ヘルプフルコンテンツアップデートとは?概要や検索順位への影響・対策を解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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ヘルプフルコンテンツアップデートとは、Google が新しく実施したアップデートです。検索エンジン攻略のためではなく、ユーザーファーストを徹底することを重視したアップデートであり、コンテンツ作成に関わる方には必ず知っておいてほしい内容です。

ヘルプフルコンテンツアップデートとは?概要や検索順位への影響・対策を解説

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本記事では、ヘルプフルコンテンツアップデートの概要や導入による影響、実施すべき対策を解説します。アップデートによってコンテンツの評価にどのような変化が起きるのか、本記事で学んでいきましょう。

ヘルプフルコンテンツアップデートとは?

ヘルプフルコンテンツアップデートとは?

ヘルプフルコンテンツアップデートとは、Google が新しく実装したアップデートです。2022年の12月にグローバル展開され、2023年1月にロールアウトが完了しています。まずは、ヘルプフルコンテンツアップデートの概要を解説します。
 

「ユーザーファースト」をより評価するように

従来よりGoogle は、ユーザーファーストのコンテンツを優位にする方針をとっています。ヘルプフルコンテンツアップデートは、ユーザーを満足させるコンテンツを、より高く評価するためのアップデートです。ユーザーのニーズに応えていないコンテンツとの差異化を目的に実装されました。

Google は、次に当てはまるコンテンツを評価すると述べています。

  • 特定のユーザー層がすでに存在しているか、想定されており、その人たちがビジネスまたはサイトを直接訪問した際に、コンテンツを有用だと感じてくれると思いますか。
  • コンテンツは、実体験や深い知識(たとえば、実際に商品やサービスを使用したり、ある場所を訪れたりした経験に基づく特別な知識)を明確に示していますか。
  • サイトには主要な目的またはテーマがありますか。
  • コンテンツを読み終わったユーザーは、あるトピックについて、目的を果たすのに十分な情報を得たと感じることができますか。
  • コンテンツを読んだユーザーは、有益な時間を過ごせたと感じられますか。
  • コア アップデート商品レビューに関する Google のガイダンスに留意していますか。

出典:Google 検索セントラル ブログ 2022年8月のGoogle の有用なコンテンツの更新についてクリエイターが知っておくべきこと

「実体験や深い知識を明確に示すコンテンツ」としては、テーマに沿って実際にその場所を訪れた人が制作したコンテンツや、何かを体験した人の話をもとに制作されたコンテンツなどが例として想定されます。また、専門知識が求められる領域については、有識者による記事の監修も有効と考えられます。

また、Google ではコンテンツの品質の自己評価項目として、次の内容を掲げています。コンテンツの作成前後に確認しておきましょう。

  • コンテンツは、独自の情報、レポート、研究または分析の結果を提示しているものですか。
  • コンテンツには、特定のトピックに対して実質的な内容を伴う詳細または包括的な説明が記載されていますか。
  • コンテンツには、自明の事柄だけでなく、洞察に富んだ分析内容や興味深い情報が含まれていますか。
  • コンテンツが他のソースを参考にしたものである場合は、単なるコピーや書き換えではなく、付加価値とオリジナリティを十分に示すものですか。
  • メインの見出しやページタイトルは、内容を要約して説明する有用なものですか。
  • メインの見出しやページタイトルは、コンテンツを誇張している、または読者に強いショックや不快感を与えるものではありませんか。
  • 自分でもブックマークしたい、また友人に教えたりすすめたりしたいと思えるページですか。
  • コンテンツには、雑誌、百科事典、書籍に掲載または引用されるような価値がありますか。
  • 検索結果に表示された他のページと比較した場合、コンテンツは実質的な価値を提供していますか。

出典:有用で信頼性の高い、ユーザーをファーストに考えたコンテンツの作成

 

「検索エンジンファースト」は評価しない

Google は、検索エンジンへの対策を第一に考えたコンテンツを評価しないと主張しています。検索エンジンファーストのコンテンツにしないためには、次の項目に該当しないようなコンテンツを作成する必要があります。

  • コンテンツは、人間のために作成されたというより、主に検索エンジンからユーザーを引き付けるためのものですか。
  • どれかが検索結果に表示されることを期待して、さまざまなトピックで多くのコンテンツを作成していますか。
  • 多くのトピックについてコンテンツを作成する際、かなりの部分に自動化を使用していますか。
  • 価値を付加することなく、主に他の人の意見を要約していますか。
  • 既存のユーザー層のためではなく、ただ話題になっているという理由で記事を書いていますか。
  • ユーザーがコンテンツを読み終わっても、他のソースからより良い情報を得るために再び検索する必要があると感じさせてしまいますか。
  • Google が優先する文字数があるとどこかで聞いたか読んだかしたために、特定の文字数になるように記事を書いていますか(そのような設定は存在しません)。
  • 検索トラフィックを獲得できると考えて、実際の経験がないにもかかわらず、ニッチなトピックを扱うことにしましたか。
  • 実際には答えがない質問にコンテンツ内で答えることを約束していますか(たとえば、未定のはずの商品の発売日や、映画の公開日、テレビ番組の放送日)。

