44%。一体何の数字かと言うと、1994年に米国最大手の電話会社「AT&T」がオンライン雑誌『HotWired.com』に出稿した世界初のバナー広告のクリックスルー率です。
今この広告が表示されても、クリックを誘うためのいかにも見え透いた手段だと思われ、何も考えずにクリックする人などいないでしょう。
幸いにも90年代以降、Web広告は急速な発展を遂げ、興味をそいでしまうようなバナー広告(英語)に頼る必要はなくなりました。今では、魅力的な広告を複数の形式で作成し、製品やサービスを本当に必要としている人たちに向けて配信できるようになっています。
この記事では、Web広告の最新事情と共に、現在インターネット上で特に効果的な各広告チャネルがどのような機能を提供しているかについて、詳しく取り上げていきます。
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Web広告の必須知識【2020年版】
1. 検索連動型広告
Googleで毎日35億件を超える検索クエリが実行されている今、効果の高いWeb広告形態として、検索連動型広告が人気を博しています。これはGoogleをはじめとする検索エンジンに料金を支払い、関連するキーワードの検索結果ページにコンテンツを表示してもらう広告形態です。
当然、数えきれないほどの広告主が上位の枠に広告を掲載したいと考えるでしょう。そのためGoogleでは、頻繁に検索されるクエリの関連キーワード(英語)に対して2件以上の入札があった場合、必ずオークションで掲載順位を決定します。
画像引用元:WordStream
広告主は、キーワードとそれに対応する広告コピー、ウェブページをセットにしたグループを作成してから、入札対象のグループを選択して、入札額を指定します。ユーザーが検索クエリを実行すると、Googleは最も関連性が高いと思われるキーワードを基に広告グループ(英語)を選び出し、対象の広告をオークションに加えます。
Googleのオークションは、一般的にイメージされる骨董品オークションとは異なります。膨大なリーチを活用できるチャンスがすべての広告主に平等にめぐってくるように、入札単価が高い順ではなく、広告ランクが高い順(英語)に広告の掲載順位を決定しています。
広告ランクは「1クリックあたりの入札単価 × 広告の品質スコア」で求められ、品質スコアは、ページとキーワードとの関連性、ユーザーエクスペリエンス、クリックスルー率を測定することで算出されます。つまり、多くの広告予算を用意したからと言って、目的のキーワードに対する広告ランクは必ずしも上げられません。コンテンツの中身も重視されるのです。
画像引用元:WordStream
Google広告では、できるだけ質の高い広告主に良質なコンテンツを出稿してもらうために、広告の品質スコアが高いほど、広告ランクが高く、クリック単価が低くなるように設定されています。
同じ理由から、質の悪い広告主による品質の低いコンテンツの出稿を抑えるために、品質スコアが低い広告主は通常、高額なクリック単価を入札しない限り、高いランクを獲得できない仕組みになっています。こうした広告主がクリック単価を抑えたいと思うなら、広告ランクが低くても我慢するほかありません。
仮にGoogleオークションで1位を獲得したとしましょう。その場合、実際のクリック単価は2位の広告ランクを自身の品質スコアで割ったものに、1円を加算した金額となります。入札した金額を支払う必要があるのは、オークションの入札者が自分しかいない場合か、自身の入札単価が最高かつ広告ランクが最低である場合のみです。この場合、獲得する広告ランクは最下位となります。
画像引用元:WordStream
2. 有料SNS広告
米国では人口の約80%がソーシャルメディアを使用していますが、SNS各社がオーディエンスを収入源として最大限に活用しようと動いているため、オーガニックリーチは史上最低レベルに落ち込んでいます。効果的にターゲットオーディエンスに接触するには、オーディエンスが空き時間のほとんどを過ごしているソーシャルメディア上で広告を展開するのが、一番の早道です。
