SEOとは、自社Webサイトを検索エンジンにて上位表示させるための施策を指します。上位表示できるとWebサイトへの流入が増え、認知拡大やコンバージョン増加につながります。SEOは検索エンジンへのアプローチが基本となる一方で、ユーザーのためになるコンテンツを作成することはそれ以上に重要です。
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本記事では、SEOの概要から検索順位が決まる仕組み、SEOを実施するうえで理解しておきたいGoogle の考え方、基本的な対策10項目といった基本情報から、導入すべきツールまでを解説します。
昨今のSEOの考え方にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
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SEO(検索エンジン最適化)とは?
SEO(Search Engine Optimization)は、日本語で「検索エンジン最適化」と訳され、WebページをGoogle 検索結果の上位に表示させる一連の対策と定義されています。
検索エンジンは、検索ユーザーが検索する「意図」に合わせて、最適な「回答」となるWebページを上位に選ぼうとします。具体例として、「iPhone 修理」という検索ワードの場合、検索エンジンは「ユーザーはiPhoneの修理方法や修理業者を探している」と考え、それに関する情報が書かれているWebページを上位表示させます。
また、「iPhone 中古」という検索ワードの場合は、「ユーザーは中古のiPhoneが買えるECサイトを探している」と考え、ECサイトのなかでも信頼できそうなサイトを上位表示させる仕組みです。
このようにSEOとは、検索キーワードに対する最適な回答として、作成したコンテンツを検索エンジンに評価してもらうための対策です。
SEOの鍵を握る2つの重要な視点
検索エンジンから評価されるためには、「ユーザーの役に立つコンテンツ」を「検索エンジン側にわかりやすく伝える」という2つの視点を持つことが大切です。
検索ユーザーの悩みや願望に寄り添う
SEOを実施するうえで最も重要なのは、ユーザーに寄り添ったコンテンツを作成することです。
検索エンジンは、ユーザーが抱える「悩み」や「願望」を読み解き、その悩みの解決や願望の達成につながる最善の答えを返そうとします。つまり、ユーザーの気持ちを理解しようと努めているということです。
ユーザーが何を求めて検索するのかを深く考え、悩みの解決に役立つコンテンツを作成しましょう。そのようなコンテンツは検索エンジンから高く評価され、上位表示されやすくなります。
検索エンジンの仕組みを知る
SEOの基本的な定義は、「検索エンジンに記事を発見してもらい、内容をわかりやすく伝えるための対策」です。代表的なSEOの施策として、タイトルや見出しにキーワードを入れる、タグを設定するなどの方法があります。
どれだけ良質な情報を発信しても、検索エンジンの仕組みを知らないと、記事の存在自体を認識してもらえません。仕組みを理解したうえで、適切な対策を行うことが重要です。
SEOで検索順位が確定する仕組み
検索順位はWebページを公開してすぐに決まるわけではありません。次のように検索順位が決まるまでの流れがあります。
- クロール
- インデックス登録
- 検索結果の表示
それぞれのステップで何が行われているのか、細かく見ていきましょう。
1. クロール
クロールとは、Google が開発したプログラムである「クローラー」が、Webに存在するあらゆるWebページ(URL)を巡回して、テキストや画像、動画といった情報を検出することです。
クローラーは、独自のアルゴリズムによって、クロールするサイトからクロールする頻度、取得するWebページ数までを決めています。
クローラーの巡回はさまざまな方法で実施されていますが、既存のWebページから新規のWebページから、更新されたWebページへとたどりつきます。「適切な内部リンクの設置が重要」といわれているのは、このためです。
2. インデックス登録
クロールの次の工程は、Webページをデータベースに格納するインデックス登録です。この工程では、クロールしたWebページ内のテキストや画像、動画などを分析する作業に入ります。その後、巨大データベースである「Google インデックス」に収集した情報が登録されます。
