ノーコードツールとは、プログラミングの知識がなくてもシステムやアプリ、Webサイトの制作ができるツールのことです。ノーコードツールを活用すると、「カート」や決算機能、在庫管理機能といった、複雑な設計が必要なECサイトを簡単に構築できます。

ノーコードで始めるWeb制作解説ガイド
プログラミング不要でサイト制作を効率化する実践的ノウハウを詳しく解説
- ノーコードとは
- ノーコードの活用シーン
- ノーコードツールの種類や選定ポイント
- HubSpotのノーコードツール
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この記事では、ECサイトを制作できるノーコードツールと、それぞれのツールの特徴を紹介します。多言語対応型やサブスクリプション特化型など、さまざまな種類のツールがあるため、商材やビジネス形態に合わせて適切なものを選定しましょう。
ECサイト制作におすすめのノーコードツール12選
ECサイト制作におすすめのノーコードツール12選を紹介します。利用料金や機能に関しては、2025年6月時点の情報を参考にしています。
1. Shopify
出典:Shopify
Shopifyは、世界的に高い知名度を誇るECプラットフォームです。初期費用がかからない手軽さや、豊富なテンプレートからサイトのデザインを選べることから、多くの事業者に選ばれています。多言語・マルチ通貨・海外発送に対応しており、海外向けのECサイトが構築しやすい点も特徴です。
機能のカスタマイズは、アプリのインストールで行います。Shopify App Storeには、決済サービスの追加や実店舗へのPOS導入など、8,000を超えるアプリが用意されており、柔軟なカスタマイズが可能です。
また、Shopifyは、HubSpotとアプリで簡単に連携できます。CRM(顧客関係管理)ツールを基盤としたHubSpotと連携することで、マーケティング施策の最適化や顧客の購買行動の分析も可能です。
- 特徴
- 海外向けECサイト向けの機能に対応
- 追加可能な機能が豊富でHubSpotのCRMとも連携可能
- 料金(年払いの場合)
- Basic
- 3,650円(1か月あたり)
- 決済手数料:3.55%~
- Grow
- 10,100円(1か月あたり)
- 決済手数料:3.4%~
- Advanced
- 44,000円(1か月あたり)
- 決済手数料:3.25%~
- Plus
- 2,300ドル(1年契約または3年契約で1か月あたり)
- 決済手数料:2.9%~
- Basic
- 公式サイト:https://www.shopify.jp/
2. BASE
出典:BASE
BASEは、初期費用・月額料金0円でECサイトを開設できるプラットフォームです。累計ショップ開設数は、個人・法人・自治体など210万以上にのぼります。
0円スタートが可能な「スタンダードプラン」は、売上に応じた販売手数料と決済手数料を支払う仕組みになっています。サイト運営が軌道に乗ってきたら、売上1件あたりの手数料を低く抑えられる「グロースプラン」に変更する方法もおすすめです。
公式メディアBASE Uで機能や活用方法を学習できるため、運営ノウハウを持った人材がいない企業でも活用しやすいでしょう。
- 特徴
- 初期費用を抑えて導入できる
- 公式メディアで機能や活用方法を学習できる
- 料金
- スタンダードプラン
- 無料
- 決済手数料:3.6%~+40円
- 販売手数料:3%
- グロースプラン
- 16,580円/月
- 決済手数料:2.9%~
- 販売手数料:無料
- スタンダードプラン
- 公式サイト:https://thebase.in/
3. STORES
出典:STORES
STORESは、スマートフォンから手軽にECサイトが作れるECプラットフォームです。48種あるデザインテンプレートは無料で利用でき、キャンペーンのバナーや売上ランキングといったパーツも自由に設置できます。
また、STORESでは、キャッシュレス決済やPOSレジ、モバイルオーダーなど実店舗向けのサービスも提供しています。あわせて導入することで、ECサイトと実店舗の売上や在庫をまとめて管理することが可能です。
- 特徴
- スマートフォンからでもECサイトの構築が可能
- 実店舗向けのサービスも豊富
- 料金(年払いの場合)
- フリープラン
