YMYL(Your Money or Your Life)とは、人々の将来の幸福や健康、経済的安定、生活安全などに影響を与えるテーマのことです。
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Google は、ユーザーの人生に影響する医療や健康、金融情報などのコンテンツをYMYL領域として、厳しい評価基準を設けています。YMYL領域で上位表示を実現するには、高度なSEOが必要です。
本記事では、コンテンツマーケティングの担当者に向けて、YMYLの概要や該当するジャンル、SEOを7つ解説します。読者にとって有益な情報を届け、検索エンジンからの評価を高めるためにYMYLの知識を深めましょう。
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YMYLとは?
まずは、YMYLの意味や概要、導入された背景について解説します。
YMYLの意味と概要
YMYL(Your Money or Your Life)とは、直訳すると「あなたのお金とあなたの生活」という意味です。Google 検索品質評価ガイドラインでは、人々の幸福や健康、経済面、安全面などに影響を与える可能性があるテーマを指す用語です。
Google は、「低品質なYMYL領域のコンテンツは人の幸福や健康、経済的安定に悪影響を及ぼす」として、通常よりも厳しい評価基準を設けています。
YMYL領域のコンテンツの具体的として、次のようなものがあります。
- 資産運用の方法
- 健康づくりの方法
- 病気の改善方法
- 緊急時の対策
このようなコンテンツを作成するにあたって間違った情報を提供してしまうと、読者が資産を損失したり、健康状態を悪化させたりといった不利益を被る可能性があります。そのため、YMYL領域のコンテンツを作成する際は、高い正確性や信頼性が求められます。
YMYLがGoogle 検索品質評価ガイドラインに導入された背景
Google がYMYL領域を厳しく取り扱っている理由は、過去に間違った情報でも上位表示を獲得できる手法が横行してしまい、それらを信じたユーザーが被害を受けてしまったためです。
代表的な事例を取り上げると「WELQ問題」があります。WELQは、医療情報を拡散するキュレーションサイトのひとつです。WELQでは、裏付けのない記事の量産や記事の無断転用が行われていました。
WELQをはじめ、日本の医療・健康ジャンルの検索結果は、キュレーションサイトが多くを占めていました。Google はYMYL領域に関わるさまざまなアップデートを実施してきましたが、WELQ問題を受けて、高品質なコンテンツを上位表示するために、日本限定でWELQアップデートも実施しています。
YMYLとE-E-A-Tの関係性
出典:General Guidelines Experience, Expertise, Authoritativeness, and Trust (E-E-A-T)
YMYL領域ではE-E-A-Tを高いレベルで満たすことが要求されます。E-E-A-Tとは、次の頭文字をとった略語であり、Google がコンテンツの品質を評価する基準になっています。
- E:Experience(経験)
- E:Expertise(専門性)
- A:Authoritativeness(権威性)
- T:Trust(信頼性)
特に信頼性は最も重要な要素とされており、経験・専門性・権威性を高めることにより、信頼性が担保されます。
E-E-A-Tについてさらに詳しく知りたい方は次の記事を参考にしましょう。
YMYL領域に該当するジャンル
2022年7月28日に、Google は検索品質評価ガイドラインを改定しました。明確なジャンルの記載がなくなり、代わりにコンテンツがYMYLに該当するかどうかをスペクトルで評価するための3つの基準が設定されました。
「スペクトル」とは、光を波長の順番に並べた、虹色のグラデーションの帯を指します。明確にYMYLといえるトピックはごく一部であり、多くの場合は、グラデーションのついた帯のように、トピックによってYMYLの程度が異なると考えると良いでしょう。
上の表を見ると、「津波発生時の避難ルート」のように、ページを閲覧したユーザーの生死に直接関わるトピックが明確なYMYLとしてあげられています。また、その情報をもとに、人や行政が、人の生死を左右するような決断を行う可能性があるトピックもYMYLに含まれます。
例えば、特定の人種を下等だと見なす、人種差別に発展し得る意見や、行政の決断に関わる現在進行中の犯罪や暴力などの情報、または薬の買い方といった情報です。
一方、天気予報や歯ブラシを取り替える頻度といった、場合によっては人に悪影響を及ぼす可能性がある情報は、「YMYLに含まれる可能性があるトピック」に含まれます。
このように、情報に触れたユーザーに直接悪影響を及ぼしたり、情報をもとに行動を起こしたユーザーが第三者に悪影響を及ぼしたりする可能性があるトピックが、YMYLに含まれます。
自社サイトのトピックがYMYLかどうかの判断に迷ったときは、次の2点について考えてみましょう。これらの基準は、検索品質評価ガイドラインでも推奨されています。
- 慎重な人が被害を防ぐために、専門家や信頼できる情報源を探すようなトピックか?
