チャットボットは、カスタマーサポート業務の効率化や社内問い合わせ対応の工数削減に役立つツールです。
チャットボットには多種多様なサービスがあるため、自社に合ったものを選ぶには用途・目的に合わせて選定する必要があります。本記事ではチャットボットの選定時のポイントと、特徴別のおすすめチャットボットツール・サービス18選を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
用途・目的に応じたチャットボットの選び方
はじめに、用途・目的に応じたチャットボットの選び方について解説します。自社が想定しているチャットボットの使い方から、選定すべきチャットボットのタイプを把握しておくことが大切です。
社社外からの問い合わせ・カスタマーサポート対応に活用したい
チャットボットには大きく分けてAI型とシナリオ型の2種類があります。問い合わせ件数や内容の複雑さに応じて、どちらのタイプを選ぶべきかを判断することが大切です。また、必要に応じて有人対応への切り替えが可能な機能を備えたチャットボットを選ぶことも想定しておきましょう。
マーケティングを強化したい
マーケティングの強化がチャットボットの導入目的の場合、チャットの内容に沿ったバナー表示や決済サービスとの連携が可能なツールがおすすめです。こうした機能を活用することにより、コンバージョン率の向上やアップセル・クロスセルの実現確度が高まります。見込み顧客が自己解決できる範囲を拡張し、顧客化しやすくするイメージです。
多言語対応が可能なチャットボットを導入したい
越境ECなどグローバル事業を展開する企業の場合、多言語対応が可能なチャットボットがおすすめです。質問者の使用言語に応じて自動翻訳する機能を備えたチャットボットであれば、言語ごとの回答文を用意する工程を省略できます。多言語対応が可能かどうかは、チャットボットの重要な選定基準の1つとなるでしょう。
社内問い合わせ・ヘルプデスク対応に活用したい
社内向けのツールとしてチャットボットを導入する場合には、運用の手軽さや更新作業の行いやすさを重視するとよいでしょう。社内ルールやマニュアル、書類の書き方、システムに関する質問事項などへの回答内容は、将来的に変わる可能性があるからです。言葉のゆれに対応できるツールや、回答文の差し替えが容易なツールを選ぶ必要があります。
無料で導入できるツールから試したい
初期費用を抑えたい場合や、まずはチャットボットを試して効果を確認しておきたい場合には、無料で導入可能なツールを選ぶのがおすすめです。無料プランが用意されているツールもあれば、一定のトライアル期間が設けられているツールもあります。ただし、ユーザー数や登録する質問数によっては有料プランへの切り替えが必要なケースもある点に注意してください。
社外からの問い合わせ対応におすすめのチャットボット
ここからは、用途別に見た場合におすすめのチャットボットを紹介していきます。社外からの問い合わせ対応におすすめのチャットボット6選は下記のとおりです。
1. OfficeBot
出典:OfficeBot
タイプ |
AI型 |
設置場所 |
Webサイト、LINE、Slackなど |
分析ツール |
応答率、回答到達率、会話離脱率など |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
初期費用:35万円・月額15万円 |
OfficeBotは、ネオス株式会社が提供しているバックオフィス特化のAIチャットボットです。ツール導入のための学習作業や検索語句設定が不要で、レポート機能によって問い合わせ状況などを可視化できます。
2. KARAKURI
出典:KARAKURI
タイプ |
AI型 |
設置場所 |
Webサイト、FAQなど |
分析ツール |
非掲載 |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
要問い合わせ |
KARAKURIは、カスタマーサポート特化型の高精度AIチャットボットです。チャットボットの内容をFAQへ自動反映することや、有人チャットとの併用で満足度の高い顧客対応を実現できます。
3. GENIEE CHAT
出典:GENIEE CHAT
タイプ |
シナリオ型 |
設置場所 |
Webサイト |
分析ツール |
リアルタイム計測 |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
要問い合わせ |
GENIEE CHATは、問い合わせ対応に適したシナリオ型のチャットボットです。問い合わせ対応における基本的なやりとりができるように初期設定が行われているため、導入後すぐに利用できます。
4. AIさくらさん
出典:AIさくらさん
タイプ |
シナリオ型 |
設置場所 |
Webサイト、LINE、ビジネスチャット |
分析ツール |
ログの分析、レポート機能 |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
要問い合わせ |
