仕事でよくエクセルを使う人ほど、当然ショートカットの操作を身につけておくべきでしょう。全体の業務から見ればエクセル作業はほんの一部ではあるものの、エクセルスキルの向上は業務時間の削減に大きく寄与します。
【初心者向け】Excelでの表作成や関数が学べる基礎ガイド
基本的な操作方法から、表やグラフ、利用頻度の高い関数の活用方法を初心者でもわかりやすいよう解説。
- シートの操作方法
- 関数の使い方
- ピボットテーブルの活用方法
- 実践用Excelテンプレート
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仮に事務作業の業務時間が大幅に削減できたとすると、顧客とのコミュニケーションや企画に割く時間が増え、最終的には顧客体験の向上にもつながっていきます。
今回は、エクセル作業を加速させる便利なショートカットをご紹介します。まずはエクセルの効率化からスタートし、最終的には業務全域の生産性を向上させることがポイントです。
※本記事はWindowsユーザー向けとなります
- 使用頻度の高いショートカットキー一覧
- ファイル・ウィンドウに関するショートカット
- 表示形式に関するショートカット
- 移動&選択に関するショートカット
- コピー&ペーストに関するショートカット
- 検索&置換
- 文字入力と書式設定に関するショートカット
- 関数に関するショートカット
- ブック&ワークシートに関するショートカット
- フィルタに関するショートカット
- ファンクションキーに関するショートカット
- 印刷に関するショートカットキー
- フィルターに関するショートカットキー
- プルダウンに関するショートカットキー
- その他上記以外で便利なショートカット
- エクセル業務を加速するコツ
- ショートカットが使えない原因と対処法
- エクセルの効率化から業務全域の生産性向上へ
使用頻度の高いショートカットキー一覧
作業ごとのショートカットを紹介する前に、使用頻度の高いものを抜粋で紹介します。全部覚えきれない方は、まず以下だけでも覚えておきましょう。(慣れるまで、ブックマークしてすぐ見られるようにしておくと便利です)
分類 |
ショートカットキー |
内容 |
---|---|---|
ファイル・ウィンドウ |
Ctrl + O |
既存のファイルを開く |
Ctrl + N |
新しいファイルを作成する |
|
Ctrl + S |
上書き保存する |
|
F12 |
名前を付けて保存する |
|
表示形式 |
Ctrl + Shift + 4 |
「¥-1,234」の通貨表示を適用する |
Ctrl + Shift + 1 |
「3桁カンマ」の桁区切り表示を適用する |
|
Ctrl + Shift + ^ |
標準の表示形式に戻す |
|
移動・選択 |
Ctrl + 方向キー |
方向キーの方向に沿って入力したセルの端まで移動する |
Ctrl + A |
ワークシートのセルすべてを選択する/空欄でないセルが2つ以上連続している場合、空欄でないセル全体を選択 |
|
Shift + Space |
1行すべての範囲を選択する |
|
Ctrl + Space |
1列すべての範囲を選択する |
|
Shift + 方向キー |
方向キーの方向に沿って1行(1列)選択範囲を拡張する |
|
Ctrl + Shift + 方向キー |
方向キーの方向に沿って選択範囲を端まで拡張する |
|
コピー・ペースト |
Ctrl + C |
選択範囲をコピーする |
Ctrl + X |
選択範囲を切り取る |
|
Ctrl + V |
コピーまたは切り取ったセルを貼り付ける |
|
Ctrl + Alt + V |
「形式を選択して貼り付け」を実行(2007以降) |
|
検索・置換 |
Ctrl + F |
ワークシートから任意のセルを検索する |
Ctrl + H |
特定のセルを探して任意の数値やテキストに置き換える |
|
文字入力・書式設定 |
Ctrl + Enter |
コピーしたアクティブセルの値を選択範囲全体にまとめて貼り付け |
Alt + Enter |
セル内で改行を挿入する |
|
Ctrl + 1 |
書式設定のダイアログボックスを表示する |
|
関数 |
Shift + F3 |
関数挿入のダイアログボックスを開く |
Alt + Shift + = |
SUM関数を挿入する |
|
F4 |
絶対参照・相対参照・複合参照を切り替える |
|
ブック・ワークシート |