- 無料
- 決済手数料:5.5%~
- ベーシックプラン
- 2,980円(1か月あたり)
- 決済手数料:3.6%~
- スタンダードプラン(実店舗向けの機能を含む)
- 3,300円(1か月あたり)
- 決済手数料:3.6%~
- フリープラン
- 公式サイト:https://stores.fun/ec
4. カラーミーショップ
出典:カラーミーショップ
カラーミーショップは、GMOインターネットグループの企業が運営するECサイト構築サービスです。
必要な機能は、カラーミーショップ アプリストアから簡単に追加できます。SNS連携・SEO強化・広告配信などの集客アプリから、予約販売・店舗受取といった受発注業務の効率化に役立つアプリまで、種類も豊富です。
カートに入れたままサイトを離脱する「カゴ落ち」対策も、アプリをインストールするだけで設定可能です。
基本的にはノーコードでサイト構築が可能ですが、HTMLやCSSを使ったカスタマイズにも対応しています。コーディングを効率化しつつ、サイトのオリジナリティにこだわりたい企業にもおすすめです。
- 特徴
- 売上を最大化するためのアプリが充実
- HTML・CSSを使った高度なデザインにも対応可能
- 料金
- フリー
- 無料
- 決済手数料:6.6%+30円~
- レギュラー
- 4,950円/月
- 決済手数料:3.4%~
- ラージ
- 9,595円/月
- 決済手数料:3.19%~
- プレミアム
- 35,640円/月
- 決済手数料:2.99%~
- フリー
- 公式サイト:https://shop-pro.jp/
5. メルカート
出典:メルカート
メルカートは、ECサイトの立ち上げから運用開始後のマーケティング施策の立案まで、充実したサポートを提供しているプラットフォームです。24時間365日の監視サービスが基本料金に含まれており、高度なセキュリティ対策にも定評があります。
プログラミング不要でページを作成できるノーコードCMS機能が実装されているため、複雑なレイアウトや動画の埋め込みなども簡単です。
また、メルカートは、ECサイトの構築ソフトとして高い国内シェアを誇る「ecbeing」のSaaS版として提供されているのも大きな特徴です。売上が伸びてきたら、機能やサポートがさらに充実したecbeingのプランへ移行することもできます。
- 特徴
- 将来的な拡大を目指したスモールスタート向け
- 導入・運用サポートが受けられる
- 料金(各プランで規定のPV数を超えると従量課金あり)
- 定期プラン
- 月額費用:59,000円/月
- 初期費用:190,000円
- おすすめプラン
- 99,000円/月~
- 初期費用:190,000円
- DXプラン
- 199,000円/月~
- 初期費用:690,000円
- 定期プラン
- 公式サイト:https://mercart.jp/
6. Cafe24
出典:Cafe24
Cafe24は、決済手数料のみでECサイトを始められるのが特徴のECプラットフォームで、初期費用・月額料金・販売手数料は無料です。商品登録数や画像容量などにも制限がなく、ECサイトの構築・運営に必要な機能が提供されています。
機能やデザインを追加したい場合は、Cafe24 Storeからアプリの追加が可能です。決済サービスの拡充やSNSのショッピング機能との連携、在庫管理、売上分析など、さまざまな種類のアプリがそろっています。
日本語を含む8言語に対応しており、PayPalをはじめとする海外決済サービスも利用できるため、海外展開を検討している場合にもおすすめです。
- 特徴
- 決済手数料のみでECサイトを始められる
- 海外展開に役立つ機能も搭載
- 料金
- 初期費用・月額料金・販売手数料は無料
- 決済手数料3.6%~
- 公式サイト:https://www.cafe24.co.jp/
7. イージーマイショップ
出典:イージーマイショップ
イージーマイショップは、オーダーメイド商品を扱う事業者におすすめのECプラットフォームです。記念品への名入れ設定や、注文時にユーザーがファイルをアップロードする機能など、特殊な注文にも追加料金なしで対応できます。
また、商品画像の明るさ調整やトリミングができる「キレイ登録」や、画像を細部まで拡大できる「オートZOOM」など、さまざまな独自機能によって商品の魅力をアピールしやすい点も特徴です。さらに、ランダムに配置が可能な大小さまざまなサイズのフレームと、商品ごとに選べるフレームのデザインがショップの個性を演出します。
