被リンクはSEOにおいて重要な要素で、Webサイトを運営するにあたって知っておきたい指標の一つです。しかし、誤った方法で被リンク対策をしてしまうと逆にサイトの評価を下げてしまう可能性があるため注意が必要です。
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本記事ではSEO初心者の方に向けて、被リンクとは何かをわかりやすく解説します。被リンクとSEOの関係性や注意点を把握し、正しく対策できるようになりましょう。
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被リンクとは
「被(ひ)リンク」とは、外部のサイトやページに自社や自身のサイトページURLが記載されたリンクのことで、「外部リンク」「バックリンク」とも呼ばれます。
外部サイトに被リンクが設置されるケースはさまざまですが、企業サイトであれば次のようなケースがあげられます。
- 自社のコーポレートサイトやサービスサイトが紹介される
- 自社サイトのコンテンツが引用や出典に記載される
- 顧客である企業や団体から自社サイトがリンクされる
被リンクはSEOで重要な役割を果たし、全く被リンクがないサイトよりも被リンクの数が多いサイトやページのほうが、検索エンジンで上位表示されやすいという傾向があります。
被リンクがSEOで重要な理由
検索エンジンは、あくまで機械的にしかサイトを評価できません。他サイトからの評価(=リンク)は、対象サイトを評価するための重要な指標の一つとなります。
例えば、学術業界では多くの学者から引用される学術論文が高い評価を得ることが一般的です。
同様に、検索エンジンがサイトを評価する際も、「他サイトから多く紹介されている(被リンク数が多い)ということは、役に立つ情報が載っているのだろう」と判断します。そのため、被リンクの数が多くなるほど上位表示が期待できます。
被リンクの種類
被リンクには「良質な被リンク」と「悪質な被リンク」があります。良質な被リンクとは、対象サイトとの関連性があるものや、自然に発生したものです。
対して悪質な被リンクとは、SEOを目的として意図的に貼られた不自然なリンクを指します。かつてはサイトの関係性などを気にせず、とにかく大量の被リンクを送ることでサイトが評価されていたこともありました。しかし現在では、そのような被リンク対策をしてしまうとスパムリンクと見なされて、ペナルティの対象となります。
良質な被リンクと悪質な被リンクの具体例については後述します。
被リンクは現在も重要なのか
Google のアルゴリズムは進化しつづけており、複雑化しています。そのため、SEOにおいても以前ほど被リンク対策の重要性は薄れてきました。
2022年の11月に発表されたSearch Off the Record内で、Google のジョン・ミューラー氏は次のように話しています。
被リンクはGoogle が気にする要素の一つです。なぜなら、ページを発見しなければならず、リファレンスなしではサイトページを発見するのが難しいからです。現在でも被リンクはSEOにおいて重要な役割を果たしていますが、今後はそれほど大きな要素にはならないように変化していくでしょう。
出典:https://search-off-the-record.libsyn.com/live-qa-from-brightonseo(翻訳)
このことから、2023年の現在でも良質な被リンクは重要な要素の一つといえますが、今後は、よりコンテンツのクオリティが重要視されていくと考えられます。
被リンクによるSEO効果
被リンクはSEOの外部対策を強化するうえで欠かせない要素で、被リンクには具体的に次のようなSEO効果があります。
サイトやページが評価される
Google はWebサイトをE-A-T(専門性・権威性・信頼性)で評価する傾向にあり、その指標の一つとして被リンクをあげています。Google の公式サイトの記載は次の通りです。
どのコンテンツが専門性、権威性、信頼性を示しているか判定するために役立つシグナルを特定します。たとえば、その判定を支援するために使用している要因の 1 つに、そのコンテンツへのリンクまたは言及が他の著名なWebサイトに含まれているか把握するということがあります。含まれていれば、多くの場合、その情報の信頼性が高いことを示す十分なしるしとなります。
良質な被リンクを得ているサイトやページは検索エンジンから評価され、検索順位の向上が期待できます。特に、アンカーテキストと関連性の高いページにリンクされている場合は、より評価されやすくなります。
クローラビリティが向上する
