仕事の生産性を上げるために、最初にすべきことは何だと思いますか。
「時間管理を徹底する」「期限を定める」「To-Doリストを毎日作成する」など、さまざまな答えが挙がったかもしれませんが、実は私が期待していたのはそういう答えではありません。
生産性を上げるために最初にすべきことは、生産性を下げている要因は何かを理解することです。
皆さんにとって、日々の仕事で集中を妨げている最大の要因は何でしょうか。ここで考えてみてください。
多くの人にとって、何にも増して生産性の足を引っ張っているのは、メールではないでしょうか。
Radicatiの2014年の調査によると、ビジネスパーソンが送受信するメールは1日平均121通に上り、2018年には140通まで増える見通しとのことです。121通ものメールへの対応に追われていたら、目の前の重要な仕事に集中できなくなるのも無理はありません。
生産性の敵であるメールの山に対処するにはどうすればよいのでしょうか。この記事ではその方法をご紹介します。
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殺到するメールを効率よくさばく画期的な方法
答えは意外と簡単で、メールをまとめて処理するという方法です。メールの確認と返信は1日2回のみとし、まとめて行いましょう。そうすれば、目の前の仕事で成果を上げるための時間を確保しつつ、重要な連絡の見落としもありません。
この方法を編み出したのは起業家のTim Ferriss氏で、自分は生産性を十分に発揮できていないと認識したことがきっかけでした。不本意ながら避けられないものとしてメール対応に無駄な時間を投じるのではなく、Ferriss氏は行動を起こしました。メールチェックを1日2回にして、皆にそのことを知ってもらえば、受信箱の管理がずっとスムーズになると考えたのです。そして、同氏のもくろみは当たりました。
Ferriss氏の流儀にならって、メール対応をスムーズにしたいのなら、次の手順で導入を進めてください。
1)受信箱に届くメールの推移を1日確認する(返信はしない)
まずは、どこかの1日に、メールには返信しないと決めて、受信箱にEメールがどのように届くか確認しましょう。1時間おきに受信箱を見て、メールの件数を記録してください。メールがたくさん届く時間帯がわかれば、メールチェックに適した時刻が決まります。(メモ:検討のためのデータを増やしたければ、2日以上にわたって行ってもかまいません)。
2)メールが届くピークの時間帯を判断する
1時間ごとの受信メール数のデータが取れたら、1日の中で受信箱の動きが特に活発な時刻を2つ割り出してください。たとえば、午前8時にEメールの数が0件から22件に急増したり、大半のEメールが正午から午後1時の間に届いたりといった変化はないでしょうか。
私の場合は、午前9時半と午後4時がピークだとわかりました。
3)ピークの時間にメールをチェックするようスケジュールを立てる
ピークの時間が2つ決まったら、1日の中でその2回のみメールをチェックするようにスケジュールを立て直しましょう。たとえば私の場合、次のようなカレンダーになります。
メールチェックのスケジュールをはっきり定めることによって、それ以外の時間はメールから解放され、目の前の重要な仕事に集中できます。
ヒント:メールで来る重要な連絡のタイミングを逃すのが心配な方は、Ferriss氏と同じように、自動返信メールを設定しましょう。メールチェックを1日2回のみにしていることを送信者に知らせ、緊急の用件であれば別の手段で連絡してほしいと伝えます。
自動返信メールの文例を2つ紹介します。1つ目はFerriss氏自身のもの、2つ目は私が使っているものです。
ご連絡ありがとうございました。
私はこのたび、生産性と効率性を高めるために、新たなメール対応に対する新たな取り組みを行なっています。受信箱への対応に追われる時間がますます増えて、目の前の仕事に集中する時間がますます減っていると感じたからです。メール対応に必要以上に惑わされたあげく、項目数が増える一方のTo-Doリストに着手するのが遅くなっています。
そこで今後は、メールチェックと返信は、平日の午前11時と午後4時のみとさせていただきます。お客様のニーズやブランドアイデンティティーを損なわない形で、適切なタイミングでメールに返信させて頂ければと思います。
お急ぎの要件でしたら、お気軽に電話でご連絡ください。実際、電話でお話しする方が楽しいものです。
今回の新しいメール対応への取り組みによって、仕事に着手するまでの時間が短くなり、成果物の質と創造性も上がるはずですので、どうぞご期待ください。よろしくお願いいたします。
こんにちは。
メールありがとうございます。今後私は、メールチェックは1日2回とさせていただくことになりました。これはひとえに、私自身の生産性を高めるために定めた方針です。緊急のご用件でしたら、遠慮なくお電話でご連絡ください。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
戸栗
4)スケジュールを守る
メールをまとめて処理する中で最も難しいのは、自分で決めたスケジュールを守るという部分です。新しい習慣の常で、定着には時間がかかります。そこで、スケジュールを守れた日は、自分にご褒美をあげましょう。たとえば私の場合、予定どおりピーク時にメールチェックしたら、1杯のコーヒーを自分にプレゼントしています。
生産性を高める第一歩は、生産性の発揮を妨げている最大の要因を見極めて、修正を加えることです。1日に平均121件のメールに対応するとなると、メールの受信箱は我々にとって、最良の友にも最強の敵にもなり得ます。メールをまとめて処理する方式にすれば、受信箱で過ごす時間が減り、対応の手間から解放されて、もっと大切な仕事に時間を費やすことができます。
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