数年前、Facebookのニュースフィードをなんとなくスクロールしていたときのことです。ある記事が目に止まりました。その記事は、筆者のケチャップの食べ方をがらりと変えてしまいました。
記事はFoodBeastの投稿によるもので、紙製の使い捨てケチャップカップを正しく使っている人がほとんどいない、という内容でした。使い捨てケチャップカップはそのまま使うものではなく、実はふちの部分を広げて、このように皿状にして使うのが正解なのだそうです。(ご存知でしたか?)
マーケターとしてこの記事から考えさせられたのは、実は他にも活用し切れていないツールが存在するのではないか、ということでした。長年Googleドキュメントを使っているという方は多いかもしれませんが、まだ気づいていない便利機能があるかもしれません。
例えば、いつ何が変更されたかというドキュメントのすべての変更履歴が見られるのをご存知でしたか?
Googleドキュメントには、他にも多くの人が気づいていない便利な機能が多数存在します。今日はそのうちの最も有用な機能を15ほどご紹介しましょう。
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Googleドキュメント15の裏ワザ
ここで紹介する15の機能を使えるようになるだけでGoogleドキュメントでの作業効率は飛躍的に上がるはずです。どれも簡単に覚えられるので1つ1つ確認していきましょう。
1)テンプレ-ト
テンプレートを使えば、一から自分でドキュメントを作る必要はありません。Googleドキュメントには、履歴書、プロジェクト提案書、ビジネスレター、議事録、パンフレットのデザイン等々、さまざまなテンプレートが用意されています。ビジネスで必要な大部分のテンプレートが揃っていると言っても過言ではありません。またそれぞれのカテゴリで複数のテンプレートが用意されているのも魅力です。
テンプレート機能は特に隠されているわけではありませんが、見逃している方が多いようです。テンプレートは、Googoleドライブの言語設定が英語の場合は、Googleドキュメントのホームページの上部に表示されています。すべてのオプションを確認するには、右上の「More(もっと見る)」をクリックしてください。言語設定が日本語の場合は、メニューの「ファイル」>「新規作成」>「テンプレートから作成」をクリックしてテンプレートを選択できます。
2)ナビゲーションサイドバー
多くのサブセクションを含むような長い文書を作成している場合は、各セクションにジャンプできると便利です。Table of Contents(目次)アドオンを使えば、自動的にナビゲーションサイドバーが作成され、ヘッダーやサブヘッダーをクリックすればその場所へジャンプすることができます。
このアドオンを入手するにはこちらをクリックするか、ドキュメントを開いて上部のメニューから「アドオン」>「アドオンを取得」を選択し、「Table of Contents」(目次)を検索してください。
3)書式のクリア
他の場所からGoogleドキュメントにテキストをコピー&ペーストした場合、書式の問題が発生する場合があります。また他の理由で書式の問題が起こることもあるでしょう。そのような場合、手動でテキストを編集して正しい書式に設定するかわりに、問題のテキストをハイライトして、ツールバーから「表示形式」>「書式のクリア」を選択すれば、簡単にドキュメントの他の部分と同じ書式にすることができます。
4)リサーチツール
リサーチツールは、Googleドキュメントを使ってオンラインリサーチが必要なドキュメントを作成している人にとってはまさに天与の賜物と言えます。この機能を使えば、ドキュメントから離れることなくオンラインで情報や画像を検索・リサーチすることができます。つまり何度もブラウザのタブ間を行き来する必要がありません。
パソコンでリサーチツールを開く方法は3つあります。
- ドキュメントを開き、画面上部の「ツール」のドロップダウンメニューから「リサーチ」を選択する
- 特定の単語を右クリックして「リサーチ」を選択する
- キーボードショートカット(Macの場合はCtrl + Cmd + Shift + I 、Windowsの場合はCtrl + Alt + Shift + I )を使用する
例えばドキュメント内でWelsh corgi(ウェルシュコーギー)というフレーズを右クリックした場合、以下のように表示されます。
ここで「Welsh Corgiをリサーチ」を選択すると、ドキュメントの右側に、以下のようなリサーチツールが表示されます。
最初にリサーチツールを開いたときは、ドキュメント内のテキストに基づいて関連トピックが表示される場合があります。表示されたトピックをクリックしてリサーチすることも可能ですし、検索バーに検索したい事項を入力することも可能です。また、検索したいコンテンツのタイプを選ぶこともできます。検索バーの左横に表示されるドロップダウンメニューを使って、希望する情報のタイプを選択してください。
以下、各タイプについて説明したGoogleサポートからの引用です。
