GA4(Google アナリティクス)の大きな特徴のひとつが、ユーザーの行動をすべてイベントとして記録し、期待する態度変容をキーイベント(旧コンバージョン)として追跡できる点です。
Google アナリティクス 4(GA4)の基礎と導入ステップ
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- GA4の実装方法
- GA4の探索機能
- GA4とHubSpotの連携について
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自社がKPIとして設定するコンバージョンポイントをキーイベントとして設定しておけば、GA4がユーザーの行動を計測し、目標を負いつつ改善に活かせるようになります。
本記事では、GA4におけるコンバージョン指標「キーイベント」について、設定方法から計測されない場合の対処法まで解説します。
GA4ではコンバージョンが「キーイベント」に
GA4(Google アナリティクスの最新版)では、ユーザーの行動(ページへのアクセス・クリック・スクロール・ダウンロードなど)がすべて「イベント」として記録され、任意のイベントをコンバージョンとして指定することで自社の目標を追うことができます。
このコンバージョンは、2024年3月のアナウンス後、「キーイベント」へと変更されました。これは、Google 広告における「コンバージョン」と区別するための変更で、GA4におけるこれまでのコンバージョンとキーイベントに機能面での違いはありません。
なおGoogle 広告を利用して認知拡大やトラフィック増加などの施策を行っている場合は、GA4と連携することで広告のクリック前・クリック後の行動を一貫して測定できるようになります。
GA4で計測した特定のページに訪問したユーザーをもとにオーディエンスを作成し、そのオーディエンスに対してリマーケティング広告を配信するといった活用も可能です。
Google 広告との連携については、以下コラムをご覧ください。
GA4におけるキーイベント(旧コンバージョン)について
GA4におけるキーイベントは具体的にどのようなもので、どのような施策に活かせるでしょうか。
任意のイベントをキーイベントとして指定できる
前章でもすでに解説したように、GA4ではWebサイトにおけるユーザーの行動がすべて「イベント」として記録されます。
例えば、あるページにアクセスしたら「ページビュー」と「セッション」のイベントが記録され、一定時間滞在したら「滞在時間」のイベントが、ある程度ページをスクロールしたら「スクロール」のイベントが、別のページに移動したら「クリック」と次のページの「ページビュー」のイベントが記録されます。
GA4ではデフォルトでも基本的なイベントを記録していますが、自身で細かく指定したカスタムイベントを設定することも可能です。例えば、特定ページからの資料のダウンロードをカスタムイベントとして設定できます。
これらのイベントを「キーイベント」として指定することで、自社がユーザーに期待するコンバージョンがどれだけ起きているかを把握し、施策の改善に役立てることが可能です。
GA4のイベントは4種類ある
GA4には4つのイベントタイプがあります。
自動収集イベントは、GA4の利用開始と同時に自動で収集されるため、手動で設定する必要はありません。page_view(ページビュー)やfirst_visit(初回訪問)などがあります。また、プロパティ設定で計測オンにすると、scroll(スクロール)やclick(サイトからの離脱クリック)の情報も自動で収集できます。
推奨イベントは、によって推奨されているイベントです。オンライン販売、ゲーム向けといった業種ごとにおすすめのイベント設定がまとまっているため、自社に合ったものを実装しておくと良いでしょう。
推奨イベントに関しては、アナリティクスヘルプよりご確認ください。
カスタムイベントは、その他のイベントで足りない場合に自由に設定できるイベントです。イベントやパラメータ名をカスタムし、GA4の管理画面上やGTMを使って手動で実装します。
GA4はキーイベント経路が把握しやすい
GA4ではユーザーがどの経路をたどってそのページに来たのかを追跡しやすくなっており、キーイベントに貢献したページがはっきりわかります。
具体的には、詳細なレポートを作成できる「探索」機能において経路データ探索を行うことで、Webサイト内でのユーザーの移動やその数が把握できます。
GA4でキーイベント(旧コンバージョン)を設定する方法
GA4でキーイベントを設定するには、まず該当するイベントを設定し、それをキーイベントとして指定するという手順が必要です。