インデックス登録してもらうには、高品質なコンテンツであることが前提です。また、metaタグによりインデックスの登録が禁止されている、読み込みが困難なデザインになっていることなどが原因でインデックス登録されない場合があります。
3. 検索結果の表示
ユーザーがなんらかのキーワードで検索を行うと、Google はインデックスされたページの中から関連性が高いもの、ユーザーの疑問の答えとなるものを選び、検索結果として表示します。このとき、表示順位が高いほうがクリック率が高くなることから、Google は優れたページを特に高い位置に表示します。
順位が決定する仕組みは独自のアルゴリズムで決まっており、基本的には公開されていません。
これまでの傾向から一定の法則は研究されていますが、Google のアルゴリズムを読むというよりは、キーワードにマッチした、ユーザーのためになるコンテンツを作成することが重要とされています。
ユーザーのためになるコンテンツであれば、ユーザーからのエンゲージメントが高まり、結果的に検索エンジンからの評価も高くなるということです。
SEOの種類について
コンテンツ制作者が取り組んでいくSEOには次のような種類があります。
- 内部対策:サイト内で実施するSEO
- 外部対策:サイト外で評価を受けるためのSEO
- コンテンツSEO:コンテンツ制作によるSEO
内部対策
内部対策とは、検索エンジンに評価してもらいやすくするために、読み込みやすいサイト構造に整備することです。
主な目的は、クローラーの巡回を意味する「クローリング」を促して、自社のWebページのインデックス登録を最適化することです。コンテンツではなく、技術的な対策になることから、テクニカルSEOとも呼ばれます。
内部対策には以下のようなものがあります。
- 内部リンクの最適化
- ページ読み込み速度の改善
- モバイルフレンドリーへの対応
外部対策
外部対策とは、自社サイトの外側にある要素のことです。Google は外部から自社サイトがどのように評価されているかも、評価基準にしています。
外部からの評価を高めるには、自社のコンテンツをユーザーに知ってもらうための対策を実施する必要があります。外部対策の一例は次の通りです。
- 他社サイトにリンクを掲載してもらう被リンク
- サイトやWebページを知ってもらうためのSNS発信
- サイトやサービスに言及してもらうサイテーション
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、ユーザーの検索意図に対して正確に応えるコンテンツを制作して、上位表示を狙う一連の対策のことをいいます。
Google 検索で上位表示を実現して、検索エンジンからの流入を増加させることが目的です。
代表的な対策には、キーワード選定やユーザーニーズの分析、ニーズを満たしたコンテンツ制作などがあります。
コンテンツSEOは内部対策の一つとも考えられますが、コンテンツSEOは良質なコンテンツを作成することを目的としているため、SEOの内部対策とは別物と考えておくと良いでしょう。
コンテンツSEOはコンテンツマーケティングの一部
コンテンツSEOはSEOの施策の一部であると同時に、コンテンツマーケティングの一部とも考えられます。
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって有益な情報を提供して信頼関係を高め、ファンになってもらい、競合ではなく自然と自社商品・サービスを選んでもらえるようにする一連の施策を指します。
コンテンツにはあらゆるものが該当し、Web動画やブログ、SNSでの発信、セミナー、フリーペーパー、無料イベント、展示会などがあります。インターネット利用が一般的になった現在では、Webコンテンツを用いたコンテンツマーケティングは必須ともいえるでしょう。
コンテンツSEOは、検索エンジンを流入元としたコンテンツマーケティングの一部であり、悩みを抱えたユーザーに寄り添ったコンテンツを公開します。そうすることで信頼関係を築き、中長期的にコンバージョンを増やしていきます。
コンテンツマーケティングについては、以下コラムにて網羅的に解説しています。
