今となっては、ダイアルアップ接続でインターネットにアクセスし、ウェブページが1行ずつ読み込まれていた頃が、はるか遠い昔のようです。

現在のインターネットユーザーにとって、レスポンスが速いのは当たり前です。ページが適切にロードされない場合はウェブサイトを離れると93%が回答(英語)しています。誰だって質の悪いユーザーエクスペリエンスに時間を奪われたくはありません。

オンラインでのエクスペリエンスを向上させるべく、Google は「Core Web Vitals」と呼ばれるウェブに関する主な指標のレポートをリリースしました。ウェブサイトの所有者はこの指標によって、ページの速度、応答性、視覚的安定性を評価できます。

Core Web Vitalsのレポートでは、ページのパフォーマンスに関する貴重なインサイトを獲得できるため、それを基にウェブサイトのエクスペリエンスを向上させることで、Google ボットにページの価値を伝え、検索ランクを上昇させられる可能性が高まります。

しかし、ウェブサイト運営において、スピードやユーザーエクスペリエンスが重要になるのはなぜなのでしょうか?その理由としてGoogle は以下のデータを挙げています。

  • ページの読み込み時間が1秒から3秒に伸びると、直帰率は32%増加する
  • ページの読み込み時間が1秒から6秒に伸びると、直帰率は106%増加する

直帰率の高さは、収益に悪影響を及ぼします。読み込みに時間がかかると、見込み客は競合他社のウェブサイトに移動してしまうからです。

しかし、重要な測定指標について理解し、ウェブページの改善に取りかかれば、Google の検索順位が上昇するとともに、見込み客に良質なエクスペリエンスを提供できるようになるでしょう。

そのためには、Core Web Vitalsを構成する測定指標を知っておく必要があります。

  • LCP - 最大コンテンツの描画(英語):ページの読み込みパフォーマンスの測定値。ユーザーがURLをリクエストしてから、最大のコンテンツ要素(一般的には動画、画像、テキストブロック)を読み込むのにかかる時間を指します。Google は、ページ読み込みの75%でLCPを2.5秒以下に抑えるよう推奨しています。
  • FID - 初回入力遅延(英語):ページのインタラクティブ性の測定値。アクション(ボタンやリンクのクリックなど)を起こしてから、ブラウザーが反応するまでの時間を指します。FIDは、最初にクリックした任意の要素から取得され、ページが静的な状態からインタラクティブに変わる時間を測定します。訪問者は、スムーズに動作する信頼性の高いウェブサイトに好意的な第一印象を抱くので、応答のスピードは非常に重要です。Google は、ページ読み込みの75%でFIDを100ミリ秒以下に抑えるよう推奨しています。
  • CLS - 累積レイアウトシフト(英語):ページ全体で発生したレイアウトのシフト(ズレ)の測定値。シフトが発生していなければ0、シフトが多いほど数値が大きくなります。レイアウトシフトが発生する主な原因としては、ドロップダウンのバナー広告、ボタン、テキストブロックを移動させる画像などが挙げられます。いずれもユーザーエクスペリエンスを損なうおそれがあるため、ウェブサイト全体でシフトの発生を低減させる必要があります。Google は、ウェブサイトのCLSスコアを0.1以下に抑えるよう推奨しています。

累積レイアウトシフト

画像出典

Google が数百万ページの分析を行った結果、上記の条件を満たすサイトでは、ページの読み込み中にユーザーが離脱する可能性が24%低い(英語)ことが明らかになりました。詳細については、Core Web Vitals測定指標のしきい値の定義(英語)の基になった調査結果をご覧ください。

Core Web Vitalsをチェックしてみよう

最初に、ウェブサイトの基準値となる測定指標が必要です。以下の手順に従ってチェックしましょう。

  1. Google のPageSpeed InsightsにURLを入力します。
  2. [分析]をクリックします。
  3. 結果を確認します。良好、改善が必要、低速の3段階で、モバイルとデスクトップの両方のパフォーマンスが評価されます。モバイルとデスクトップはページ左上のタブで切り替えられます。

HubSpotのウェブページを分析したところ、下図の結果になりました。

Core Web Vitalsとは? 改善方法を交えて解説_01_desktop

画像出典

一般的には、モバイルよりもデスクトップの方が、パフォーマンスが高くなります。Backlinkoが500万ページを調査した結果、平均的なウェブページは、デスクトップよりもモバイルの方が、読み込み時間が87.84%長くなる(英語)ことが分かりました。スピードを左右する主な要因としては、CMSの種類、CDNやホスティング、ページの重さなどが考えられます。

URLを入力したウェブページに、Core Web Vitalsのいずれかの指標を測定するのに必要なデータがそろっていない場合は、その指標がレポートに表示されません。十分なデータが集まると、その指標が最もパフォーマンスが低い状態でページのステータスに表示されるようになります。

Core Web Vitalsの問題点を修正するには?