出典:Google 検索セントラル ブログ 2022年8月のGoogle の有用なコンテンツの更新についてクリエイターが知っておくべきこと

要約すると次のようになると考えられます。

  • 特定のユーザーのために制作したコンテンツである
  • 特定のテーマ・ジャンルの専門性が高い
  • 自動化を多用しない
  • 既存の情報をまとめただけでなく独自性がある
  • ユーザーの悩みを解決する十分な情報量である
  • 経験に基づいた情報である
  • 不明確なことを断言しない

SEOにおいて検索エンジンの視点も必要ですが、前提としてユーザーの視点からコンテンツを制作しましょう。
 

ヘルプフルコンテンツアップデートによる影響

ヘルプフルコンテンツアップデートによる影響

ここからは、ヘルプフルコンテンツアップデートによる検索順位への影響と、大きく影響を受けたコンテンツの種類について解説します。
 

検索順位への影響

ユーザーファーストのコンテンツであるかどうかは、Webサイト全体で評価されます。つまり、上位表示するためには、Webサイト全体にユーザーの役に立つコンテンツが多く含まれている必要があります。

品質の低いコンテンツは削除またはリライトを実施して、各コンテンツの質を高めていく必要があります。
 

影響を受けたコンテンツ

ヘルプフルコンテンツアップデートは、特定のジャンルやコンテンツをターゲットにしていないことが前提です。しかしGoogle によると、テスト段階ではオンライン教育やアート、エンターテインメイト、ショッピング、テクノロジー関連でランキングに影響があったと述べています。

また、SEOツールを提供しているSISTRIX(シストリックス)の分析では、大規模なランキングの変化は見られなかったものの、一部のサイトは影響を受けて順位を下げたと判断されています。

それらのサイトの特徴は次の通りです。

  • 他のWebサイトから情報を引用している
  • データを自動取得している
  • コンテンツに独自性がない
  • 他のWebサイトでも簡単に入手できる情報である
  • 広告が多く使いづらい

順位が下がったのは、情報の寄せ集めで独自性もなく、ユーザーの役に立たないコンテンツです。Google が述べているように、独自性があり高品質なコンテンツを作成していく必要があります。
 

影響を受けているか(ロールアウト)の確認

英語圏でヘルプフルコンテンツアップデートが実装された際は、アップデートに2週間ほどかかりました。また、順位が安定するまでには数か月かかることがあるとGoogle は述べています。日本でもアップデートにかかる2週間前後の様子を見つつ、その後の順位変動を確認していく必要があるでしょう。

ロールアウト後に低下した順位を戻すのは難しいとされていますが、次のような対策が考えられます。

  • コンテンツをリライトする
  • 該当コンテンツは削除して新規コンテンツを制作する
  • パーマリンクを変更して再度リクエストする

Google は、定期的に品質の低いコンテンツを検出する仕組みを改善すると述べています。いずれにしても一定期間の様子を見ながら慎重に対処していきましょう。
 

ヘルプフルコンテンツアップデートを踏まえたコンテンツ作成

ヘルプフルコンテンツアップデートを踏まえたコンテンツ作成

ヘルプフルコンテンツアップデートを踏まえたコンテンツの作成方法には、次のようなものがあります。

  • 特定のユーザーにとって有益である
  • 実体験や専門性を明確にする
  • テーマ・目的を明確にする
  • 自動生成コンテンツを使用しない
  • 「誰が、どのように、なぜ」をコンテンツ内に明記する
  • 十分な情報量にする
  • 読了後の満足度の高さを考える
  • Google ガイダンスに留意する
     

特定のユーザーにとって有益である

Google が特に重要としているのは、ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツであるかどうかです。実際にGoogle は「Google が掲げる 10 の事実」の一番目に、「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」と記載しています。

検索意図は、顕在ニーズ(ユーザーが第一に知りたいこと)と潜在ニーズ(ユーザーが次に知りたいこと)に分けて想定します。

  • 検索キーワードの例:「脱毛サロン 選び方」
  • 顕在ニーズ:脱毛サロンの選び方を知りたい
  • 潜在ニーズ:選び方のポイントを知ったうえで、自分にあった脱毛サロンを利用したい

検索意図を考える際は、ユーザーの表面的なニーズの先にある、本質的なニーズを捉えることが重要です。また、他のWebサイトにはない新しい情報を含めれば、独自性のある有益なコンテンツと判断されるでしょう。
 

