PDFをExcelに変換しようと思ってもセルやデータがずれてしまい、うまく貼り付けることができない経験がある方は多いのではないでしょうか。
【初心者向け】Excelでの表作成や関数が学べる基礎ガイド
基本的な操作方法から、表やグラフ、利用頻度の高い関数の活用方法を初心者でもわかりやすいよう解説。
- シートの操作方法
- 関数の使い方
- ピボットテーブルの活用方法
- 実践用Excelテンプレート
今すぐダウンロードする
全てのフィールドが必須です。
PDFはデータの閲覧・保管に優れた保存形式ですが、専門的なツールを使わなければ編集には向きません。
本記事では、PDFをExcelに変換できるツールである「PDF to Excel」を中心に、それぞれの特徴や使い方を紹介します。
PDFファイルをExcelに変換するには?
PDFファイルをExcelに変換するには、下記の3つの方法があります。
- 変換ツールを使う
- Wordを使う
- Power Queryエディターを使う
それぞれ順番にご説明します。
変換ツールを使う
1つ目の方法は、変換ツールを使う方法です。変換ツールを使うと、PDFファイルをアップロードするだけでExcelファイルに変換できます。
元々のPDFファイル
変換後のExcelファイル
変換ツールやアプリを用い、変換したいファイルをツールにアップロードします。自動的にExcelファイルへ変換されるため、そのファイルをダウンロードすれば完了です。
無料ツールやアプリは複数あり、最もコストや手間をかけずにExcelファイルへと変換できる方法です。
Wordを使って変換する
2つ目の方法は、Wordを使って変換する方法です。変換ツールに比べると少し手間がかかりますが、PDFファイルをExcelファイルに変換できます。
Wordで開いたPDFファイル
Wordを使って変換したExcelファイル
Wordで変換する場合、Excelファイルの表やセルにずれが起こるケースがあります。Excelへの変換後、ずれたセル等を直さなければならず、多少手間がかかる方法です。
ただし、新たにツールやアプリを導入する必要はないため、既存のファイルのみで変換したい場合に有用な方法でしょう。
Power Queryエディターを使う
ExcelのPower Queryエディターを使うことでも、PDFファイルをExcelに変換できます。
元のPDFファイル
Power Queryエディターを使って変換したExcelファイル
PDFの表などをテーブルデータとして読み込むための機能のため、見た目は崩れることがあります。見た目を近くしたい場合は、変換後に編集します。
PDF変換ツール「PDF to Excel」の使い方手順
ここからPDF変換ツールをいくつか紹介していきますが、まずはブラウザから利用できるツール「PDF to Excel」について解説します。
PDF to ExcelはGoogle Chromeなどのウェブブラウザからすぐに使えるため、インストール不要で便利です。
1. ファイルをPDF to Excelにアップロードする
まずは、ブラウザからPDF to Excelに移動します。下記の3つの中から、いずれかの方法で対象のPDFファイルをアップロードしましょう。
- 「アップロード」ボタンを押して対象ファイルを選択
- ドラッグ&ドロップで対象ファイルをアップロード
- オンラインストレージから対象ファイルを選択(Dropbox、Google Drive、OneDrive)
変換したいPDFがパソコンのドライブに保存されているようであれば、「アップロード」ボタンを押して対象ファイルを選択するのがわかりやすいです。
ここでは「アップロード」からファイルを選択します。
2. アップロードするPDFファイルを選択し、[開く]をクリックする
「アップロード」ボタンをクリックすると、ファイル選択ウィンドウが開き、PDFファイルを選択できます。
Excelに変換したいPDFファイルを選択したら、右下隅の「開く」をクリックしましょう。
3. 赤色の[Free Download](無料ダウンロード)ボタンをクリックする
変換が完了すると、下記のような赤色の「無料ダウンロード」ボタンが表示されます。このボタンをクリックすると、Excel変換されたファイルをダウンロードできます。
4. ブラウザの下部に表示されるダウンロード済みのファイルをクリックする
画面左下のダウンロードしたファイルをクリックすると、変換したExcelファイルを開けます。