Ctrl + Tab |
複数のブックを開いている場合にブックを切り替える |
Ctrl + PageDown(PageUp) |
次のシートに切り替える(PageDownは右へ・PageUpは左へ) |
|
Shift + F11 |
新しいワークシートを作成する |
|
フィルタ |
Ctrl + Shift + L |
フィルタを表示または解除する |
印刷 |
Ctrl + P |
印刷のプレビュー画面を表示する |
ファイル・ウィンドウに関するショートカット
ファイル・ウィンドウに関するショートカットは以下の通りです。
ショートカットキー |
内容 |
---|---|
Ctrl + O |
既存のファイルを開く |
Ctrl + F12 |
既存のファイルを開く |
Ctrl + N |
新しいファイルを作成する |
Ctrl + S |
上書き保存する |
(Shift + F12) |
上書き保存する |
(Alt + Shift + F2) |
上書き保存する |
F12 |
名前を付けて保存する |
(Alt + F2) |
名前を付けて保存する |
Alt + F4 |
選択したブックウィンドウを閉じる/ブックウィンドウがない場合はエクセルを完全に終了させる ※2013より前はエクセルを完全に終了させる |
Ctrl + F4 |
選択したブックウィンドウを閉じる |
Ctrl + F5 |
ウィンドウのサイズを元に戻す |
Ctrl + F7 |
↑←↓→のカーソルキー操作でウィンドウを移動する(ウィンドウが最大化されていない場合のみ) |
Ctrl + F8 |
↑←↓→のカーソルキー操作でウィンドウのサイズを変更する(ウィンドウが最大化されていない場合のみ) |
Ctrl + F9 |
ブックウィンドウを最小化する |
Ctrl + F10 |
ブックウィンドウを最大化または元のサイズへ変更 |
特に覚えておきたいのが、「ファイルを開く(Ctrl + O)」や「新規作成(Ctrl + N)」、「上書き保存(Ctrl + S)」の3種類です。ファイルを開いたり保存をしたりする度に「ファイル」タブを開いていては、エクセルの作業に遅れを生じさせます。
各ショートカットキーはコマンドの頭文字が設定されているため、「ファイルを開く(Open)」や「上書き保存(Save)」のように理解しておくと記憶しやすくなります。
また、以下のウィンドウショートカットも便利です。
ショートカットキー |
内容 |
---|---|
Windows + ←(→) |
画面の左側(右側)にウィンドウを配置する |
Windows + ↑ |
ウィンドウを最大化する |
Windows + ↓ |
ウィンドウを最小化する |
上記のようにWindowsキーを組み合わせることで、画面の左側にエクセル、右側にインターネットブラウザといったような配置を瞬時に行えます。
表示形式に関するショートカット
表示形式とは、セルに入力した値の見え方のことです。あらかじめ表示形式を設定しておくと、入力したセルを「時刻」や「通貨」などの表記に変更できます。
表示形式に関するショートカットは以下の通りです。
ショートカットキー |
内容 |
---|---|
Ctrl + ^ |
「小数点以下の桁数2」の小数点表示を適用する |
Ctrl + Shift + 5 |
%表示にする |
Ctrl + @ |
「hh:mm」の時刻表示を適用する |
Ctrl + Shift + 3 |
「yyyy/mm/dd」の日付表示を適用する |
Ctrl + Shift + 4 |
「¥-1,234」の通貨表示を適用する |
Ctrl + Shift + 1 |
「3桁カンマ」の桁区切り表示を適用する |
Ctrl + Shift + ^ |
標準の表示形式に戻す |
表示形式のショートカットは、後ほど紹介するコピーとペーストのショートカットキーと同時に覚えておくと便利です。単一のセルに特定の表示形式を設定すると、後はコピー&ペーストでほかのセルにも同じ設定を適用できます。
移動&選択に関するショートカット
エクセルを操作していると必ず発生するのが「移動」と「選択」です。地味な操作ではあるものの、移動と選択のショートカットキーを覚えておくと大幅な作業時間の削減ができます。
移動
まずは移動に関するショートカットをご紹介します。入力したセルの端まで一瞬で移動できるショートカットもあり、マウスで操作するよりも短時間での作業が可能です。
ショートカットキー |
内容 |
---|---|