- 特徴
- オーダーメイド商品の注文受付に便利な機能が豊富
- 鮮明かつわかりやすい画像で商品の魅力を伝えられる
- 料金
- 無料版
- 無料
- 決済手数料:5.0%+40円~
- Standard
- 3,900円/月
- 決済手数料:3.57%~
- Professional
- 8,700円/月
- 決済手数料:3.57%~
- オンプレミス版
- 要問い合わせ
- 公式サイト:https://www.easy-myshop.jp/
- 無料版
8. 侍カート
出典:侍カート
侍カートは、定期通販やD2C(メーカーから消費者への直接販売)に強みを持つECプラットフォームです。商品をカートに入れてから購入までが2クリックで済むLP一体型フォームやクーポン機能、ポイント機能など、LTV(ライフタイムバリュー)向上のためのマーケティング機能が充実しています。
侍カートのサービス提供元である株式会社FIDが提供するCRMツール「MOTENASU」を併用することで、顧客情報や行動データの分析が可能となり、LTVを高める効果が期待できます。
- 特徴
- D2C事業者向けのECプラットフォーム
- CRMツールと連携して会員データの分析が可能
- 料金
- 要問い合わせ
- 公式サイト:https://marketing.f-i-d.jp/service02/
9. サブスクストア
出典:サブスクストア
サブスクストアは、定期通販やサブスクリプションに特化したECプラットフォームです。定期購入客が利用しやすいクレジットカードの決算システムや、メルマガ配信・クーポン配布などのマーケティング施策など、LTV(顧客生涯価値)を高めるための機能が充実しています。
一般的なECサイトからサブスクストアに「カート移行」したことで顧客の利便性が高まり、売上が向上した事例が公式サイトに多数掲載されています。
BtoBに特化した「サブスクストアBtoB」では、顧客管理に加えて事業所別の管理も可能です。見積書や請求書の発行、掛け率の管理など、BtoBのニーズに合った機能も利用できます。
- 特徴
- サブスクリプションサービスの展開に特化したECプラットフォーム
- 定期通販・単品通販に便利な機能が充実
- 料金(サブスクストア)
- スタンダード
- 49,800円/月~
- 初期費用:69,800円~
- 販売手数料:25円/件
- プレミアム
- 79,800円/月~
- 初期費用:99,800円~
- 販売手数料:20円/件
- エキスパート
- 月額費用:要問い合わせ
- 初期費用:要問い合わせ
- 販売手数料:要問い合わせ
- スタンダード
- 公式サイト:https://subscription-store.com/
10. Square オンラインビジネス
出典:Square
Squareオンラインビジネスは、決済サービスや決済端末を提供する「Square」のECプラットフォームです。モバイル対応のテンプレートが多数用意されており、短時間で簡単にサイトを構築できます。
Squareの関連サービスと連携しやすいのも強みで、Square POSレジと連携すると、実店舗とECサイトの売上・在庫を一元管理できます。ネットショップの店舗受取サービスや、店舗スタッフによるデリバリーサービスなどの設定も可能です。
- 特徴
- テンプレートを利用して簡単にサイト構築が可能
- 実店舗との連携機能が充実
- 料金
- フリー
- 無料
- 決済手数料:3.6%
- プラス
- 3,375円/月
- 決済手数料:3.6%
- プレミアム
- 9,180円/月
- 決済手数料:3.3%
※年払いの場合
- フリー
- 公式サイト:https://squareup.com/jp/ja/online-store
11. Wix
出典:Wix
Wixは、世界で2億6,000万人以上が利用しているノーコードのWeb制作ツールです。Wix App Marketから「Wix ストア」アプリを追加することで、ECサイトが構築できます。ECサイトに特化したサービスではありませんが、500種類を超えるECサイト向けのテンプレートが無料で利用可能です。
海外展開にもおすすめのツールで、自動翻訳や通貨換算、サイトの訪問者に検索言語に応じたサイト表示に対応しています。