もしくはExcelを起動し、「ファイル」→「開く」からダウンロードした対象ファイルを選択しても、同様にファイルを開くことができます。
【無料】Excelの基礎をマスターする図解ガイド
基本的なシートの操作方法から、よく使う関数の使い方、グラフ・ピボットテーブルの活用方法などを図解付きで徹底的に解説します。Excelの基本がまとめて学べます。
【Win・Mac共通】PDFをExcelに変換できるその他のツール7選
「PDF to Excel」の他にも、PDFファイルをExcelファイルに変換できるツールは複数あります。ここでは、その他の下記の7つの変換ツールと、その使い方を解説していきます。
- Adobe Acrobatツール
- Smallpdf
- ilovePDF
- SobaPDF
- Hipdf
- PDFelement
- cleverpdf
Adobe Acrobatツール
Adobe Acrobatツールは、PDF形式を開発したAdobe社のPDFツールです。下記の手順でPDFファイルをExcelファイルに変換できます。
- Adobeオンラインにアクセスし、対象PDFファイルをアップロードします。ドラッグ&ドロップでも可能です。
- 「ダウンロード」をクリックして変換後のExcelファイルをダウンロードします。
以上でExcelファイル変換完了です。
Smallpdf
Smallpdfは有料のPDFファイル編集ツールですが、Excelファイル変換のみであればオンライン上で無料で利用できます。
- Smallpdfにアクセスし、対象PDFファイルをアップロードします。ドラッグ&ドロップでも可能です。
- 「エクセルに変換」を選択し、「オプションを選択→」をクリックします。
- 「ダウンロード」をクリックして変換後のExcelファイルをダウンロード。
以上でExcelファイル変換完了です。
ilovePDF
ilovePDFは、PDFからExcel変換はもちろんのこと、PDFの結合や分割、圧縮など様々なことが無料でできるツールです。
- ilovePDFにアクセスし、「PDFからExcel」をクリックします。
- 「PDFファイルを選択」から対象のPDFファイルをアップロードしましょう。ドラッグ&ドロップでもアップロードできます。
- 「EXCELに変換」をクリックします。
- 「EXCELをダウンロード」をクリック。
以上でExcelファイル変換完了です。
SobaPDF
LULU Software提供のSodaPDFでも無料でPDFファイルをExcelファイルに変換できます。
- SodaPDFにアクセスし、対象のPDFファイルをアップロードします。ドラッグ&ドロップでも可能です。
- 「DOWNLOAD FILE」をクリックします。
以上でExcelファイル変換完了です。
Hipdf
Hipdfもブラウザ上でPDFの編集・結合・変換などができる無料ツールです。
- Hipdfにアクセスし、対象のPDFファイルをアップロードします。ドラッグ&ドロップでも可能です。
- 「変換」をクリックします。
- 「ダウンロード」をクリック。
以上でExcelファイル変換完了です。
PDFelement
PDFelementは有料のPDF編集ソフトですが、体験版が無料ダウンロードできます。編集や結合・変換、OCR、翻訳、AIアシスタントなど機能が豊富で、PDFファイルをExcelファイルに変換することも可能です。
なお、PDFからExcelに変換することはできますが、無料版はPDFを保存する際に透かしが入るため注意しましょう。
- PDFelementを無料ダウンロードする。
- 変換したいPDFファイルを追加しましょう。
- フォーマットでExcelを選択し、「適用」をクリックします。
- 「続行」をクリックします。
- Excel変換後の保存先を選択し、「保存」をクリック。
以上でExcelファイル変換完了です。
cleverpdf
cleverpdfは、PDFをExcelファイルへ変換できます。他にも、Word・PPT(PowerPoint)・JPG画像などへの変換にも対応しています。
- cleverpdfを開き、「PDF Excel 変換」をクリックします。
- 変換したいPDFファイルをドロップします。もしくは、新しいウィンドウが開くため、そこからPDFファイルの選択もできます。
- 「処理の開始」をクリックします。