また、わずかな情報の誤りであったとしても、人に危害を与える可能性があるか?
→もしそうであれば、そのトピックはYMYLである可能性が高い。
- そのトピックは、ほとんどの人が、友人に気軽に相談する程度で満足するようなものか?
→もしそうであれば、そのトピックはYMYLではないと思われる。
なお、Google は「明確なYMYLのページには最も厳しい品質評価を行う」としています。
前提として、YMYL領域以外においても正確な情報をコンテンツに記載することは重要です。そのうえで、自社サイトのトピックがYMYLに属する、あるいはYMYLに近いトピックだと考えられる場合は、特に慎重な判断が求められます。ユーザーに与える影響の大きさを考慮し、サイトに載せる情報の正確性や信頼性を担保しましょう。
改定前に記載されていたYMYLの7つのジャンル
2022年7月に実施された検索品質評価ガイドラインの改定以前は、YMYL領域が上の7つの領域に分類されていました。ここでは、各ジャンルのコンテンツについて詳しく解説します。改定前に設定されていたYMYLに該当するジャンルを知ることで、どのような内容がYMYL領域に当てはまるのかを理解するのに役立つでしょう。
1. 健康・安全
健康と安全のジャンルとは、病気や薬物、病院などに関する情報や、緊急時の安全対策などを含むコンテンツのことです。これらを扱うコンテンツは、正しい情報でユーザーを健康的な身体や安全に導く必要があります。場合によっては生命に関わる問題になるため、厳格な評価基準が設けられています。
[健康と安全のコンテンツの例]
- ケガや病気に対する応急処置や健康づくりに関するコンテンツ
- うつ病やストレス対策に関するコンテンツ
- 津波や地震、台風などの避難対策に関するコンテンツ
- ダイエットや脱毛、化粧品に関するコンテンツ
2. 金融関連
金融情報のジャンルとは、投資や税金、ローン、保険などのコンテンツのことです。金融に関するコンテンツでは、正しい情報をもとに資産形成や税金対策、老後設計ができるようにする必要があります。そのため、金融に関わるコンテンツは厳しく評価されています。
[金融情報のコンテンツの例]
- 株式投資や不動産投資、FX、仮想通貨に関するコンテンツ
- 金融商品や保険、金利に関するコンテンツ
- 所得税や住民税に関するコンテンツ
- 国民年金や退職金、老後設計に関するコンテンツ
- 住宅ローンや自動車ローン、消費者金融に関するコンテンツ
3. ショッピング
ショッピングのジャンルとは、商品・サービスの購入や調査などコンテンツのことです。購入や決済は、ユーザーの人生に大きな影響を及ぼす可能性があるためYMYLに該当します。特に高額な商品・サービスは評価がシビアになります。
[ショッピングのコンテンツの例]
- サイト内で決済・購入ができるWebサイト
- 商品・サービスの価格比較などの情報を含むWebサイト
4. 政治・法律・市民権
政治・法律・市民権のジャンルとは、政府機関や社会福祉、行政サービスなどのコンテンツのことです。これらのコンテンツは、ユーザーの人生に大きな影響を及ぼす可能性があるためYMYL領域に該当します。
間違った情報により、適切な行政サービスを受けられないなどの権利上の不利益を生じさせないために、厳格な評価基準が設けられています。
[政治・法律・市民権のコンテンツの例]
- 選挙活動や政治情報に関するコンテンツ
- 学校や公共交通、インフラに関するコンテンツ
- 介護サービスや子育て支援、障がいを持つ人の支援に関するコンテンツ
- 離婚や親権、養子縁組、遺言、相続に関するコンテンツ
5. ニュース・時事問題
ニュース・時事問題のジャンルとは、政治・ビジネス・科学に関する重要なニュースや国際的な出来事などのコンテンツのことです。国際的なニュースやビジネス・科学などの情報は、ユーザーの生活に大きな影響を及ぼす可能性があるため、高度なSEOが必要です。
