近年、多くの業界でチャットボットの導入が広がっています。チャットボットの導入を検討している事業者様の中には、具体的な導入効果を整理しておきたいと感じている方も多いのではないでしょうか。
【無料】チャットボットの導入手順ガイド
チャットボットの仕組みや特徴、導入手順をわかりやすく解説!選定ポイントや導入事例なども紹介していますので、自社に適したチャットボット選びで迷っている方も、ぜひ参考にしてください。
今回は、チャットボットの導入によって得られる主な効果と、チャットボットの効果を発揮できる具体的なシーンについてわかりやすく解説します。チャットボットの効果をより高める方法もあわせて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
チャットボット活用の基礎ガイド
チャットボットの選び方から導入手順までわかりやすく解説!
- チャットボットの基本概要
- チャットボットの導入メリットと導入事例
- チャットボットの導入手順
- チャットボットの選び方
今すぐダウンロードする
全てのフィールドが必須です。
チャットボットの導入によって得られる3つの効果
チャットボットの導入によって得られる効果として、主に次の3点が挙げられます。
- 業務の効率化
- 業務の質改善
- 顧客満足度の向上
それぞれ具体的に見ていきましょう。
1. 業務の効率化
チャットボットを導入することで、業務の効率化につながります。顧客からの簡単な質問にはチャットボットが自動で回答してくれるため、カスタマーサポート担当者が対応する必要のある問い合わせ数が少なくなるからです。有人オペレーターによる対応は複雑な内容の問い合わせに特化することにより、人的リソースの配分を最適化できます。人的コストの削減にも効果的です。
また、チャットボットは社内向けの問い合わせ対応にも活用できます。問い合わせに対して回答を得られるまでの時間が短縮されるため、問い合わせる側の従業員の業務効率も向上するでしょう。
業務効率化の実現は、人材不足を解消する上で重要なポイントといえます。最小限の人員でカスタマーサポート業務を回せる上に、担当者のストレスが軽減されることによる離職率の抑制効果も期待できるからです。チャットボットの導入による業務効率化は、持続可能な事業モデルの確立にも寄与します。
2. 業務の質改善
チャットボットの導入は、業務の質改善にもつながります。カスタマーサポートでは、担当者の知識や経験によって回答の精度にばらつきが生じるケースが少なくありません。人によって回答の内容やニュアンスが変わることで顧客に不信感を抱かせたり、トラブルに発展したりするケースも想定されます。
チャットボットにはあらかじめ質問と回答が登録されているため、問い合わせに対する回答の品質を均一化できる点が大きなメリットです。担当者の知識や経験に左右されることなく、常に同じ回答をブレなく提示することにより、カスタマーサポート業務の質改善につながるでしょう。また、チャットボットに登録されている質問と回答を担当者間で共有しておくことにより、業務知識の平準化を図れると同時に、必要に応じて有人オペレーターに切り替える場合もチャットボットの回答を踏まえた対応が可能になります。
さらに、チャットボットの多くは問い合わせの履歴を蓄積する機能を備えています。蓄積されたデータを分析し、顧客の不満や疑問点を定量的に把握することにより、カスタマーサポートの質改善にもつながるでしょう。チャットボットは電話やメールと比べて気軽に問い合わせがしやすいため、顧客の隠れたニーズや要望を可視化する効果も期待できます。
3. 顧客満足度の向上
チャットボットの導入は、顧客満足度の向上にも寄与します。顧客にとって、チャットボットを活用できることにより次の効果がもたらされるからです。
・24時間365日問い合わせができる
チャットボットは24時間365日稼働できるため、休日や夜間であっても顧客の問い合わせに応じられます。従来のカスタマーサポートでは、電話やメールによる対応が主流でした。メールの返信が届くまでにタイムラグが生じたり、電話の受付時間内に連絡しなければならなかったりと、顧客にとって多くの待ち時間が生じる仕組みだったといえます。チャットボットであれば、顧客側が望むタイミングで問い合わせに対応でき、顧客にストレスを与えることなく疑問点や不明点を解消できる点が大きなメリットです。
・気軽に問い合わせができる
問い合わせに対する心理的ハードルを下げることにより、気軽に活用できることもチャットボット導入によって得られるメリットです。従来のカスタマーサポートでは、わざわざ電話やメールで問い合わせるほどのことではないと顧客が判断することにより、貴重な要望やニーズを逃していた可能性があります。顧客のこうした声を拾い上げられることも、チャットボットの導入効果の1つといえるでしょう。
