどのように作成するかなどを考える際に必ず役に立つはずです。
8)必要に応じてトレーニングを行う
自社の製品を説明することにおいて、セールスチームが専門的なスキルを持つことはわかりますが、それでも時には特別なケースでサポートが必要になる場合もあり得ます。何か質問されて回答に困ったことはないかとセールスにたびたび質問し、必要であればトレーニングを行いましょう。
9)営業用の資料を1カ所に整理して置く
マーケターは多大な労力を注いでカタログや会社概要のパンフレット、プレゼンテーションなどを作成します。しかし、セールスチームがその保管場所を知らなければ、そしてそれらを利用しなければ、すべての苦労は水の泡となってしまいます。
営業用資料はすべて一つの共有スペースに整理して格納し、セールスが簡単に入手できるようにしましょう。これにより、キャンペーンカレンダー、関連のあるオファーへのリンク、マーケットやペルソナに対応するコンテンツなどの取り扱いが格段に効率化します。
10)仲良くなって一緒に楽しむ
最後に、最も重要なアドバイスとして、プライベートでもお互いをよく理解することをお勧めします。一緒にランチに行ったり、出かけたり、パーティをしたり。とにかく楽しみましょう。そうすれば信頼関係が生まれ、仕事の上でも気軽に話し合える雰囲気ができて、相互にサポートしやすくなります。
何かほかに良いベストプラクティスをご存知でしたら、コメントでぜひお知らせください。
編集メモ:この記事は、 2015年10月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Carolina Samsingによる元の記事はこちらからご覧いただけます。