GPT搭載チャットボットの活用法とメリット・おすすめサービスを紹介

ダウンロード: チャットボット活用の基礎ガイド
長島 茜(ながしま あかね)
長島 茜(ながしま あかね)

最終更新日:

公開日:

大規模言語モデル「GPT」は、AIの活用を非常に身近なものへと変えました。さまざまな業界でビジネスに活用されつつあるチャットボットも、GPTと連携して活用され始めています。

GPT搭載チャットボットの活用法とメリット・おすすめサービスを紹介

チャットボット活用の基礎ガイド

チャットボットの選び方から導入手順までわかりやすく解説!

  • チャットボットの基本概要
  • チャットボットの導入メリットと導入事例
  • チャットボットの導入手順
  • チャットボットの選び方

    今すぐダウンロードする

    全てのフィールドが必須です。

    ダウンロードの準備ができました

    下記のボタンよりダウンロードいただけます。

    今回は、チャットボットとGPTを連携させる方法や、チャットボットでGPTを活用するメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。GPT搭載チャットボット6選も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

    チャットボットとGPTの関係

    はじめに、主なチャットボットの種類とGPTとの関わりについて解説します。チャットボットとGPTの関係を整理して理解しておくことが大切です。
     

    チャットボットとは

    ボット(bot)とは、一連の処理や作業を自動化できるシステムのことです。ボットをチャットツールに搭載したものは「チャットボット」と呼ばれ、会話を自動化するためのプログラムのことを表します。

    チャットボットには「シナリオ型」と「AI型」の2種類があります。

    シナリオ型とは、あらかじめ作成した会話の流れに沿って回答を表示するチャットボットのことです。これに対して、AI型は機械学習機能を搭載しており、質問の言葉のゆれや関連する質問を判別するとともに、過去の質問からデータを収集して自動で学習するため、シナリオ型と比べて幅広い質問に回答できます。
     

    GPTとは

    GPTとは、OpenAIが開発した大規模言語モデル(LLM)のことです。大量のテキストデータを事前に学習したAIが、まるで人間が書いたかのような自然な文章を生成します。さらに、質問を重ねるごとにAIが質問のパターンを学習していくため、使っていくほどに回答の精度が向上していく点が特徴です。

    GPTのこうした特性を活用することで、チャットボットにより自然で柔軟な回答を表示する機能を追加できます。OpenAIが開発した「ChatGPT」も、GPTを搭載したチャットボットの一種です。
     

    チャットボットとGPTを連携させる2つの方法

    チャットボットでGPTを活用するには、大きく分けて2通りの方法があります。

    • チャットボットとGPTをAPIで連携させる。
    • GPT搭載チャットボットを活用する。

    それぞれ具体的に見ていきましょう。
     

    チャットボットとGPTをAPIで連携させる

    自社でスクラッチ開発したツールなど、既存のチャットボットとGPTをAPIで連携させる方法です。

    GPTが回答文を生成することにより、シナリオに未登録のQ&Aにも対応可能となります。この方法では、チャットボット内でGPTを呼び出し、GPTから受け取った回答文をチャットボットに表示するのが基本的な仕組みです。
     

    GPT搭載チャットボットを活用する

    あらかじめGPTと連携機能を搭載しているチャットボットを利用するのも1つの方法です。ツールによっては最小限のシナリオ設定で運用を始められたり、シナリオ設定がほぼ不要で使い始められたりするものもあります。

    一例として、GPT搭載チャットボットであるChatGPTを利用するにあたって、ユーザーはシナリオを設定する必要がありません。GPTと連携したチャットボットを手軽に利用したい場合には、GPT搭載チャットボットを活用することをおすすめします。
     

    チャットボットでGPTを活用するメリット

    チャットボットとGPTが連携することによって、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。主なメリットとして挙げられるのは下記の3点です。
     

    シナリオに未登録の質問にも回答できる

    GPTが過去の質問を学習することにより、シナリオに登録されていない質問への回答が可能になる点が大きなメリットの1つです。ユーザーが想定外の質問をした際にも対応できるケースが増えるため、チャットボットの利便性向上につなげられます。

