Google スライドは、Google が無料で提供しているプレゼンテーション作成アプリケーションです。スライドショー形式で情報を表示するためのソフトウェアで、プレゼンテーション用の資料の作成や、複数人でスライドを共同編集するのに役立ちます。
Google スライドは直感的な操作でプレゼンテーションを作成できるため、初心者でもある程度使いこなしやすいツールです。
ただ、パソコン・スマホ・タブレットでそれぞれ使い方が少し異なります。本記事では、パソコンでのGoogle スライドの使い方を解説します。
なお、スライドシェア(SlideShare)やパワーポイントをお使いの方は、以下の記事も合わせてご覧ください。
プレゼン用パワーポイントテンプレート
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Google スライドとは
Google スライドとは、Google が提供するプレゼンテーション作成アプリケーションです。Google アカウントを取得すれば誰でも利用でき、スマートフォンやタブレットからも使用できます。
ここからは、Google スライドで何ができるのか、パワーポイントとは何が違うのかという点について解説します。
Google スライドでできること
Google スライドを使えば、Webブラウザ上でプレゼンテーションを作成・編集できます。インストールは不要で、Google アカウントがあればWindowsやMacなどのOSを問わず同じように作業が行えます。
チームで同時に編集作業ができる他、コメント機能がついているのでチャットのようにやりとりしながらの編集が可能です。
また、さまざまなデザインのテンプレートがある他、画像や動画、グラフなども入力できるため統一感のある読みやすいプレゼンテーションを作成できます。
この他、データ検索機能があるので、資料の文字や画像を読み取り見栄えの良い配置を提案してくれます。時間を短縮しつつ分かりやすい資料を作成できるため、資料作りが苦手という方にもおすすめです。
パワーポイントとの違い
Google スライドとパワーポイントの違いは、主に以下の4つです。
- インストールの有無
- 自動保存機能
- 編集内容の反映速度
- データの保存場所
パワーポイントはライセンスを購入したりインストールを行ったりする必要がありますが、Google スライドは無料で利用できる他、クラウドを利用しているためインストールせずにブラウザから利用可能です。
また編集した内容を保存する際、パワーポイントはユーザー自身で上書き保存を行いますが、Google スライドは自動で保存されます。
なお、パワーポイントもOneDrive上にファイルを置くことで自動保存機能を利用できます。加えて、チームで作業をする際、パワーポイントは編集内容を変更するたびに最新のファイルを共有する必要があります。
一方、Google スライドはリアルタイムで編集内容が反映されるため、最新のファイルを共有したり、編集・修正したりする際もスムーズです。
この他、ファイルの保存場所が異なり、パワーポイントはパソコン内に、 Google スライドはクラウドに保存されます。クラウドにあることでスマートフォンやタブレットからも作業ができるため、外出時や移動時にもスライド内容を確認できます。
Google スライド以外にもGoogle の便利なツールをお探しの方は、以下のサイトからぜひチェックしてみてください。
Google スライドの使い方
Google スライドのパソコン版は、大きな画面で細かい機能を使って編集するのに向いています。本章では、以下の内容をそれぞれ画像付きで説明します。
- ログイン方法
- スライドの作成
- スライドのタイトルの変更
- テキスト・画像・図形・表などの挿入
- テキストの編集
- スライドの追加・削除・並び替え
- プレゼンテーションの開始
ログイン方法
① Google Chromeに、Google アカウントでログインします。(アカウントがない場合は取得が必要です)
②画面右上の「アプリ」をクリックし、「スライド」を選択します。またはこちらからGoogle スライドにアクセスします。
③「Google スライドを使ってみる」をクリックし、アカウント情報を入力してログインします。
スライドの作成
Google スライドのホーム画面で、「新しいプレゼンテーションを作成」 の「空白(+マーク)」をクリックしてプレゼンテーションを作成すると、編集画面になります。