Ctrl + 方向キー |
方向キーの方向に沿って入力したセルの端まで移動する |
Ctrl + Home |
ワークシートの先頭(A1)に移動する |
Ctrl + End |
入力したセルの右下隅まで移動する |
Ctrl + Backspace |
選択範囲中のアクティブセルまで戻る |
Tab |
右に移動 |
Shift + Tab |
左に移動 |
選択
続いて選択に関するショートカットをご紹介します。移動のショートカットキーと同時に覚えておくと、キーボード操作のみで目的のセルへ移動し、選択した範囲をコピー&ペーストする際に役立ちます。
ショートカットキー |
内容 |
---|---|
Ctrl + A |
ワークシートのセルすべてを選択する/空欄でないセルが2つ以上連続している場合、空欄でないセル全体を選択 |
Shift + Space |
1行すべての範囲を選択する |
Ctrl + Space |
1列すべての範囲を選択する |
Shift + 方向キー |
方向キーの方向に沿って1行(1列)選択範囲を拡張する |
Ctrl + Shift + 方向キー |
方向キーの方向に沿って選択範囲を端まで拡張する |
Ctrl + Shift + Home |
選択範囲をワークシートの先頭まで拡張する |
Ctrl + Shift + End |
選択範囲を入力したセルの右下隅まで拡張する |
Shift + Home |
行の先頭まで選択範囲を拡張する |
Shift + PageUp |
1画面上まで選択範囲を拡張する |
Shift + PageDown |
1画面下まで選択範囲を拡張する |
Ctrl + Shift + O |
メモがあるセルすべてを選択する |
Ctrl + [ |
選択範囲の数式が直接参照するセルを選択する |
Ctrl + ] |
選択範囲を直接参照する数式が入ったセルを選択する |
Shift + Backspace |
選択範囲を解除する |
コピー&ペーストに関するショートカット
エクセルに限らず使用する機会の多い「Ctrl + C(コピー)」や「Ctrl + V(貼り付け)」は、すでに知っている人も多いのではないでしょうか。エクセルには上記のほかにも、コピーとペーストに関する役立つショートカットがいくつかあります。便利なショートカットをご紹介しましょう。
コピー&ペーストに関するショートカットは以下の通りです。
ショートカットキー |
内容 |
---|---|
Ctrl + C |
選択範囲をコピーする |
(Ctrl + Insert) |
選択範囲をコピーする |
Ctrl + X |
選択範囲を切り取る |
(Shift + Delete) |
選択範囲を切り取る |
Ctrl + V |
コピーまたは切り取りしたセルを貼り付ける |
(Shift + Insert) |
コピーまたは切り取りしたセルを貼り付ける |
Ctrl + Alt + V |
「形式を選択して貼り付け」を実行(2007以降) |
Ctrl + R |
左のセルの値をコピー&ペースト |
Ctrl + D |
上のセルの値をコピー&ペースト |
セルの要素をWebブラウザや別のソフトからコピーする場合は、「Ctrl + Alt + V(形式を選択して貼り付け)」が便利です。エクセル上でショートカットキーを押すと、「テキスト」や「HTML」など貼り付ける形式を選択でき、「テキスト」にすればエクセルの元の書式で貼りつけが可能です。
検索&置換
検索とは、エクセル上で任意のセルを探すときに使用する機能です。さらに検索したセルは、任意の数値やテキストに置換することもできます。
検索と置換に関するショートカットは以下の通りです。
ショートカットキー |
内容 |
---|---|
Ctrl + F |
ワークシートから任意のセルを検索する |
(Shift + F5) |
ワークシートから任意のセルを検索する |
Shift + F4 |
直前に行った検索を繰り返す |
Ctrl + H |
特定のセルを探して任意の数値やテキストに置き換える |
Ctrl + G |
条件に該当するセルを一度に指定(ジャンプ)する |
(F5) |
条件に該当するセルを一度に指定(ジャンプ)する |
なお、セルの内容を置換する場合、事前に「Ctrl + F(検索)」を押して検索する必要はありません。「Ctrl + H(置換)」を利用すると、セルを検索したうえで要素を置き換えることができるからです。