SEOを実施する際に理解すべきGoogle の考え方
SEOを実施する際には、次の3つの要素を必ず理解しておきましょう。
- Google が掲げる10の事実
- E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)
- YMYL(Your Money or Your Life)
Google が掲げる10の事実
検索エンジンにはいろいろありますが、大きなシェアを誇るのはGoogle であり、SEOは基本的にはGoogle 対策となります。Google が企業として何を考え、何を目指してプロダクトを作っているのかを知ることで、SEOにも活かせる部分があるでしょう。
- ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる
- 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番
- 遅いより速いほうがいい
- ウェブ上の民主主義は機能する
- 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない
- 悪事を働かなくてもお金は稼げる
- 世の中にはまだまだ情報があふれている
- 情報のニーズはすべての国境を越える
- スーツがなくても真剣に仕事はできる
- 「すばらしい」では足りない
ここではタイトルのみを引用しましたが、ぜひ一度全文を読みに行くことをおすすめします。
例えば「1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」では、Google はユーザーを重視してホームページのインターフェースを考え、ページが瞬時に読み込まれるページ作りをしたとし、それが結果につながったと誇りを持っていることがわかります。
SEOでも、Google からの評価ではなく、ユーザーの課題解決に注力することが結果的に大きな成果につながるはずです。
検索品質評価ガイドライン
SEOに直接関連する資料としては、Google が公開している「検索品質評価ガイドライン」が重要です。
これは検索品質を評価する人に向けたガイドラインであり、もともとは内部に向けた資料でしたが、2013年に公開。2015年に大きく改定され、その後は変更があるたびに改訂版が公開されているとみられます。
なお検索品質評価ガイドラインの公開は英語のみで日本語はなく、ページ数も約170Pと長大です。すべて読み込むのは大変ですが、いくつか大切なポイントはピックアップされ解説されています。
例えば、以下のE-E-A-TやYMYLがあります。
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)
出典:searchqualityevaluatorguidelines.pdf(英語)
E-E-A-TとはGoogle 検索品質評価ガイドラインの一つです。SEOにおいて次のそれぞれの要素を高めることが重要です。
- 経験(Experience):寄せ集めの情報ではなくWebページに独自性のある実体験を含める
- 専門性(Expertise):サイトやWebページのなかに特定のテーマ・ジャンルの専門的な情報を含める
- 権威性(Authoritativeness):公的機関の情報や専門家の監修など信頼できる情報源に基づいてコンテンツを制作する
- 信頼性(Trustworthiness):Webページがどの程度「正確・誠実・安全」で信頼できるかを考慮する
2022年12月に、「E-A-T」にE(経験)が追加されて、「E-E-A-T」になりました。これは、コンテンツに経験(実体験)を含めることが重要になったことを意味します。
また、E-E-A-Tのなかでも最も重要なのが、図の中心にある信頼性(Trustworthiness)とされています。
YMYL(Your Money or Your Life)
YMYLとは、「Your Money or Your Life」の略語で、「お金や生活、健康などのユーザーの人生に大きな影響を与えるテーマ・ジャンル」を扱うコンテンツのことです。
YMYL領域に関しては、低品質なコンテンツを提供してしまうと、ユーザーの人生に悪影響を及ぼしてしまうため、厳格な評価基準が設けられています。