- 「ダウンロード」したものをエクセルで開きます。
以上で、Excelファイルへの変換完了です。
今回ご紹介したように、PDFファイルをExcelファイルに変換するツールは複数あります。基本的に機能や品質等はどのツールを使っても大きな違いはありません。自分が使いやすいツールを使いましょう。
OfficeソフトWordを使ってPDFをExcelに変換する方法
ここからは、OfficeソフトであるWordを使ってPDFファイルをExcelファイルに変換する方法を解説します。具体的な手順は下記の通りです。
- PDFをWordで開く
- PDFのテキストをコピーする
- コピーしたテキストをExcelに移動する
順番にご説明します。
手順1. PDFをWordで開く
まずは、Wordで対象のPDFファイルを開きましょう。
Wordを開いて「ファイル」タブをクリックし、「開く」から「参照」をクリックします。
任意のフォルダから開きたいPDFを選択して開くと、Wordへの変換が行われ、以下のように表示されます。
手順2. PDFのテキストをコピーする
Excelに変換したい箇所を選択し、「Ctrl+C」もしくは右クリックで「コピー」を選択します。
手順3. コピーしたテキストをExcelに移動する
Excelを開き、コピーしたテキストを貼り付けましょう。
Excelに貼り付けた際、元のPDFファイルと比べてデザインが崩れている場合があります。 貼り付けた後は、Excel上でデザインを整えましょう。
ExcelのPower Queryエディターを使って変換する方法
ExcelのPower Queryエディターという機能を使うことでも、PDFからExcelファイルへの変換が行えます。
手順1. Excelの新規ファイルを開く
まずはExcelの新規ファイルを開きます。
手順2. PDFをExcelに読み込む
次に、PDFをExcelに読み込みます。以下のように、「データ」タブから「データの取得」→「ファイルから」→「PFDから」と進みます。
その後、任意のフォルダから変換したいPDFファイルを選択します。
手順3. データを整理して読み込む
ナビゲーターが開くので、PDFの中から特定のテーブルをExcel化するのか、あるいはページ全体をExcel化するのかを選択し、「データの変換」をクリックします。
Power Queryエディターが開くので、テーブルを編集します。そのままでもいい場合は特に編集しなくても大丈夫です。
最後に、画面左上の「閉じて読み込む」をクリックします。
Excelに読み込まれました。見た目や書式は変わっていることがあるので、任意の内容に編集しましょう。
PDFからExcelに変換できないファイル
大半のPDFファイルはExcelファイルに変換できますが、下記の2つの場合は、PDFからExcelに変換できません。
- 画像で作成されている
- セキュリティを設定している
それぞれ解説します。
1. 画像で作成されている
表そのものが画像で作られている場合はExcelに変換できないため、基本的に手作業でExcelに入力しなければなりません。どうしても画像をExcelに変換したい場合は、OCR(光学文字認識)機能を利用しましょう。
OCR機能とは、簡単に言うと画像の文字をテキストデータに変換する機能です。ただし、変換できるのは文字のみのため、表の枠線や色付けなどは手作業になります。
2. セキュリティを設定している
ファイルにセキュリティが設定されている場合もExcel変換ができません。有料のAcrobatAdobe Acrobat Pro DCを用いると、下記の手順でセキュリティ設定がされているかを確認できます。
- Adobe ReaderでPDFを開く
- 「ファイル」タブから「プロパティ」を選択する
- 「セキュリティ」タブを開く
上記の手順で表示される「内容のコピー」が「許可しない」となっている場合は、セキュリティ設定が施されているため、Excel変換が行えません。
したがって、Excel変換したい場合は、対象のPDF作成者に内容のコピーを許可してもらう必要があります。
PDFをExcelに変換すると文字化けしてしまう
PDFをExcelに変換した際に、文字化けしてしまう可能性があります。
元々は違う形式のファイルであるため、変換したとしても再現性が100%保証されているわけではありません。PDFをExcel変換すると文字化けやデザインが崩れてしまうことも考慮に入れておきましょう。
