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多くのマーケティング担当者が、Microsoft Excelを使ってデータの整理や分析を行おうとして、たびたび壁にぶつかっていることと思います。データを紙に書き写して、長い式を立てて計算しながら、「もっと良い方法があるはずなのに」などと考えているのではないでしょうか。

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まだ出会えていないだけで、実際、他に良い方法はあるのです。

適切な使い方を知らなければ、Excelは「使いにくいツール」になりかねません。マーケティングデータのレポートや分析に役立つ非常に強力なツールではありますが、適切なトレーニングを受けていない方にとっては、むしろ悩みの種になってしまいます。初心者の方向けに、まずは数式について説明しましょう。Excelには、自動処理を可能にする重要な数式が10種類以上用意されています。膨大な数のセルの合計を電卓で求める必要はないのです。

Excelの基礎ガイド

Excelの数式とは

数式を使うと、スプレッドシートのセル間の値の関係を指定したり、セルの値を使って数学計算を実行し、その結果の値を指定のセルに表示したりできます。具体的には、減算や除算を行ったり、合計や平均、パーセンテージを求めたり、日付や時刻を表示させたりする処理を自動化できます。

このブログ記事では、このような数式の説明に加えて、その他の便利なヒントもご紹介します。

Excelで数式を挿入する方法

Excelのナビゲーションツールバーの[数式]タブはどのように使うのだろうと、考えたことがあるかもしれません。Excelの比較的新しいバージョンでは、この横並びのメニュー(下記のスクリーンショットを参照)を使って数式を探し、スプレッドシート上の指定のセルに挿入することができます。 

formulas-toolbar-excel

さまざまな数式を使っていると、しだいに数式を覚えて、手打ちで実行できるようになるものですが、アイコンが並ぶこのメニューを使えば、簡単に数式を探し出し、復習することができるので、スキルを身につけていく過程で役立ちます。

Excelの数式は「関数」とも呼ばれます。スプレッドシートに数式を挿入するには、数式を実行するセルを選択状態にして、左端にある[関数の挿入]アイコンをクリックします。するとウィンドウが開いて、よく使われる数式とその機能が表示されます。次のようなウィンドウが表示されます。

insert-function-menuこれでは目的の関数を探しにくいということであれば、最初のスクリーンショットの赤枠内で示したアイコンを使って、「財務」や「論理」などの一般的なカテゴリーを頼りに数式を探すとよいでしょう。必要な数式が見つかったら、上のスクリーンショットのウィンドウに表示されている[関数の挿入]をクリックします。

ではいよいよ、最も重要な数式と、各数式の一般的な使い方を詳しく見ていきます。

覚えておくべき基本的な数式、ショートカットキー、その他のちょっとしたテクニックや機能をまとめました。これを活用して、Excelを効率よく使い、時間を大幅に節約しましょう。

注:以下の説明は、Excel 2017を想定したものです。2017以前のバージョンでは、ボタンの配置などが若干異なる場合がございます。予めご了承ください。

1. SUM  

Excelの数式はすべて等号(=)で始まり、実行する数式を表す文字列はその後に続きます。 

ExcelのSUM関数は、スプレッドシートで使用する最も基本的な数式の1つで、複数の値の合計値を計算します。SUM関数を実行するには、「=SUM(値1, 値2, ...)」という形式で、合計したい数値を指定します。

SUM関数には、実際の数値を入力することも、スプレッドシートの特定のセルを表す番号を入力することもできます。

  • 30と80の合計を求めるには、スプレッドシートのセルに「=SUM(30, 80)」という数式を入力します。Enterキーを押すと、合計値「110」が返されます。
  • セルB2とセルB11の値の合計値を求めるには、スプレッドシートのセルに「=SUM(B2, B11)」という数式を入力します。Enterキーを押すと、セルB2とセルB11に現在入力されている数値の合計値が返されます。どちらのセルにも数値が入力されていない場合は、0が返されます。

