アンケートフォームやイベントの参加受付フォーム、お問い合わせフォームとして活用できるのが誰でも無料で利用できる「Google フォーム」です。
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Google フォームでは、回答者へ自動でメール返信を行う機能が備えられており、回答への感謝などをすぐさま伝えたい場合に活用できます。フォームを正しく送信できた安心感や、親切な対応をしてもらえた信頼感を与えることができ、相手と良好な関係を築くきっかけとなるでしょう。
今回は、Google フォームの自動返信メールを設定する3つの方法を画像付きで紹介します。記事を読みながらあなたに合う方法を選択し、自動返信メールを設定してロイヤリティ向上を目指しましょう。
Google フォームに自動返信メール機能を設定する3つの方法
Google フォームに自動返信メール機能を設定する方法は3通りあります。
1. Google フォームの画面から設定する方法
自動返信メールは、Google フォームの画面から簡単に設定できます。自動返信の内容は、フォームに回答した内容のコピーをそのまま送信する形式となります。
返信先のアドレスについては、回答者の任意のアドレスを入れてもらうようにすることも可能です。
簡単な操作で設定できる点がメリットですが、メールの件名や本文をカスタマイズすることはできません。
「まずは自動返信メールを導入してみたい」という方におすすめです。
2. Google フォームの拡張機能(アドオン)を追加する方法
拡張機能(アドオン)「Email Notifications for Google Forms」を追加すれば、件名・本文を自由に設定した自動返信メールを送信できます。簡単に設定できる上に、内容をカスタマイズできて非常に便利です。
ただし、拡張機能(アドオン)の無料版では1日20通までしか自動返信を行えないので注意が必要です。上限なしで簡単に自動返信を行いたい方は、有料版の利用をおすすめします。
また、アドオンの設定は英語で表示されますが、英語に苦手意識がある方も問題なく設定できるよう、この後の章で設定方法を画像付きで紹介しています。ぜひ参考にしてください。
3. Google Apps Scriptを使う方法
Google フォームの自動返信は、GAS(Google Apps Script)を使って設定することも可能です。アドオンを使用した場合と同様に、件名や本文を自由にカスタマイズできます。
通常、GASを用いた方法ではコードの知識が必要ですが、今回はコピー&ペーストで使えるコードを掲載するので知識がない方でも問題ありません。ただし、上記2つの方法よりは手間がかかります。
1. Google フォームの画面から設定する手順|回答を自動返信する
Google フォームの画面から自動返信を設定する手順を紹介します。画像を見ながら設定してみてください。
- まずは、Google フォームの設定画面を開き、【回答】を選択して表示項目を増やします。
- 【メールアドレスを収集する】を【確認済み】にします。
- その下の【回答のコピーを回答者に送信】は、【常に表示】を選択すると必ず自動返信メールが送信され、【リクエストされた場合】を選択すると回答者が選べるようになります。
以上で、自動返信メールの設定は完了です。
上記の方法だと回答者がログインしているアドレスに自動返信メールが送られることになりますが、返信先のアドレスを回答者自身に指定してもらうような設定も可能です。
上記と同様の手順の中で、【メールアドレスを収集する】を【回答者からの入力】に設定します。【回答のコピー】設定については上記と同様です。
設定後は、自動返信メールが機能しているかチェックしましょう。テストとしてGoogle フォームに回答し、メールが届けば正しく設定できています。
2. Google フォームの拡張機能(アドオン)を追加する手順
Google フォームの拡張機能(アドオン)である「Email Notifications for Google Forms」を使った自動返信メールの設定方法を解説します。
アドオンのインストールから動作テストまでの手順を画像付きで解説しますので、記事を読みながら設定してみてください。
1. Email Notifications for Google Formsをインストールする
まずは、Google フォームの拡張機能(アドオン)である「Email Notifications for Google Forms」をインストールしましょう。
2. Google フォームからEmail Notifications for Google Formsを利用する
インストールが完了したらGoogle フォームを開きます。
- まず、【設定】で【メールアドレスを収集する】が【確認済み】になっていることを確認します。この設定になっていないと、アドオンも意図した動作になりません。
- 次に、画面右上のジグソーパズルのアイコンをクリックし、「Email Notifications for Forms」を選択します。