ただし、すべてのニュース・時事問題が該当するわけではなく、スポーツやエンターテイメント、日常生活などの影響度が低い情報はYMYLに該当しない場合があります。
[ニュース・時事問題のコンテンツの例]
- 戦争や内戦、デモに関するコンテンツ
- 円高や物価などの経済情勢に関するコンテンツ
- 生活に影響を及ぼす科学の発展に関するコンテンツ
6. 人々の集団
人々の集団のジャンルとは、国籍・人種・宗教・性別などの人々のグループに関するコンテンツのことです。これらは、国境を越えて取り扱われる事柄であるため、厳格な評価がなされています。
[人々の集団のコンテンツの例]
- 性別や身分、年齢、障がいを持つ人のアイデンティティ・表現に関するコンテンツ
- 宗教への信仰心や表現に関するコンテンツ
- 性差別や人種差別に関するコンテンツ
- 大規模な暴力事件の被害者に関するコンテンツ
7. その他
その他のジャンルとは、就職や栄養、住居、学校情報など、他のジャンルに当てはまらないコンテンツのことです。ユーザーの生活の重要な局面に関わるテーマが多くあるため、コンテンツの提供者が適切に判断する必要があります。
[その他のコンテンツの例]
- サプリメントや栄養学に関するコンテンツ
- 筋力トレーニングやフィットネスに関するコンテンツ
- 職業情報や求人情報に関するコンテンツ
YMYL領域のコンテンツを制作する際に必要なSEOの施策7つ
YMYL領域は通常のコンテンツよりも上位表示が難しく、高度なSEOが必要です。ここでは、次のYMYL領域のコンテンツを制作する際に必要なSEOの施策を7つ解説します。
- 運営元と執筆者情報を明記する
- 専門家の監修を受け権威性と専門性を高める
- 公的機関の情報を参考にして出典元を明記する
- コンテンツを常に最新の内容にする
- Webサイト全体のコンテンツを充実させる
- 良質なWebサイトから被リンクを獲得する
- 非YMYLコンテンツを混ぜない
1. 運営元と執筆者情報を明記する
どのような人物や企業がコンテンツを作成しているのかを公開することで、ユーザーが安心感を得られ、コンテンツの信頼性が向上します。
2023年2月、Google は「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」に「誰が、どのように、なぜ」コンテンツを作成したかをコンテンツ内で言及するように明記しています。つまり、運営元と執筆者情報だけでなく、コンテンツの作成方法やテーマも明記することが重要ということです。
「誰が、どのように、なぜ」の一例は次の通りです。
- 誰が:執筆者の経歴や専門領域、保有資格・会社概要や運営者情報
- どのように:商品の選定基準、AI生成の使用の有無
- なぜ:「安定した資産運用のために」「人々の健康のために」「緊急時に人々の安全を守るために」など
なかでも、Google は「なぜ」を最も重要な要素と位置付けており、「何よりも人々の役に立つ」コンテンツであることを求めています。また、YMYL領域は専門性が高く、ユーザーにとっては理解が難しいことがあるので、問い合わせフォームを設けるとさらに信頼性が高まるでしょう。
2. 専門家の監修を受け権威性と専門性を高める
YMYL領域のコンテンツは、E-E-A-Tを高めることが重要です。E-E-A-Tのなかでも、権威性と専門性を高める方法として、専門家にコンテンツを監修・執筆してもらう方法があります。
専門家の一例は次の通りです。
- 医療に関するコンテンツ:医師・薬剤師
- 法律に関するコンテンツ:弁護士
- 税金に関するコンテンツ:税理士