Excelでは、列や行の一定範囲の合計値を求めることもできます。「B2からB11まで」のセルの値の合計値を求めるには、スプレッドシートのセルに「=SUM(B2:B11)」という数式を入力します。このように、2つのセルの間にはカンマではなくコロンを入力します。コンテンツマーケティングの担当者なら、以下のスクリーンショットのように、個別のブログ記事で獲得したリードを表にまとめて、その合計を手早く求めることができますね。

sum-formula-excel

2. IF

IF関数は、「=IF(論理式, 真の場合の値, 偽の場合の値)」という形式で使用します。これを活用すれば、スプレッドシート内の他の要素が真であるか偽であるかを判定し、それに応じた文字列値を入力することが可能です。たとえば、「=IF(D2="Gryffindor","10","0")」という数式なら、セルD2に「Gryffindor(グリフィンドール)」という単語が含まれている場合、10ポイントを与えるという処理を実行できます。

この数式は、単にスプレッドシートに特定の値が何回出現するのかを調べたい場合だけでなく、特定の値を含むセルを検索して、その隣のセルに特定のデータを入力したい場合にも応用できます。

別のブログでも紹介されている例を使って説明します。この例では、Gryffindorに所属する生徒全員に10ポイントを与えます。Gryffindorの生徒の名前の隣に手作業で「10」と入力する代わりに、IF-THEN式を使って、「もし(IF)その生徒がGryffindorに所属しているのならば、そのときは(THEN)10ポイントをその生徒に与える」という処理を実行しています。

  • 数式:=IF(論理式, 真の場合の値, 偽の場合の値)
    • 論理式:論理式は上記の文の「もし~ならば」に当たります。この例の論理式は「D2="Gryffindor"」となります。論理式の値は必ず引用符で囲んでください。
    • 真の場合の値:値が真のときに(つまり、生徒がGryffindor寮に所属している場合に)、表示される値です。ここでは、生徒が10ポイントを獲得したことを示すために、数値の10を使用します。注:引用符は、結果を数値ではなくテキストとして表示する場合にのみ付けます。
    • 偽の場合の値:値が偽、つまり生徒がGryffindor寮に所属していない場合には、0ポイントを表す「0」をセルに表示します。
  • 下の例の数式: =IF(D2="Gryffindor","10","0")

3. パーセンテージ

Excelでパーセンテージを計算するには、パーセンテージを表示させたいセルに「=A1/B1」といった形の数式を入力します。算出された小数値をパーセンテージに変換するには、セルを選択し、[ホーム]タブをクリックして、数値の書式を設定するドロップダウンリストで[パーセンテージ]を選択します。

パーセンテージそのものを計算する「数式」はありませんが、Excelではどんな値でもパーセンテージに簡単に変換できるため、数値を別途計算して手入力する手間が省けます。

セルの値をパーセンテージに変換するための基本的な設定は、Excelの[ホーム]タブにあります。このタブを選択し、パーセンテージに変換するセルを選択して、[条件付き書式]の隣にあるドロップダウンメニューをクリックします(クリックする前はメニューに[標準]と表示されています)。続いて、表示された形式の一覧から[パーセンテージ]をクリックします。これにより、選択した各セルの値がパーセンテージに変換されます。この手順については、以下のスクリーンショットもご参考になさってください。

percentage-formula-in-excel

なお、除算式「=A1/B1」など、数式を使用して新しい値を算出すると、既定で小数値が表示される場合があるのでご注意ください。この場合も、数式の実行前または実行後に、[ホーム]タブでそのセルの書式を[パーセンテージ]に設定します(上図参照)。

4. 減算

Excelで減算を実行するには、「=SUM(A1, -B1)」という形の数式をセルに入力します。減算するセル名の前にマイナス記号を付けてSUM関数を作成すると、そのセルの値が減算されます。たとえば、A1が10、B1が6の場合、=SUM(A1, -B1)を実行すると、10+(-6)が計算され、4が返されます。