また、AVERAGE関数を利用する場合はジャンプ機能が役立ちます。たとえば表に空白のセルを含めた複数の数値が入力されていたとしましょう。その段階でAVERAGE関数を使うと空白セルが無視されてしまうため、正確な平均値を出すことはできません。
そこで「Ctrl + G(ジャンプ)」を押して「空白セル」を設定すると、選択範囲の空白セルのみを一度に選択できます。後は「Ctrl + Enter」のショートカットキーを使い、選択したセルすべてに「0」と入力すると、AVERAGE関数が正確に適用されます。
文字入力と書式設定に関するショートカット
エクセルで便利な関数も、あらかじめセルに数値やテキストを入力しておかなければ実行はできません。また、文書をより分かりやすく表現するために、太字や斜体などの書式を設定することもあるでしょう。
上記のような文字入力や書式設定にも便利なショートカットがあるため、覚えておくと作業効率が高まります。
文字入力
文字入力に関するショートカットは以下の通りです。
ショートカットキー |
内容 |
---|---|
Ctrl + Enter |
アクティブセルの値を選択範囲全体に適用させる |
F2 |
セルの内容を編集する |
Alt + Enter |
セル内で改行を挿入する |
Shift + F2 |
セルのメモを編集する |
Ctrl + K |
ハイパーリンクを挿入する |
Ctrl + ; |
現在の日付を入力する |
Ctrl + : |
現在の時刻を入力する |
なかでも特に便利なショートカットキーが「Ctrl + C →Enter(値の範囲適用)」です。
たとえば、3×3の範囲を選択し、その時点で「0」を入力してセルを決定する前に「Ctrl + Enter」を押すと、選択範囲すべてに「0」が適用されます。
書式設定
書式設定に関するショートカットは以下の通りです。
ショートカットキー |
内容 |
---|---|
Ctrl + 1 |
書式設定のダイアログボックスを表示する |
Ctrl + Shift + P |
書式設定ダイアログボックス内の「フォント」タブを表示する |
Ctrl + B |
太字のオン・オフを切り替える |
(Ctrl + 2) |
太字のオン・オフを切り替える |
Ctrl + I |
斜体のオン・オフを切り替える |
(Ctrl + 3) |
斜体のオン・オフを切り替える |
Ctrl + U |
下線のオン・オフを切り替える |
(Ctrl + 4) |
下線のオン・オフを切り替える |
Ctrl + 5 |
取り消し線のオン・オフを切り替える |
Ctrl + Shift + 6 |
外枠の罫線を設定する |
Ctrl + Shift + _ |
罫線を削除する |
セルの書式設定ではフォントや罫線、塗りつぶしなど、セルの見た目に関する細かい設定ができます。「Ctrl + 1」を押すと瞬時にダイアログボックスが開くので便利です。
ただし、よく利用する太字や斜体などのショートカットキーを覚えておくと、書式設定のダイアログボックスを開く必要もありません。文字の装飾などがより効率的に行えるため、最低限「Ctrl + B(太字)」や「Ctrl + I(斜体)」などは覚えておきましょう。
関数に関するショートカット
関数に関するショートカットは以下の通りです。
ショートカットキー |
内容 |
---|---|
Shift + F3 |
関数挿入のダイアログボックスを開く |
Alt + Shift + = |
SUM関数を挿入する |
Alt + M |
ツールバーの数式タブを表示する |
Ctrl + Shift + U |
数式バーの折りたたみと展開 |
F4 |
絶対参照・相対参照・複合参照を切り替える |
Ctrl + Shift + ` |
「数式の結果」と「数式」の表示切り替え |
Ctrl + Shift + ‘ |
数式を一段下のセルにコピーする |
「Shift + F3」を押すと関数挿入のダイアログボックスが開きます。ダイアログボックス内には関数の一覧が表示されるほか、「何をしたいか」を入力すると関数の検索まで可能です。同時に引数の入力まで行えるため、分からない関数があるときに役立ちます。
ブック&ワークシートに関するショートカット
ワークシートとは、新規ファイルを開いたときに「Sheet1」や「Sheet2」とデフォルト表記される個別のシートです。そして、複数のワークシートを備えた1つのエクセルファイルのことをブックと言います。
ここでは、ブックやワークシートに関するショートカットをご紹介します。
ブック
