kintoneを利用していて、もっとスムーズかつ簡単にタスクとスケジュールを確認できる方法はないかと考えたことがある方もいるのではないでしょうか。
そこでおすすめなのが、タスク管理やスケジュール管理、その他さまざまな業務・案件の進捗状況を管理できるガントチャートの作成です。
本記事では、kintoneでガントチャートを作る方法やメリット、ガントチャートを作成できるプラグインについて解説します。作成時の注意点もあわせて解説するので、kintoneをお使いの方は参考にしてください。
kintoneでガントチャートを作成するメリット
kintoneでガントチャートを作成するメリットは、主に次の2つです。
- 高度なスキル不要で自社に合ったガントチャートを作れる
- リアルタイムで進捗状況を共有できる
- タスクとスケジュールの両方を管理できる
高度なスキル不要で自社に合ったガントチャートを作れる
ガントチャートを作る場合、顧客情報や社員情報、案件情報などのデータベースをもとに組み立てていくことになります。こうした各データを連携させるには、ある程度専門的なスキルが必要です。
kintoneの場合、直感的な操作でシステムを構築でき、かつカスタマイズがしやすいのがメリットです。kintone用に作られたさまざまなガントチャートのプラグインがあり、それをインストールすることで作成ができる仕組みです。そのため、高度なスキルがなくても自社の事業に合ったガントチャートを作成できます。プラグインについては後述します。
なお、Excelでもガントチャートを作ることは可能ですが、あくまで表計算に特化したソフトのため、データ同士を連携したり、大容量のデータを管理したりといった使い方にはあまり向いていません。
リアルタイムで進捗状況を共有できる
kintoneはクラウド型サービスのため、複数人で編集した内容をリアルタイムで確認できます。新規入力した項目やステータス変更なども、プロジェクトに関わる人たち全員が常に最新の状態で見られるため、スムーズに進捗確認ができます。
タスクとスケジュールの両方を管理できる
タスクとスケジュールの管理自体は、タスク管理ツール、スケジュール管理ツールのそれぞれで行えます。
ただ、タスク管理ツールはスケジュールの調整や管理まで行いづらいことが難点です。複数の関連するタスクを始動させる場合、作業全体の流れを調整するスケジュール管理機能も必要となります。つまり、片方の機能のみでは、プロジェクトを生産的に進めていくのは難しくなります。
kintoneでタスクとスケジュールの両方を管理できるガントチャートのプラグインを導入すれば、プロジェクト全体を効率的に統括できます。
kintoneでガントチャートを作る方法【プラグインの入れ方】
kintoneでガントチャートを作るには、プラグインのインストールが必要です。プラグインとは、機能を拡張できるツール・システムを指します。
プラグインは、以下の手順で追加できます。
まず、歯車マークをクリックして、「kintoneシステム管理」を開いてください。
次に、「その他」の「プラグイン」をクリックします。
左上に「読み込む」をクリックすると、次のポップアップが表示されます。
「参照」をクリックし、読み込むプラグインのzipファイルを選択し、「読み込む」をクリックしてください。
読み込んだプラグインの名前が表示されたら、インストールは完了です。
【無料】kintoneのガントチャートプラグイン
ガントチャートを作成できる無料のkintoneプラグインには、「ガントチャートプラグイン」「日程・工程・稼働表作成プラグイン」があります。それぞれの概要や特徴をご紹介します。
ガントチャートプラグイン
出典: ガントチャートプラグイン - cybozu developer network
「ガントチャートプラグイン」は、kintoneを提供するサイボウズ社がリリースしている公式のプラグインです。開発者コミュニティサイト cybozu developer networkで公開されています。
ガントチャートプラグインでは、kintone内で管理しているタスクをガントチャート形式で表示できます。導入は、GitHubにアクセスしてソースコードをフォルダごとダウンロードして完了です。