パーセンテージの場合と同様、Excelに減算専用の数式はありませんが、減算自体は可能です。なお、値(またはセル内の値)の減算は、2種類の方法で行うことができます。

Excelの減算式

  • =SUM式を使用する:複数の値を使った減算を実行するには、減算する値が入っているセル名の前にマイナス記号(ハイフン)を付け、「=SUM(A1, -B1)」という形で入力します。Enterキーを押すと、カッコ内の2つのセルの差が返されます。結果は上のスクリーンショットのようになります。
  • 「=A1-B1」の形式を使用する:複数の値を減算するには、等号に続いて、「減算される値またはセル」「ハイフン」「減算する値またはセル」の順に入力します。Enterキーを押すと、2つの値の差が返されます。

5. 乗算

Excelで乗算を実行するには、乗算するセルの名前を「=A1*B1」という形式で入力します。この数式では、アスタリスク(*)を使ってセルA1にセルB1を乗算しています。たとえば、A1の値が10、B1の値が6の場合、「=A1*B1」を実行すると60が返されます。

Excelで複数の値を乗算するには、乗算専用の数式を使ったり、わざわざ乗算記号「×」を入力する必要があると思っている方もいるかもしれませんが、実は、アスタリスク(*)を使うだけでいいのです。

multiplication-formula-in-excel

Excelスプレッドシートで複数の値を乗算するには、まず空のセルを選択します。次に、乗算する値またはセルを「=A1*B1*C1*...」という形式で入力します。アスタリスクによって、すべての値が乗算されます。

Enterキーを押すと、目的の計算結果(積)が得られます。上のスクリーンショットもご参考になさってください。

6. 除算

除算を実行するには、セルに「=A1/B1」という形式の数式を入力します。この数式では、スラッシュ(/)を使い、セルA1をセルB1で除算しています。たとえば、A1が5、B1が10の場合、=A1/B1を実行すると、小数値0.5が返されます。

除算はExcelで実行できる最もシンプルな関数の1つです。実行するには、空のセルを選択し、等号(=)を入力してから、2つ以上の値をスラッシュで区切って入力します。すると、下のスクリーンショットに示すように、「=B2/A2」という形になるはずです。

excel-division-formula

Enterキーを押すと、最初に選択したセルに目的の計算結果(商)が表示されます。

7. DATE

ExcelのDATE式は、「=DATE(年, 月, 日)」という形式になります。この数式を実行すると、カッコ内に入力した値に基づく日付が返されます。他のセルの値を参照することもできます。たとえば、A1が2018、B1が7、C1が11の場合、「=DATE(A1, B1, C1)」は「7/11/2018」を返します。

Excelスプレッドシートのセルに日付を入力しようとして、うまくいかない場合があるかもしれません。幸いExcelには、日付の書式設定を簡単に行えるように、便利な数式が用意されています。この数式は次の2つの方法で使用できます。

  • 一連のセル値から日付を作成する:空のセルを選択して「=DATE」と入力し、目的の日付を構成する値が含まれているセルをカッコの中に入力します。順序は年、月、日の順です。つまり、「=DATE(年, 月, 日)」という形になります。結果は下のスクリーンショットのようになります。
  • 今日の日付を自動的に設定する:空のセルを選択し、「=DATE(YEAR(TODAY()), MONTH(TODAY()), DAY(TODAY()))」という文字列を入力します Enterキーを押すと、Excelスプレッドシートに現在の日付が表示されます。

excel-date-formula

どちらのDATE式を使っても、Excelの書式設定を変更しない限り、日付の形式は「mm/dd/yy(月/日/年)」になります。

8. 配列

配列数式は、単純な数式を中カッコで囲んで、「{=(開始値1:終了値1)*(開始値2:終了値2)}」という形式で入力します。Ctrl+Shift+Enterキーを押して実行すると、複数の範囲の値がまとめて計算されて表示されます。セルを個別に足し合わせたり、掛け合わせたりする必要はありません。