- すべて: あらゆるソースからのトピックに関連するテキストと画像
- 画像: ウェブ上のトピックに関連する画像
- 論文: トピックに関連する学術情報で、参照したりファイルに追加したり、脚注で引用したりすることができます
- 引用: トピックに関連する引用で、ファイルに追加することができます
- 辞書: トピックに関連する定義、類義語、反意語
- パーソナル: 自分のドキュメント、スプレッドシート、プレゼンテーション、写真からの検索結果で、開いて引用したり、ファイルからリンクしたりすることができます
- 表: トピックに関連するデータの表で、開いて引用、書き出しを行うことができます
現時点でリサーチツールはパソコンとAndroidモバイルデバイスでのみ利用可能です。(Androidデバイスでのリサーチツールの使用方法はこちらをどうぞ。)
5)提案モード
ドキュメントを編集・変更できる機能は素晴らしいものですが、実際に変更を加えずに、変更を提案したいだけの場合もあります。そのような場合に便利なのが、Googleドキュメントの「提案」モードです。
この機能はMicrosoft Wordの「変更履歴の記録」と似ています。「編集」モードから「提案」モードに切り替えるには、ドキュメント内画面右上の鉛筆マークをクリックして「提案」を選択します。
提案モードでは、追加、削除、変更した部分にはカラーマークが表示され、ドキュメント右側には提案者の名前やタイムスタンプ等の詳細が表示されます。
6)コメント
質問をしたり、注釈を付けたり、変更内容をハイライトしたりしたい場合には、ドキュメント内に直接コメントを挿入することができます。コメントはスレッド形式で、他の人がコメントに返答しスレッド内で会話を続けることが可能です。
解決したらコメントスレッドは閉じることができ、自分のコメントはいつでも編集・削除することが可能です。またドキュメントのオーナーは他のユーザーのコメントも編集・削除することができます。
コメントを追加するには、コメントを付けたいテキストや画像をハイライトして、画面上部の「挿入」のドロップダウンメニューから「コメント」を選択します。
すると、画面右側に空白のコメント欄が表示されます。
コメント内で他の人をタグ付けする
コメントを特定の人に読んでもらいたい場合、その人をコメント内でタグ付けする機能が便利です。@マークまたは+マークの後にその人の名前またはメールアドレスの最初の部分を入力すると、Gmailの連絡先に基づいて予測一覧が表示されるので、そこからタグ付けしたい人を選びます。コメントが提出されると、タグ付けされた人には通知メールが送付されます。
通知を受けた相手が該当ドキュメントへのアクセスを付与されていない場合、その人にドキュメントを共有して権限レベルを設定するためのポップアップが表示されます。
7)脚注
Googleドキュメントに脚注を追加するのは簡単ですが、多くの人がそのことを知らないようです。脚注を追加するには、追加したい場所へカーソルを移動し、「挿入」>「脚注」を選択してください。脚注の内容を入力し、ドキュメントの任意の箇所をクリックすれば、脚注が保存されます。
8)変更履歴
Googleドキュメントで自分自身(あるいは他の人)が変更した内容をすべて確認したいと思ったことはありませんか? さらには過去に戻って以前のバージョンのドキュメントを復元したいと思ったことはありませんか? 変更履歴機能を使えばそれが可能です。
ドキュメントを開いて、「ファイル」>「変更履歴を表示」を選択すると、画面右側にパネルが表示され、誰が何を変更したかという概要が表示されます。より詳しい変更履歴を確認するには、概要の下に表示されている「詳細な版を表示」のボタンをクリックします。
9)音声入力
ブラウザはGoogle Chromeをお使いですか? お使いのデバイスにはマイクが内蔵されている、あるいは外付け可能ですか? それならば音声を使ってGoogleドキュメントに入力することが可能です。
句読点も、「Period」(ピリオド)、「Comma」(カンマ)、「Exclamation point」(感嘆符)、「Question mark」(疑問符)のように入力したいものの名前を言えば入力することができます(現時点で句読点の入力がサポートされているのはドイツ語、英語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ロシア語のみです)。
音声入力を起動するには、ドキュメントを開き、画面上部のメニューの「ツール」をクリックしてドロップダウンメニューから「音声入力…」を選択します。テキストを話す準備ができたら、マイクをクリックするか、Macの場合はCmd+Shift+S、Windowsの場合はCtrl+Shift+S を押して音声入力を開始します。
Googleドキュメントの音声入力はパソコンのみでしか機能しませんが、iOSデバイスもAndroidデバイスもドキュメントと組み合わせて使用できるマイクが内蔵されているものが多数あります。
10)キーボードショートカット