「クローラビリティ」とは、クローラー(情報を探し評価するロボット)がサイトやページを巡回しやすくすることです。Google はクローラーを活用して記事を評価し、検索結果に反映しますが、膨大なページの中から自社サイトを見つけてもらうには時間がかかります。
さまざまな外部サイトからの被リンクが増えることで、クローラーがリンクをたどって自社サイトを発見しやすくなるため、記事が評価されるまでの時間を短縮することが可能です。
ドメインパワーが強化される
被リンクが増えることでWebサイト自体も評価され、「ドメインパワー」が高まります。ドメインパワーとは、サイトの実績や力を表す数値のことです。
ドメインパワーが高いサイトは、検索結果の上位に表示されやすい傾向にあり、アクセス数の増加も期待できます。
サイトへの流入が増える
被リンクを獲得すると、自社のサイトが上位表示されていなくてもリンクを通しての流入が見込めます。関連性が高く、すでに多くのユーザーを創出しているサイトから被リンクを受けることで、自社のサービスや商品と関連性が高いユーザーを創出できるでしょう。
SEOに好影響な被リンク
ここでは、Google が評価する「良質な被リンク」とはどのようなものなのかを見ていきましょう。
関連性の高いサイトからの被リンク
自社サイトと関連性の高いサイトからの被リンクは、Google から高品質だと判断されます。関連性の高いサイトとは、同業種や自社サイトのコンテンツと関連するテーマを扱うサイトのことです。
例えば、「給与計算業務の効率化」という記事に対して関連性の高いサイトは、「労務管理システムを開発している会社」になります。自社サイトの専門性が高いと評価されることにより、検索順位の向上が見込めます。
同じテーマのメディア同士でも関連性はありますが、会社の事業が関連性があると、より信頼性が高くなるでしょう。
信頼性・権威性が高いサイトからの被リンク
ドメインの権威性(ドメインオーソリティやドメインランク)が高いサイトから権威性が高いサイトから被リンクを受けることで、Google が自社サイトの信頼性や権威性を評価することにつながります。
権威性とは、社会的地位が高い・知識や技術において一般的に権力が認められていることを意味し、公的機関などが権威性が高いといえます。
自然に発生した被リンク(ナチュラルリンク)
外部サイトに自社サイトのリンクが自発的に貼られることも有効です。有益な情報を提供している質の高いサイトやページは、外部サイトから自然に引用されることがあります。意図的に貼られた不自然なリンクとは異なり、意図せずに発生した被リンクは有益とみなされ、自社サイトへの評価が上がりやすくなります。
自然に被リンクを獲得する方法は「被リンクの主な獲得方法」で紹介しています。
さまざまなドメインからの被リンク
複数のドメインからのリンクも良質な被リンクです。例えば、同じ外部サイトから3回被リンクされる場合と、3つの外部サイトから1回ずつ被リンクされる場合では、後者の方が質は高いとみなされます。
Google からの評価を高めるためには、過去に被リンクを受けたことのない外部ドメインにアプローチすることが重要です。ただし、サイトの関連性は意識しましょう。
アンカーテキストにキーワードが含まれた被リンク
「アンカーテキスト」とはリンクの内容を表す文章のことです。Google はアンカーテキストによって、被リンクに至るまでの文脈を解釈しています。判断の項目は、必要があって被リンクが設定されたのか、リンク先のページのテーマがリンク元と関連があるかどうかなどです。
例えば、「こちらのページ」ではなく「給与計算業務を効率化する方法」のように、被リンクのアンカーテキストに自社サイトのテーマにまつわる重要なキーワードが含まれていれば、質の高いリンクとして評価されます。
メインコンテンツ内にある被リンク
ページの上部やメインコンテンツ内に貼られた被リンクはより質が高いと判断します。これは、Google が「リーズナブルサーファーモデル」というリンク構造の理論に基づき、リンクの位置や方法などを解析しているためです。
Google はクリック率の高い被リンクを、関連性の高いリンクとして評価します。そのため、サイトのフッターといった目立たない場所であまりクリックされない被リンクと比べて、コンテンツ前半に設置されてクリックされている被リンクが良質とみなされます。
SEOに悪影響な被リンク
Google のガイドラインには、「質の悪いリンク」の定義が明記されています。次のような被リンクはGoogle からスパムとみなされ、サイトの評価が下がるなどSEOに悪影響を及ぼす可能性があります。
業者などから購入したリンク
被リンクを販売する業者などから購入したリンクは、スパムリンクとして見なされる可能性があり、SEOに悪い影響を与えます。金銭だけでなく、物品やサービスのやりとりもスパムの対象です。