個別のセルを組み合わせて加算、積算、除算を行うことは簡単です。SUM関数などを使い、その計算を実行するセル、値、またはセルの範囲を入力するだけでいいからです。しかし、セルの範囲を複数計算したい場合や、数多くのセルをまとめて計算したい場合はどうすればよいのでしょうか。

そんなときに役立つのが、配列です。配列を使えば、加算、減算、積算、除算のどんな数式でも、1つのセルで複数の計算を実行し、その結果を表示することができます。たとえば、いくつかの販売数データから総売上高を算出する際には、Excelの配列数式が最適です。以下で手順を見ていきましょう。

  1. 配列数式を使用するには、まず「=SUM」と入力します。ここでは2つのセル範囲を乗算しますが、それ以上の数のセル範囲を指定することもできます。まず、カッコの中に、乗算する1つ目のセル範囲を入力します。すると、「=SUM(C2:C5」と表示されます。
  2. 次に、1つ目のセル範囲の末尾のセル名の後にアスタリスクを付けます。この記号は乗算を表します。アスタリスクの後に2つ目のセル範囲を入力します。 このセル範囲は1つ目のセル範囲に乗算されるものです。これで、「=SUM(C2:C5*D2:D5)」という数式ができました。
  3. 「最後にEnterキーを押して終わり」ではありません。配列数式は複雑なので、特殊なキーボードコマンドを使用する必要があります。配列数式のカッコを閉じたら、Ctrl+Shift+Enterキーを押します。すると、この数式が配列として認識されて中カッコで囲まれ、2つの範囲を乗算した結果が正しく表示されます。

Excel array formula

収益を計算する際にこの数式を使えば、時間と労力を大幅に減らすことができます。上のスクリーンショットは完成した配列数式を示しています。

9. COUNT

COUNT関数は、「=COUNT(開始セル:終了セル)」という形式で入力します。この数式は、指定したセル範囲内で見つかったデータの個数を返します。たとえば、A1からA10までの範囲内に、値が入力されているセルが8個ある場合、「=COUNT(A1:A10)」を実行すると、8が返されます。

COUNT関数は、特に大規模なスプレッドシートで、データが含まれているセルの数を調べるときに役立ちます。ただし、この数式だけではセル内の値に対する計算は実行できないのでご注意ください。。この数式は、指定した範囲内にデータが入力されているセルが何個あるかを調べるためのものです。

このセクションの冒頭でご紹介した数式を使えば、スプレッドシート内でデータが含まれているセルの数を簡単に数えることができます。次のスクリーンショットのB2のセルは、COUNT関数を使用してA2からA30までの範囲のデータの個数を表示しています。

count-formula-in-excel

10. AVERAGE

Excelで平均を求めるには、平均を計算する値、セル、セル範囲を「=AVERAGE(数値1, 数値2, ...)」または「=AVERAGE(開始値:終了値)」という形式で入力します。この数式を実行すると、カッコで囲まれたすべての値またはセル範囲の平均値が計算されます。

この数式を使えば、セル範囲の平均値を一度に計算できるため、個々の値を合計した後、その合計値に対して別の除算を実行する必要はありません。セルに「=AVERAGE」と入力すると、自動的にガイドが表示されるので、手順に従ってセルを選択できます。

なお、複数の数値の平均値は、数値の合計値を数値の個数で除算した値に等しくなります。

11. SUMIF

ExcelのSUMIF式は、「=SUMIF(範囲, 条件, [合計範囲])」という形式になります。この数式を実行すると、指定したセル範囲の中で、条件を満たしている値を合計した値が返されます。たとえば、「=SUMIF(C3:C12,">70,000")」を実行すると、セルC3からセルC12までの中で、値が70,000より大きいセルの値を合計した値が返されます。

たとえば、特定の市外局番に関連付けられているリードから得られた利益を確認したり、特定の金額を超えている従業員の給与の合計を計算したりしなければならないとしましょう。手作業で計算するのは、どう考えても面倒ですね。