エクセルを利用する際は、複数のブックを同時に開くことも珍しくありません。複数のブックを簡単に切り替えられるショートカットキーもあるため、覚えておくとマウスいらずで多数のデータにアクセスできます。
ショートカットキー |
内容 |
---|---|
Ctrl + Tab |
複数のブックを開いている場合にブックを切り替える |
Ctrl + F6 |
次のブックウィンドウに移動する |
Ctrl + Shift + F6 |
前のブックウィンドウに移動する |
Ctrl + W |
選択したブックウィンドウを閉じる |
「Ctrl + Tab(ブックの切り替え)」は、エクセルでしか利用できないわけではありません。ほかにもOfficeソフトで複数ファイルを切り替える、Webブラウザのタブを切り替えることもできるため、PC作業全般の作業効率を高められます。
ワークシート
ワークシートに関するショートカットは、基本的に同じブック内のワークシートに適用されます。
ショートカットキー |
内容 |
---|---|
Ctrl + PageDown |
次のシートに切り替える |
Ctrl + Shift + PageDown |
現在のシートと次のシートを選択する |
Ctrl + PageUp |
前のシートに切り替える |
Ctrl + Shift + PageUp |
同じブックの現在のシートと前のシートを選択する |
Shift + F11 |
新しいシートを作成する |
(Alt + Shift + F1) |
新しいワークシートを作成する |
フィルタに関するショートカット
フィルタに関するショートカットは以下の通りです。
ショートカットキー |
内容 |
---|---|
Ctrl + Shift + L |
フィルタを表示または解除する |
Alt + ↑(↓) |
フィルタのドロップダウンリストを開く |
E |
ドロップダウンリスト上でテキストボックスに移動する |
Space |
ドロップダウンリスト上でチェックのオン・オフ切り替え |
Alt→A→C→2 |
フィルタ条件をすべてクリアにする |
フィルタのショートカットを適用させるには、まずオートフィルタを適用させたい表全体もしくは表中のセルを選択します。「Ctrl + Shift + L」を押すとオートフィルタのドロップダウンボタンが表示されるため、ボタン上で「Alt + ↑(↓)」を押してドロップダウンリストを開きましょう。
さらにドロップダウンリストのなかでも、「E(テキストボックスへの移動)」や「Space(チェックボックスの切り替え)」などを使うと、キーボードの操作のみで設定が可能です。
ファンクションキーに関するショートカット
ファンクションキーとは、キーボードの上部に設置された「F1~F12」のキーを表します。エクセルではファンクションキーに各種操作が割り当てられており、単独または別のキーとの組み合わせによってショートカットが実現します。
ファンクションキー単一で使用
ファンクションキー単一で使用した場合のショートカットは以下の通りです。
ショートカットキー |
内容 |
---|---|
F1 |
エクセル全体のヘルプを表示する |
F2 |
アクティブセルの編集を行う |
F3 |
「名前の貼り付け」のダイアログボックスを表示する(名前の定義を行ったブック限定) |
F4 |
書式変更など、直前に行った操作を繰り返す |
F5 |
「ジャンプ」のダイアログボックスを表示する |
F6 |
ツールバーのアクティブ状態の切り替え(シートなどの選択も可) |
F7 |
「スペルチェック」のダイアログボックスを表示する |
F8 |
選択範囲を拡張する |
F9 |
ワークシート内の数値すべてを再計算する |
F10 |
ツールバーのアクティブ状態の切り替え |
F11 |
選択範囲の値から別シートにグラフを作成する |
F12 |
名前を付けてファイルを保存する |
ファンクションキーとの組み合わせで使用
エクセルでは、CtrlやAltなどをファンクションキーと組み合わせることもできます。ファンクションキーを組み合わせて使用する場合のショートカットは以下の通りです。
ショートカットキー |
内容 |
---|---|
Ctrl + F4 |
選択中のブックを閉じる |
Ctrl + F6 |
次のブックウィンドウに移動する |
Ctrl + F9 |
ブックウィンドウを最小化する |
Ctrl + F10 |
ブックウィンドウを最大化または元のサイズへ変更 |
Alt + F1 |