GitHubとは、オンライン上でソースコードの管理や共有、変更履歴の確認などができるプラットフォームです。GitHubから、ガントチャートプラグインをダウンロードしてガントチャートを作成する方法は、後ほどご紹介します。
ガントチャートプラグインのメリットは、すでにkintoneで利用しているアプリに適用できる点です。タスクとスケジュールを一画面に表示できるので、画面を切り替える必要がなく進捗状況を直感的かつスムーズにチェックできます。
なお、こちらのプラグインはスマートフォンには非対応なので、PCからアクセスする必要があります。
日程・工程・稼働表作成プラグイン
出典: GanttChart | TIS|合同会社ぱんだ商会
「日程・工程・稼働表作成プラグイン」は、合同会社ぱんだ商会が開発したプラグインです。
利用する際は、まずは 公式サイトからプラグインをダウンロードしてkintoneにアップロードします。プラグインの設定画面から各ステータスを設定すれば、導入は完了です。
シンプルなビジュアルのガントチャートプラグインと比較して、使いやすいインターフェースが特徴です。ドラッグ&ドロップで簡単に操作できるのはもちろん、えんぴつマークをクリックして内容を編集することもできます。
スピンオフプラグイン「 View Timeline」「 View KanbanBoard」などを追加すれば、日程・工程・稼働表作成プラグインの機能をさらに拡張できます。前者はタイムテーブル表を作成でき、後者は一覧のレコード群をカンバン形式で表示できるプラグインです。
【有料】kintoneのガントチャートプラグイン
ガントチャートを作成できるkintoneの有料プラグインは、次の通りです。
- KOUTEI
- kinveniシリーズ
- Crena
それぞれのプラグインの特徴や料金形態をご紹介します。
KOUTEI
出典: KOUTEI(ガントチャートプラグイン) - kintone(キントーン)- 拡張機能 | サイボウズの業務改善プラットフォーム
KOUTEIは、サブテーブルをガントチャートで表示できるようになるプラグインです。
ドラッグ&ドロップの直感的かつ簡単な操作で、プロジェクトの進捗状況や役割分担をスムーズに管理できます。各タスクの詳細情報は吹き出しから直接編集できるため、別画面へ移動する手間がなく、担当者や期間、優先度、工数、進捗状況、備考などあらゆる情報がガントチャート上で確認可能です。
自社のみならず、社外と共有できる点もメリットです。
価格は1ドメインあたり月額10,000円(税抜)で、年間契約なら98,000円(税抜)とお得になります。30日間は無料で利用できるので、気になる方はまずは試しに導入してみると良いでしょう。
kinveniシリーズ
出典: https://kintone-sol.cybozu.co.jp/integrate/cis001.html
kinveniシリーズは、レコード内のサブテーブル情報を、ガントチャート形式でビジュアライズできるプラグインです。作成した日程やスケジュール管理表を、ガントチャート形式で共有できます。
プロジェクトの全体日程を確認できるのはもちろん、部門別の日程や、担当者別のタスク・スケジュールを確認できるのが特徴です。また、製造ラインや設備の利用状況も把握できるため、ダブルブッキングを防止できる点も利点です。
価格は次に示すように、ユーザー数に応じて変動します。
- 1~100人:28,000円
- 101~200人:35,000円
- 201~500人:48,000円
- 501~1000人:55,000円
- 1001人~:85,000円
※すべて税抜・1ドメインあたりの価格
Crena
出典: kintoneガントチャートプラグイン:株式会社Crena
株式会社Crenaの提供する、kintone専用のガントチャートプラグインです。タイムライン上に任務やタスクが可視化され、進捗状況やタイムスケジュールを把握できます。
スケジュールの変更や移動などを、ドラッグ&ドロップによる直感的な操作のみでできるのが特徴です。関連するタスクやプロジェクトをグループごとに表示でき、プロジェクトの進行率やタスクが適切に配分されているかの確認も可能です。
また、フリーワード検索機能も搭載されており、データベースや情報管理システムの中から、求める情報にスムーズにアクセスできます。