・待ち時間が短縮される
チャットボットの導入により、顧客の待ち時間が短縮されることも大きなメリットの1つです。チャットボットであれば、カスタマーサポートの混雑状況にかかわらず即座に対応できます。たとえば、下記のような顧客の不満を解消できるでしょう。
- カスタマーサポートに電話をしても、なかなかつながらない
- 電話がつながるまでに10分以上待たされた
- 問い合わせのメールを送ったものの、3日以上回答がない
こうした顧客の不満が蓄積されていくと、顧客満足度が大きく低下する要因にもなりかねません。カスタマーサポート側の繁忙状況や人材不足といった問題は、顧客には関係ないという点を十分に理解しておく必要があります。顧客の視点に立ったカスタマーサポートの体制を整える意味でも、チャットボットの導入は重要なポイントの1つとなるはずです。
チャットボットの効果を発揮できるシーン
チャットボットは、主に次のようなシーンで高い効果を発揮できます。
- カスタマーサポートなどの顧客対応
- 社内ヘルプデスクなどの社内問い合わせ対応
- 社内でのナレッジ共有
- Webでの接客対応
- マーケティングへの活用
カスタマーサポートなどの顧客対応
チャットボットは、カスタマーサポートなど、顧客からの対応に回答するツールとして、効果的に活用できます。問い合わせをしたい顧客がWebサイトにアクセスした際にすぐにわかるよう、Webサイトの右側に設置されるパターンが多いです。
カスタマーサポートには毎日多くの問い合わせがありますが、その中には質問と回答がマニュアル化された問い合わせも多くあります。そういった簡単な質問をチャットボットで対応することで、カスタマーサポートの担当者の負荷を減らし、高度な問い合わせに対応する時間を増やせます。
質問と回答がすでにマニュアル化されているため、チャットボットも導入しやすいでしょう。
社内ヘルプデスクなどの社内問い合わせ対応
社内ヘルプデスクや情報システム部、総務部、経理部などの社内問い合わせ対応業務にもチャットボットは効果的に活用できます。
とくに情報システム部、総務部や経理部は同じ内容の問い合わせ対応に追われるケースが多いため、チャットボット導入の効果は、より高まります。問い合わせ件数が減ることで、本来の業務に集中して取り組めるようになることもメリットといえるでしょう。
社内ヘルプデスクにおいても、チャットボットで定型的な質問に対応することで、担当者が有人対応が必要な問い合わせに注力できます。
社内でのナレッジ共有
ナレッジ共有とは、社内に蓄積された知識や情報、スキルなどを共有することです。
仕事の属人化を防止し、業務効率化が期待できますが、ナレッジを探すのに時間がかかっていては、効率化できません。チャットボットでナレッジを共有すれば、必要なナレッジをすぐに探し出せるようになります。
また、チャットボットの履歴で、どのナレッジが多く閲覧されたかなどを検証できるため、よりナレッジの品質を高められます。
Webでの接客対応
チャットボットは、Webサイト上で接客を行うツールとしても活用できます。チャット画面をWebサイト上に表示させ、顧客にサービスを案内したり、問い合わせを受けたりすることで、CVRの向上が期待できるでしょう。チャットは電話やメールよりも気軽に質問できるため、顧客の意見や要望を把握しやすいメリットもあります。
マーケティングへの活用
チャットボットで蓄積したデータはマーケティングに活用できます。商品に対する不満の声が多いようであれば、商品の改善につなげられるでしょう。
チャットボット内のシナリオ設計をうまく作り込めば、チャットでの会話の中で、顧客の年齢や性別などの属性をヒアリングすることもできます。
また、資料請求をチャットボット上で行うことで、見込み客の醸成にも活用でき、分析したデータを商品開発などの部署と共有することも可能です。
チャットボットの効果をより高める方法
チャットボットの効果を引き出し、より高い効果を得るにはどのような点に留意する必要があるのでしょうか。チャットボットの効果を高める9つのコツを紹介します。
チャットボットの導入目的を明確にする
チャットボットには多くの種類があるため、自社の導入目的を明確にした上で目的に合ったツールを選ぶことが大切です。チャットボットの中には、単純な質問への回答を得意とするタイプもあれば、会話形式で顧客の要望をくみ取っていくことに長けているタイプもあります。問い合わせの傾向によっては適さないツールもあるため、導入目的に即したツールを選ぶのがポイントです。
顧客にとっての価値が何かを明確にする
