営業とマーケティングの違いとは?部署連携を実現し収益最大化するための秘訣

執筆者 向井 拓真(Takuma Mukai)
マーケティングからセールス活動の管理運用を一貫化するポイント

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営業とマーケティングの違いはどこにあるのでしょうか?

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マーケティングの役割は、リードやプロスペクトに情報を提供し、自社の製品やサービスに惹きつけることです。

一方、営業の役割は、プロスペクトと直接やり取りしながら自社のソリューションの価値をプロスペクトに合わせて調整し、プロスペクトを顧客に転換することにあります。

こう聞くと単純そうですが、本当にそうでしょうか?

実は、この2つの部門は別々の役割を果たしつつ、「プロスペクトを惹きつけて顧客に転換し、最終的に収益を生み出す」という目標は共通しています。HubSpotが毎年実施している「State of Inbound Report」というアンケート調査の2018年版によると、マーケティング部門と営業部門の間でSLA(サービスレベル合意書)を締結している企業では、そうでない企業と比べて、優れた業績を達成できる確率が3倍にもなります。ところが、驚くべきことに、正式なSLAを締結していると回答した人の割合は26%しかありませんでした。

この2つの部門はそれぞれどのような役割を果たしているのでしょうか? そして、お互いに連携できる可能性はあるのでしょうか? この記事では、営業とマーケティングの違いを解明すると共に、この2つの部門の連携を進める方法について説明します。

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    営業とマーケティングの違い

    営業とマーケティングは、1つの組織の中で別々に存在する部門であり、どちらもリードジェネレーション(リードの獲得)や収益の達成に大きな影響を与えます。「営業」は商品やサービスの販売につながるすべての活動を指す言葉であり、「マーケティング」は自社の商品やサービスに対する顧客の興味を集めるためのプロセスを指します。

    営業とは、商品やサービスの販売につながる活動を表す言葉であり、営業担当者の役割は、プロスペクトとの関係を構築し、プロスペクトの問題を解決するソリューションを提供して、最終的に商品やサービスの販売を達成することにあります。

    一方、マーケティングは自社に対する顧客の興味を刺激するためのあらゆる活動を指す言葉です。マーケティング担当者の役割は、市場調査や各種分析を活用してプロスペクトの興味の対象を理解することであり、マーケティング部門には、自社のブランドや製品、サービスに顧客を惹きつけるためのキャンペーンを実施する責任があります。

    マーケティングと営業には、いくつかの大まかな違いがあります。たとえば、マーケティング活動が一般大衆や不特定多数の人々を対象とするのに対し、営業活動の対象となるのは、マーケティングよりも狭い範囲の人々や、一般大衆の中でも限られた範囲の人たちです。

    しかし、これ以外に、営業とマーケティングにはどのような違いがあるのでしょうか?

    マーケティングと営業の比較

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    マーケティング部門と営業部門の連携を強化するには、それぞれの部門の中心にある要素を理解することが必要です。

    プロセス

    マーケティングであれ営業であれ、計画を策定する際は、自社の沿革と全社的な目標や取り組みについて取り上げた後、それぞれの部門独自のポイントを掘り下げていくことになります。

    たとえば、マーケティング計画では、販売対象の製品とその価格、製品を販売する相手やチャネルを明らかにします。これはマーケティングの「4つのP」、つまりProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)に該当する要素でもあります。そして、マーケティング部門が実施しようとしているキャンペーンについて、目標を設定し、マーケティングチャネルと予算を決定していきます。

    これに対し、営業計画には、営業プロセスやチームの構造、ターゲット市場や営業目標についての情報を記載します。さらに、目標を達成するために利用するアクションプラン、ツール、リソースの概要についても営業計画に含めます。

    【参考】

    目標

    マーケティング部門と営業部門は、自社の収益を生み出すことを第一の目標としている点は共通ですが、部門ごとの主な目標には違いがあります。

    マーケティング部門の主な目標は、長期的な視点に立ちながら、自社の製品やサービス、ブランドの宣伝を行うことです。マーケティング部門には、製品の価格を決定し、顧客のニーズや要求が自社の製品でどのように達成されるかを宣伝する責任があります。また、キャンペーンが数か月単位に及ぶ場合もあるので、マーケティング部門の目標は長期的なものになることも珍しくありません。