- 特徴
- 豊富なECサイトテンプレートが無料
- 自動翻訳・通貨換算機能など海外展開向けの機能が充実
- 料金(決済サービスに応じた手数料が別途発生)
- パーソナル(Eコマース機能なし)
- 1,300円/月
- スモールビジネス
- 2,300円/月
- ビジネス
- 2,700円/月
- ビジネスプライム
- 13,500円/月
- パーソナル(Eコマース機能なし)
- 公式サイト:https://ja.wix.com/ecommerce/netshop
12. Webflow
出典:Webflow
Webflowは、Webサイト制作用のノーコードツールです。デザインの自由度が高く、アニメーションやエフェクトの設定が簡単に行えます。さらに、領収書や注文後のメールも、ブランドに合わせたデザインにカスタマイズが可能です。
また、海外展開に有利な機能が充実しているのも特徴です。200か国以上からの支払いに対応できるほか、アメリカ・カナダ・EU・オーストラリアの消費税とVATも自動で計算できます。
ツール内の言語は英語のみですが、ツールの活用方法を学べる英語版の動画が用意されているため、活用してみましょう。
- 特徴
- 自由度の高いカスタマイズが可能
- 200か国以上からの支払いに対応
- 料金(Ecommerceプラン・年払いの場合・決済手数料別)
- STANDARD
- 29ドル(1か月あたり)
- 販売手数料:2%
- PLUS
- 74ドル(1か月あたり)
- 販売手数料:無料
- ADVANCED
- 212ドル(1か月あたり)
- 販売手数料:無料
- STANDARD
- 公式サイト:https://webflow.com/ecommerce
ECサイトの機能を拡張するためのノーコードツール
最後に、ECサイトの機能を拡張するためのノーコードツールを紹介します。使用中のツールに使いたい機能がない場合に、機能を拡張するための補助ツールとして活用してください。
TéPs
出典:TéPs
TéPsは、顧客へのサンクスメールの送信や外部ツールへの注文データの連携といった作業を自動化するためのツールです。例えば、「ECサイトで受けた注文を一定時間おきに取得して、顧客へ注文を受け付けたことを知らせるサンクスメールを送信し、在庫数の変動をスプレッドシートへ入力する」といった一連のワークフローを自動で実行できます。
急な注文の増加にも対応しやすく、作業の自動化によって在庫管理も適切に行われるようになるため、機会損失にもつながります。
プログラミング経験がなくてもわかりやすいUIを採用していますが、不安な場合は導入支援サポートも受けられます。
- 特徴
- ECサイト運営に関する処理を自動化できるツール
- 料金
- Free:無料
- Regular:19,800円/月
- Freak:33,800円/月
- Maniac:59,800円/月
- 公式サイト:https://teps.io/
KOMOJU
出典:KOMOJU
KOMOJUは、ECサイトに決済方法を追加できる決済代行サービスです。初期費用・月額費用は無料で、売上が発生した際の決済手数料のみで利用できます。
国内の主要な決済方法はもちろん、韓国のローカルクレジットカードや中国で一般的なUnionPay、ヨーロッパのほとんどで利用できるPaysafecardなど、海外の決済方法も導入が可能です。
既存のECプラットフォームの決済サービスからKOMOJUへ乗り換えることで、決算手数料が下がるケースもあるため、サービス内容を比較してみましょう。
- 特徴
- 決済手数料のみで導入可能な決済代行サービス
- 国内外で普及しているオンライン決済に対応
- 料金(決済手数料)
- クレジットカード:3.25%
- コンビニ決済:2.75%
- スマートフォン決済:3.5%~
- 公式サイト:https://ja.komoju.com/
ノーコードツールの導入でECサイトの構築・運用を効率化しよう
ECサイトに強いノーコードツールを活用すると、プログラミングの知識がなくても、直感的な操作でECサイトの構築・運用が可能です。
今回取り上げたツールはECサイトに必要な機能を標準で備えたものがほとんどですが、ツールごとに強みのある機能や料金体系が異なります。ショップの規模や商材、ビジネスモデルを考慮して、最適なツールを導入しましょう。