YMYL領域のコンテンツを制作する際は、独自の経験や高い専門性、権威性、信頼性が必要になります。
つまり、YMYLのコンテンツは、E-E-A-Tのすべてを高い水準で満たさなければならないということです。
SEOの評価を高めるために知っておくべき10項目
SEOの評価を高めるためにやることとして、次の10項目があります。これらの施策を組み合わせて実施することが大切です。
- キーワードを決める【コンテンツSEO】
- ペルソナを設定する【コンテンツSEO】
- 検索意図を理解してタイトルと見出しを設定する【コンテンツSEO】
- ユーザーの役に立つコンテンツを制作する【コンテンツSEO】
- コンテンツの見やすさとわかりやすさを高める【コンテンツSEO】
- コンテンツの信頼性を高める【コンテンツSEO】
- 内部リンクを最適化する【内部対策】
- スマートフォンからの見え方を重視する【内部対策】
- UXを改善する【内部対策】
- 被リンクやサイテーションを獲得する【外部対策】
1. キーワードを決める【コンテンツSEO】
SEOでは対策するキーワードの選定が重要ですが、その前にまずSEOを行う目的を定めます。Webサイトを運用することで何を目指すのか、ユーザーにどうなって欲しいのかなどを定め、具体的なKGI・KPIを定めることで、どんなキーワードで対策するべきかが見えてきます。
キーワードは、検索回数が多いものを優先して選択することが基本です。一定の検索数がないと、Webページが上位表示できても集客を見込めないためです。
ただし、競合が強く上位表示が見込めない場合や、目的達成のために重要性の高いキーワードの場合は、「ロングテールキーワード」から取り掛かる場合もあります。ロングテールキーワードとは、検索数が約1,000未満の複数の単語が組み合わさったキーワードです。
キーワードプランナーやラッコキーワードを利用すると、月間検索数やサジェストキーワードを抽出できます。
2. ペルソナを設定する【コンテンツSEO】
決めたキーワードに対するペルソナを設定します。ユーザーの検索意図や職業や収入、趣味などの詳細なターゲット像を設定することをペルソナ設定といいます。
ペルソナ設定では、大まかにセグメントを行うターゲティングと違い、具体的な人物像を作り上げます。そうすることで、誰に向けたコンテンツを作ればいいかが明確になり、ニーズに合ったコンテンツ作成が可能になります。
また、チーム間で目的を共有できることもペルソナ設定のメリットです。中心とするべきペルソナがあれば、迷ったときに「この人が相手ならどうするべきか」に立ち返ることができます。
ペルソナを設定する際は、ユーザーが興味・関心、比較・検討など、購買プロセスのどの段階にいるのか、どれくらいの知識を保有しているのかを想定することが重要です。ペルソナを明確にしてユーザーのニーズに沿ったコンテンツを制作しましょう。
なおペルソナ設定の詳しいことは、以下コラムを参考にしてください。
3. 検索意図を理解してタイトルと見出しを設定する【コンテンツSEO】
記事に興味を持ってもらうためには、適切なタイトルと見出しを設定することが重要です。
タイトルや見出しの付け方のポイントは多数ありますが、一部紹介すると次の通りです。
- タイトル:読むことで得られる利益(ベネフィット)を含める
- 見出し:見出しだけで内容がわかるようにする
SEOを意識したタイトルの付け方の詳細を知りたい方は、こちらを参考にしてください。
4. ユーザーの役に立つコンテンツを制作する【コンテンツSEO】
現在のSEOにおいて、ネットから拾った情報の寄せ集めでは上位表示は困難です。ユーザーニーズを満たす質と量のコンテンツを制作することを意識しましょう。
Google も、検索エンジンファーストのコンテンツではなく、ユーザーファーストのコンテンツ制作が重要と述べています。ユーザーニーズを満たし上位表示を成功させるには、競合にはない独自の一次情報を含んだコンテンツを制作する必要があるでしょう。
また、2023年1月より、独自性のある有益なコンテンツが上位表示されやすくなる「ヘルプフルコンテンツアップデート」のロールアウトが完了しています。詳細を知りたい方はこちらを参考にしましょう。
5. コンテンツの見やすさとわかりやすさを高める【コンテンツSEO】