SUMIF関数を使えば、その手間を省けます。たとえば先ほどの給与計算の例のように、特定の条件を満たすセルの値の合計値を簡単に計算できます。

  • 数式=SUMIF(範囲, 条件, [合計範囲])
    • 範囲:条件によって評価するセル範囲。
    • 条件:セル範囲内で、計算の対象となるセルを決定する条件。
    • [合計範囲]:評価対象の「範囲」と合計対象の範囲が異なる場合は、ここで合計対象の範囲を指定します。評価対象の範囲と合計対象の範囲が同じ場合、この項目は省略できます。

下の例では、70,000ドルを超える給与の合計を計算しています。SUMIF関数の数式「=SUMIF(C3:C12,">70,000")」により、セルC3からセルC12までの範囲で、70,000を超える値が合計されます。

SUMIF formula in Excel

12. TRIM

TRIM関数は、「=TRIM(テキスト)」という形式で使います。この数式を実行すると、セルに入力されているテキストの前後にあるスペースが削除されます。たとえば、A2の値が「 Steve Peterson」の場合、名前の前に不要なスペースが含まれています。そこで=TRIM(A2)を実行すると、スペースが削除されて「Steve Peterson」が返されます。

Eメールやファイル共有ツールは、仕事に欠かせないすばらしいものです。しかし、このすばらしいツールを使って、いまだに無意味なスペースが混じったExcelファイルを送ってくる人もいるのではないでしょうか。データに余計なスペースが混じっていると、検索が難しくなるだけでなく、数値を集計したときの結果にも影響します。

手作業でスペースを1つ1つ調整するのは、とても面倒な作業です。TRIM関数を使用して不規則なスペースを消去すれば、データから余計なスペースを削除できます(英単語間のスペースは削除されません)。

  • 数式=TRIM(テキスト)
    • テキスト:スペースを削除するテキストまたはセル。

下のスクリーンショットの例では、TRIM関数を使って名前の前の余分なスペースを削除しています。数式バーに「=TRIM("A2")」と入力し、この数式を同じ列の下方のセルにもコピーして、隣の列の名前から不要なスペースを一括で削除して表示しています。

trim-formula-in-excel

ここからは、より高度なデータ管理のニーズをお持ちの方におすすめしたい数式をご紹介していきます。

13. LEFT、MID、RIGHT

セルの中の文字列を、いくつかの部分に分割したいという状況を考えてみましょう。文字列の各部分を手作業で別々の列に入力すると手間がかかりますが、LEFT、MID、RIGHTといった文字列関数を使えば、目的に応じて文字列を分割して列に入力できます。

LEFT

  • 用途:セル内の文字列の左端を起点に、指定された個数の数字または文字を抽出したいときに使用します。
  • 数式 =LEFT(テキスト, 文字数)
    • テキスト:抽出元となる文字列が入力されているセルを指定します。
    • 文字数:抽出する文字数を指定します。開始位置は左端になります。

下の例では、セルB2に「=LEFT(A2,4)」と入力し、それをB3:B6にコピーしています。この数式を実行すると、コードの最初の4文字が抽出されます。

LEFT formula in Excel

MID

  • 用途:文字列の中央部にある文字または数字を、位置を指定して抽出したいときに使用します。
  • 数式 =MID(テキスト, 開始位置, 文字数)
    • テキスト:抽出元となる文字列が入力されているセルを指定します。
    • 開始位置:文字列内で抽出の起点となる位置を指定します。たとえば、文字列の最初の文字を指定する場合は、「1」と入力します。
    • 文字数:抽出する文字数を指定します。

下の例では、セルB2に「=MID(A2,5,2)」と入力し、それをB3:B6にコピーしています。この数式を実行すると、文字列の5番目と6番目の数字が抽出されます。

