SEOの効果測定で見るべき指標とは?確認のタイミングや手順も解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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SEOで成果を出すためには、SEOを施したコンテンツの効果を測定して分析と改善を繰り返す必要があります。

SEOの効果測定で見るべき指標とは?確認のタイミングや手順も解説

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SEOの効果測定の主な指標には、キーワードの検索順位、オーガニック流入数・クリック数、コンバージョン数などがあります。その他にも、Core Web Vitals(コアウェブバイタル)や被リンク数など、メディアを運営するうえで知っておくべき指標があるため、まずは基礎を押さえましょう。

本記事では、SEOの指標に対する考え方や効果測定の手順、測定するタイミングを解説します。数値の見方も解説しているため、ぜひ参考にしてください。

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    SEOの効果測定とは

    SEOの効果測定とは

    SEOの効果測定とは、具体的な指標や数値をもとに、SEOを施したコンテンツが実際にその対策により効果を得られているのかを確認することです。SEO対策が想定通りの効果をもたらしているかを検証するために実施します。

    効果測定を行うことで、次の対策の改善につなげられるほか、アルゴリズムアップデートによる影響度合いの確認もできます。効果測定は、コンテンツの力を最大限に発揮するために重要な取り組みの一つです。
     

    SEOの効果測定における主な3つの指標

    SEOの効果測定における主な3つの指標

    まずは、SEOにおいて重要性の高い3つの指標を紹介します。
     

    1. 各キーワードの検索順位

    SEOは、検索順位の上位を獲得して流入を増やすことが目的です。そのため、検索順位は欠かせない指標です。上位表示が重要といわれる理由は、「SEO Clarity(英語)」が2021年に公開した検索順位別のクリック数のデータを見るとわかります。

    検索順位 / クリック率
    • 1位 / 13.94%
    • 2位 / 7.52%
    • 3位 / 4.68%
    • 4位 / 3.91%
    • 5位 / 2.98%
    • 6位 / 2.42%
    • 7位 / 2.06%
    • 8位 / 1.78%
    • 9位 / 1.46%
    • 10位 / 1.32%

    参考:2021 CTR Research Study: The Largest Ever for SEO (英語)

    1位が13.94%、10位では1.32%と、1位と比べるとおよそ10分の1の流入数という結果が出ています。
     

    2. オーガニック流入数・クリック数

    オーガニック流入数とは、検索エンジンからのアクセス数のことです。ユーザーが検索窓からキーワードを入力し、表示された検索結果の広告枠を除いた部分を指します。オーガニック検索の流入数が少ない原因は、上位表示できていない、クリック率が低いのどちらか、あるいは両方です。

    クリック率が低い場合は、検索意図とタイトルがマッチしていないなど、ユーザーニーズに沿ったコンテンツではない可能性があるため見直しが必要でしょう。
     

    3. コンバージョン数・率

    コンバージョンとは、マーケティング分野においてゴールや目標のことです。ゴールや目標はサイト全体ではなく、ページ単位で設定して分析します。また、ゴールや目標設定に決まりはなく、サイト運営者独自で設定します。例えば、商品購入やダウンロード、問い合わせ、ホワイトペーパーダウンロードなどです。

    コンバージョンが少ない場合、そもそもコンバージョンページへ遷移できていない可能性があります。各ページのコンバージョン数だけでなく、コンバージョンページへのアクセス数も確認する必要があります。また、想定していないページからコンバージョンが発生するケースもあるため、導線づくりのヒントになるでしょう。
     

    その他に見ておくべきSEOの指標

    その他に見ておくべきSEOの指標

    SEOの指標には、他にもCore Web Vitalsや被リンク数、インデックス数などの指標があります。いずれもSEOの効果測定をするうえで重要な指標であるため、意味を理解しておきましょう。
     

    Core Web Vitals(コアウェブバイタル)