例えば、被リンクを集めるためにアフィリエイトプログラムを活用するなどの対策は、有効な被リンク対策とはいえないでしょう。
ただし、宣伝や広告を目的としたリンクの売買は違反ではありません。質の悪いリンクとの区別を付けるために、タグの属性には「rel="nofollow"」や「rel="sponsored"」を設定しましょう。
関連性や品質が低い外部サイトからのリンク
「リンクがされるまでの文脈」もGoogle が評価をする対象となり、関連性や品質が低いサイトからのリンクは評価されません。
関連性や品質が低いサイトの例は次の通りです。
- サイト名とリンクのみを連続的に貼っているサイト
- リンク先のコンテンツをコピーして公開しているサイト
- SEOを目的として大量のリンクを羅列しているサイト
なかには、外部サイトの運営者がサイトの評価を下げるためにスパムリンクを貼るケースもあるため、被リンクの確認が必要です。被リンクの確認方法については、「被リンクの確認はツールで行う」の見出しで紹介しています。
相互リンクのみを目的としたページからの被リンク
「相互リンク」とは、自社でリンクするのと引き換えに、相手にも被リンクしてもらうことです。相互リンクをするためだけにページを作成し被リンクを貼ってしまうと、サイトの評価が下がる恐れがあります。
Google は、そのような相互リンクを人為的リンクと表現しており、見つけた場合にはツールを使用して否認することを推奨しています。
被リンクの主な獲得方法
被リンクを増やすには、相手から自然に「リンクを貼りたい」と思ってもらうコンテンツを作ることが重要です。具体的には次のようなコンテンツがあげられます。
- 専門性の高いコンテンツ
- 読者のニーズに寄り添ったコンテンツ
- 図解などがあり明瞭なコンテンツ
専門性の高いコンテンツは読者から信頼されやすいため、被リンクの増加につながります。読者の悩みを解決する記事など、ニーズに寄り添った情報を分かりやすく発信すると、参考文献として引用されやすくなるでしょう。
また、コンテンツ作成後はSNSやメルマガなどで告知をすることも大切です。幅広い人に読んでもらうことで、被リンクされる確率を上げられます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
被リンク施策のポイント・注意点
ここでは、被リンク施策を行う際に知っておきたいポイントや注意点を解説します。正しい知識がないまま被リンク対策をすると、Google のガイドラインに違反する可能性があるため注意しましょう。
被リンクの確認はツールで行う
競合分析や施策を行うために、定期的に被リンク数や品質などを確認します。被リンクの確認は主に次のような専用ツールを使用します。
- Google Search Console
- Ubersuggest
- Ahrefs
ツールによって料金や機能が異なるため、比較したうえで自社の目的を達成できるものを選択しましょう。詳しくはこちらで解説しています。
被リンクによってはペナルティがある
被リンクの購入など不正な方法で被リンクを獲得すると、Google のガイドラインへの違反となります。
実際にGoogle の公式サイトには次の記載があります。
自分のサイトへのリンクを操作する行為も、自分のサイトからのリンクを操作する行為も含まれます
Google からリンクを操作していると判断されると、最悪の場合には検索順位を下げられる、インデックスから削除されるといったペナルティが課せられるケースがあるため注意しましょう。
被リンクは数よりも質が重視される
被リンクは数よりも質が重視されます。Google からの評価を上げるためにも、関連性や品質の低いページからの被リンクは避けましょう。
専用ツールで定期的に確認し、該当の被リンクを見つけた場合は、リンク元のサイトに削除を申請する、「Google Search Console Tools」でリンクを否認するといった対応を行います。
リンクの貼り方は指定できない
被リンクは外部サイトに貼られるため、自社で貼り方を指定することはできません。被リンクは専用ツールから確認できますが、リンク元のアンカーテキストに重要なキーワードが含まれていないケースもあり得ます。被リンクは必ずしも理想通りに貼られないことを理解しておきましょう。
良質な被リンクを増やし効果的なSEO対策を
良質な被リンクを得ることで、Google から自社サイトの専門性や権威性が評価され、検索順位の向上につながります。被リンクを増やすためには、専門性の高いコンテンツの作成や記事を多くの人に読んでもらうといった工夫が必要です。
ただし、被リンク対策は正しい方法で行わないとGoogle ガイドラインの違反となるため注意しましょう。本記事や関連記事を参考に被リンクへの理解を深め、SEO対策にお役立てください。