SEOにおいて、文章の見やすさやわかりやすさも重要です。コンテンツの見やすさとわかりやすさを高めるポイントは次の通りです。
- 文章だけでなく構成も論理的にわかりやすくなっているか
- 箇条書きや改行を使って見やすいテキストになっているか
- 理解度を高めるために画像や図表を用いているか
- PCだけではなくモバイル端末でも見やすくなっているか
- 最終的にどのような行動を取るべきか提示されているか
コンテンツ制作においてユーザーの行動を後押しする情報提供も重要です。
見やすさやわかりやすさだけでなく、文章を読んだあとに行動の後押しとなる内容を具体的に提示しましょう。
6. コンテンツの信頼性を高める【コンテンツSEO】
先に紹介した通り、E-E-A-Tを意識することはコンテンツ制作に欠かせない要素です。
Google はE-E-A-Tのなかで「Trustworthiness = 信頼性」が特に重要と述べています。信頼性を高めるには、経験・専門性・権威性を意識してコンテンツ制作をする必要があります。
例えば、「経験」では、実際にサービスを使用してみたり、使用した人にインタビューしてみたりなどです。コンテンツに一次情報が含まれていれば、情報としての信頼性が高まるというわけです。
「権威性」の場合は医師や弁護士など、その道の専門家に監修を受けているコンテンツであれば、権威性だけでなく信頼性も高くなるでしょう。
7. 内部リンクを最適化する【内部対策】
内部リンクを最適化すると、「クロールのされやすさ」を意味する「クローラビリティ」が高まります。また、内部リンクの最適化は、ユーザーの利便性においても重要な対策です。
1つのWebページでユーザーの検索ニーズを満たすのが難しい場合は、必要に応じて内部リンクで別のWebページへ誘導することで、ユーザーを解決へ導くことができます。
内部リンクの設置方法にはいくつかのポイントがあります。詳細を知りたい方はこちらを参考にしてください。
8. スマートフォンからの見え方を重視する【内部対策】
モバイル版Webページの用意は必須要件ではないものの、強く推奨されている要素の一つです。現在のユーザーの多くは、スマートフォンでインターネットを利用しているためです。
総務省が発表しているデータから、インターネットを利用する際のスマートフォン利用率は7割近くであることがわかります。スマートフォンの見やすさとわかりやすさの最適化は、重要なポイントといえるでしょう。
Google のモバイルフレンドリーテストに合格できるように改善しましょう。
9. UXを改善する【内部対策】
UX(ユーザーエクスペリエンス)は、直訳すると「ユーザー体験」ですが、SEOにおいては、「サイトの利便性」と考えるとわかりやすいでしょう。
Google には、Webページの読み込みスピードやインタラクティブ性、視覚的安定性などのUXを測定する指標として、「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」があります。
Core Web Vitalsの主な指標には、LCP・FID・CLSの3つがあり、それぞれのスコアの改善がWebページのパフォーマンス向上につながります。
10. 被リンクやサイテーションを獲得する【外部対策】
コンテンツをSNSやプレスリリースなどで宣伝して、被リンクやサイテーションを獲得することは、SEOにおいて重要な対策です。
前述した通り、Google は「4. ウェブ上の民主主義は機能する」と述べているため、被リンクは重要であると考えられます。
絶対に避けなければならないブラックハットSEOについて
SEOを進めるにあたり、絶対に避けなければならないのは、検索エンジンの仕組みの隙を突いて不当にランキングを高めようとする「ブラックハットSEO」です。
現在はGoogle の仕組みも成熟が進み、そう簡単にズルはできないようになっていますが、以下に紹介するようなブラックハットSEOを知らずにやってしまうとペナルティをもらってしまうでしょう。
被リンクのみで順位を上げるSEOが横行
ブラックハットSEOとしてよく知られているのが、人工的に被リンクをとにかく集める施策です。
まだ検索エンジンが成熟していない頃、被リンクの数が大きなランキング要因になっていたことがありました。これに目をつけ、粗悪なコンテンツを大量に生産し、被リンクを集めて順位を上げる施策が横行しました。
