あなたは日々何通ものEメールを受信しているはずです。クーポン、共同購入サイト、ニュースレター、パスワードリセット案内、リードナーチャリング用のメール、SNSの通知メール、友だちのパーティーへのお誘い、それに母親からのメールなんかも入っているかもしれません。どれを開くか選ぶのが大変で、実際に開くどころではありません

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では何を見てEメールを実際に開く気になるのでしょうか?多くの場合、それは件名です。やはり、Eメールの第一印象は件名で決まります。私たちは件名からその内容を判断しようとします。

私はいつもEメールを開く前に自問自答します。このメールを開くのは時間の無駄じゃないかと。多くの場合、その答えはその件名が目を引くかどうかにかかっています。とはいえ、見慣れた送信元など、メールを開こうと思わせる要素はほかにもあります。しかしほとんどは件名が決め手です。

あなたが Eメールマーケターでも、たまたま企業の配信メールを送ることになった社員でも、送ったEメールがサブスクライバーの受信箱で無視(または(まさかの!) 削除されるのはイヤなはず。 とすれば、確実に最高の件名をつける必要があります。その方法を知るには、過去の優れた件名例を調べてみるのが一番の近道です。

そこで、面白くてたまらないと感じた件名をご紹介しましょう。 

HubSpot担当者が実際にクリックしたEメールの件名100選

ヒントにしたい優れたメール件名18例

1)Warby Parker(メガネ/サングラスメーカー): 「あれっ、処方箋がもうすぐ期限切れですよ」

上司のもとにこのEメールが届いたのは、処方箋の更新が必要になる2週間前のことです。まさに最高のタイミングです。 それに、ちょっと上のクラスの眼鏡に買い替えるタイミングとしてもうってつけでしょう。 Warby ParkerのEメールは、タイミングの良さですでに開いてもらえる可能性は高いのです。

それだけの理由でこの例を挙げたわけではありません。この件名が優れているのは、タイミングが良いだけでなくトーンも的確だからです。「あれっ」といった口語で始まり、末尾に句点はありません。このため、高額な商品を売り込もうとする企業ではなく、親切でフレンドリーな企業という印象を与えます。 

2)Groupon:「ベストオブグルーポン: 満足のいくお得情報(甥っ子のスティーブとは大違い)」

マーケティングでユーモアを交えることは難しいものですが、それを数えきれないほど成功させているのがGrouponです。グルーポンの退会希望者向けの動画を見たことがありますか(参照動画はこちら:Groupon's Unsubscribe Page)?

この件名も例外ではありません。実際、私は「(甥っ子のスティーブとは大違い)」という嫌味には本当に大笑いしてしまいました。どうしてでしょうか?完全に意表を突かれたからです。前半は新しいお得情報を強調するもので、通常のGrouponの件名と何ら変わりません。では括弧でくくられた内容の方は?ちょっと違います。でもそのお陰でこのEメールは受信箱で見つかった愉快な宝物になったのです。 

3)Rent the Runway(フォーマルドレスのレンタルサービス): 「お誕生日おめでとう、リンゼイ―中にサプライズがあるよ!」

私たちが何よりパーソナライズマーケティングを好むことはよく知られています。この手法の効果は計り知れず、特にEメールマーケティングでは顕著です。『 2014 Science of Email Marketing(Eメールマーケティングの科学)』によると、件名に受信者の名前を入れておくと、名前の入っていないメールよりもクリック率が高かったそうです。

これはその実例です。メールは受信者(私たちの同僚であるリンゼイ)の誕生日間近に送信され、名前で彼女に呼びかけています。 

しかし、この件名の役割は1つだけではありません。 開封を促す誘い文句も入っています。サプライズは中にあるのです。この件名はサプライズの内容ははっきり明かさず、Eメールに何かがあることだけ明確に伝えるという仕事をきちんと果たしています。

4)Barack Obama: 「やあ」

これは件名というより、件名と送信者名の組み合わせが素晴らしい例です。あなたの政治的指向が何であれ、こんなメールが受信箱に届いたと想像してみてください。あまりにも見慣れた名前にこう思うはずです。「一体全体、バラク・オバマが私に何の用?今すぐ見なくちゃ」と。 それこそが、オバマの再選に向けた選挙運動全体でこのEメールが最大級の成功を収めた理由です。 

意外な件名と送信者名を組み合わせれば サブスクライバーは驚いてEメールを開いてくれるはずです。 購読者が尊敬し崇拝するようなエグゼクティブからのマーケティングメールを送るなら、件名をオバマのようなカジュアルな挨拶にしてみてはいかがでしょう。