有料のSNS広告を活用すれば、広告主はさまざまな方法でキャンペーンを最適化できます。たとえば、広告キャンペーンの目的やプロモーションに使用する広告のタイプを選べるほか、広告のターゲットを細かく指定することが可能です。Facebook、LinkedIn、Instagram、Twitterがそれぞれ提供している広告機能について簡単にご紹介しましょう。
Facebookはソーシャルメディアの中で最大の規模を誇り、最も熱心なユーザーを抱えるプラットフォームです。1日のアクティブユーザー数は約15億人、各ユーザーの1日あたりの利用時間は平均41分にのぼります。また、オーディエンスを収益源として活用することに長け、きわめて優れたターゲティングツールと、広告のコスト効率の高さで知られています。
広告キャンペーンを作成するときには、最初にキャンペーンの目的を選びます。ブランド認知度の向上、検討機会の向上、コンバージョンの向上から指定でき、それぞれ以下のKPIが測定されます。
認知
- ブランドの認知度
- リーチ
検討
- トラフィック
- エンゲージメント
- アプリのインストール
- 動画の再生数
- リード獲得
- メッセージ
コンバージョン
- コンバージョン
- カタログからの販売
- 来店数
広告キャンペーンの目的を選んだら、プロモーションに使用する広告フォーマットの種類を指定します。リンク広告、画像広告、動画広告、カルーセル広告、スライドショー広告、ダイナミック広告、コレクション広告、リード獲得広告、Messenger広告の中から選択できます。
念のため、コレクション、ダイナミック、リード獲得、Messengerの各広告について、それぞれの概要を簡単に紹介しておきます。
- コレクション広告:製品プロモーション用のフォーマットです。潜在顧客はFacebookから離れずに、製品情報を確認できます。製品ページにトラフィックを誘導する効果もあります。
- ダイナミック広告:自社のウェブサイトやアプリなど、インターネット上のどこかで製品への関心を示したユーザーに対し、製品のプロモーションを自動的に実施します。必要な作業は、製品カタログをアップロードし、キャンペーンを1件登録することだけです。後は広告の利用を終了するまで、製品ごとに適切なターゲットをFacebookが自動で見つけてくれます。
- リード獲得広告:ブランドのメールマガジンの購読、無料トライアル、登録を通じてFacebookに入力した個人情報を使用し、フォームにあらかじめデータを入力しておくことでリードの獲得を促進します。
- Facebook Messenger広告:高い人気を誇る便利なMessengerを活用し、ブランドの認知度と収益の向上を図れます。個人と企業との間では月に20億件のメッセージが交わされており、53%の人がメッセージを直接やり取りできる企業から製品を購入したいと回答しています。Messenger広告を使用すると、Messengerアプリのホーム画面に広告を表示させることができます。また、ニュースフィード広告を作成し、Messengerでのコミュニケーションにユーザーを誘導することも可能です。さらに、Messenger経由で既にやり取りのある相手に対しては、スポンサードメッセージを送信してエンゲージメントの再開を促せます。
広告フォーマットの選択とデザインが完了したら、ソーシャルメディアで随一のきめ細かさを備えた強力なターゲティングツールを活用して、オーディエンスを作成します。
オーディエンスをゼロから作成する場合は、コアオーディエンス機能が便利です。多数の項目から必要な条件を選択し、広告のターゲットユーザーを定義できます。Facebookでは以下の項目が用意されており、利用者層、趣味・関心、行動のカテゴリーに分類されています。
利用者層
- 地域
- 年齢
- 性別
- 言語
- 交際ステータス
- 学歴
- 専攻
- 学校
- 大学の在籍期間
- 勤務先
- 役職
- 業界
- 収入
- 純資産
- 世帯のタイプ
- 持ち家の有無
- 世帯構成
- 人種
- 世代
- 父親/母親
- ライフイベント
- 政治
- 趣味・関心(関心、アクティビティ、いいね!したページなど)
- ビジネス・業界
- レジャー
- 家族と交際関係
- フィットネス・ウェルネス
- 食品・飲料品
- 趣味・アクティビティ
- 買い物・ファッション