現在も被リンクはランキングに重要な要素の一つですが、粗悪な被リンクを大量に集めるようなページはペナルティを受けることになります。
他にも、他メディアのコンテンツをコピーして掲載する、コンバージョンを高めるために隠しリンクを入れる、キーワードを記事内にとにかく入れ込むなどのブラックハットSEOがあります。
2016年悪質キュレーションサイト問題
SEOの歴史でも特に有名な事件の一つが、2016年に起きた悪質キュレーションサイトの問題です。
キュレーションサイトとは、キュレーターが情報を収集し、ユーザーが1ページでいろいろな情報にアクセスできるようにしたサイトです。
正しく収集したキュレーションサイトは有用ですが、コピーコンテンツが多い、誤った情報が拡散されているといった問題もありました。そんな中、ある医療系のキュレーションサイトが誤情報を拡散し、後に杜撰な体制が発覚したことで問題が一気に表面化。
Google はアルゴリズムをアップデートし、お金や健康に関するコンテンツにはより高い品質を要求するようになりました。
SEOを実施する際に導入すべき主要のツール
SEOを効果的に実施していくには、適切なツールを用い、客観的な数値によって評価すること、業務を効率化していくことが重要です。
ここでは、SEOでの成果を高めるおすすめのツールをご紹介します。
Google の2大ツール
自社サイトを分析するためには、Google が提供している2つの無料ツール「Google アナリティクス」「Google サーチコンソール」の利用は不可欠です。
Google アナリティクスは、サイトの訪問者数やPV数、平均滞在時間、ユーザーの年齢、性別、地域などの項目を分析できる無料ツールです。Google アナリティクスは、ユーザーの訪問後のデータを計測できるため、目標の達成度を測ることができます。
例えば、目標のPV数に到達しているか、想定しているターゲットが訪問しているか、想定通りのコンバージョン数を獲得できているかなどです。
Google サーチコンソールは、表示回数やクリック数、クリック率、平均掲載順位を調べられる無料ツールです。ユーザーの訪問前の動向を計測できるため、主にコンテンツの改善すべき点を分析できます。
Lumar
Lumarはアクセス解析ツールの1つであり、マーケット最速を謳うクローラーによりテクニカルSEOを推進できます。
LumarではSEO対策に必要となるインサイトを素早く取得し、Webサイトの評価を高めるための施策に活かすことができます。
Ahrefs
Ahrefsは、自社サイトおよび競合サイトの被リンクや上位表示コンテンツについて分析できるツールです。
世界最大級の被リンクデータ量やデータ更新速度が魅力であり、競合サイトと自社サイトを比較してどのようなSEO対策を練ればいいかのヒントが得られます。
GMO順位チェッカー
GMO順位チェッカーは、登録したキーワードの自社サイトの順位を細かくチェック・記録・分析できるツールです。
自社サイトの現状やこれまでの推移を分析できるだけでなく、AIによる有効なキーワードの提案や自動レポート作成機能もあります。
tami-co
tami-coは、コンテンツの作成に役立つさまざまな機能を有したオールインワンツールです。
キーワードの選定や順位チェック、コンテンツ作成機能などを備え、これ1つで一通りのSEO対策が行えるようになっています。
また、コンテンツ作成ではAIによる生成機能も利用でき、タイトルや本文の生成だけでなく、できたコンテンツの採点も行ってくれます。
ブログアイデア生成ツール
ブログアイデア生成ツールは、当社HubSpotが提供する生成AIツールです。料金は完全無料で、AIがブログタイトルを提案してくれることによりアイデア出しを大幅に効率化できます。
また、Google のアルゴリズムを意識しすぎず、自社ターゲットに合わせたAIライティングも可能です。
Content Hubとの連携で、作成したコンテンツをスムーズに公開することもできます。
以下コラムにて、他にもおすすめSEOツールを紹介しています。
昨今におけるSEOの考え方
SEOのアルゴリズムは年に数回アップデートされているため、常に最新の情報を把握しておくことが重要です。
ここでは、昨今におけるSEOの考え方について解説します。
