「古臭くて野暮ったい」
「使いにくい」
「使っていると頭が痛くなる」
「ユーザーのことを考えて作ったとは思えない」
エンタープライズ ソフトウェア プロバイダーの皆さんは、次回のキャンペーンのコピーを練るにあたって、多くのユーザーがこうした不満を抱えていることを念頭に置いておく必要があるでしょう。これらは、「G2」というレビューサイトに書き込まれたユーザーの意見をそのまま引用したものです。
すべてのコメントに共通しているのは、「ソフトウェアがお粗末である」ということです。この状況は2020年も変わらないのでしょうか? AI(人工知能)、自律走行車、AR(拡張現実)の時代が訪れ、驚くほど高度な技術が身の回りにあふれています。にもかかわらず、マーケティング担当者はいまだに快適なエンタープライズソフトウェアを見つけられずに頭を抱えています。
2009年までさかのぼりますが、製品の使いやすさにもっと配慮するようにとエンタープライズ ソフトウェア プロバイダーに対する声が盛んに上がった時期がありました。しかしプロバイダーは、高い性能を隠れ蓑にすれば製品がどれだけ使いにくくてもこの先も目をつぶってもらえるだろうという安易な思い込みから、過去の実績にあぐらをかいてその声を深刻に受け止めようとしなかったのです。
これはまさに「ORの抑圧」の顕著な例です。「ORの抑圧」とは、ジム・コリンズ氏の著書『ビジョナリー・カンパニー』に出てくる概念で、あらゆる意思決定を「AorB」の二者択一ととらえ、両方を同時に追求しようとしない破壊的な傾向を指します。エンタープライズ ソフトウェア プロバイダーは長年にわたり、性能の高さと使いやすさを両立するマーケティングツールを提供することが可能だったにもかかわらず、その実現に向けて取り組んできませんでした。それどころか、「ORの抑圧」に屈し続け、高性能なだけで決して使いやすくないツールを、延々と世に送り出したのです。
はっきり言って、こうした態度に弁解の余地はありません。しかしここ数年、Zoom、Shopify、Slackといった一部のエンタープライズ ソフトウェア プロバイダーは、こうした妥協を許さなくなっています。顧客の声に耳を傾け、最先端の技術を取り入れ、個人向けツールのような使いやすさと、急成長するビジネスに対応できる高い性能を両立させ、業界を徹底的に変革しました。
Y Combinatorの共同設立者であるPaul Graham氏は先日、いまだに過去にしがみついているエンタープライズ ソフトウェア プロバイダーの危うさを指摘し、いつか「突然崩壊する」かもしれないと警鐘を鳴らしました。その日は思いのほか早く訪れるかもしれません。
B2B製品の購入担当者の3人に1人は、以前よりも優れた顧客体験を求めています。もっと優れたソリューションがあれば乗り換えるという人の割合は、さらに多くなります。マーケティング担当者は、本当の意味で快適に使用できるエンタープライズ ソフトウェア ソリューションを手に入れられる時代です。それは、高い性能と使いやすさを兼ね備えた、「お粗末」とは程遠いソフトウェアです。
レガシーシステムがもたらす負担
では、エンタープライズ ソフトウェア プロバイダーは、どこで道を間違えたのでしょうか。端的に言うと、現在マーケティングに携わる人たちが持つ幅広いニーズに対応できなかったことが根本的な問題です。ここ10年間でマーケティング担当者のニーズは大きく変わりました。
またマーケティングテクノロジーの爆発的な発展によってこのようなニーズの変化が加速し、会社組織の中でマーケティング担当者の果たす役割も多種多様になりました。新しいツールの誕生により新しい専門分野やスキルセットが生まれており、それをうまく組み合わせることができれば、チーム全体で個々のメンバーの力の総和を上回る成果を上げられる時代です。
しかし、他社製品に後れをとるまいとするの競争の結果、多くのエンタープライズソフトウェアには一貫性がなく、新機能が追加されるたびに使いづらくなるという事態に陥っています。2020年という節目を迎えて、成長する会社は、エンタープライズソフトウェアに多くを期待せざるを得なくなっています。B2Cの世界に革新的な会社が現れ、何よりも顧客体験を優先する姿勢を取ったことで、業界全体が変貌を遂げ、その結果、顧客からの期待はこれまでになく高まっています。
マットレスのオンライン販売で有名な米国のCasperは、ピザの宅配のように玄関先までマットレスを届けてくれます。株式取引アプリのRobinhoodでは、バスの待ち時間に株の取引ができます。Netflixでは、サインインするたびに自分のために厳選されたお勧め映画のリストを確認できます。
これだけ便利な技術があふれているのに、なぜ多くのエンタープライズ マーケティング ツールでは、単純なEメールキャンペーンの作成すらこれほどまでに難しいのでしょうか?