ページのパフォーマンスを改善するにはある程度の労力が必要ですが、段階的なアプローチで問題に取り組むことができます。

  1. ラベルに従って問題に優先順位を付ける:まず「低速」と評価された領域から対処します。次に、最も多くのURL、または最も重要なURLに影響を及ぼす大規模な問題の解決に入ります。それから「改善が必要」のラベルがついた問題へと移っていきます。
  2. リストを作成する:ウェブサイトの更新を担当するチームのために、優先順位を付けた作業リストを作成します。以下の一般的なページ修正を参考にしてください。
  • ページサイズを500KB以下に縮小する
  • モバイルでのパフォーマンスを最適化するため、各ページのリソースを50に制限する
  • 読み込みスピード向上のために、AMPを使用したページ最適化を検討する
3. 一般的な修正項目を共有する:Core Web Vitalsの測定指標の数値を改善するには、数十通りの方法があります。以下に、「低速」と評価される主な原因とそれぞれの改善方法をまとめました。

LCPの数値は、サーバーの応答速度(英語)クライアントサイドのレンダリング(英語)JavaScriptやCSSによるレンダリングブロック(英語)リソースの読み込み時間(英語)などから影響を受けます。LCPの向上を図るには、以下の方法が有効です。

FIDの数値は、ユーザーのアクションに対するウェブサイトの応答速度を測定したものです。この数値を改善できれば、訪問者のウェブページに対する第一印象も向上できます。FIDの改善方法や、ユーザーによるウェブサイトの使用状況を確認するには、Chromeの拡張機能「Lighthouse」を使用してパフォーマンス監査を行えます。また、以下の調整によって大幅なスコアの改善が見込めます。

予想外のシフトを減らし、CLSを改善する方法に関しても、いくつかのベストプラクティスが存在します。これを参考に、バナー広告があちこち移動し、不意に広告をクリックしてしまうような状況を解消しましょう。
  • 画像や動画には、サイズ属性を指定し、CSSのアスペクト比を固定する(英語)これらの数字は、ページ要素の読み込み時に割り当てられるスペースをブラウザーに伝えるもので、要素が表示される際のシフトを防ぎます。
  • 既存のコンテンツの上にコンテンツを追加しない:ただし、シフトの発生が予想されるユーザーアクションに対応する場合は唯一の例外となります。
  • 遷移のコンテキストを指定する:ユーザーをページのある部分から別の部分へ移動させる場合、レイアウト内の全てのアニメーションと遷移にはコンテキストと連続性が必要です。

いずれかの問題について修正を施したら、Search ConsoleのCore Web Vitalsレポートで数値が改善されたかどうかを確認しましょう。[トラッキング開始]をクリックすると、28日間のモニタリングセッションが開始され、サイトに問題が見られないかどうかを検証します。この期間中に問題が発生しなければ、修正済みと判断されます。

あらゆるランキング要因と同様、落とし穴はふとしたところに隠れているものです。細部を見落とさないためにも、Core Web Vitalsの最適化について詳しく知りたい開発者や技術者の方々には、Google のLCP(英語)FID(英語)CLS(英語)の最適化ガイドをご覧いただくことをお勧めします。

Core Web Vitalsの今後の展開は?

Core Web Vitalsは、2021年6月中旬からGoogle 検索のランキング評価基準に含まれるようになり、2021年8月には本格的な展開が予定されています。当初は2020年5月のアップデート予定を発表していましたが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を考慮して、リリースが延期されました。

また、WebMechanix(英語)のCTO、Dave Brong氏は、Core Web Vitalsについて、自らの世代のSEOやウェブ開発のエキスパートが向き合わなければならない「Web 3.0」だと述べています。

「Google は、サーバーレベルの不安定な指標から、ユーザーエクスペリエンス(UX)へと焦点を移すことで、さらにアクセス性の高い未来のウェブへの道を切り開いているのです」 

ウェブサイトのCore Web Vitals対策を準備する上で注意したいのは、これらの指標はあくまでもGoogle の既存の検索シグナルの一部でしかないという点です。検索ランキングの評価基準としては、モバイル対応、HTTPSセキュリティー、閲覧時の安全性、煩わしいインタースティシャルに関するガイドラインも考慮されます。

Core Web Vitalsの導入に伴い、ウェブサイトの所有者にとって重要な変更も実施されます。

「非AMPコンテンツを検索の「モバイルのトップニュース」機能の表示対象とする変更も、2021年5月にリリースします。これにより、Google ニュース コンテンツ ポリシーを遵守しているページは全て表示対象になります。また、実装に使用されているのがAMPかその他のウェブテクノロジーかにかかわらず、ページエクスペリエンスの優れたものが検索結果のランキングで優先されるようになります」(出典:Google

ウェブサイトのCore Web Vitalsの指標を改善するのは、どうやら単純なことではなさそうです。しかし、特に問題のありそうなページに優先順位を付け、ウェブ担当チームと連携することで、「良好」ラベルを獲得するとともに、ウェブサイトの訪問者に素晴らしい体験を提供できるようになるでしょう。

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2021年に捨てるべきSEOにまつわる21の誤解

元記事発行日: 2021年7月04日、最終更新日: 2022年1月12日

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