- スポーツ・アウトドア
- テクノロジー
行動(購買行動や購買意思、デバイスの使用状況など)
- 自動車
- 企業間取引
- 出張
- チャリティ・慈善事業
- デジタルアクティビティ
- 海外駐在者
- 経済
- 職業
- メディア
- モバイル デバイス ユーザー
- ページ管理者
- 購入行動
- 旅行
- 消費者の分類
- 記念日
- 使用インターネットブラウザー
適切なオーディエンスを的確にターゲットとして設定し、有料SNS広告の予算を最適化するには、理想的な顧客像について理解を深めておくことが重要です。詳細で正確なバイヤーペルソナが定義されていれば、いくつものターゲティングオプションを駆使して、広告の効果を最大限に高められるでしょう。
オーディエンスを独自に作成する必要がないときには、Facebookの類似オーディエンス機能を使用すると便利です。既存のコンタクト情報のリストをインポートするだけで、既存の顧客やプロスペクトと類似したオーディエンスを見つけ、ターゲットに追加してくれます。
既に自社ブランドと関係のある相手をターゲットに設定したいときは、カスタムオーディエンス機能を使用しましょう。お使いのCRMまたは顧客コンタクトリストからデータをFacebookにインポートするだけで、現在の顧客やサイト訪問者、モバイルユーザーに対してリターゲティング広告を表示できます。
LinkedInのリーチはFacebookと比べると大幅に小さく、月間のアクティブユーザー数は2億5,000万人前後です。しかし、LinkedInユーザーは常に各自のキャリア情報を更新し、ビジネス関連の情報を収集していることから、LinkedInはB2Bのリード獲得に最も有効なソーシャルメディアだと考えられています。
他のSNSに比べると、LinkedInの諸経費は全般的に高めになっていますが、通常ならコンバージョン率とリードの質が最も高くなるため、高額な広告料金も妥当と言えるでしょう。
たとえばハブスポットでは、金融マーケティング担当者向けのeBookの広告をLinkedInとFacebookの両方に掲載してみたことがありました。このキャンペーンの実施後、LinkedInのクリック単価はFacebookの4倍にのぼっていたと判明しました。しかし、わかったことはそれだけではありません。最も重要な測定指標であるコンバージョンコストを確認したところ、LinkedInはFacebookの半分に抑えられていました。このeBookのテーマとターゲットオーディエンスにとっては、LinkedInこそ、リード獲得に最適な選択肢だったのです。
LinkedIn広告を利用する場合は、ブランド認知度の向上、ウェブサイトへのトラフィックの誘導、リード獲得と商談化の3つからマーケティングの目的を選べます。
目標を設定したら広告の種類を選びます。LinkedInのニュースフィード内に表示される投稿や動画などのスポンサードコンテンツ、オーディエンスのLinkedIn受信トレイにメールとして配信されるスポンサードInMailを選択できます。また、テキスト広告を選択すると、ニュースフィードの右側に広告が表示されます。
広告形式を選択した後は、楽しい作業が待っています。LinkedInのターゲティング機能は、B2Bマーケティングの夢のツールと言っても過言ではありません。LinkedInでは、ユーザーの大半が自身のプロフィールをこまめに更新しているため、会社、職歴、学歴、趣味・統計データなどの情報に基づいて、理想的なターゲットを的確に設定することが可能です。LinkedInには以下のターゲティングオプションが用意されています。
会社
- 会社名
- 会社規模
- 代表的事業
- 会社フォロワー
- 会社のつながり
職歴
- 役職
- 職務タイプ
- 職務レベル
- 経験年数
学歴
- 出身校
- 学位
- 専攻
趣味・統計データ
- スキル
- メンバーグループ
- 年齢
- 性別
- ロケーション
1日のアクティブユーザー数は5億人、ユーザーの64%を18~29歳が占めているので、ミレニアルやZ世代に訴求するならInstagramが最適です。現在InstagramはFacebookの傘下にあるため、Instagram広告の目的は当然ながらFacebookと共通しており、ブランド認知度、検討機会、コンバージョンの3つから選択できます。各カテゴリーに関連するKPIは以下のとおりです。