    Core Web VitalsはUX(ユーザーエクスペリエンス)の指標です。UXとは、ここではサイトの使いやすさや得られる体験のことを指します。主に次の3つの指標をもとに、サイトのパフォーマンスを評価します。

    • LCP(Largest Contentful Paint):ページスピード(読み込み速度)のことで、2.5秒以下が良好なページの表示速度
    • FID(First Input Delay):ユーザーが最初にページを操作した際の反応速度のことで、「操作」とはリンクのクリックやボタンのタップなどを指す。0.1秒以下が良好な速度
    • CLS(Cumulative Layout Shift):ページレイアウトのずれをスコア化した指標。0から数値が大きいほどレイアウトのずれが生じている。0.1以下が良好な数値

    SEOにおいて、検索順位やセッション数などだけでなく、ページスピードなどの内部対策の指標も重要です。Core Web Vitalsや内部対策の詳細を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

     

    被リンク数

    被リンクとは、外部サイトから自社サイトへ貼られているリンクのことです。被リンク数は、検索順位に強く影響を与える要素の一つとされています。そのコンテンツが良質な情報源であるかどうかをGoogle側に示す指標であるためです。

    実際にGoogleが掲げる10の事実でも、被リンク数は重要であるとを述べています。ただし、被リンクは質にも注意が必要です。不正な被リンクはペナルティが発生する可能性があるためです。SEOツールを用いて、意味のない被リンクやスパムリンクなどがないかを確認する必要があります。

    2023年1月に不正な被リンクを無効化するリンクスパムアップデートが実装されています。リンクスパムアップデートの詳細や被リンクを増やす方法を知りたい方は、こちらを参考にしましょう。

     

    インデックス数(コンテンツ数)

    インデックス数が増え、上位表示できたコンテンツが増えれば、オーガニック流入数の増加を見込めます。インデックス数は、Googleサーチコンソールを使って確認ができます。何らかの理由で、ページがインデックスされないインデックスカバレッジエラーもあわせて確認しましょう。

    なお、コンテンツ数を増やす目的で品質の低いページやサイトのテーマと合わないページを大量に投稿すると、評価が下がる可能性もあるため注意が必要です。検索エンジンを第一に考えるのではなく、あくまでもユーザーに寄り添ったコンテンツ制作をめざしましょう。Googleサーチコンソールの詳細を知りたい方はこちらから確認してください。

     

    直帰率・離脱率・滞在時間

    SEOを実施するうえで重要な指標には、ほかにも次のようなものがあります。

    • 直帰率:ユーザーがサイトの他のページを閲覧せず、そのページだけ閲覧して離脱した割合。一般的に40~60%であれば良好とされているが、根拠のある数字ではないため参考程度とする
    • 離脱率:サイト個々のページのうち、そのページで検索行動が終了した割合のこと
    • 滞在時間:ユーザーがサイトやページに滞在した時間を表す

    一般的に、「離脱率や直帰率が高いページや滞在時間が短いページ=質が悪い」と捉えられがちですが、必ずしもそうとは限りません。1ページ目で悩みが解決して満足したために直帰した可能性もあるためです。

    「直帰率・離脱率・滞在時間」は、SEOの重要な指標として取り上げられこともありますが、良いか悪いかは状況により異なるため、参考程度として捉えてください。「本来別ページへの遷移を想定して内部リンクを張ったがクリックされずに離脱している」など、ユーザーが目的と逸れた行動をしていないかなどを確認する指標としましょう。

    なお、2023年7月よりGoogleアナリティクスはUAのサポートが終了しGA4に移行しています。「直帰率」を始め指標の定義が変わっているため注意が必要です。詳細を知りたい方はこちらを参考にしてください。

     

    SEOの効果測定における指標の考え方

    効果測定をする際、「ゴール」をコンバージョンに置くケースが多く見られます。しかし、SEOのゴールは必ずしも「コンバージョン」とは限りません。事業目標がコンバージョンや売上だとしても、SEOのゴールは別で考えることも大切です。ここからは、SEOの効果測定における指標の考え方を解説します。
     