MID formula in Excel

RIGHT

  • 用途:セル内の文字列の右端を起点に、指定された個数の数字または文字を抽出したいときに使用します。
  • 数式: =RIGHT(テキスト, 文字数)
    • テキスト:抽出元となる文字列が入力されているセルを指定します。
    • 文字数:抽出する文字数を指定します。開始位置は右端となります。

下の例では、セルB2に「=RIGHT(A2,5,2)」と入力し、それをB3:B6にコピーしています。この数式を実行すると、コードの末尾の2文字が抽出されます。

RIGHT formula in EXCEL

14. VLOOKUP

これはExcelに昔からある便利な関数です。今回取り上げる数式の中では少し複雑ですが、データセットが2つのスプレッドシートに分かれていて、それを1つのスプレッドシートにまとめたい場合などにとても役立ちます。

Excel学習者必読のHubSpotブログ「Excelの使い方」では、氏名、Eメールアドレス、会社名のリストを例にこの数式の使い方を説明しています。VLOOKUPが役立つのは、たとえば、氏名とEメールアドレスが並んだスプレッドシートと、Eメールアドレスと会社名が並んだスプレッドシートから、氏名とEメールアドレスと会社名をまとめたリストを作成したいというような場合です。

注:この数式を使用する場合は、まったく同じ値を含む列が両方のスプレッドシートに1つ以上存在する必要があります。データの結合に利用する列の値が完全に一致しており、不要なスペースも入っていないことを確認してください。

  • 数式:VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, [検索方法])
    • 検索値:2つのスプレッドシートに共通して含まれる値のうち、一方のスプレッドシート(以後、シート1と呼びます)に最初に出現する値を指定します。下の例では、スプレッドシートの中でEメールアドレスが最初に出現する2行目のセル(C2)を指定しています。
    • 範囲:データの抽出元になるスプレッドシート(以後、シート2と呼びます)の範囲を指定します。この範囲には、シート1の検索値(下の例ではEメールアドレス)と同じデータが含まれた列と、シート1にコピーしたい列を含めます。下の例では、「Sheet2!A:B」と指定しています。「A」はSheet2のA列を指します。A列にはSheet1の検索値(Eメールアドレス)とまったく同じデータが並んでいます。また、「B」はB列を指しています。B列はSheet2にしかなく、このデータをSheet1にコピーするのがこの例の目的です。
    • 列番号:シート1に新しくコピーするデータが範囲の中のどの列にあるのかを指定します。下の例では、「House」(寮)列を指定します。この列は範囲の中の2番目の列であるため、列番号は2になります。
    • 検索方法:下の例では、値が完全に一致した場合にのみ値が抽出されるように「FALSE」を指定しています。
  • 以上の引数を入力すると「=VLOOKUP(C2,Sheet2!A:B,2,FALSE)」という数式になります。

下の例では、Sheet1とSheet2に同じ生徒に関する各種の情報が含まれています。2つのシートに共通している列はEメールアドレスです。Sheet2に含まれている寮の情報をすべてSheet1に取り込むことで、2つのシートの内容を統合することが可能です。こちらのGIFもご参考になさってください。

VLOOKUP formula in Excel

15. RAND

こちらの記事で紹介されているように、RAND関数の使い方はトランプのシャッフルにたとえることができます。1セットのトランプ全体を1つの列、52枚のカードをそれぞれの行と考えてみましょう。新しいデータ列を作成し、その中の各セルにランダムな数値を入力した後、その数値の順で並べ替えれば、トランプをシャッフルするようにデータの順番を入れ替えることができます。

マーケティング業務での活用法を考えてみると、たとえば、新しいEメールキャンペーンをテストに役立ちます。送信先を無作為に選択する必要がある場合、この関数を使えばコンタクトリストにランダムな番号を割り振ることができます。コンタクトに番号を割り振った後で、「番号が6以上のコンタクトを新しいキャンペーンに追加する」といったルールを適用してもよいでしょう。