スライドのタイトルの変更
画面左上にある「タイトル欄」をクリックすると、タイトルを変更できます。ファイル名は、デフォルトでは「無題のプレゼンテーション」となっています。
テキスト・画像・図形・表などの挿入
① 画面上部にあるツールバーの「挿入」タブをクリックし、画像やテキストを挿入します。挿入できるものは以下のとおりです。
- 画像
- テキストボックス
- 音声
- 動画
- 図形(円・四角などの図形、矢印、吹き出しなど)
- 表
- グラフ
- ワードアート
- 線(直線、曲線、矢印線など)
- 新しいスライド
上部ツールバーのアイコンをクリックしても挿入できます。
② それぞれのオブジェクトは、スライド内で移動・サイズ変更・回転・並び替えができます。
テキストの編集
挿入したテキストのフォント・大きさ・色の変更と、太字・斜体・下線を編集します。
① フォントを変更するためには、該当するテキストを選択し、ツールバーにある「フォント表示」から使用するフォントを選択します。Google スライドで使用できるフォントは以下のとおりです。(2022年1月時点)
- Arial
- Arimo
- Calibri
- Comic Sans MS
- Courier New
- Georgia
- Impact
- Times New Roman
- Trebuchet MS
- Verdana
- メイリオ
- MS Pゴシック
- MS P明朝
②「その他のフォント」→「Google Webフォント」でサーバーからフォントデータを読み込むことで、Google が提供するフォントも使用可能です。
③ 上部ツールバーで、「フォントサイズ」「太字」「斜体」「下線」「テキストの色」「ハイライトの色」を適用します。
スライドの追加・削除・並び替え
① スライドの追加は、上部ツールバーの一番左にある「新しいスライド(+マーク)」をクリック、またはショートカットキーの「Ctrl+M」で追加できます。
② スライドを削除したい場合は、画面左側のスライドの一覧表示で削除したいスライドをクリックして選択し、キーボードの「Delete」または「Backspace」キーを押します。
複数のスライドを削除したい場合は、「Shift」または「Ctrl」キーを押しながら該当するスライドをクリックすることで、複数選択が可能です。
③ スライドの並べ替えは、画面左側のスライドの一覧で、移動したいスライドをドラッグ&ドロップで移動させて並べ替えます。「Ctrl」や「Shift」キーを押しながらスライドをクリックすることで、複数選択も可能です。
プレゼンテーションの開始
① プレゼンテーションを再生するには、画面右上の「プレゼンテーション開始」をクリック、またはプルダウンメニュー(▼)から「プレゼンター表示」をクリックします。「プレゼンター表示」とは、プレゼンテーションと別ウィンドウで、プレゼンター用の画面を確認できる機能です。この画面では、プレゼンターノート(発表者用のメモ)やユーザーのQ&A・経過時間を確認できます。
② プレゼンテーション画面を終了する時は、キーボードの「esc」キーを押しましょう。
Google スライドにアニメーションを追加する方法
スライド内のテキストや図形に、アニメーションをつけることも可能です。
ページ切り替え時のアニメーションの設定方法
動きをつけて切り替えたいページをクリックで選択し、上部ツールバーの「挿入」→「アニメーション」をクリックします。「フェードインorアウト」「スライドインorアウトなどの動き」「アニメーションの早さ」を設定できます。※アニメーション機能は、現時点でパソコン版Google スライドのみで扱える機能です。
ページ切り替え時のアニメーションの削除方法
アニメーションを削除する場合は、上部ツールバーの「スライド」→「切り替え効果」をクリックします。効果を選択するタブを「なし」にすれば、スライド内のアニメーションを削除できます。なお、全てのスライドのアニメーションを削除する場合は、「なし」の下部にある「すべてのスライドに適用」をクリックしてください。
特定のオブジェクトを動かす方法
特定のオブジェクトを動かす際は、アニメーションを追加したいオブジェクトを選択し「アニメーションを追加」をクリックします。
また、右クリックから「アニメーション化」を選択しても、設定が可能です。