- Google Chromeの拡張機能ではなく、Google フォーム内にアイコンがあるため場所をよく確認しましょう。
- 【Open App】を選択します。
- Form Notificationsが起動するので、【Email Notification】を選択します。
3. 自動返信の設定を行う
- 設定画面が出てくるので、自動返信の設定を進めていきましょう。
【Notification Name】は管理用の名前なので、わかりやすいものをつけましょう。
【Sender’s Name】は、メールに表示される送信者の名前です。
【Sender’s Email Address】は、デフォルトで管理者のアドレスが入っています。 - 【Email Subject】にはメールタイトルを、【Email Body】には本文を記入します。
デフォルトで入っているは、メールに回答内容をコピーするため残しておくのがおすすめです。 - Continueで次に進んだら、【TO Recipients】にプルダウンから【Submitter Email Address】を追加します。これにて回答者に自動返信メールを送る設定になります。
- 管理者のアドレスは、回答者へ送る内容とまったく同じメールを受信したいならそのまま入れておきます。
- 【Notify From Respondent】にチェックを入れ、プルダウンから【Submitter Email Address】に変更します。
- 次に進み、そのまま【Save & Continue】を選択で設定は完了です。
- 回答者が回答を送信すると、以下のようなメールが届きます。
6. 動作テストを行う
自動返信メールの設定が完了したら、動作テストを行うために実際にGoogle フォームに回答しましょう。
その際、回答は送信先に設定したメールアドレスとは別のアドレスで行ってください。同じメールアドレスを使うと、正常に動作しない場合があります。
アドオン設定後、自動返信メールが届かない場合のよくある原因
アドオン設定後に自動返信メールが届かない原因は、以下の3つが考えられます。
- メールアドレスの入力漏れ・誤り
- アドオンの上限メール数に達している
- 送信先のメール設定の問題
それぞれ詳しく説明します。
メールアドレスの入力漏れ・誤り
自動返信メールが届かない原因としてよくあるのは、メールアドレスの入力漏れ・誤りです。
Google フォームの回答にメールアドレスを入力し忘れたり、間違ったメールアドレスを入力したりすると、自動返信メールは届きません。
このようなミスを防ぐためには、メールアドレスの入力を必須にし、さらに確認用の回答欄を設けると効果的です。入力の手間は増えますが、ミスを防ぐためには重要です。
アドオンの上限メール数に達している
無料版のアドオンは、1日の上限自動返信数が20件と定められています。それを超えると返信メールが送信されなくなるので注意が必要です。
上限を気にせず自動返信を行いたい場合は、有料版を利用するか、以下で紹介するGAS(Google Apps Script)を使った方法を実践してみましょう。
送信先のメール設定の問題
受信メールのフィルタリングによって迷惑メールフォルダに入ってしまうと、回答者が自動返信メールに気付かない場合があります。
迷惑メールフォルダに入っても気付くように、Google フォームの確認メッセージに自動返信メールの送信元メールアドレスを記載しておきましょう。迷惑メールフォルダに振り分けられる可能性についても記載しておくと親切です。
自動返信メールの送信元は管理者のGmailアドレス
自動返信メールをいずれかの方法で設定したら、そのメールの送信元はフォームを作成した管理者のGmailアドレスになります。そのため、フォーム作成前に自動返信メールで使用していいアドレスか確認するのがいいでしょう。
なお、Googleフォームでは共同編集者にオーナー権を引き渡すことができます。そうすれば、送信元のアドレスも新しいオーナーのものに変わります。
3. Google Apps Scriptを使った手順
最後に、Google Apps Script(GAS)を使った自動返信の設定手順を紹介します。自動返信メールを無制限で送りたい方にはこちらの方法がおすすめです。記事を読みながら設定してみてください。
なお、GASを使った自動返信メールの設定イメージは以下のとおりです。
まず回答時のメール通知をオンにし、回答を集計するスプレッドシートを作成、スプレッドシート上で実行するスクリプトを作成します。
スクリプトはコピペ可能なものを用意しています。
1. Google フォームのメール通知をオンにする
- 回答画面を開き、右上の【︙】を選択します。
- 【新しい回答についてのメール通知を受け取る】を選択します。
2. Google フォームからスプレッドシートを作成する
- スプレッドシートのアイコンを選択します。
- 「新しいスプレッドシートを作成」を選択し、ファイル名を付けます。
3. スクリプトを作成する
スプレッドシートが自動で開くので、メニューバーの【拡張機能】から、【Apps Script】を選択します。
元から入力されているコードをすべて削除し、以下のコードをコピペして入力します。