    シナリオ型チャットボットの弱点として、事前に登録された質問と回答の組み合わせ以外には対応できないことが挙げられます。

    ユーザーがチャットボットを活用したにもかかわらず、肝心な疑問が解消されないといった事態を招きかねません。こうしたユーザーのストレスや不満を解消する上で、GPTが効果を発揮する可能性があります。
     

    ユーザーの満足度向上に寄与する

    チャットボットにGPTを搭載することによって、万人向けの一般的な回答ではなく、ユーザーごとに異なる対応が可能になります。ユーザーが抱えていた疑問や不明点を直接問い合わせることなく解決できるため、結果としてユーザーの満足度向上につながるでしょう。

    ユーザーの疑問点が解消されないことが原因でWebサイトから離脱したり、商品購入を断念したりするといった機会損失のリスクを抑える効果が期待できます。
     

    導入・運用の工数を削減できる

    GPTとの連携は、チャットボットを導入する際の工数削減にもつながります。シナリオを設定するにあたって、あらゆるパターンの質問を想定しておく必要がなくなるため、シナリオ設定の工数を大幅に削減できるからです。

    また、チャットボットで対応可能な範囲が広がることにより、有人対応を必要とするシーンが限定されます。結果的にチャットボット運用に必要な工数を削減でき、人的リソースの抑制にも寄与するでしょう。

    このように、チャットボット導入・運用の工数削減につながることは、GPTと連携させるメリットの1つです。
     

    チャットボットでGPTを活用するデメリット

    チャットボットでGPTを活用することにより、デメリットを被る場合もあります。メリット面だけでなく、下記のようなデメリット面についても把握しておくことが大切です。
     

    正確な回答を提示できるとは限らない

    GPTが提示する回答が常に正しいとは限らない点がデメリットの1つです。GPTは事前に学習したデータにもとづいて回答を生成するため、そもそも学習データに誤りが含まれていれば生成される回答も間違っていることになります。

    実際、GPTが誤った回答をあたかも事実であるかのように提示する「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれる現象が確認されています。人間が思い込みや記憶違いによって誤った発言をすることがあるように、GPTも「間違える」ことがある点を理解しておくことが重要です。
     

    質問内容がAIの学習データとして活用される可能性がある

    生成AIの特性上、ユーザーが入力した質問が開発元に送信され、AIの学習データとして活用される場合があります。機密情報や個人情報といった秘匿性の高い情報を含む質問をした場合、部外者のユーザーにそれらの情報が提供されてしまう可能性も否定できません

    チャットボットでGPTを活用する際には、学習データへの活用有無や活用範囲について十分に確認しておく必要があります。GPTの特性や基本的な仕組みを理解した上で、情報資産の保護を考慮して活用していくことが重要です。
     

    GPT搭載チャットボット6選

    GPT搭載チャットボットの例を紹介します。それぞれのツールの主な機能や特徴をまとめていますので、ツール選びにぜひ役立ててください。
     

    Service Hub

    企業名

    HubSpot Japan株式会社

    特徴

    無料で利用できるAIチャットボット作成ツール

    主な機能

    ・有望な見込み客の判定
    ・ミーティングの予約
    ・問い合わせへの回答
    ・顧客との一対一のコミュニケーション など

    料金プラン

    ・無料プラン
    ・Service Hub Professional:10,800円/月〜
    ・Service Hub Enterprise:15,600円/月〜

    公式サイト

    Service Hub

    無料で利用でき、クレジットカードの登録も不要のAIチャットボット作成ツールです。

    より高度な機能が必要な場合は、Marketing Hub、Sales Hub、Service Hub、Content Hubの有料エディションへの切り替えにも対応しています。GPT搭載チャットボットの導入効果や使い勝手を確認してから本格導入したい事業者様におすすめです。
     

