生成AIは、テキストによる指示でオリジナルの文章や画像などを生成できる技術です。日常業務にうまく取り入れることで、効率化につながります。
本記事では、無料で利用できる生成AIツール・サイトを、文章生成型とイラスト(画像)生成型に分けて紹介します。ぜひお役立てください。
【無料】文章生成AIツール・サイト7選
まずは、文章生成に特化した無料のAIツール・サイトを7つ紹介します。
- ChatGPT
- Bard
- Bing AI
- Notion AI
- HubSpot コンテンツアシスタント
- SAKUBUN
- Transcope
1. ChatGPT
出典:ChatGPT
ChatGPTは、OpenAI社が提供するAIチャットサービスです。人間と会話している感覚で使用できるのが特徴で、日本では2022年11月に無料版の「ChatGPT-3.5」がリリースされました。
ChatGPTでは、メッセージ欄にプロンプトを入力すると、テキスト生成やテキスト翻訳、文章の要約、メール文の作成などができます。有料版の「ChatGPT-4」は、リアルタイム検索機能や画像生成機能など、さらに高い機能を有しています。無料版を利用してみて使い勝手が良いと感じたら、有料版へアップデートすると良いでしょう。
2. Bard
出典:Bard
Bardは、「LaMDA」と呼ばれる大規模言語モデルをベースに、Google 社が開発したAIチャットツールです。2023年5月から日本語対応が開始されています。
1つの質問に対して、複数の回答を提示するのがBardの特徴で、その中から現状に最適なものを選んだり、組み合わせて創造性を高めたりできます。また、無料版でもリアルタイムの情報にアクセス可能なのも、Bardの強みです。
Google 社の提供する生成AIということもあり、Google Workspaceとの連携もできます。Gmailでの下書き作成やGoogle ドキュメントへのエクスポートなどが可能で、将来的には、Bardの返した内容をGoogle 検索したり、Web上のソースを参照したりする機能も追加される予定です。
ただし、2023年10月の時点では試験運用中のため、回答が間違っているケースもあります。ほかの生成AIと同様に、情報の信ぴょう性については、ユーザーが確認しなければなりません。
3. Bing AI
出典:Bing AI
Bing AIは、Microsoft社の提供する検索エンジンBingに、OpenAI社のGPT4を搭載した検索エンジン型の生成AIです。基本的なチャット機能は無料プランのユーザーでも利用できますが、1日にできる会話数が5回までに制限されています。
Bing AIも「Bard」と同様、リアルタイムの情報にアクセス可能です。
4. Notion AI
出典:Notion AI
Notionは、タスク管理・メモ・Wiki・データベース・ブックマークなど、ビジネス全般に役立つ機能がひとまとめになった万能ツールです。Notion内に、「Notion AI」と呼ばれる生成AI機能が備わっています。
文章の作成や添削、要約、翻訳、テーマに基づいたブログ記事作成といった生成AIの一般的な機能に加えて、表の作成やメモの作成・管理、タスク管理、データベース整理など、Notion AIならではの操作も行える点が特徴です。Notion AIが構築したデータはNotion内で利用可能で、業務効率化が期待できます。
5. HubSpot コンテンツアシスタント
HubSpot コンテンツアシスタントは、HubSpot社が提供する生成AIツールです。タスクの自動化、アシスト機能付きのブログ記事作成、ランディングページ・広告のライティング、Eメールの作成、SNSに投稿する文章作成などに対応しており、HubSpotの各プラットフォームからの情報抽出も可能です。
文章作成だけでなく、AIからインスピレーションを受けることによるブラッシュアップにも活用できます。クリエイティブなことから事務的なことまで幅広く対応できる点が、HubSpot コンテンツアシスタントの特徴です。
6. SAKUBUN
出典:SAKUBUN
SAKUBUNは、国産の生成AIツールで、文章自動生成技術のLLMが用いられているのが特徴です。GPT-3.5、もしくはGPT-4が搭載されています。
ブログ記事やSNSへの投稿文、広告文、メール文章の作成が可能で、AIエディターを活用すれば、生成されたテキストをチャット形式で細かく再編集できます。