利用料金は月額10,000(税抜)です。30日間の無料お試し期間もあるので、試験的に運用してみるのも良いでしょう。
【実践編】ガントチャートプラグインを使った作り方
ここでは、実際にガントチャートプラグインを使ってガントチャートを作成する方法をご紹介します。はじめに、ガントチャートプラグインをインストールする方法を以下のステップに分けてご紹介します。
- ソースコードのダウンロード
- プラグインのパッケージング
- プラグインの読み込み
まずは、、GitHubにアクセスしてフォルダごとソースコードをダウンロードします。「<>Code」と表示されているタブをクリックし、「Download ZIP」をクリックしてください。
続いて、Web版のplugin-packerにアクセスします。先程ダウンロードしたフォルダ一式に「examples」フォルダがあるので、その中から「ganttchart」を選んでアップロードしてください。「プラグインを作成しました」と表示されるので、そのzipファイルをダウンロードします。
プラグインをパッケージングしたら、「kintone システム管理」から「プラグイン」と進んでプラグインを読み込みます。プラグインのインストール方法は、次の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
次の画像のように、読み込んだプラグイン一覧にガントチャートプラグインが表示されていたら、インストールは完了です。
インストール後は、プラグインの設定を行います。設定方法を、以下のステップに分けてご紹介します。
- アプリの追加・設定
- プラグインの追加・設定
kintone アプリストアから「To Do」を追加してください。
追加すると、ホーム画面のサイドバーの「アプリ」に、「To Do」が表示されるのでクリックします。歯車マークをクリックすると、レコードを登録するためのフォームを作成する画面に遷移します。
サイドバーからコンテンツをドラッグ&ドロップして、フォームを作成した後に保存してください。フォームの内容は最低限、案件名・タスク名・開始日・終了日・優先度などがあると良いでしょう。
なお、テーブル名は「ガントチャート」、フィールドコードは「Table」としています。
ここまで設定できたら、例として次のようにレコードを登録します。
続いて、プラグインの追加・設定を行います。レコード一覧画面の歯車マークの右にあるV字をクリックし、「設定」タブの「カスタマイズ/サービス連携」から「プラグイン」を選択します。
ガントチャートプラグインにチェックを入れて、「追加」をクリックしてください。
プラグインの一覧画面にガントチャートプラグインが表示されていたら、To Doアプリにガントチャートプラグインを追加できています。歯車マークをクリックして、次の画像のようにプラグインの設定を行いましょう。
この状態でアプリを更新すると、次の画像のようにガントチャートが表示されます。
kintoneでガントチャートを作成する際の注意点
kintoneでガントチャートを作成する際、プラグインが必要になることは先述した通りです。
このとき注意しなければならないのが、プラグイン同士が干渉し合って運用に支障が出る可能性がある点です。ここで生じたトラブルはkintone運営のサポート範囲外なので、自社で対応するか、もしくはプラグインの開発元に問い合わせる必要があります。
また、プラグインの機能はPC版でしかサポートされていない場合もあります。スマートフォンでアクセスする際は、ある程度機能に制限がかけられる可能性がある点には注意しましょう。
kintoneでガントチャートを作成し、効率的なタスク・スケジュール管理を
kintoneでガントチャートを作成するには、プラグインのインストールが必要となります。プラグインには無料と有料のものがあるので、機能や価格を考慮して導入するものを決めるのが重要です。
kintoneでガントチャートを作成するメリットには、高度なスキルが無くても自社に合ったガントチャートが作れる点や、リアルタイムでプロジェクトの進捗状況を共有できる点、タスクとスケジュールの両方を確認できる点などがあげられます。
プラグイン同士が干渉し合って運用に支障をきたす可能性がある点や、スマートフォンには対応していないケースがある点に注意したうえで、ガントチャート作成用プラグインを導入しましょう。