    一方、営業部門では売上や販売数のノルマを達成することが重視されます。このような営業部門の目標は、短期的なものになる傾向があり、月単位で測定されることも少なくありません。そして、営業部門のマネージャーは、設定された全社的な目標の達成に向けて、営業部門全体で、あるいはチームや営業担当者ごとにクリアしなければならない売上目標を計算します。

    ツールとリソースの違い

    営業やマーケティングはもちろん、社内全体で利用できるツールの1つとして挙げられるのが、CRMデータベースです。CRMデータベースを導入すれば、部署を問わず、顧客ライフサイクルのどのステージにいるコンタクトとも関係を構築しやすくなります。

    また、ソーシャルメディアも営業部門とマーケティング部門の両方が利用できるツールです。マーケティング部門はコンテンツの宣伝用として、営業部門はソーシャルセリング戦略を実施するためのツールとして利用できます。

    この2つに加えて、以下のようなそれぞれの部門が独自に使用しているツールもあります。

    マーケティング用ツール

    • CRO(コンバージョン率最適化)ツール
    • SEO(検索エンジン最適化)ツール
    • プロジェクト管理ツール
    • データレポート作成ソフト
    • コンテンツ作成ツール

    営業用ツール

    マーケティング戦略や営業戦略に投入できるリソースは、新しいテクノロジーを導入するかどうかによって大きく左右されます。たとえば、マーケティング部門と営業部門がリードとの関係構築に活用できる新しいツールとしては、人工知能(AI)ウェブチャットなどが挙げられます。これらのテクノロジーを活用して、顧客とのコミュニケーションをパーソナライズすることは、ごく最近まで不可能でした。しかし、今では各企業が、これらのテクノロジーをベースにした最新のソフトウェアを利用できるようになりました。

    戦略の違い

    マーケティング部門は、キャンペーンの種類やターゲットとする顧客に応じて、多様な戦略的アプローチを選ぶことができます。一般的なマーケティング戦略として、次のようなものがあります。

    • デジタルマーケティング
    • 印刷物マーケティング
    • ブログマーケティング
    • SEO
    • ソーシャル メディア マーケティング
    • 動画マーケティング

    マーケティング部門と同じように、営業部門も自社の業界や製品、ターゲットとする市場や顧客に応じて、さまざまな手法を使い分けることができます。一般的な営業手法としては、次のようなものがあります。

    • SPIN営業術
    • ソリューションセリング
    • N.E.A.T.セリング
    • コンセプチュアルセリング
    • SNAPセリング
    • CustomerCentricセリング
    • インバウンドセールス
    • MEDDIC
    • チャレンジャーセールス
    • サンドラーの営業手法

    どの営業戦略も、顧客の問題を解決したり、目標やニーズを達成したりするための助けとなるものであり、うまくいけば売上アップや新規顧客の獲得につながります。

    営業部門とマーケティング部門の連携

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    さて、以上のようなマーケティング部門と営業部門の違いを乗り越え、協力関係を築いていくには、この2つの部門の連携が必要になります。

    そこで役に立つのがSLA(サービスレベル合意書)です。SLAとは、一方の部門がもう一方の部門に対して提供する成果物を決めるための合意書のことで、マーケティング部門と営業部門の協力関係を構築する効果的な方法の1つです。

    →ダウンロード: マーケターと営業担当者が連携をとるためのSLA無料テンプレート

    SLAでは、2つの部門が共有する目標を定義し、バイヤーペルソナなどの理想的な顧客のプロフィールを特定すると共に、リードの定義の基準を設定します。また、リード管理の手順や、営業とマーケティングの成果の測定方法についても規定します。

    営業とマーケティングの連携が成功すれば、自社に惹きつけて選別できるリードの数が増え、より多くの収益を達成できるようになります。営業に関する知識をさらに深めたい方は、下記のブログもを是非参考にしてみてください。

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