あるいは、かなり真面目な感じの件名と間抜けなキャラクターを合わせてみてもよいでしょう。ここでの目標は、中のメッセージが見たくなってクリックしてくれること。オバマからのEメールであれば、私ならどんなメッセージを書いてくれたのか知りたくて絶対にクリックしたでしょう。

5)Manicube(出張ネイルサービス): 「*このメールは開けないでください*」

何かをするな、と言われたことはありませんか?何かをしないでくれと言われると、実際には逆効果になりかねません。つまり、もっとそうしたくなってしまうのです。

それこそが、Manicubeの件名の裏に潜む戦略です。単純ですが、Eメールを開く気になってもらうには効果的な方法です(Eメールの内容をその件名にふさわしい、意味のあるものにすることをお忘れなく)。 

6)Refinery29(ファッションサイト): 「“ボンビー”ガールのためのラグジュアリーバケーションガイド」

人は、何かに共感したり何かと一体感を持ちたがったりするものです。 働いている会社に対して一体感を持つこともあります。またあるときは、髪の色や服の趣味、聴いている音楽が対象になることも。人が自分をどう考えたいかはともかく、知っておくべき(そしてマーケティングで使用すべき)重要なコンセプトです。 

そのコンセプトがこの件名には生かされています。 ここでは「ボンビー」という言葉が共感のキーワード。費用を抑えたバケーションプランのヒントを探している人なら、この言葉に反応して即座にクリックするでしょう。自分のために書かれた件名のように思えるからです。

この戦略がEメールマーケティングで優れているのは、キーワードに共感しない 人にはメールが配信されない点です。メーリングリストが正しくセグメント化されていれば、そのセグメントの読者はみなこのキーワードに共感してくれるはずです。 

7)Zillow(不動産情報サイト): 「どこなら借りられますか?」

アパート賃貸情報サイトからこんな件名のEメールが受信箱に届いたと想像してみてください。 ワクワクするし期待が膨らみます(「あなたのご予算にピッタリ のアパートがたくさんありますって。 やったー!」)。ただ同時に多少挑戦的です。あなたの予算を市場の賃貸価格と比べさせることになりますから。あなたならクリックしますか? 私ならきっとします。

心理的感情に訴えることがEメールを開けてもらう鍵です。心理学者にならなくてもそれを生かす方法はわかります。 UnbounceのこちらのeBookに目を通してみてください。どれもランディングページの話ですが、件名にも同じ原理があてはまります。 切迫感や欠乏感、社会的証明といった行動原理はいずれもコンバージョン率を上げるための効果的な手段につながります。

8)UncommonGoods(ショッピングサイト): 「仰せの通りに」

Eメールを作るときは、人がメールを読む気になる理由も考えてみるべきです。

例えば、映画「プリンセス・ ブライド・ストーリー」の熱狂的ファンが私に送ってくれたUncommonGoodsの件名を見てみましょう。「仰せの通りに」はまさにこの映画からの引用らしいので「(ええ、みなさんはもうとっくにおわかりですよね)、彼女にとって、この件名のEメールが届いた時点でそれをクリックすることは「必須」でした。

このEメールは一斉送信されたものだと頭ではわかっていても、彼女だけに向けて書かれたように思えたのです。やはり、「プリンセス・ブライド・ストーリー」を連想させる見出しには、この言葉だけで十分でしょう。 

UncommonGoodsはバイヤーペルソナを知りつくしています。このショップが配信するメールの件名に、サブスクライバー一人ひとりのお気に入り映画の引用が入らないものはありません。サブスクライバーのことも、その興味の対象も十分にわかっているのです。

9)DocuSign(電子署名システム): 「製品ユーザーから寄せられたご意見」

これはリード育成プロセス後半のEメールに付けられた件名です。本文では、EメールのサブスクライバーがDocuSignの購入に一歩近づいてくれることを目指して多数のケーススタディを紹介していました。

これも「適時適所」の一例です。セールスファネルのステージが進むと、リードは以前よりはるかに顧客の意見に耳を傾けようとします。実際、その意見を自分で探すこともあるほどです。Eメールは、気の利いた言葉やしゃれを使っているせいで目に留まることもあれば、やや冷たく堅い感じが功を奏して開封されることもあるものです。

10)Eater Boston(グルメサイト): 「今すぐビールが飲める場所」

引っ掛かってしまいました。なにせビール好きなもので(これもHubSpotで働きたい理由の1つです)。ですが私がここで目を留めたのは、ビールの話だからではありません。この件名のメールが届いたのは、水曜日の午後6時45分というまさに私がそれを必要としているときでした。まったく、天才としか言いようがありません。 