    キーワードによってはコンバージョンが難しいことを理解する

    SEO用のコンテンツは、潜在キーワードから顕在キーワードまで幅広く作成します。例えば、「SEOとは」というキーワードは、「SEOとは何か」を知りたいニーズになるため、そこから直接コンバージョンにはつながりづらいといえるでしょう。一方で、「SEOツール 比較」のような比較・検討段階まで来ている顕在層向けキーワードの場合、コンバージョンに結びつきやすくなります。

    また、高価な商材やBtoB商材はとくに検討期間が長期化するため、1ページを読んですぐコンバージョンにつながる可能性は低くなります。このように、商材によっては、コンバージョンまでに時間がかかる点も理解する必要があります。

    キーワードの特性を理解せず、単純に各コンテンツのゴールをすべてコンバージョンに設定してしまうと、「コンテンツSEOは成果が出づらい」と誤った認識になり、対策の優先度が下がってしまいます。キーワードや商材の特性によりコンバージョンにつながりにくいことがあると理解したうえで、ページそれぞれに目的を設定してコンテンツを制作しましょう。
     

    アトリビューションを意識する

    上述した通り、SEO用のコラムは1ページですぐコンバージョンにつながるとは限りません。複数のページを読む、広告やSNSなどの媒体で触れるなど、複合的な要素が重なって最終的にコンバージョンにつながっていくものです。

    そのため、ユーザーがコンバージョンへ至るまでに接触した各コンテンツの貢献度を計るアトリビューションを意識することが重要です。コンバージョンまでの貢献度の高いコンテンツを明確にするためにも、Googleアナリティクスなどを用いてユーザーの動線を分析しましょう。
     

    対策の目的を改めて明確にする

    事業目標は売上や利益を上げることだとしても、コンテンツSEOのゴールが必ずしも「売上」であるとは限りません。例えば、ホワイトペーパーのダウンロード、メルマガ登録、アプリのダウンロードなどが挙げられます。

    広告収入を目的としたサイトの場合には、単純なセッション数がKPIになるケースもあるでしょう。さらに、自社ブログが上位表示されることで認知度が上がり、サービスの第一想起を狙うなどもSEOの目的の一つです。

    例えば、「CRMといえばHubSpot」と結びつくなどです。SEO対策を行う目的を明確にしてから、追うべき指標を決めることで、初めて効果測定が正しく機能します。
     

    SEOの効果測定の手順

    SEOの効果測定の手順

    SEOの効果測定の手順は次の通りです。

    1. ツールを導入する
    2. ツールの設定を行う
    3. 測定結果を分析する
    4. 分析結果をもとに改善する
       

    1. ツールを導入する

    効果測定を行うにはツールの導入が不可欠です。まずは、Googleの公式サイトから提供しているツールを導入してみましょう。Googleから提供されている無料ツールには、次の2つがあります。

    キーワードによっては数週間で上位表示される場合があります。コンテンツ制作とツールの導入は並行して実施しましょう。SEOツールについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

     

    2. ツールの設定を行う

    ツールを導入したら、計測したい情報を見られるように設定します。例えば、Googleアナリティクス(GA4)の場合は、サイト訪問数やPV数、流入元などさまざまな指標や分析機能が用意されています。効率よく分析するために、知りたい情報だけを見られるようにカスタマイズしましょう。

    Googleサーチコンソールで例を出すと、インデックスされなかったページやページスピードが遅いページなどのエラー通知設定が可能です。GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールともに、自社で使いやすいように設定しましょう。GA4の詳細を知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

     

    3. 測定結果を分析する

    実施したSEO対策に効果が表れているのかを分析します。指標の確認時は、推移をチェックし、上昇・下降・停滞の傾向を掴むのがポイントです。例えば順位の分析で、1位から5位まで下がったとした場合、順位を落とす要因があるはずです。