AIさくらさんは、株式会社ティファナ・ドットコムが提供するシナリオ型のチャットボットです。画面上に映ったAIキャラクターとコミュニケーションをするようなUI/UXとなっており、選択肢を元にしたやりとりができます。また、複雑な内容の場合は、オペレータとビデオチャットを接続できるなど、チャットボットとリアルな対応の連携も可能です。
5. Chat Plus
出典:Chat Plus
タイプ |
シナリオ型 |
設置場所 |
Webサイト |
分析ツール |
ボット起動数、クリック数、離脱率など |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
初期費用0円・月額1,500円〜(無料トライアルあり) |
チャットプラス株式会社が提供するChat Plusは、自社のWebサイトへJavaScriptのタグを埋め込むだけで利用できるチャットボットです。分析ツールが豊富かつ少額から利用できるため、コスト削減とスピーディな導入が叶えられます。
6. Challbo
出典:Callbo
タイプ |
クラウド型 |
設置場所 |
Webサイト |
分析ツール |
解析機能 |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
月額4万円〜(1ボット・月間1万リクエストの場合)(無料トライアルあり) |
株式会社コラボスのChallboは、コールセンター業務に適したクラウド型チャットサービスです。複数のWebサイトを1つのツールで対応する、マルチテナント対応機能が特徴的です。
マーケティングの強化におすすめのチャットボット
次に、マーケティングの強化におすすめのチャットボット3選を紹介します。LINEなどでのチャット内容に沿ったバナー表示や、決済サービスとの連携機能など、マーケティング施策に役立つ機能を備えている点が特徴です。
1. hachidori
出典:hachidori
タイプ |
シナリオ型 |
設置場所 |
Webサイト、LINE、Facebookなど |
分析ツール |
Web行動履歴、LINE内ヒアリング情報の統合機能など |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
初期費用10万円〜+月額固定型または成果報酬型 |
hachidoriは、LINE公式アカウントで利用できるチャットボットです。友だち登録からリテンションまで、マーケティング支援ツールとして活用できます。
2. KUZEN
出典:KUZEN
タイプ |
AI型 |
設置場所 |
Webサイト、LINE |
分析ツール |
高付加価値機能 |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
要問い合わせ |
KUZENは、LINE運用の業務効率化や1to1マーケティングをサポートするチャットボットです。LINEでのコミュニケーションデータを外部のCRMツールと連携することで、顧客管理も可能です。
3. WhatYa
出典:WhatYa
タイプ |
AI型 |
設置場所 |
Webサイト |
分析ツール |
非掲載 |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
要問い合わせ |
株式会社空色が提供するWhatYaは、セールス特化型の「AI×有人 ハイブリッド」なチャットボットサービスです。チャットの内容からユーザーの検討度合いを見極め、売上につながる可能性がある場合は、有人チャットへ効率的に振り分けられます。
多言語対応が必要な場合におすすめのチャットボット
多言語対応が可能なチャットボット3選を紹介します。対応言語数や登録語録など、自社が求める条件に合致しているか確認した上で導入することが大切です。
1. Bebot
出典:Bebot
タイプ |
シナリオ型 |
設置場所 |
Webサイト |
分析ツール |
非掲載 |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
要問い合わせ |
Bebotは、株式会社ビースポークが提供するシナリオ型のチャットボットです。日本語に限らず、多言語での対応も自動で行えるため、公共機関や交通機関においても導入されています。
2. Cognigy
出典:Cognigy
タイプ |
AI型 |
設置場所 |
Webサイト、SNSなど |
分析ツール |
インサイト分析など |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
要問い合わせ |
TDSE株式会社が展開するCognigyは、チャットボットと音声ボットを構築できる対話型AIプラットフォームです。ドイツ語、スペイン語など20言語以上に対応した自動翻訳機能付きで、言語に依存しない機械学習モデルを提供しています。
3. HUEチャットボット
出典:HUEチャットボット
タイプ |
シナリオ型 |
設置場所 |
Webサイト |
分析ツール |