チャットボットの導入によって、顧客にどのような価値を提供できるのかを検討しておく必要があります。チャットボットを導入しても、顧客にとって必要性を感じないツールであれば利用してもらえません。顧客がチャットボットを利用しなければ、当然のことながら効果も得られないでしょう。実際にチャットボットを利用する顧客の視点に立ち、顧客満足度の向上につながるかどうかを十分に検証しておくことが重要です。
チャットボットで対応する範囲を決める
チャットボットで具体的にどの範囲の問い合わせに対応するのか、有人対応に切り替える必要があるのはどこからかを、あらかじめ明確にしておくことが大切です。チャットボットは万能ではないため、対応できる問い合わせと対応できない問い合わせがあります。チャットボットで対応が困難な問い合わせに関しては、有人対応が必要です。チャットボットから有人対応へと切り替える基準が曖昧なまま運用してしまうと、顧客を困惑させる原因にもなりかねないため注意してください。
目的に合ったチャットボットを選定する
チャットボットの活用目的に合ったタイプのツールを選定するのも、大切なポイントの1つです。チャットボットには、大きく分けてシナリオ型とAI型があります。さらに、FAQ型や辞書型など、回答を提示する仕組みにも違いがある点に注意してください。チャットボットの効果を最大限発揮するには、自社の目的に合ったツールを選ぶ必要があります。
チャットボットの管理者を立てる
チャットボットを導入する際には、質問・回答の情報更新やトラブル対応など、運用を担当する管理者を立てるべきでしょう。管理者が不明確な状態で運用を始めてしまうと、更新された情報を誰も把握していなかったり、回答を更新する必要がある際に誰に依頼すればよいのかわからなかったりする状況に陥りかねません。管理者を決め、責任の所在を明らかにしておくことが大切です。
顧客にとっての使いやすさを重視する
チャットボットは、顧客にとっての使いやすさを重視した設計にする必要があります。質問と回答を準備する際には、顧客が自社サービスに対してどのような疑問を抱くのか精査しておくことが大切です。精査が不完全だと的外れな回答を提示してしまい、かえって解決するまでの手間をかけさせてしまうことにもなりかねません。過去の問い合わせ内容をもとに、顧客のニーズを把握した上で質問と回答を準備しましょう。
文字以外に画像や図を活用する
チャットボットが提示する回答には、文字だけでなく画像や図を活用するとユーザーの理解度を大きく高められます。たとえば、商品の操作方法を説明するのであれば、文章とともに実際に操作しているシーンが画像で示されている方がわかりやすいはずです。画像を用いた回答の登録が可能かどうかはチャットボットによって異なるため、画像回答機能の有無を事前に確認しておく必要があります。
データを蓄積しチャットボットの精度を高める
チャットボットのデータ蓄積機能を活用して分析と検証を重ね、回答の精度を高めていくことが大切です。AI型のチャットボットの場合は質問と回答を繰り返す過程でAIの学習量が増えていき、回答の精度が向上します。ただし、実際に顧客が求めている回答ができているかどうか定期的に検証して調整する作業は必要です。シナリオ型のチャットボットの場合、事前に設定した質問と回答によって顧客の課題が解決されたかどうかを尋ねる質問を設けておくとよいでしょう。
顧客が離脱しやすいポイントが特定できれば、改善すべき質問・回答の優先順位を見極めやすくなります。離脱率の高いポイントを優先的に改善し、チャットボットの精度向上を図ってください。
必要に応じて有人オペレーターへ切り替える
事前にFAQを登録していない質問への回答や、個別対応が必要な複雑な質問に関しては、有人オペレーターへの切り替えが必要です。有人対応へのスムーズな切り替えをサポートする機能の有無はチャットボットによって異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
適切なタイミングで有人オペレーターへと切り替えることで顧客満足度を高められる一方で、頻繁に有人対応が必要になるようではオペレーターの負担が大きくなってしまいます。基本的にはチャットボットで対応が完結する質問・回答内容を想定した上で、例外的な状況が発生した場合に限り有人オペレーターが対応する仕組みにするのがポイントです。
チャットボットの効果を引き出す活用方法を見極めよう
チャットボットの導入は企業・顧客の双方に多くのメリットをもたらす一方で、活用方法が適切でなければかえって企業への信頼を損なう結果をもたらしたり、顧客満足度の低下を招いたりすることになりかねません。今回紹介した活用シーンや効果を高めるコツを参考に、チャットボットの効果を引き出す活用方法を見極めてください。