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どのような企業にとっても、社員の高い離職率というのは問題になり得ます。通常、チームというのは個々のメンバーがそれぞれの役割を果たすことで機能していますから、メンバーの誰かがいなくなれば、業務の進捗に支障が出てしまうでしょう。
また言うまでもなく、採用や研修には時間、労力、コストがかかっています。 誰かが退職すれば、また同じプロセスを繰り返さなければなりません。
クライアントやカスタマーを維持するのと同じように、社員を維持することは、チームが目標に向かって順調に邁進することに直結している要素の一つです。では、社員が定着したいと思うような環境はどのように作ればよいのでしょう? そしてどのようにして最も優秀な人材を維持すればよいのでしょう?
今回は、離職率を下げ、より素晴らしい社員と共に働き続ける施策を5つご紹介します。
より素晴らしい社員と共に働き続ける5つの施策
施策その1:福利厚生を充実させる
すべての企業が給与面で他社に太刀打ちできるわけではありません。しかし、社員が自分の価値や幸福を感じるのは、何も給与を通してだけとは限りません。福利厚生としてできることは数多くあります。
例えば以下のような特典を社員に提供することが考えられます。
- フレックスな勤務時間。個人のスケジュールに合わせて始業時間・終業時間をずらすことを可能にする
- 在宅勤務のオプション。子供が病気の時などに自宅から働いたり、週に何日かは通勤せずに在宅勤務したりすることを可能にする
- 夏季に勤務時間の短縮や半日勤務の日を設ける
- エネルギーレベルを高く保てるような、上等なコーヒーやスムージー、その他スナックなどを用意する
- 社員が十分に充電して気力に満ちた状態で仕事に戻れるように休暇日数を増やす
- 良質な備品や家具。クリエイティブ職の人たちはハイスペックなコンピューターや人間工学に基づいた椅子で仕事をすることを好むため、オフィスの備品や家具に出費を惜しまないようにする
- 社員の価値観と一致したイニシアチブ。例えば筆者の友人は「廃棄物ゼロ」を掲げ、環境問題にかなり真剣に取り組んでいるPR会社に勤めていますが、環境問題に高い意識を持つ友人にとって、これは非常に重要な特典になっています
施策その2:新社員導入プログラムを作成する
多くの人が「隣の芝生」を求める理由の一つとして、今いる会社で自分の存在意義が感じられないことが挙げられます。会社の掲げる目標に対して、自分がどのような役割を果たしているのかが理解できないでいるのです。
幸いにも、このようなマインドセットを変えるのは、そう難しいことではありません。ただしこれは、新しいチームメンバーが入社したらすぐに取り組む必要があります。採用方針の一環として、新しい社員が入社してすぐに「組織の一員であり、組織の成功に貢献できている」と感じられるようにすることが重要です。
新しいメンバーがチームに加わったら、以下のような取り組みを行ってみてください。
- 正式な歓迎ミーティングを設け、チームに紹介する
- コピー機の使用方法、火災警報、経費の申請等、社員にとって重要な詳細を記載したインフォメーションパックを送付する
- 組織の沿革、目標、戦略的方向性に関するプレゼンテーションまたはワークショップを行う。これはオーナーまたはCEOが行えれば理想的です
- 気楽な集まりを計画する。歓迎会やランチなど、新メンバーが他のチームメンバーと関係を築ける場を設けます
- 新社員に、職場における諸事万端を指導するバディまたはメンターを付ける
施策その3:成長と学習の機会を提供する
社員が成長するためには、プロジェクトの責任者となったり、他の分野のスキルや能力を伸ばしたりして、自身の限界を押し広げることが重要となります。優秀な人材を維持したければ、成長の機会を提供して社員をエンゲージさせ、意欲を失わせないようにすることが大切です。
組織としてどのような能力開発の機会を提供できるか考えてみてください。以下は組織が提供できるものの一例です。
- カンファレンスに出席する費用
- 業務範囲内のさまざまなトピックに関するワークショップ
- 無料または低価格の地域イベントやネットワーキングイベントに参加する時間
- さまざまなトピックに関するウェビナーやオンライン学習に参加する時間
- 面白くてやりがいのある社内プロジェクトに取り組む時間
- プロジェクトの責任者となりチームリーダーとして働く機会
- 組織の戦略的目標の理解と、その達成に向けて何ができるかについて積極的な役割を果たす機会
施策その4:パーソナルブランドの構築を認める
この施策は特に、デザイナーやディベロパーといったクリエイティブ職の人材に当てはまります。彼らの多くは、自分のパーソナルブランドをどのように発展させていきたいかという個人的なビジョンを持っていますから、自分の求めているタイプの仕事が十分にできていないと感じれば、新しい機会を探してよそに行ってしまうでしょう。
そのため、彼らには成長や新しい試みの余地があるプロジェクトを割り当てることが大切です。また、以下のような方法で個人のビジョンを支援するのも良いでしょう。
- 可能な場合は、仕事の功績を社員の手柄とすることを許可する(例えばブログ記事の最後に自己紹介を掲載する等)
- 社員のスキルに合致したプロジェクトの責任者となるよう勧める
- マイクロマネジメントを避ける。企画の重要な側面では助言しても、進捗はチームに任せて、成功を見守る
- 各チームメンバーと、デザイナーやライターとしての個々の目標や将来の計画について個別に話し、その目標に近づけるようなプロジェクトを立ち上げるのをサポートする
- チームメンバーが個人のポートフォリオに成果物を記載するのを許可する。さらに彼らの作品をBehanceやDribbbleといったサイトで共有する
施策その5:懸命な働きに報いる
仕事に対する褒賞で大切なのは、何がもらえるかではありません。成功をおさめた仕事が評価されることが重要なのです。誰しも、感謝されたり、自分の貢献が役に立っていることを知るのは嬉しいものです。では、予算が限られている場合、社員の仕事にどのような形で報いればよいのでしょう?
- 複雑なプロジェクトの完了後、チームをランチに連れ出す、あるいは午後に打ち上げを行う
- チームメンバーが、自分たちの努力が評価されていることを認識できるよう、チーム全体の前で懸命な働きに感謝する
- 毎回ミーティングの開始時に、過去数カ月の功績を振り返る
- 各社員が毎月マネージャーと1対1のミーティングを持ち、目標、戦略、進捗について話し合えるようにする。この時間はポジティブな時間にし、上手くいっていることや順調に進んでいることにフォーカスする
優秀なチームメンバーを維持する方法は、高い給与を払うことばかりではありません(もちろん給与も重要ではありますが)。社員はクリエイティブな刺激を受け、成長を促され、そして何より評価されることを求めています。これらにどのように応えるかは皆さん次第ですが、最も重要なのは、社員が自分のポジションに満足を得られるようなツールと指針を提供することだというのを忘れないでください。
リテンション(人材の維持)を強化するために、皆さんの会社ではどのような施策を取られていますか?
編集メモ:この記事は、 2015年11月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Steff Greenによる元の記事はこちらからご覧いただけます。