  • 数式:RAND()
    • まず、1つの列にコンタクトを入力します。次に、一番上のコンタクトの横のセルに「RAND()」と入力し、その数式を下のセルにコピーします。
  • 下の例ではこのような数式を使用しています:RANDBETWEEN(最小値,最大値)
    • RANDBETWEENを使用すると、返される数値の範囲を指定できます。この例では、1から10までの数値が返されるようにしています。
    • 最小値:範囲の最小値。
    • 最大値:範囲の最大値。
  • 具体的な値を入れるとこのような形になります: =RANDBETWEEN(1,10)
RANDOMIZE formula in Excel

いかがでしょうか? どれも便利な機能だということがわかっていただけたと思います。もう1つ、便利なテクニックを紹介しましょう。数式に慣れてくると、数式を何度も入力するのが面倒になり、他のセルに一括してコピーできないかと思うようになるでしょう。幸い、Excelにはその機能が用意されています。以下でその機能について解説します。

スプレッドシートの1つの行または1つの列の全セルに、同じ数式を入力して実行したいと思ったことはないでしょうか。たとえば、スプレッドシートの列Aと列Bに数値が含まれていて、その各行を合計した値を列Cに入力したいとします。

各行の合計値を求めるために、各セルの数式の内容を1つひとつ変更するのはあまりにも面倒です。このような場合は、数式を自動入力する機能を使うとよいでしょう。最初の行に数式を入力するだけで、後は自動でコピーできます。以下で詳しい手順をご紹介します。 

  1. 空のセルに数式を入力し、Enterキーを押して実行します。SUM formula entered in column C of Excel spreadsheet to find the sum of cells B2 and C2.
  2. 数式が入力されているセルの右下隅にカーソルを合わせます。すると、カーソルが線の太い小さな「+」記号に変わります。
  3. そのままダブルクリックすると、数式が列全体に自動的に入力されます。また、この状態でクリックして下にドラッグすれば、特定のセルまで数式を入力することができます。insert-formula-in-excel-for-entire-column数式を入力したい最後のセルまでドラッグし、マウスボタンを放すと、数式がそのセルまでコピーされます。最後に、計算された値を簡単にチェックして、対応するセルの値に基づいた値になっていることを確認します。

Excelのショートカットキー

1. 行、列、スプレッドシート全体を選択する

時間が足りない。だれもがそう思っているのではないでしょうか。そんな皆さんのために、便利な時短テクニックをご紹介します。まずご紹介するのは、スプレッドシートの全セルを1クリックで選択する方法です。シートの左上隅にあるタブをクリックするだけで、シート全体を一気に選択できます。

Quickly select rows, columns, or the whole Excel spreadsheet

また、データが入力されている行や列をすべて選択したいときには、以下のショートカットを使うと簡単です。

Macの場合:

  • 列を選択=Command+Shift+下/上矢印キー
  • 行を選択=Command+Shift+右/左矢印キー

Windowsの場合:

  • 列を選択=Control+Shift+下/上矢印キー
  • 行を選択=Control+Shift+右/左矢印キー

このショートカットは、大規模なデータセットの一部だけを選択する場合に特に便利です。

2. 開く/閉じる/新規作成

作業中にブックを開いたり、閉じたり、作成したりする場合は、以下のショートカットを使用すると、わずかな時間で操作を完了できます。

Quickly open, close, or create an Excel workbook

Macの場合:

  • 開く=Command+O
  • 閉じる=Command+W
  • 新規作成=Command+N

Windowsの場合:

  • 開く=Control+O
  • 閉じる=Control+F4
  • 新規作成=Control+N

3. 数値を通貨として書式設定する

通常の数値データを通貨として表示したい場合はどうしたらよいのでしょうか? 給与額、マーケティング予算、イベントのチケット売上高など、どんな数値でも簡単に通貨として表示する方法があります。書式を変更するセルを選択し、Ctrl+Shift+$キーを押すだけです。