認知
- リーチ
- リーチ&フリークエンシー
- ブランドの認知度
- 近隣エリアでの認知度
検討
- ウェブサイトのクリック数
- 動画の再生数
- リーチ&フリークエンシー
コンバージョン
- ウェブサイトのコンバージョン
- Instagramのダイナミック広告
- モバイルアプリのインストール
- モバイルアプリのエンゲージメント
広告の目的を設定した後は、広告の種類を選べます。作成できるのは、写真広告、動画広告、カルーセル広告、ストーリー広告の4種類です。
Instagramのターゲット設定機能は、Facebookの簡易版となっています。以下に挙げた地域、利用者層、趣味・関心、行動といった情報に基づいてオーディエンスを作成できます。
地域
- 都道府県
- 市区町村
- 国
利用者層
- 年齢
- 性別
- 言語
趣味・関心
- アプリの使用状況
- クリックした広告
- フォローしているアカウント
行動
- InstagramやFacebookの内外でのオーディエンスのアクティビティ
Facebookと同様に、Instagramもカスタムオーディエンス機能や類似オーディエンス機能、自動ターゲット設定機能を提供しています。自動ターゲット設定では、現在のオーディエンスの場所、人口統計データ、趣味・関心を分析し、自社に関心を持ちそうなオーディエンスを自動的に定義できます。
Twitterのアクティブユーザー数は2018年度の第2四半期に100万人減少しましたが、それでもなお月間3億3,500万人のアクティブユーザーに利用されています。その80%が米国以外のユーザーです。アジア、ヨーロッパ、南米を中心に国際的なリーチを広げたいなら、Twitter広告を利用するのが成功への近道だと言えるでしょう。
Twitter広告を利用する際は、次の5つの中からキャンペーンの目的を選択します。
- ブランド認知度の向上
- ツイートのエンゲージメント
- フォロワー
- ウェブサイトへの誘導数またはコンバージョン
- アプリインストール数
目的を選択したら、TwitterオートプロモートとTwitter広告キャンペーンの2種類のツールを使用して、ツイートのプロモーションを行えます。Twitterオートプロモートは毎日発信されるオーガニックツイートのうち、ターゲットオーディエンスの品質テストに合格した最初の10件のツイートのプロモーションを実行するツールです。想定されるフォロワーの興味関心または主要都市圏を最大5つ指定するだけで、Twitterが自動的にプロモーションを実施してくれます。
Twitter広告キャンペーンを使用するときは、次に挙げるようなターゲティングオプションを指定して、自分で広告キャンペーンをセットアップします。
- 言語
- 性別
- 興味関心
- 関連アカウント
- フォロワー
- 端末モデル
- 行動
- テイラードオーディエンス
- キーワード
- 地域
3. ネイティブ広告
BuzzFeedやThe Dodoといったパブリッシャーは、ソーシャルメディアで雪だるま式に人気を集めていくようなコンテンツを日々生み出しています。また、他のブランドのためにそうしたコンテンツを作成することを収益源にしています。ブランド各社はこうしたパブリッシャーにお金を払い、ノウハウを提供してもらうことで、口コミによって拡散されやすい投稿や動画を制作できます。さらに、ソーシャルメディアやパブリッシャーのウェブサイトを通じ、パブリッシャーが抱える膨大なオーディエンスに対して、こうしたスポンサードコンテンツを有料で配信してもらうことも可能です。
パブリッシャーによるネイティブ広告サービスを利用すると、パブリッシャーの優れた編集スキルとオーディエンスへのリーチを活用し、より多くの質の高いオーディエンスに魅力的なブランドストーリーを伝えられるようになります。
コンテンツを作成する際はパブリッシャーと協力し、パブリッシャーの主要トピックのいずれかに対応した、パブリッシャーサイトの通常のコンテンツと変わらないようなスポンサードコンテンツを制作します。こうすると、実際にはプロモーション用の投稿記事であっても、閲覧するオーディエンスに悪い印象を与えません。広告だと意識せずに、楽しんで記事を読んでもらうことができます。その結果、たくさんの人に熱心にコンテンツを見てもらえるようになり、ブランドの新たなフォロワーを獲得できます。