文字化けやデザインが崩れた際は、手作業で修正する必要があります。
【無料】Excelの基礎をマスターする図解ガイド
基本的なシートの操作方法から、よく使う関数の使い方、グラフ・ピボットテーブルの活用方法などを図解付きで徹底的に解説します。Excelの基本がまとめて学べます。
PDFを直接編集する3つのツール
PDFに記載されている表などを編集するにはExcelに変換するほうがいいですが、そこまで大きな編集が必要でない場合は変換するのが手間になることもあります。また、Excelを再度PDFに変換し直すことで元のPDFから見た目が変わってしまうこともあります。
ここでは、PDFを直接編集できるツールを3つご紹介します。
Adobe Acrobatオンラインツール
Excelへの変換でもご紹介したAdobe Acrobatオンラインツールでは、PDFの直接編集も可能です。この機能も無料で利用できますが、Adobeアカウントを作成しログインが必要となります。
Adobe Acrobatオンラインツールにアクセスし、編集したいPDFファイルをアップロードすると、編集画面が開きます。
無料のAdobe Acrobatでは、テキストのハイライト、下線入れ、フリーハンド描画、テキストの追加、コメント・署名の追加などが行えます。編集が終われば、右上のダウンロードボタンを押して編集後のPDFファイルをダウンロードできます。
テキストの直接編集、画像の直接編集については、有料版のAdobe Acrobatの機能になります。
Adobe Acrobatオンラインツールはブラウザで利用できるツールですが、インストールして使えるアプリケーションに「Adobe Acrobat Reader」があります。モバイル版でも使用でき、無料版は機能に制限がありますがPDFの管理や編集において基本的なことは行えます。
Adobeの便利な無料アプリについては、以下のコラムにて詳しくご紹介しています。
ilovePDF
ilovePDFも同様に、PDFの直接編集が可能です。
ilovePDFへアクセスし、編集したいPDFファイルをアップロードすると、編集画面が開きます。
ilovePDFでは、テキストの追加や画像の追加、フリーハンド描画、図形の描画などが行えます。編集が終われば、右下の「PDFを編集」ボタンを押すことでファイルをダウンロードできます。
Adobe Acrobat
Adobe Acrobatの有料版では、上記のAdobe Acrobatオンラインツールや無料アプリのAdobe Acrobat Readerよりも高度なPDF編集が可能となります。
基本的な操作方法は同じですが、以下のように既存のテキストの編集など高度な編集が可能になります。
有料版にはAdobe Acrobat StandardとAdobe Acrobat Proの2つがあり、Standardでは他にPDF内コンテンツの編集制限の付与、複数PDFの統合、セキュリティ保護、共有リンクの発行などが可能になります。
一方Proでは、さらにスキャンした文書をそのままPDFで編集、2つのバージョンのPDFの比較などが可能になります。
ExcelからPDFへ変換する方法
ここまでPDFからExcelへの変換、あるいはPDFの直接編集についてご紹介してきました。
もしExcelからPDFへの変換方法を知りたい場合は、以下のステップで行ってください。
まずはPDFに変換したいExcelファイルを開き、「名前を付けて保存」します。複数の方法がありますが、Mac・Windowsともに「F12」で実行できます。
ファイルの種類(ファイルの形式)から「PDF」を選択し、任意のフォルダ・ファイル名を設定して「保存」します。
PFDからExcelへ変換するときと違って、ExcelからPDFへの変換では見た目はほとんど崩れませんが、ページ範囲が狙った範囲にはならないかもしれません。
その場合は、「ページレイアウト」タブの「ページ設定」から調整してみてください。
ツールを利用して業務効率化を目指そう
本記事で紹介したツールを使用することで、自動でPDFをExcelに変換できます。今まで手動で対応していた業務が効率化され、より本質的な業務に注力することもできるようになるでしょう。
その結果、周りの社員を育成する時間を設けることができたり、データ分析をしたりできる時間が生まれることにも繋がります。まずは、本記事で紹介した「PDF to Excel」から使用してみてはいかがでしょうか。