現在のプロバイダーが提供するソフトウェアは、企業に素早い行動が求められる場面でその手助けにならず、足を引っ張ってしまっています。ソフトウェア上に長年蓄積された不要なフォーム、フィールド、ワークフローなどが、企業が顧客から期待されている体験を提供する際に邪魔になるのです。
マーケティング活動を推進するリーダーともなれば悩みはさらに膨らみます。Eメールマーケティングのリスト分類にやたらと時間がかかる、生成した分析レポートが使いものにならないといった不満をチームの担当者が抱えているとすれば、リーダーにとっては頭の痛い問題です。各担当者はありとあらゆるツールで埋もれそうになりながら、用途に合わない扱いづらいシステムを前に日々悪戦苦闘しています。そして、それらのシステムが予期した通りに不具合を起こすと、最前線に立って解決策を見つけなければなりません。
ところで、なぜ多くのマーケティング担当者やリーダーたちは、そうまでして旧式で複雑なツールを我慢して使い続けているのでしょうか? なぜもっとニーズに合った別のプラットフォームに乗り換えないのでしょうか?
それは、「複雑なことをするには複雑なツールが不可欠。ややこしくて使い勝手が悪いのは性能が高いことの証拠で、使いやすいものには技術的な限界がある」という説明を、ソフトウェアプロバイダーが続けてきてしまったからです。真実は異なりますが、プロバイダーがそう主張するため、ユーザーは直観に反する時代遅れのプラットフォームを何年も使い続けているのです。
マーケティングにスピードが重要である理由
成長を続ける会社に必要なのは、現代にふさわしいエンタープライズソフトウェアです。性能の高さと使いやすさを兼ね備え、革新的なアイデアをすばやく簡単に実現できるソリューションです。
マーケティングは常にスピード勝負です。最初にEメールマーケティングを実施した企業は、現在のマーケティング担当者にとっては夢のような開封率を達成できました。最初にFacebookに広告を出した企業は、驚くほどの投資対効果を得られました。最初にSEO(検索エンジン最適化)戦略を実施した企業は、何年にもわたって検索結果の最初のページに自社サイトを表示させることができました。マーケティングの新しい領域にいち早く進出して競合他社の先を行くには、マーケティング担当者が新たな技術をすばやく取り入れ、効率的に実践できるようにしておく必要があります。
しかし、戦略をすばやく実行できないこととデジタルツールが不十分であることは、現在依然としてビジネスリーダーが最も頭を悩ませる課題となっています。この2つの課題は表裏一体です。十分な機能を備えた適切なツールがなければ、スピーディーに戦略を実行することはできません。
企業が2020年に購入するエンタープライズプラットフォームは、技術的アプローチの変更や追加が簡単にでき、2022年を迎えるころにはまったく異なるプラットフォームへと進化しているような、そんな存在でなければなりません。そして、製品自体の機能の革新性と、連携機能や活発なアプリエコシステムによって実現される拡張性を兼ね備えている必要があります。どんどん進化する技術を取り入れていかなければ、マーケティング戦略も時代遅れになります。使いやすさを維持しながらも着実に進化していくことが、新時代のエンタープライズソフトウェアの大きな力となるのです。
エンタープライズソフトウェアをテストする
強力な技術があふれている今の時代は、成長を続ける会社にとって、顧客の真の満足度を向上させ、それによって競合他社との差別化を図ることができるかつてないチャンスと言えます。しかし、その成長を支えるエンタープライズ ソフトウェア ソリューションの選択においては、情報の非対称性(ある情報を一部の当事者しか知らない状況)に妨げられて、チームのニーズに合った適切な製品を選択できていません。