実体験や専門性を明確にする

特定の商品・サービスのレビューをコンテンツにする際は、実際に利用した人のレビューのほうが信頼性が高まります

さらに、十分な専門性を持つ人が機能の解説や独自の意見を述べたレビューであれば、他にはないコンテンツと判断されて高い評価を受けられるでしょう。これらの実体験や専門性は、Google が掲げているE-E-A-Tのなかに含まれています。
 

テーマ・目的を明確にする

Webサイト全体でテーマや目的を統一し、専門性の高いコンテンツを作成すると評価が高まります。そのうえで、小さなテーマや目的に枝分かれしたコンテンツを作成し、情報の網羅性を高めましょう。また、コンテンツを作成するうえで記事数や文字数などは定型的に考えず、テーマごとに必要な記事数や、各記事の文字数を判断することが重要です。
 

自動生成コンテンツが生成されないようにする

SEOにおける自動生成コンテンツとは、予期せぬところでURLが発行されてしまうケースのことです。例えば、コンテンツ内のプルダウンメニューのおすすめ順や新着順を選択することにより、同じ内容のページが別のURLとして発行されてしまうといった現象です。

この現象が生じると、それぞれがクロールからインデックスまで登録されてしまいます。重複コンテンツは低品質と見なされるため、検索順位に影響を及ぼす可能性があるのです。

この予期せぬURLの発行を防ぐには、HTMLページで、「」と入力して、不要なURLが登録されないようにする必要があります。

また、robots.txtを利用して、重要なページにクロールを集中できるようにすれば、クロールバジェット(クロールの割り当て枠)の無駄遣いを避けることもできます。
 

「誰が、どのように、なぜ」をコンテンツ内に明記する

2023年2月に追加された「誰が、どのように、なぜ」という観点からコンテンツを作成すると評価が高まります。

「誰が」コンテンツを作成したのかを明確にすると、E-E-A-T(旧E-A-T)を高められます。ここで確認すべきポイントは次の通りです。

  • コンテンツの著者を明確にしているか
  • 署名をコンテンツのわかりやすい場所に記載しているか
  • 署名が著者の専門分野を示す内容になっているか

「どのように」コンテンツが作成されたかを示すことも、ユーザーにとって重要です。AIによって生成されたコンテンツも「どのように」に含まれます

コンテンツの作成にAIを使用している場合は、次のポイントを確認してください。

  • AIで作成されたことをユーザーに明確に開示しているか
  • AIをどのように使用したのかを説明しているか
  • AIが有用である理由を説明しているか

「なぜ」は、コンテンツを作成するうえで最も重要な観点の一つです。検索エンジンのアクセス数を増やすためではなく、ユーザーの悩みを解決できる内容にすることが大切です。
 

十分な情報量にする

コンテンツは、ユーザーの悩みや課題を十分に解決できる情報量であり、解決するための具体的な方法が記載されている必要があります。

料理のレシピに関するコンテンツであれば、基本的な材料や作り方だけでなく、ポイントや注意点、よくある疑問なども含めると、包括的な情報量のコンテンツが作成できます。
 

読了後の満足度の高さを考える

ユーザーがコンテンツを読んだあとに「読んで良かった」と思えるコンテンツであるかどうかは重要です。検索意図を分析したり離脱率を確かめたりして、ユーザーの満足度を高めましょう

満足度を高めるポイントの一例は次の通りです。

  • 誤字や脱字はないか
  • 急いで作成された印象を与えないか
  • 外部委託や拡散によりコンテンツの存在感が低下していないか
  • モバイルデバイスで適切に表示されるか

ユーザーにとって気が散る広告は、コンテンツを読む邪魔になります。アクセス前後に表示されるインタースティシャルページには、特に注意が必要です。
 

Google ガイダンスに留意する

高い評価を得るには、コアアップデートや商品レビューのGoogle ガイダンスに留意する必要があります。

例えば、商品レビューには次のようなガイダンスがあります。

  • ユーザーの視点に立って評価できているか
  • レビューしている商品に関して知識が豊富であるか
  • 競合の商品との差異化の要素を説明できているか
  • 独自の調査により商品のメリット・デメリットを解説しているか
  • 以前のモデルからどのように商品が改善されているか

わかりきった商品の性能や他のWebサイトから得られる情報ではなく、独自の観点から得られたレビューが高い評価を得られるといえるでしょう。
 

これまで以上にユーザーファーストのコンテンツを作成する

ヘルプフルコンテンツアップデートは、2023年1月にロールアウトが完了したばかりです。そのため、公開されている情報は限定的ですが、従来からGoogle が掲げている「ユーザーにとって有益なコンテンツを作成する」という方針は変わりません。

アップデートに振り回されず、常にユーザーが抱えている課題や悩みをキャッチし、どのような解決策が提示できるかを考えましょう。それが良質なコンテンツ作成への一番の近道です。

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