オブジェクトに設定したアニメーションの削除方法
オブジェクトを選択し、右側のアニメーション設定画面にある「ゴミ箱マーク」をクリックすればアニメーションを削除できます。なお、アニメーションは一括削除できないため、アニメーションを設定しているオブジェクトが複数ある場合は一つずつ削除しましょう。
Google スライドの活用方法
ここまで、Google スライドの基本的な使い方について解説してきました。Google スライドには、他にも「共有」や「ダウンロード」など便利な機能が多々あるので、それらの活用方法を8つご紹介します。
- パワーポイントのデータをスライドで開く
- Google スライド内でWeb検索をする
- 作成したスライドを共有する
- 作成したスライドをダウンロードする
- 作成したスライドをメールに添付する
- チャット機能を使いながら共同作業する
- 過去のデータを復元する
- Google スライドへアドオンを追加する
パワーポイントのデータをスライドで開く
Google スライドはパワーポイントやSwayといった他のプレゼンテーション作成ソフトとの互換性があるため、それらのファイルをGoogle スライドで開くことが可能です。
① Google スライドのホーム画面から、「最近使用したプレゼンテーション」の右にあるファイルマークをクリックします。
②「アップロード」タブをクリック→「デバイスのファイルを選択」またはファイルをドラッグして、プレゼンテーションファイルをアップロードします。※この時、Google スライドに搭載されていないフォント・図形を使用している場合、自動で他の形式に変換されるので注意しましょう。
Google スライド内でWeb検索をする
スライドの編集中に調べ物をしたい場合に、編集画面から直接Google 検索できる機能があります。
① 編集画面の「ツール」から「データ探索」をクリックします。
②「ドキュメントやウェブを検索」に検索キーワードを入力して実行すると、「ウェブ」「画像」「ドライブ」から、関連情報が表示されます。
作成したスライドを共有する
作成したスライドは、他の人とオンラインで共有し、共同作業できます。
① 画面右上の「共有」をクリックします。
② 共有方法は、任意の人にアクセスを許可する方法と、URLで共有する方法があります。デフォルト設定では作成者のみアクセス権限があり、非公開の状態です。
作成したスライドをダウンロードする
Google スライドで作成したスライドは、各種ファイル形式でダウンロードし、共有やオフラインでの使用も可能です。
① ダウンロード方法は、編集画面上部の「ツールバー」にある「ファイル」をクリック→「ダウンロード」からファイル形式を指定して、ダウンロードを実行します。
パソコン、スマホ (android) から書き出せるファイル形式は、以下の7種類です。
- Microsoft PowerPoint(.pptx)
- ODPドキュメント(.odp)
- PDFドキュメント(.pdf)
- 書式なしテキスト(.txt)
- JPEG 画像(.jpg)
- PNG 画像(.png)
- Scalable Vector Graphics(.svg)
iPhone・iPadから書き出せるファイル形式は、以下の2種類です。
- Microsoft PowerPoint(.pptx)
- PDFドキュメント(.pdf)
作成したスライドをメールに添付する
Google スライドで作成したプレゼンテーションは、メール添付で送信できます。
① 編集画面上部の「ツールバー」にある「ファイル」「メール」「このファイルをメールで送信」の順にクリックします。
② メール入力画面が新しく立ち上がるので、送信先のアドレス、件名、メッセージ(本文)、ファイル形式(「PDF」「Microsoft PowerPoint」「書式なしテキスト」から選択)を設定し、最後に「送信」をクリックします。
チャット機能を使いながら共同作業する
Google スライドでは、チャット機能を使いながら共同作業ができます。
まずは、画面右上の「共有」→「リンクを取得」をクリックし、リンクをコピーして共同作業を行う方に送りましょう。次に、画面上部にある「コメントを追加」を選択します。右側にチャット画面が出てくるため、そこでコメントのやりとりをしながら作業が行えます。
過去のデータを復元する
Google スライドの編集履歴から、データを復元できます。