ネイティブ広告を利用すると、パブリッシャーとブランドとの間に共生関係が育まれます。パブリッシャーはスポンサードコンテンツの配信によって新たな収益源を得られるだけでなく、信頼できるブランドのネイティブ広告をプロモーションすることにより、オーディエンスの信頼をさらに高められます。調査によれば、パブリッシャーのコンテンツ閲覧者の41%(英語)が「信頼できるブランドに協力することで、パブリッシャーの信頼性がより高まる」と回答しています。
有名なパブリッシャーの力を借りれば、ブランド各社は従来をはるかに上回る創造性を発揮し、パブリッシャーのオーディエンスの心をとらえてエンゲージメントを向上させることができます。ネイティブ広告の閲覧者の31%(英語)は、ブランドのネイティブ広告を見た後に、そのブランドの製品をより購入したくなると答えています。たとえば、『The New York Times』のネイティブ広告制作を担当する「T Brand Studio」が作成したスポンサード記事は、nytimes.comで特に高いパフォーマンスを挙げている記事にも引けを取らないほどのエンゲージメントを獲得(英語)しています。
自社ブランドでネイティブ広告を活用する最適な機会を見極めるには、StackAdaptやNativoを使用するとよいでしょう。
4. プレロール広告とミッドロール広告
新たなオーディエンスの心をつかみたいなら、YouTube広告を30~60秒も強制的に見せるのは得策ではありません。逆に相手をイライラさせてしまいます。動画広告を短くすれば、視聴者の忍耐力を試さなくても、しっかりとアピールできるようになるでしょう。Googleの調査によると、バンパー広告キャンペーンの90%ではグローバルな広告の記憶率が平均30%向上(英語)しています。
現在、成人によるYouTubeコンテンツの1か月あたりの視聴時間は、どのテレビチャンネルの視聴時間をも上回っています。そのYouTubeを広告媒体として採用する場合には、TrueView広告とバンパー広告の2種類の動画広告を利用できます。
TrueView広告
TrueView広告は、視聴者が広告をすべてまたは30秒以上見た場合か、CTAをクリックした場合にのみ料金が発生する広告形態です。YouTubeではユーザーが短い広告を好むことを把握しているため、スキップ不可の広告は15~20秒に収めるよう求めています。TrueView広告には、インストリーム広告と動画ディスカバリー広告の2種類があります。
- インストリーム広告は所定のYouTube動画の前に再生されるほか、Googleの動画広告枠を購入済みのGoogleディスプレイネットワーク上のウェブサイトにも表示されます。この広告タイプでは、再生開始から5秒が経過すると、視聴者が広告をスキップできるようになります。ただし、YouTube広告にはCTAを配置できるので、自社のウェブサイトまたはYouTubeチャンネルにトラフィックを誘導することが可能です。
- 動画ディスカバリー広告はYouTubeのホームページのほか、ユーザーが特定のトピックやキーワードを検索した場合に、検索結果ページまたはおすすめセクションに表示される動画広告です。ユーザーが広告をクリックして視聴すると、対応するバナーディスプレイ広告が動画の右側に表示され、会社の詳細情報へのアクセスを促します。
バンパー広告
バンパー広告はYouTube広告の中で最も短く、最も記憶に残りやすい広告形式です。こうした短い広告なら、YouTubeで表示されても視聴者はあまり気にしません。つまり、魅力的なストーリーを短い時間に凝縮した広告を作成すれば、ブランド各社はオーディエンスの心に訴えかけることができます。たとえば、自動車保険会社「Geico」のバンパー広告はいずれも忘れがたいものばかりです。
バンパー広告の長さは最大6秒で、YouTube動画の前後また再生中に表示できるほか、Googleディスプレイネットワーク上のサイトまたはアプリに表示できます。バンパー広告は、1,000回単位のインプレッション単価の入札によって販売されるため、YouTubeで広告が1,000回表示されるごとに料金が発生します。