どのようなアプリケーションでもキーボードショートカットを使えると満足感があるものですが、Googleドキュメントにも多数のキーボードショートカットが存在します。
Cmd+C(Mac)またはCtrl+C(Windows)でコピー、Cmd+B(Mac)またはCtrl+B(Windows)で太字というように、その多くは他のアプリケーションと共通していますが、Googleドキュメント独自のものもいくつかあります。以下は筆者のお気に入りのショートカットです。
- Shift+T =新規ドキュメントの作成
- Ctrl+Alt+M =コメントの挿入
- Alt + I(Google Chrome)/Alt + Shift + I(その他のブラウザ)=「挿入」メニューを開く
- Ctrl+Altを押さえたままNを押してH=次の見出しに移動
ドキュメント作成中に一般的によく使用されているショートカットを表示するには、Macの場合はCmd+/、Chrome OSまたはWindowsの場合はShift+/またはCtrl+/を使用します。またはGoogleドライブのホーム画面右上の歯車アイコンをクリックしてドロップダウンメニューの「キーボードショートカット」を選択してもかまいません。
11)カスタムショートカットを作成する
Googleドキュメントには多数のショートカットが用意されていますが、自分がよく入力する内容をショートカットに設定したい場合もあります。 カスタムショートカットを作成するには、「ツール」>「設定」>「自動置換」を選択します。すでにいくつか入力されているかもしれませんが(1/2を½を変更する等)、自由に独自のショートカットを追加することが可能です。
12)電話会議
Googleドキュメントはコラボレーションプラットフォームです。そしてUberConferenceアドオンを使えば、ドキュメント内からカンファレンスコールを実施することが可能なので、さらに一段上のコラボレーション環境を実現することができます。上記アドオンを有効にして、友人や同僚を招待しましょう。招待された人は全員、電話会議に参加しながらドキュメントを閲覧、編集することが可能です。
アドオンを入手するにはこちらをクリックするか、ドキュメントを開いて画面上部のメニューから「アドオン」をクリックし、「アドオンを取得…」を選択して、UberConferenceを検索してください。
13)画像編集
Googleドキュメントに画像を挿入したら、そのままドキュメント内で編集することができます。ドキュメント内の画像をクリックすると上部のツールバーに画像編集用機能が表示されます。切り抜いたり、マスクをかけたり、枠線を追加したり・・・と多彩な編集が可能です。
以下では、画像編集で非常に役立つ「切り抜き」と「枠線の追加」の方法を例として説明します(画像を編集前のオリジナルの状態に戻したい場合には、画像をクリックしてツールバーから「画像をリセット」アイコンをクリックすれば元に戻ります。)
切り抜きツール
ドキュメント内の画像を選択し、ツールバーの「画像を切り抜く」アイコンをクリックします。青色で示されているハンドルをドラッグ&ドロップして、好きな大きさに画像を切り抜きます。保存するにはキーボードのエンターキーを押すか、文書の任意の場所をクリックします。
枠線ツール
黒の枠線や他の色の枠線を画像に追加するには、画像を選択してツールバーの「線の色」アイコン(鉛筆のような形のアイコン)をクリックします。枠線に使いたい色を選択すれば完了です。画像以外の場所をクリックすれば保存されます。
14)辞書
文章を書いているときに、自分の言葉の使い方が正しいか確認したくなったことはありませんか? あるいは類義語を探したいと思ったことはありませんか? Googleドキュメントなら、新規のブラウザタブを開かなくてもドキュメント内で単語の定義と類義語を調べることが可能です。
調べたい単語を右クリックして「定義を調べる」を選択します。画面右側のリサーチツール内で該当の単語がオンライン検索され、結果が表示されます。
15)アクセント文字の入力
アクセントショートカットを暗記したり、インターナショナルキーボードを立ち上げて手動でキーを入力したり、他の文書からコピー&ペーストしなければならなかった時代は終わりました。英語以外の言語でドキュメントを作成する場合、Easy Accentsアドオンが便利です。このアドオンを使用すると、20もの言語のアクセント文字をドキュメント内のサイドバーから入力することが可能です。
アドオンを取得するには、こちらをクリックするか、ドキュメントを開いて画面上部のメニューから「アドオン」をクリックし、「アドオンを取得…」を選択して、Easy Accentsを検索してください。
Googleドキュメントでこれらの隠れ機能を試されたことはございますか? コメント欄で共有してください。
編集メモ:この記事は、 2015年10月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。 Lindsay Kolowichによる元の記事はこちらからご覧いただけます。