    「競合よりもコンテンツ数が不足している」「被リンク数が少ない」「コンテンツの情報量が不足している」など上位表示をさせるための改善点を洗い出しましょう。

    注意点として、1か月などの短い期間だけで判断しないことです。期間が短いと実施したSEO対策が反映されていない場合があるためです。また1つの指標だけでなく、すべての項目から総合的に分析しましょう。
     

    4. 分析結果をもとに改善する

    分析結果をもとにして次に必要な対策を考えます。例えば、各ページの検索順位は上がっているがコンバージョンは低下している場合は、キーワードニーズに沿ったゴール設定や動線などの見直しが必要です。または競合と比較して情報の過不足がないかの確認も必要でしょう。

    セッション数やクリック数が落ちている場合は、タイトルやメタディスクリプションの見直しなどが必要となるでしょう。改善策を講じたあとも分析を行い、改善策の効果が表れているかを確認します。こうして分析と改善を繰り返すことで、SEOの効果を高めることができます。
     

    SEOの効果測定に適したタイミング

    SEOの効果測定に適したタイミング

    Google公式サイトでは、ページを公開してから成果が見られるまで4か月~1年ほどかかるとしています。しかし、実際には対策したページがクロールされる期間は、対策を行ったページ数、キーワードの難易度、対策内容などによっても変わり、早いものであれば数日で反映されるケースもあります。ここでは、対策内容に応じた効果測定のタイミングの目安を確認しましょう。
     

    サイト全体の対策を実施したとき(3か月~1年程度)

    サイト全体にSEO対策を実施したときは、効果が見られるまでに半年ほど、場合によっては1年ほど時間がかかるといわれています。年数回あるコアアルゴリズムアップデートのタイミングで効果が見られるためです。

    サイトの規模やページ数などによっても変わるため、早くて3か月、長ければ1年程度かかると考えておきましょう。なお、3か月と早い段階で効果が見られた場合は、継続して効果が上昇していく傾向があります。効果測定が遅いほど良い結果を測定できる場合もあります。
     

    新規ページを追加したとき(3~6か月後)

    SEOを実施した新規ページを追加したときは、多くの場合は3~6か月後に効果が見られます。内部対策を実施してクローラビリティ(クローラーのサイト巡回のしやすさ)を良くしたサイトの場合、1~2か月で順位がつくケースもあります。早い時期から正しくページを評価してもらうために、内部リンクの最適化やパンくずリストの設定などを実施して、クローラビリティを向上させましょう。

    内部対策を実施せずに新規ページの追加後すぐに効果が出た場合は、検索エンジンが正しくページを評価できていない場合があります。検索順位が変動する場合があるため3~6か月を目安に効果測定しましょう。
     

    既存ページの修正したとき(1週間~3か月程度)

    既存ページの修正したときは多くの場合は1か月後に初動が見られます。タイトル変更など、クロール後に評価がすぐ表れやすい対策の場合は早めに効果が出る傾向にあり、早ければ数日程度で反映されるでしょう。

    基本的には遅くても3か月程度で効果が見られますが、長いと6か月程度かかるケースもあります。どの場合もケースバイケースなので、大まかな目安として参考にしてください。
     

    SEOの指標をもとに分析と改善を繰り返そう

    効果測定を実施することで、SEO対策が適切であったのか、改善すべき点はなにかを明確にできます。分析と改善を繰り返すことで、ユーザーにとって有益なコンテンツが制作できるようになり、サイトに対するGoogleからの評価も高まるでしょう。

    キーワードや商材によって、コンバージョンにつながりにくいケースもあります。キーワードニーズに沿ったコンテンツを制作できているのか、ユーザーの動線を分析して各ページの貢献度を計ることも重要です。

    本記事を参考に、SEOの指標の見方や考え方を理解して、成果につながる効果測定も実施しましょう。

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    トピック: SEO

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