専門家に監修を受けたコンテンツは、権威性と専門性を満たしているとGoogle アルゴリズムに判断され評価が上がります。さらに、監修者は専門職の経験があるのが理想的です。監修者の経験を一次情報として明記できるためです。
執筆者・監修者の情報をWebサイトに詳しく記載すると、Google からの評価はさらに高まります。
3. 公的機関の情報を参考にして出典元を明記する
政府や自治体が運営している公的機関のWebサイトを参考にすれば、コンテンツの精度が高まります。また、コンテンツには出典元を明記しましょう。
公的機関の情報の一例は次の通りです。
- 医療に関するコンテンツ:厚生労働省のWebサイト
- 法律に関するコンテンツ:裁判所のWebサイト
- 税金に関するコンテンツ:国税庁・地方自治体のWebサイト
医師会の発表や研究機関の論文なども、情報源として信頼性が高いといえます。
4. コンテンツを常に最新の内容にする
YMYL領域では、情報の鮮度も重要です。次のような最新の情報を常にコンテンツに含めることができれば、ユーザーにとって良い影響を与えられるでしょう。
- 従来は常識であった健康法が最新の研究により不適切であることがわかった
- 制度の改正により新たに所得税の控除ができるようになった
- 新制度により子育て支援や介護支援が受けられるようになった
特に、医療や法律、金融関係の情報は頻繁にアップデートされるため、継続的なチェックが欠かせません。
5. Webサイト全体のコンテンツを充実させる
ユーザーに対して有益な情報を提供するには、特定のページだけでなく、Webサイト全体のコンテンツを充実させることが大切です。
次の項目を参考にして、運営しているWebサイト全体の品質を高めましょう。
- ユーザーの検索意図を満たすコンテンツになっているか
- 実践的なアドバイスを提供できているか
- 不正アクセスにより不明コンテンツが生成されていないか
- コンテンツに無関係な広告が表示されていないか
- 管理されていないページはないか
6. 良質なWebサイトから被リンクを獲得する
権威性の高いWebサイトからの被リンク獲得も、YMYL領域で重視すべきポイントです。次のように権威性の高いWebサイトからの被リンクは、自社サイトの権威性や信頼性を高めることにつながり、検索結果にも反映されるためです。
- 運営しているWebサイトと関連性が高いWebサイト
- 被リンクを多く獲得しているWebサイト
SEO目的の被リンク集めや、低品質なWebサイトからの被リンクは、逆効果になるため注意してください。外部サイトから自然に受けるナチュラルリンクを獲得するために、他社にはない独自のコンテンツを作成しましょう。
7. 非YMYLコンテンツを混ぜない
YMYLコンテンツに非YMYLコンテンツを混ぜると、Webサイト全体がどのような情報を扱っているのかをGoogle が判断しづらくなり、アルゴリズムの評価に影響します。
例えば、医療コンテンツに旅行や芸能ジャンルなど無関係なジャンルを含めてしまうと、Google アルゴリズムの評価に影響して、検索順位が低下する可能性があります。YMYL領域のコンテンツを作成するときは、テーマやジャンルを統一しましょう。
YMYL領域のコンテンツは信頼性を軸にE-E-A-Tを極限まで高めていこう
YMYL領域のコンテンツは、E-E-A-Tのすべてが重要です。信頼性が高く専門性があり、運営元・執筆者・監修者の権威性も担保しているコンテンツは、ユーザーに被害を与えることなく、幸福に導ける可能性が高いといえるでしょう。
公的機関の一次情報をもとにコンテンツを作成し、専門家の監修を受けるなどの工夫を行うことで、質の高い情報提供を目指すことが可能になります。常にユーザーのベネフィットを考えたコンテンツ作成を心がけることが重要です。