Format numbers into currency in Exce

数値が自動的に金額に変換され、¥記号、カンマ、小数点が追加されます。

注:このショートカットは、パーセンテージとして表示したい場合にも使用できます。数値の末尾に「%」を付ける場合は、$キーの代わりに%キーを押します。

4. 現在の日付や時刻をセルに挿入する

ソーシャルメディアへの投稿を記録したり、To-Doリストから消去したタスクを追跡したりするときには、ワークシートに日付や時刻を記録することをお勧めします。日時を追加するセルを選択した後で、

挿入する内容に応じて、次のいずれかの操作を行います。

  • 現在の日付を挿入=Control+;(セミコロン)
  • 現在の時刻を挿入=Control+Shift+;(セミコロン)
  • 現在の日付と時刻を挿入=Control+;(セミコロン)、スペース、Control+Shift+;(セミコロン)
Insert a current date and time into a cell in Excel

Excelのその他のテクニック

1. タブの色をカスタマイズする

1つのブックにシートを作成しすぎて、何が何だかわからなくなってしまった。そんな経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。そのような場合には、タブを色分けすると区別しやすくなります。たとえば、先月のマーケティングレポートのタブを赤色に、今月のレポートのタブをオレンジ色に設定できます。

タブを右クリックし、[シート見出しの色]をクリックします。すると、ポップアップウィンドウが表示され、既存のテーマから色を選択したり、ニーズに合わせて色をカスタマイズしたりできます。

Customize the color of your tabs in Excel

2. セルにコメントを追加する

ワークシート内の特定のセルにコメントを入力するには、コメントを入力するセルを右クリックし、[コメントの挿入]をクリックします。テキストボックスにコメントを入力し、コメントボックスの外側をクリックして保存します。

コメントを含むセルには、隅に小さな赤い三角形が表示され、この三角形にカーソルを合わせるとコメントが表示されます。

Add a comment to a cell in Excel

3. 書式をコピーして複製する

ご経験のある方ならおわかりいただけると思いますが、シートの書式設定をカスタマイズしていくのはあまり楽しい作業ではありません。実際、かなり面倒です。

もうやりたくないと思っている方も多いのではないでしょうか。その面倒な作業はもう必要ありません。書式をコピーして貼り付ける機能を使えば、セルの書式を別のセルに簡単にコピーできます。

コピー元のセルを選択し、[ホーム]タブ内の[書式のコピー/貼り付け](ペンキブラシのアイコン)をクリックします。すると、以下のGIFのように、ポインターにペンキブラシが表示され、書式設定を適用するセル、テキスト、またはワークシートを選択するよう求められます。

Excelで書式をコピーして複製

4. 重複する値を特定する

多くの場合、重複する値は修正しないと面倒なことになります。たとえば、SEOの管理時には重複コンテンツを解消しておく必要があります。単に重複する値を特定したいという場合もあるでしょう。

いずれにせよ、ワークシート内にある重複値は、簡単な手順ですぐに見つけることができます。それには、[条件付き書式]をクリックし、[セルの強調表示ルール]>[重複する値]を選択します。

Identify duplicate values in Excel

ポップアップウィンドウで必要な書式ルールを作成し、どのような重複値を強調表示するかを指定します。

上の例では、選択した範囲内で重複している給与額を特定し、重複セルを黄色に書式設定しています。

マーケティング担当者であれば、Excelを使った作業は避けられません。しかし、この記事でご紹介したテクニックを使えば、それほど気後れする必要もありません。よく言われるように、習うより慣れよです。ここで紹介した数式、ショートカット、テクニックを意識して使い続ければ、自然と使いこなせるようになるでしょう。

Excelの活用法をさらに詳しく知りたい方は、HubSpotがお勧めするExcelの学習リソースをご覧ください。Excelのヒントをさらに知りたい場合は、中央値を計算するピボットテーブルを作成する方法について説明したこちらの記事をご覧ください。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

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  Excelの基礎ガイド

元記事発行日: 2023年6月27日、最終更新日: 2023年10月20日

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