信頼性・オリジナリティの高さを意識
近年、コンテンツの信頼性の高さは重要度が高まっています。E-E-A-Tのコンセプトに沿って、権威性のある人物によって書かれた(あるいは監修された)コンテンツか、該当テーマについてサイト全体で網羅的に取り上げているか、専門的な内容が書かれているかなどを意識してコンテンツを作成しましょう。
また、生成AIが進化したことから、上位サイトの情報を網羅しただけの誰でも作れるコンテンツは評価が低くなりつつあります。オリジナリティの重要性が高まっており、ほかのサイトで取り上げていない一次情報を取り入れていくことが重要です。
Google でも、生成AIによって検索エンジンからの情報を要約して表示するSGE(Google Search Generative Experience)が登場し、日本でも2023年8月30日から試験運用が開始しました。その後「AI Overview」に改名し、2024年6月時点でアメリカの英語版のみ一般公開となっています。
生成AIにまつわる技術は発展が著しく、検索エンジンにおける位置づけも目まぐるしく変わっていくことが予想されます。今後はますます、コンテンツに何が求められるのかを模索しながらSEOに取り組む必要があるでしょう。
再検索させないコンテンツ作り
SEOを意識したコンテンツを作る際には、「いかに再検索させないか」を考えることも重要です。記事を読んだユーザーがGoogle の検索画面に戻り再検索するということは、その記事を読んでも悩みが解決できなかったということです。
作成した記事で悩みを解決してもらうためには、検索ニーズを的確に理解して、必要な情報を盛り込み、内部リンクでサイト内を回遊してもらうなどの工夫が重要といえるでしょう。
文字数の多さではなく必要情報の網羅性
過去には、文字数の多い「長文コンテンツ」が流行った時期もありましたが、文字数の多さ自体は順位と直接的に関係ないといわれています。また、「情報を網羅的に」というと、上位サイトの情報を全部入れれば良いと思われがちです。
しかし、情報を盛り込みすぎると不要な内容まで混じり、かえって情報収集の妨げになってしまう可能性があります。むやみに文字数や情報量を増やすのではなく、ユーザーが求める情報を過不足なく入れることを意識しましょう。
「AI 生成コンテンツ=悪」ではない
近年は、生成AIが利用しやすくなったことから、コンテンツ制作をAIで行う企業も増えています。
Google は、AIによるコンテンツ制作を直接的に禁止しているわけではありません。しかし、検索結果のランキング操作を主な目的とした価値のないAI生成コンテンツは、スパムに関するGoogle ポリシーに違反するため注意が必要です。
E-E-A-Tやオリジナリティを意識し、ユーザーの悩みの解消を第一に考えた有益なコンテンツを作成しましょう。そのためにAIを活用していくのは良い方法といえます。なお、AI生成を利用する場合は、ユーザーにわかるように開示することをGoogle では推奨しています。
参考:AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス
Google ではなくユーザーを意識する
コアアルゴリズムアップデートが実施されると、その方針に合わせて対策を行うのは自然な流れです。しかし、Google をハックするようなやり方は、一次的に順位が上がっても結局評価が下がってしまいます。
向き合うべきはGoogle ではなく、ユーザーであることを忘れないようにしましょう。ページスピードの改善やサイトレイアウトなどUI/UXを意識したサイト構築、検索意図を理解しユーザーが知りたいベストな回答を含めたコンテンツ制作など、常にユーザーと向き合うことが重要です。
SEOの基本を押さえて効果的な対策を実施しよう
検索エンジンのアップデートにより、SEOは常に変化していますが、「ユーザーが求める情報を的確に届ける」という方針は一貫しています。本質を踏まえつつ、E-E-A-Tやヘルプフルコンテンツアップデートや、今後新たに発表されるGoogle の方針やアップデート情報を都度理解しながら、効果的なSEOを実施しましょう。
効率よくSEO対策を実施していくには、SEOツールの活用が重要です。次の記事でSEOツールの詳細も確認しましょう。