    Chat Plus

    企業名

    チャットプラス株式会社

    特徴

    さまざまな業界に特化したテンプレートが用意されているツール

    主な機能

    ・Q&A予測表示
    ・有人チャットへの切り替え機能
    ・レポート・データ分析

    料金プラン

    ・ミニマム:1,500円/月〜
    ・ビジネスライト:9,800円/月〜
    ・プレミアム:28,000円/月〜
    ・AIライト:50,000円/月〜
    ・オートAI:80,000円/月〜
    ・AIチャットボット:150,000円/月〜

    公式サイト

    Chat Plus

    シナリオ型/AI型をプランによって選択できるチャットボットです。GPTを活用できるのは「AIライト」以上のプランとなっています。自社の用途に合わせて柔軟に運用可能なチャットボットを探している事業者様におすすめです。
     

    Kasanare

    企業名

    カサナレ株式会社

    特徴

    オーダーメイド開発による高精度なLLM活用が可能

    主な機能

    ・生成AIの精度を向上させるマルチエージェントプラットフォーム
    ・音声認識とアバターを活用した接客対応

    料金プラン

    ・300,000円〜
    ・初期費用:要問い合わせ(無料プラン・無料トライアルなし)

    公式サイト

    Kasanare

    回答の質や正確性が求められる高度なLLM活用に対応可能なチャットボットです。テキスト以外にアバターによる接客機能も備えているため、販売員としての役割なども担えます。顧客サポートを自動化したい事業者様におすすめです。
     

    シゴラクAI

    企業名

    Algomatic inc.

    特徴

    入力情報をAIの学習データとして活用されることなく安全に利用可能

    主な機能

    ・複数ドキュメントの横断検索
    ・引用元のサジェスト
    ・ゆらぎ表記への対応

    料金プラン

    ・初期費用:100,000円
    ・従量料金:要問い合わせ

    公式サイト

    シゴラクAI

    ユーザーの入力情報をAIの学習データとして活用しない設定が可能なチャットボットです。取り込んだ社内情報やナレッジはシステム内でセキュアに管理されるため、情報の外部漏洩や不正利用の懸念が解消されます。機密情報の保持を重要視している事業者様におすすめです。
     

    OfficeBot

    企業名

    ネオス株式会社

    特徴

    FAQや社内ファイルを登録するだけですぐに利用を開始できる

    主な機能

    ・AIの学習データに使用されない組織内データの活用
    ・英語、中国語、韓国語など多言語に対応

    料金プラン

    ・初期費用:350,000円
    ・月額利用料:150,000円

    公式サイト

    OfficeBot

    組織のデータを安全に活用できるGPT搭載チャットボットです。英語や中国語、韓国語といった多言語に対応しているため、グローバルなビジネス環境にも活用できます。海外ユーザーの利用が想定される事業者様におすすめです。
     

    DECA カスタマーサポート

    企業名

    株式会社ギブリー

    特徴

    ビデオ通話による有人対応も可能なチャットボット

    主な機能

    ・AI自動回答/シナリオ回答
    ・一問一答回答
    ・表記ゆれ吸収
    ・回答後サジェスト

    料金プラン

    要問い合わせ

    公式サイト

    DECA カスタマーサポート

    カスタマーサポートに特化したGPT搭載チャットボットです。

    Webサイトをはじめ、LINEやInstagramといったマルチチャネルに対応しているため、ユーザーニーズに合わせてチャットボットを導入できます。ビデオ通話による有人対応への切り替えにも対応しているため、手厚い接客を実現したい事業者様におすすめです。
     

    GPTとの連携でチャットボットの効果を高めよう

    GPTとチャットボットを連携させることにより、シナリオ型チャットボットではカバーできなかった複雑な質問や表記ゆれに対応できます。一方で、生成AIに特有の弱点が存在するのも事実です。

    GPT搭載チャットボットのメリット・デメリットの両面を押さえた上で、GPTの強みを活かしたチャットボット運用を実現しましょう。

    HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

     

    New call-to-action

    トピック: チャットボット

    関連記事

    チャットボットの選び方から導入手順までわかりやすく解説!