function onFormSubmit(e) {
// フォームの回答を取得
var Name = E.Namedvalues['氏名'][0];
var Email = E.Namedvalues['メールアドレス'][0];
var Message = E.Namedvalues['ご回答内容'][0];
// 自動返信メール件名
var Subject = 'メールの件名を入力します';
// 自動返信メール本文
var Body = Name + '様\N' +
'\N' +
'メールの本文を入力します。(1行目)' +
'\N' +
'メールの本文を入力します。(2行目)' +
'\N' +
'メールの本文を入力します。(3行目)' +
'\N' +
'─────────────────────────\N' +
'ご回答内容の確認\N' +
'─────────────────────────\N' +
'\N' +
'【氏名】\N' +
Name + '\N' +
'\N' +
'【メールアドレス】\N' +
Email + '\N' +
'\N' +
'【ご回答内容】\N' +
Message;
// メール送信
MAILAPP.SENDEMAIL({
TO: EMAIL,
SUBJECT: SUBJECT,
BODY: BODY
});
}
上記のコードをコピペできたら、プロジェクトを保存します。
左カラムメニューから【トリガー】メニューに進み、右下の【トリガーを追加】を選択します。
以下のように設定し、【保存】すれば設定は完了です。
自動返信メールに使えるテンプレート3パターン
アドオンやGASを使って自動返信メールを設定する場合、本文を自由に入力できます。
以下、3つのケースにおける返信例をご紹介するので、テンプレートとしてご活用ください。
お問い合わせへの返信
【件名】
お問い合わせいただき、ありがとうございます。
【本文】
◯◯様
このたびは弊社Webサイトからお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。
いただいた内容を確認後、担当者から改めてご連絡いたします。
なお、営業時間外のお問い合わせの場合、翌営業日のご連絡となります。
営業時間:◯時~◯時(平日)
今しばらくお待ちくださいませ。
株式会社◯◯
申し込みに対する返信
【件名】
◯◯へのお申し込みが完了しました。
【本文】
このたびは◯◯へお申し込みいただき、誠にありがとうございます。
以下の内容でお申し込みを承りました。
~~~~~
~~~~~
~~~~~
当日はこのメール画面によるご確認をさせていただく場合がございますので、大切に保管いただきますようお願いいたします。
※本メールはお申し込みに対する自動返信メールとなります。
株式会社◯◯
アンケート回答への返信
【件名】
アンケートへのご協力、ありがとうございます。
【本文】
このたびはお忙しいところ、◯◯アンケートにご協力いただき誠にありがとうございます。
◯◯様よりいただいた貴重なご意見は社内で十分に検討し、今後の商品開発に活かしてまいります。
ご記入いただきました個人情報および回答内容については、本アンケートの利用目的以外に利用することはございません。
株式会社◯◯
Google フォームの回答をメール通知で受け取るには?
Google フォームでは、回答者に自動返信メールを送るだけでなく、フォームに回答があった際に自身がメール通知を受けることもできます。
Google フォーム上で通知設定を行う方法
Google フォーム上の設定で、簡単に通知を受け取れるようになります。フォーム作成者のみにしか通知されませんが、それでよければこの方法が手っ取り早いでしょう。
- まずは【回答】から画面右上の【︙】をクリックします。
- ポップアップの【新しい回答についてのメール通知を受け取る】をクリックすれば完了です。
スプレッドシートから通知設定を行う方法
Google フォームとスプレッドシートを連携させることで、通知を受け取ることも可能です。
この方法でも通知はフォーム作成者しか受け取れませんが、フォームの回答を数値でまとめてスプレッドシートで確認できるようになるため、回答の確認やデータの加工が行いやすくなるメリットがあります。
GAS(Google Apps Script)を使う方法
設定までに多少手間はかかりますが、フォーム作成者以外にも通知を送れるようになります。
詳しい設定方法については、以下コラムをご覧ください。
自動返信機能を活用し、見込み客と良好な関係を築こう
今回は、Google フォームの自動返信の設定方法について解説しました。3つの方法をお伝えしましたが、あなたに合う方法は見つかりましたでしょうか。
簡単に設定したいならGoogle フォームの画面から設定する方法がおすすめですが、件名・本文のカスタマイズはできません。件名・本文のカスタマイズをすることが前提で、見込まれる回答数が1日20件以下ならアドオン追加、上限を気にせず使いたいならGoogle Apps Scriptという基準で選んでみましょう。
自動返信機能を活用し、ユーザーと良好な関係を築くきっかけ作りに活用していただければ幸いです。