あり |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
要問い合わせ |
HUEチャットボットは、株式会社ワークスアプリケーションズが開発を行っているAIチャットボットです。言語辞書が搭載されており、登録語録は290万語にのぼります。
社内問い合わせ・ヘルプデスクにおすすめのチャットボット
社内問い合わせ・ヘルプデスクにおすすめのチャットボット3選を紹介します。導入やメンテナンスのしやすさに着目して選定するのがポイントです。
1. AI-FAQボット
出典:AI-FAQボット
タイプ |
AI型 |
設置場所 |
ビジネスチャット、グループウェア |
分析ツール |
あり |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
QA数に応じて月額3万円〜(無料トライアルあり) |
AI-FAQボットは、社内向けの自動問い合わせチャットボットです。言葉のゆれの自動学習により、未登録の単語も2回目以降は自動学習されます。無料トライアルがあるため、実際にチャットボットに触れて使用感を試すことも可能です。
2. LINC Biz bot
出典:LINC Biz bot
タイプ |
AI型 |
設置場所 |
Webサイト |
分析ツール |
改善レコメンド機能 |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
初期費用55,000円〜・月額費用55,000円〜(無料トライアルあり) |
LINC Biz botは、オフィス内対応業務をサポートするチャットボットです。会話履歴を自動分析して改善案を提案してくれるため、運用初心者の方でも更新作業も行いやすいツールといえます。
3. helpmeee! KEIKO
タイプ |
AI型 |
設置場所 |
Webサイト、ビジネスチャット、グループウェア |
分析ツール |
非掲載 |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
要問い合わせ(無料トライアルあり) |
helpmeee! KEIKOは、バリュエンステクノロジーズ株式会社が開発・運営しているAIチャットボットです。汎用Q&Aを1,000件以上学習済みであるため、スピーディに導入できます。
無料で導入できるおすすめのチャットボット
チャットボットの中には、無料で導入できるものもあります。チャットボットの効果を確認してから有料プランへの移行を検討する選択肢もあるため、初めてチャットボットを導入する事業者様にもおすすめです。
1. HubSpot
出典:HubSpot
タイプ |
シナリオ型 |
設置場所 |
Webサイト |
分析ツール |
各種マーケティング分析 |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
月額96,000円〜(無料プランあり) |
HubSpotが提供する無料のCRMツール「HubSpot CRM」には、チャットボット機能が備わっています。ノーコード仕様で、専門知識を必要とせずに簡単にチャットを作成し、Webサイトに設置できます。
CRMと連携しているため、 顧客情報や問い合わせ内容などあらゆる情報を一元管理できます。 マーケティング・営業・サポート部門など部門を超えた連携がしやすく、問い合わせ対応や 顧客との1対1のコミュニケーションも対応可能です。
2. chai
出典:chai
タイプ |
AI型 |
設置場所 |
Webサイト |
分析ツール |
各種マーケティング分析 |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
月額9,800円〜(無料プランあり) |
chaiは、デフィデ株式会社が提供するチャットボットです。AIのディープラーニングによる質問の意図分析や、類似の文章の自動作成などに優れています。機能性の高さに対して使いやすく、マーケティング機能も充実しているものを無料プランでも利用可能です。
3. チャットディーラーAI
出典:チャットディーラーAI
タイプ |
AI型 |
設置場所 |
Webサイト、ビジネスチャット、グループウェア |
分析ツール |
全体レポート、検索文レポートなど |
保守・サポート体制 |
あり |
料金プラン |
要問い合わせ(無料プランあり) |
社内向けAIチャットボットのチャットディーラーAIでは、無料トライアルが利用できます。400種類以上の社内用テンプレートを学習済みであるため、コスト面と導入しやすさを重視する方におすすめです。
各チャットボットの特性を押さえた上で、用途・目的に合うものを選ぼう
チャットボットはツールごとに特徴が大きく異なるため、各ツールの特性を押さえた上で選定することが重要です。また、自社が想定している用途・目的に合ったものを選ぶことによって、チャットボットの効果を存分に引き出せます。今回紹介したチャットボットの選び方や用途別のおすすめツールを参考に、ぜひ自社に合ったチャットボットを選んでください。