選択範囲から同一シート内にグラフを作成する |
Alt + F8 |
「マクロ」のダイアログボックスを表示する |
Shift + F2 |
セルのコメントを編集する |
Shift + F10 |
ショートカットメニューを表示する |
Shift + F11 |
新しいワークシートを作成する |
印刷に関するショートカットキー
印刷に関するショートカットは以下の通りです。
ショートカットキー |
内容 |
---|---|
Ctrl + P |
印刷のプレビュー画面を表示する |
(Ctrl + Shift + F12) |
印刷のプレビュー画面を表示する |
(Ctrl + F2) |
印刷のプレビュー画面を表示する |
「Ctrl + P」もエクセル以外で使用できるショートカットキーなので覚えておきましょう。
フィルターに関するショートカットキー
フィルターは、入力データのなかから、特定の条件を満たすデータだけを抽出できます。フィルターのショートカットを適用するには、まずはオートフィルタを適用させたい表全体もしくは表中のセルを選択します。
フィルターに関するショートカットキーは以下の通りです。
ショートカットキー |
内容 |
Ctrl + Shift + L |
フィルターを付ける/外す |
Alt + ↓ |
フィルターメニューを開く |
Alt + D + F + S |
すべてフィルターをクリアする |
Alt + ↓ + C |
1列だけフィルターをクリアする |
Alt + ↓ + F + E + Enter |
空白のみに絞る |
Alt + ↓ + F + A |
テキストを含むデータで絞る |
プルダウンに関するショートカットキー
プルダウンは、データを手作業で入力せずに、前もって用意したリストを元にデータを選択して入力する機能です。プルダウンのショートカットは、誤入力や表記揺れを防止し、短時間での入力作業を実現します。
プルダウンに関するショートカットキーは以下の通りです。
ショートカットキー |
内容 |
Alt + A + V + V Alt + D + L |
プルダウンボックスを開く |
Alt + ↓ |
プルダウンを開く |
↓ 、 ↑ |
プルダウンの項目を選択する |
Alt + A |
「入力値の種類」を編集する |
その他上記以外で便利なショートカット
エクセルには上記で紹介した以外にもさまざまなショートカットが存在します。ここでは、さらにエクセルの作業を加速化させる、便利なショートカットをご紹介します。
ショートカットキー |
内容 |
Ctrl + Z |
直前の操作に戻る |
Ctrl + Y |
直前の操作を繰り返す |
Alt + Shift + → |
複数セルのグループ化 |
Alt + Shift + ← |
グループ化したセルを解除する |
Ctrl + 9 |
選択した行を非表示にする |
Ctrl + 0 |
選択した列を非表示にする |
Esc |
各種ダイアログボックスを閉じる/コピーを解除 |
操作を一つ前に戻すショートカットキー「Ctrl+Z」は、使用している人も多いのではないでしょうか。エクセルに限らず、パソコンを操作するうえで確実に覚えておきたい便利なショートカットです。
エクセル業務を加速するコツ
今回は主にショートカットを使ったエクセルの効率化方法をお伝えしましたが、ほかにも業務を加速させるコツが存在します。根本的なエクセル業務の効率化を図るには、以下のポイントを意識しましょう。
- Altキーの役割を理解する
- クイックアクセスツールバーの活用
- ショートカットメニューの活用
それぞれのポイントについて詳しくお伝えしていきます。
Altキーの役割を理解する
今回紹介したショートカットキーのなかにも、Altキーと組み合わせたものがたくさん存在しています。たとえば「Ctrl + Alt + V(形式を指定した貼り付け)」や「Alt + Shift + F1(新規ワークシート作成)」などです。
また、エクセルでは単独のAltキーも効率化につながります。
エクセルを開いた状態でAltキーを押すと、ツールバーに複数の英数字が現れます。ファイルタブには「F」、ホームタブには「H」といった具合です。表示される英数字は、「File(F)」や「Home(H)」など各コマンドの頭文字を表しています。
Altキーを押した状態で仮に「F」を押すと、ファイルタブへ瞬時に移動できます。または「H」を押してホーム画面を表示させると、さらに「コピー(C)」や「太字(1)」が表示されるため、Altキーを使えばマウス操作なしでほとんどのコマンドを実行できるということがわかります。