さらに、日本語のテンプレートが100種類以上と充実しているのもメリットです。「キーワードを入力して動画の構成案を作成する」、「お客さまのレビューに返信する文章を作成する」、「3C分析やSWOTなどマーケティングに役立つフレームワークを提案する」など、さまざまな業務に活用可能です。
無料プランにはGPT-3.5が搭載されており、毎月5,000文字までの文章を作成できます。
7. Transcope
出典:Transcope
TranscopeはGPT4を搭載した国産の生成AIツールです。ほかの生成AIツールと同様にキーワードからコンテンツを生成できるのはもちろん、URLや画像ファイル、音声、CSVファイルなどを情報源としたコンテンツ制作にも対応しています。
SEOライティングに強みを持ち、競合分析を行ったうえでの見出しや本文作成が可能です。さらに、サジェストキーワードの提案、記事のGoogle 検索調査、コピペチェック・薬機法チェックなど、多彩な機能が搭載されています。
無料版なら月に4,000文字の生成ができるので、ツールの使い勝手を掴むために利用してみるのも良いでしょう。
【無料】イラスト(画像)生成AIツール・サイト3選
ここでは、無料で使える画像生成AIを3つ紹介します。
- Stable Diffusion XL
- Bing Image Creator
- Canva
1. Stable Diffusion XL
Stable Diffusion XLは、アメリカStability AI社が開発した画像生成AIです。プロンプトを入力すると、さまざまなタッチや雰囲気の画像やイラストを生成できます。
Stable Diffusion XLでは、AIによって生成された画像を編集することが可能です。不要な箇所を削除する「インペインティング」、「要素を付け足すアウトペインティング」、元の画像を使用して新しい画像を作る「mage-to-image」などの機能が搭載されています。
Stable Diffusion XLで生成した画像は、商用利用が可能です。ただし、商用利用できない画像をモデルして画像を生成したものは例外となります。
2. Bing Image Creator
Bing Image Creatorは、Microsoft社が提供する画像生成AIツールです。Microsoftアカウントがあれば、誰でも無料で利用できます。
Bing Image Creatorのベースは、OpenAI社の開発した文章からデジタル画像を生成できる深層学習モデルである「DALL-E」です。漫画・アニメ・水彩画・サイバーパンク・超現実など、さまざまなタッチの画像を作成できます。プロンプトを入力して画像を生成した後は、画像の配色やスタイル、タッチ、背景などを微調整していくと、イメージに近づけられるでしょう。
Bing Image Creatorで作成した画像の用途は、個人的・非商業的な用途に限定されており、商用利用できない点には注意しましょう。オウンドメディアのコンテンツやSNSのビジネスアカウントへの投稿に使う場合は、先述した「Stable Diffusion」や、次章で紹介する「Canva」がおすすめです。
3. Canva
Canvaの画像生成AI、Text to Imageはプロンプトをもとに画像を生成するAIです。プロンプトに加えて、「映画的」「水彩画」「写真」「幻想的」「アニメ」から選べるスタイルと、縦横比の組み合わせで画像生成の幅が広がります。
Canva自体が画像編集に特化したアプリであるため、エフェクトやフィルターの追加、ホワイトバランスといった細かい調整が可能です。
無料で利用できるツールですが、AIを使った画像生成は「Canvaクレジット」と呼ばれる仮想トークンを1枚消費します。クレジットがなくなったら、購入が必要です。
無料の生成AIツールを日常業務に活用してみよう
ブログ記事やSNSへの投稿文の作成、イメージ画像の生成など、生成AIが日常業務に役立つ場面は数多くあります。まずは、この記事で紹介した無料のツールを実際に使ってみましょう。
生成AIの活用によって、クリエイティブ制作にかかるコストを削減できるだけでなく、空いた時間を顧客とのコミュニケーションなどのコア業務にあてることも可能です。
ただし、生成AIに関する法整備は、まだ整っていないため注意が必要です。信ぴょう性に欠ける情報が生成されるケースもあるので、活用する際は十分に注意しましょう。