すでにイベントがあればすぐに完了しますが、目標として追いたいイベントがない場合はカスタムイベントを作成します。
既存のイベントをキーイベント計測する場合
すでに計測しているイベントをキーイベントとして設定するには、左メニューの[管理]から[イベント]をクリックします。
計測しているイベントが出てくるので、右側の「キーイベントとしてマークを付ける」のトグルをオンにすることで完了です。
新規でイベント作成してキーイベント計測する場合
次に、新規でカスタムイベントを作成し、そのイベントをキーイベントにする手順を解説します。
今回は、「ユーザーが会員登録を完了した」ことをキーイベントとして設定すると仮定しましょう。
まずは[管理]から[イベント]へ進み、[イベントを作成]をクリックします。
イベント作成画面に移るので、[作成]をクリックします。
以下のような画面になります。
ユーザーが会員登録したことをイベントとして検出するには、「会員登録完了ページ」へのページビューを計測すればOKです。以下は、会員登録完了ページが「https://www.XX.co.jp/aa/bb/」だった場合の設定例となっています。
カスタムイベント名は、管理しやすい任意のものにしましょう。
パラメータは、ユーザーの行動を特定していくための要素だと考えてください。今回は「event_name」と「page_location」を使用します。
event_nameは、イベントの種類を指します。今回は特定ページへのアクセスを計測したいので、「page_view」を入れました。演算子は「次と等しい」を選択します。
page_locationでは、ページのURLや階層を指定できます。今回は「//www.XX.co.jp/aa/bb/」を入れ、演算子を「次を含む」にします。
最後に[作成]をクリックすればイベント作成は完了です。
これにより、「//www.XX.co.jp/aa/bb/」を含むページに「page_view」があったときに「sign_up」のイベントを計測する、という設定が出来上がりました。最後に、「キーイベントとしてマークを付ける」をオンにすれば完了です。
なお、イベントの設定はGTM(Google タグマネージャー)からも行えます。GTMで設定する場合は、GTM上でイベントを設定し、GA4上でキーイベントとして指定するという流れになります。
GTMでのイベント作成については、以下コラムにて解説しています。
GA4のキーイベント(旧コンバージョン)設定の確認方法
キーイベントが計測されているかを確認するには、レポート機能ではなく、さらに詳しいデータをカスタムレポートとして作成できる探索機能を使用します。
まずは左カラムのメニューから[探索]へ移動し、[空白]を選択します。
探索では細かい設定をすることで自社に有用なデータを得られますが、ひとまずキーイベントが計測できているかを調べるには以下手順でレポートを作成します。
- 一番左の「変数」にある「ディメンション」から「イベント名」を探してきて追加
- 同じように「指標」から「イベント数」を探してきて追加
- 一つ右の「設定」の「行」へ、「イベント名」をドラッグ&ドロップ
- 「設定」をスクロールして下のほうにある「値」へ、「イベント数」をドラッグ&ドロップ
設定したイベントごとの発生数が出てくるので、キーイベントに設定したものがきちんと含まれているかを確認しましょう。計測の期間については、「変数」の上のほうで変更できます。
キーイベント(旧コンバージョン)設定がうまく機能していない場合の対処法
キーイベントが計測されない時の対処法を解説します。
イベント作成から24時間以上経っているか
無料版GA4では、レポートへ反映されるまで半日~24時間かかるので、イベント作成から時間が経っているか確認が必要です。
有料版でも長い場合は4時間かかるので、時間が経過していない場合は焦らずに待ちましょう。
コンバージョン設定に間違いはないか
GA4の管理画面で設定した場合はイベントの「パラメータ」「演算子」「イベント」を確認しましょう。GTMで設定した場合は、「設定タグ」「イベント名」「トリガー」を確認します。
GA4でキーイベント(旧コンバージョン)設定をして分析をしてみよう
GA4はWebサイトの分析を行うアクセス解析ツールですが、企業がWebサイトに導入して活用するにはキーイベントの活用が欠かせません。追いかけたい指標をキーイベントに指定してレポートで確認することで、Webサイトの課題を洗い出し、施策の改善に活かすことができます。
この機会に、社内で目標やイベントの棚卸しや洗い出しを行い、本当に必要な設定を再確認して、キーイベント設定を最適化してみてください。