ちょっと考えてみてください。ちょうど週の真ん中で、仕事帰りに同僚数人と息抜きしたい気分だとします。まさに会社を出ようというとき、「今すぐビールが飲める場所」と書かれたお知らせが自分の携帯電話に届いたとしたら。 ぴったりのタイミングに、この件名をクリックせずにはいられません。

あなたがEメールを出す側なら、受け手がそのタイミングをどう思うか考えてください。おそらく送信のタイミングがずれてしまっても、高いエンゲージメントが得られることもあるでしょう。 もし件名が優れていれば、の話ですが。

11)Ticketmaster(チケット予約サイト): 「あなたが書いたジョン・モラニーのレビューが掲載されました」

自分が作ったものを誇りに思うのはごく自然なこと。それがケーキであっても、100ページのeBookでも、先週見たライブのちょっとしたレビューであっても。 Ticketmasterがその気持ちを理解し、それに応えているのがこの件名です。

私の友人は、コメディアンのジョン・モラニーのライブを観たレビューをTicketmasterのサイトで書きました。 彼女に再びサイトを訪れてほしい、多分そのレビューを知り合いに宣伝するか別のショーのチケットを買ってほしいという意図から、Ticketmasterはこの件名のメールを送ったのでしょう。

レビューを書いた後、掲載されているのを確認したくない人なんていないはずです。ほかの人のレビューをチェックしたり、自分のレビューへのコメントがあるか確認したり、あるいは単にウェブサイトに載った自分の名前を見たいだけかもしれませんが。

プロのブロガーであるこの私ですら、筆者のところに自分の名前を見るといまだに嬉しいですから。忘れないでほしいのは、自負心のない人などいないということ。自負心をくすぐれば、Eメールの開封率とエンゲージメント率に大きなインパクトを与えられるでしょう。

12)JetBlue(航空会社): 「ポイント失効が近づいています。」

FOMOという言葉を聞いたことがありますか?これは「見逃してしまうことへの恐れ(fear of missing out)」の頭字語です。見逃しは大問題です、現代の「密接に繋がっている」社会では特にそうです。

この見逃しをEメールサブスクライバーのエンゲージメントに利用すれば、効果的なマーケティング戦術にもなります。このJetBlueの件名は、見逃そうとしているものを躊躇なく知らせています。 もちろん何かを見逃すのが好きな人などいませんし、それがこの先お金や時間の節約につながるものなら、なおさらです。JetBlueのポイントが見逃してはいけない一番価値あるものかどうかは別として、Eメールを開いてチェックする価値はあります。

ですから、送信しようとするEメールのバリュープロポジションを作成する前に考えましょう 。読み手の時間やお金、労力を節約できるような独自のものを提供している企業であれば、JetBlueの件名をお手本に、サブスクライバーが見逃しているものを知らせてください。

13)BuzzFeed: 「キミたち、クールじゃないよ」

前にも言いましたが、もう一度言います。私はBuzzFeedが大好きです。思うに、BuzzFeedのスタッフにはトップクラスのライターが何人かいて、その一部は非常に優秀なEメールマーケターです。私はBuzzFeedのデイリーメールの購読者ですが、その件名は受け取るメールの中でほぼ毎日最高の出来です。 

いろいろ見かける件名の中には好みと違うものもわずかにありますが、何よりすばらしいのは件名とプレビューテキストの取り合わせです。フレンドリーでくだけた調子、それに何と言っても皮肉が効いています。

この件名に続くテキストはこうです。「攻撃的な匂いのする言葉を付箋に書いて冷蔵庫に貼ったヤツがいる。まったく、こんなことしたのは誰?」このくだけた感じと皮肉っぽさに私はたびたび惹きつけられています。この体験の仕上げをしてくれるのがプレビューテキストです。 

皮肉屋のライターはどこにでもいるわけではありませんが、ほとんどのメールプラットフォームには簡単にテキスト編集に使えるプレビューテキスト機能があります。わずかばかりの余分なスペースを使って顧客を楽しませるには(そしてEメールのアクセス解析結果を改善するには)どうしたらよいでしょう?

件名を質問形式にして、プレビューテキスト欄に回答を入れるのがよいかもしれません。あるいは、2人の人物の会話を件名とプレビューテキストに分けて入れてはどうでしょう。

アイデアが湧いてきましたね。スペースをうまく使えば、新しいサブスクライバーを惹きつけるチャンスが増えます。

14)Thrillist(男性向けシティガイド/ECサイト): 「インスタグラムなんかにのめり込むな(DO NOT Commit These Instagram Atrocities)」

どんなに腰が低く謙虚な人間であっても、間違ったことはしたくないもの。ならば、その人間本来の性質にメールの件名で働きかけてみてはどうでしょう?Thrillistはこの件名でそれをやってのけました。「するな(DO NOT)という命令口調が語気をかなり強めています。