クイックアクセスツールバーの活用
上記のように便利なAltキーですが、コマンドのなかにはAltキーからはアクセスできないものも存在します。そこで活用できるのが、「クイックアクセスツールバー」です。
クイックアクセスツールバーとは、あらかじめ設定したコマンドがウィンドウの左上にアイコンとして表示される機能です。デフォルトでは「上書き保存」のフロッピーマークや、「元に戻す」「やり直す」のコマンドが表示されています。
よく利用するコマンドはクイックアクセスツールバーに登録しておくと、Altキーを押したときに数字が表示され、キーボード操作のみで実行できるようになります。
ショートカットメニューの活用
ショートカットメニューとは、エクセル上で右クリックを押したときに現れる項目です。メニューのなかにはコピーや貼り付け、並べ替えなど、よく利用するコマンドが用意されています。
マウス作業がメインであれば右クリックで問題ありませんが、もしキーボード操作をメインに行っている場合、いちいちマウスに持ち替えて右クリックするのは面倒なもの。
そこでキーボードにある「アプリケーションキー」を活用しましょう。端末のメーカーによって異なりますが、キーボードの右下「Ctrl」と「Alt」の間に「メニューとマウスカーソルのマーク」が刻印されています。そのキーを押すと瞬時にショートカットメニューが表示されます。
アプリケーションキーがない場合は、「Shift + F10」でもショートカットメニューを表示させることが可能です。
ショートカットが使えない原因と対処法
利用中のPCやエクセル以外のソフトの環境によっては、ショートカットがうまく機能しないケースもあります。ここでは、エクセルのショートカットが使えない原因と対処法を解説していきます。
[Shift]+[Space]が機能しない
「Shift + Space」は、ワークシートの1行をすべて選択できる非常に便利なショートカットです。さらにそのまま「↓」や「↑」を押すと行すべてを選択した状態で範囲を拡大できるため、膨大なデータ処理を行うときに役立ちます。
ただし、上記のショートカットはIMEがオフの状態でしか使えません。IMEが有効になっていると全角文字が適用されるため、セルの文字入力が優先されてしまいます。よってIMEをオフにし、半角入力の状態でショートカットを利用するようにしましょう。
別のショートカットキーの設定によるもの
普段から使用できていたショートカットが突然使えなくなった場合は、エクセル以外のソフトを確認してみてください。必ずではありませんが、新しく導入したソフトによっては、ショートカットがそのソフトで優先されてしまうケースがあります。
たとえば、新しく導入したソフトで「Ctrl + Shift + L」のショートカットキーが適用できるとしましょう。エクセルでも上記ショートカットは「オートフィルタの設定」として活用できます。しかし、場合によっては新しく導入したソフトでショートカットが優先され、エクセルで入力しても反映されないケースもあります。
上記のような事態が発生した場合は、対象のソフト上でショートカットキーを変更できるかチェックしてみましょう。もちろんその際も、他のショートカットキーと被らないよう注意が必要です。
「Lotus1-2-3形式のキー操作」に設定されている
移動や範囲設定のショートカットがうまく反応しない場合は、「Lotus1-2-3形式のキー操作」の設定を変えることで改善する場合があります。ショートカットを正常に反映させるには、「Lotus1-2-3形式のキー操作」のチェックを外しておきましょう。
設定方法は以下の通りです。
- エクセルのツールバー「ファイル」を選択
- 「オプション > 詳細設定」へアクセス
- 「Lotusとの互換性」から「Lotus1-2-3形式のキー操作」のチェックを外す
エクセルの効率化から業務全域の生産性向上へ
多種多様なショートカットが用意されているエクセル。ショートカットキーを活用するとエクセルの作業が飛躍的にスピードアップします。マウスを使わずに作業が完結できるようになることは、決して遠い先の話ではありません。
しかし、エクセル作業は数ある業務の一部分にしか過ぎません。エクセルを効率化した後、今度は業務全域の作業スピードを速めてこそ生産性向上の意義があります。全般的な業務の生産性が高まると、提供するサービスの価値増大につながり、最終的には顧客体験の向上へ寄与するでしょう。