ソフトウェアの評価プロセスにはノイズがつきまといます。営業担当者は、どさくさに紛れて必要でもなく使いもしないオプション機能や追加機能を購入させようとするのです。
ノイズをはねのけ、購買プロセスをシンプルにするためにマーケティングや経営のリーダーたちが集中するべきは、5つの重要な「テスト」です。以下の5つのテストすべてをやすやすとクリアできるような製品でなければ、スマートな成長を目指す会社に適したソフトウェアとは言えません。
- スピードのテスト:エンタープライズソフトウェアは、Eメールキャンペーンの作成やレポート機能の実行など、マーケティング担当者が基本的なタスクを行う時間を大幅に短縮できるものでなければなりません。日々の基本的なタスクに使う時間が短縮されれば、その分顧客対応に注力し顧客満足度の向上に時間を使うことができます。
- 担当者のテスト:データアナリストからクリエイティブデザイナーまで、自社でマーケティングに関わるあらゆる担当者が会社のエンタープライズソフトウェアを使用できることは当然として、さらに全員が同じようにそのソフトウェアに満足できなければなりません。そのソフトウェアでは成果を上げられないという役職が1つでもあれば、チーム作業のあらゆる面にマイナスの影響が出てしまいます。
- ユーザーのテスト:エンタープライズソフトウェアは、マーケティング担当者の負担を減らし、ユーザーに愛されるものでなければなりません。G2.comやCapterraのようなサイトでの評価があまり高くない場合は、使いやすさと機能性のいずれかに、購入が決まった後でしかわからないような問題がある可能性があります。
- ウィンドウのテスト:標準的なマーケティング業務を行うのにブラウザーのウィンドウやタブをいくつも同時に開かなければならないとしたら、ユーザーの使いやすさを考慮してソフトウェアが構築されていないということです。開くタブの数が増えるほど、見落としや間違いを引き起こしやすく、結果的に顧客満足度の低下につながります。
- 拡張性のテスト:会社の成長に伴ってソフトウェアも成長しなければなりません。チームのニーズの変化に伴い、簡単に新しいツールを直接ワークフローに組み込んだり、双方向的にデータを同期したりできる必要があります。それができないシステムを使っていると、イノベーションが阻害され、停滞の原因となります。顧客の期待は常に進化するため、満足できる顧客体験を提供し続けるには、新しいツールを取り入れる態勢作りが必要です。
2020年です。最新のエンタープライズ マーケティング ソリューションを求めるなら、妥協せずに上の基本要件のすべてを満たせるものを選びましょう。Eメールマーケティングが楽しくなる。レポートが信頼できる。セグメンテーションがわかりやすい。A/Bテストに忍耐力が必要ない。これこそが、エンタープライズソフトウェアのあるべき姿です。
そして、新たに改良されたHubSpotのMarketing Hub Enterpriseは、新機能の収益アトリビューションレポート、コンテンツのパーティション化、AIに基づいた適応型テストなどの機能を備え、今挙げたすべての条件を満たしています。
この記事の冒頭で、エンタープライズ マーケティング ソフトウェアに関するG2のレビューをご紹介しましたが、最後にもう1つ、エンタープライズソフトウェアの現状に憤りを感じているユーザーからのマーケティング担当者へのアドバイスをご紹介しましょう。
「時間を無駄にしたくなければ、HubSpotを使いましょう」