また、一般的な短縮形「don't」を使わず、すべて大文字にしている点が効果的です。こうすると件名に目が留まりやすくなるので、クリックせずにいられません。 

ネガティブ要素をマーケティングにどう使えば良い結果につながるのでしょうか。人は自分がバカに見えやしないかと心配するものです。件名でその感情に働きかける方法を考えてみましょう。もちろん、叱りつけるばかりでなく、励ましになる役に立つコンテンツを用意して件名をサポートすることも重要です。

ネガティブ要素が入るとサブスクライバーの注意を惹き寄せます。この件名には私も確かに惹きつけられました。

15)AddThis(ソーシャルブックマークサービス): 「感謝祭の間にしっかり押さえたいエンゲージメントの10のヒント」

あなたはどうか知りませんが、私はかなりのダジャレ好きです。こんな語呂のいい件名のEメールが来たら、私ならまず何も考えずに開きます。感謝祭の頃、このAddThisのEメールが届いたのを見て喜ぶのは私だけじゃないはずです。

ダジャレ好きなら、Eメールにダジャレを紛れ込ませてひと味加える方法を考えてみましょう。場合によっては過剰なダジャレになりがちなので、ダジャレの入れ過ぎ が心配なときはダジャレを毛嫌いしている同僚にチェックしてもらいましょう。やり過ぎなのかちょうどいい具合なのか教えてくれるでしょう。

ダジャレを使えば、度を越さない程度に企業の雰囲気をくだけた感じにすることができます。楽しく活気あるオンラインブランドに挑戦してみるなら、この方法が確実です。

16)Buffer(SNS管理サイト): 「Bufferはハッキングされました。現在の状況は以下の通りです」

次はBufferからのメールの件名です。Bufferがハッキングの被害にあったときのメールです(参照記事はこちら:Buffer security breach has been resolved - here is what you need to know)。ハイテク企業にとっては最悪の事態です。しかしBufferはこの状況に実にうまく対応し、特にメールでの対応は秀逸でした。

この件名で高く評価したいのは、簡潔かつ直接的な点です。危機的状況のときは、ダジャレは使わない方がよいでしょう。人々はこちらが状況に真剣に取り組んでいることを知りたいだけでなく、世界の終わりではないのだと安心させてほしいのです。

この件名の言葉使いと体裁から、Bufferは冷静に問題に対応し、個人情報の安全に配慮している印象を受けます。たった数語でそれを伝えるのは実に難しいことです。 

17)DiningIn(フードデリバリーサービス情報サイト): 「!」

写真に1000語分の価値があるなら、句読点には少なくとも500語分の価値があります。ただ、このDiningInの場合はそれ以上かもしれません。

ターゲットオーディエンスであるモバイルに精通した人々には、このエクスクラメーションマークひとつの件名はあらゆるベストプラクティスに従った件名に勝る効果があります。それはなぜでしょう?彼らのオーディエンスはメッセージアプリを使いこなしています。

このアプリでは、言葉の代わりに句読点を使うのがあたり前になっています。エクスクラメーションマークは送信者の興奮の強さを伝えています。あえて言葉にする必要はありません。 

たとえ文字通りの言語は入っていなくても、まさにオーディエンスを理解し、彼らの言語で話しかけている好例です。 

18)Quirky(商品開発プラットフォーム): 「アブラカタブラ! あー言っちゃった」

最後になりますが、これもQuirlkyのダジャレ入りEメールの件名です(私は本当にダジャレが大好きなんです)。

この件名で一番好きなのは後半の「あー言っちゃった」の部分です。最初の言葉遊びも面白いのですが、この後半のフレーズは自分のことをくだけた調子で話しています。実生活で本当にベタなジョークを言ったときに誰もが口にしそうなフレーズです。

多くの企業は、Eメールで自社がこれ以上くだけて間の抜けた感じになるのは避けたいはずです。Quirkyほど、くだけた件名は適当と言えないかもしれませんが、間の抜けた調子はEメールの受信者を楽しませるにはぴったりでしょう。 

効果的なメール配信を行うには気軽に利用できるメール配信ツールを選定することも大切です。自動的にメルマガ配信を行なったりニュースレター配信に興味のある方はHubSpotのEメールマーケティングツールもぜひご覧ください。

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HubSpot担当者が実際にクリックしたEメールの件名100選

編集者注: 本記事は、2013年に公開した記事を、より正確に分かりやすくするために改訂したものです。訂正したものです。Ginny Soskeyによる元の記事はこちらからご覧いただけます。

 HubSpot担当者が実際にクリックしたEメールの件名100選

元記事発行日: 2015年9月06日、最終更新日: 2023年1月18日

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メールマーケティング