画面上部にある「最終編集:○○分前」をクリックし、画面右側の編集履歴から復元したい履歴を選んでください。
Google スライドへアドオンを追加する
Google スライドでは、アドオン(拡張機能)を追加してより自分好みのスライドに仕上げることが可能です。
画面上部から「アドオン」→「アドオンを取得」をクリックし、好きなアドオンをインストールします。
Google スライドのスマホ・タブレット活用方法
Google スライドは、スマートフォンアプリからでも使用できます。
シンプルで簡単なスライドならスマートフォンやタブレットから活用でき、パソコンと同じGoogle アカウントでログインすれば同期できるため、どこにいてもデータを作成・編集できます。
※アニメーションの追加はパソコンからのみ可能です。
なお、Google スライドアプリは、以下のリンクからダウンロードできます。
以下にて、スマートフォンの使用方法について解説します。タブレットの場合もほぼ同じ手順なので、ぜひご覧ください。
新しいスライドの追加方法
Google スライドを開き、画面右下の「+」から「テンプレートを選択」または「新しいプレゼンテーション」をクリックし、新規スライドを作成します。プレゼンテーション内でスライドを追加する場合は、画面右下のアイコンをクリックしましょう。タブレットの場合は、画面左下にアイコンがあります。
テーマを変更する方法
右上のアイコン「・・・」をクリックし、「テーマを変更」を選択します。
スピーカーノートの追加方法
スピーカーノートは右上のアイコン→「スピーカーノート」から挿入できます。
Google スライドの共有方法
画面上部にある「ヒト型アイコン」をクリックし、共有するユーザーやグループを追加します。
パワーポイントからGoogle スライドへの変換方法
パワーポイントをGoogle スライドで開くには、3つの方法があります。
まずは新規でGoogle スライドを開きます。
1つ目の方法では、上部の「ファイル」から「開く」を選択します。
これはパワーポイントのファイルをそのままGoogle スライドに変換する方法です。「アップロード」を選択し、パワーポイントファイルをドラッグ&ドロップすれば新しいスライドとしてドライブに保存されます。
2つ目の方法では、最初の手順で「開く」ではなく「スライドをインポート」を選択します。
これは、表示中のスライドにパワーポイントのスライドを追加する方法で、すべてのページをインポートすることも、一部のページのみインポートすることもできます。
同じように「アップロード」を選択し、該当のファイルをドラッグ&ドロップでアップロードすればインポートが完了します。表示中のスライドにページを追加する方法のため、タイトルは変わりません。
また、すでに作成中のスライドにパワーポイントで作ったページを追加したいといった場合にもこの方法が使えます。
3つ目では、Google ドライブの新規から「ファイルをアップロード」「フォルダをアップロード」を選択し、パワーポイントのファイルをドライブ上に保存します。
次に、右クリックから「アプリで開く」→「Google スライド」をクリックします。そうすると、パワーポイントのファイルをGoogle スライド上で閲覧・編集可能な状態になります。
Google スライドのファイルとして保存したい場合には、「ファイル」から「Google スライドとして保存」を選択します。
パワーポイントファイルのままではGoogle ドライブの容量(無料版は15GB)を消費しますが、Google スライドのファイルであれば消費しません。
Google スライドとパワーポイントには互換性はありますが、完全に一致するわけではありません。
Google スライドにないフォントを使用している場合、他のフォントに自動で変換されます。レイアウトが崩れる可能性があるため、注意しましょう。
Google スライドの使い方を習得して作業効率アップ
Google スライドは共有や同時編集に優れているため、他の人とプレゼンテーションを作る際にはぜひ活用してほしいアプリケーションです。
また、無料で使えるので、「プレゼン資料を作りたいけどパワーポイントを持っていない」という方にもおすすめです。Google スライドの多彩な機能を活用して、効率よく作業を進めましょう。
HubSpotでは、魅力的なプレゼンテーション作成に役立つテンプレートを無料で公開していますので、ぜひご覧ください。