ターゲティング
70か国以上の10億人を超えるユーザーに利用され、Googleディスプレイネットワークにも対応するYouTubeは、デジタルマーケティング分野で有数のきめ細かいターゲティング機能を備えています。
YouTubeの広告ツールでは、以下に挙げた地域、ユーザー属性、ユーザーの意向などの各カテゴリーの条件を指定してターゲットオーディエンスを定義できます。また、過去の視聴者にリマーケティングを行ったり、所定のプロパティーに広告を紐付けたり、特定のトピックやキーワードに関連する動画に広告を配置したりといったことも可能です。
地域
- 国
- 都市
ユーザー属性
- 年齢
- 性別
- 子供の有無
- 世帯収入
ユーザーの意向
- 自社チャンネルが扱うトピックと、類似したトピックに強い関心を持つユーザー
- 大学卒業、引っ越し、結婚などの人生の節目を控える、または迎えているユーザー
- 自社が提供する商品やサービスに似たものを積極的に調べているユーザーや、購入を検討しているユーザー
リマーケティング
- 過去に自社の動画やTrueView広告、YouTubeチャンネルにアクセスしたことのあるユーザー
プレースメント
- YouTubeチャンネル
- YouTube動画
- Googleディスプレイネットワーク上のウェブサイト
- Googleディスプレイネットワーク上のアプリ
トピック
- たとえば「フィットネス」というトピックをターゲットに指定すると、ウェイトリフティングに関するYouTube動画に自社の広告が表示される
キーワード
- 所定のキーワードに関連した動画に広告を表示する
5. ディスプレイ広告
デジタルマーケティング界隈で議論の的となっているのがディスプレイ広告です。これまで約25年間、広告主はディスプレイ広告を乱用し、誤解を招くような広告でインターネットユーザーにクリックさせるよう誘導してきました。また、一部の悪意あるディスプレイ広告には、ユーザーのコンピューターをウイルスに感染させるものまであります。バナー広告を非表示にする機能が開発され、多くの人がアドブロッカーをダウンロードしている理由は、火を見るよりも明らかでしょう。ディスプレイ広告は、邪魔者のレッテルを貼られ、煩わしくて無益な存在だと思われています。
その一方で、ディスプレイ広告テクノロジーは大幅に進化しました。現在のアドネットワークでは、データと機械学習を活用することで、広告主がもっと効果的なターゲティング戦略を立て、消費者に有益な広告を提供できるようになっています。
こうしたバナー広告の復活を牽引したのは、GoogleディスプレイネットワークやFacebook Audience Networkなどのアドネットワークです。アドネットワークは企業の広告を、目的のターゲットオーディエンスに向けて、適切な場所とタイミングで表示するサービスを提供しています。さらに、広告の表示場所を指定するなど、広告表示を細かく管理することも可能です。各アドネットワークの特徴とターゲティングの機能について以下にご説明します。
Googleディスプレイネットワーク
Googleディスプレイネットワークを使用すると、目を引く広告をデザインし、200万を超えるウェブサイトやアプリケーション、YouTube、Gmailに表示できます。さらに、新たなオーディエンスを定義して、自社の製品やサービスに最も興味を持ちそうな相手をターゲットにしたり、既存のコンタクト情報のリストをインポートして、ウェブサイトの訪問者にリマーケティングを行ったりといったことも可能です。
オーディエンス作成や入札を行いたくないときは、Google広告に代わりに対応してもらいましょう。Google広告には自動ターゲティング機能と自動入札機能が備わっているため、コンバージョン率が最も高いオーディエンスを見極め、ROI(投資収益率)を最大化できます。
Facebook Audience Network
Facebook Audience Networkを使用すると、Facebook上で使用しているターゲティングデータを流用し、さまざまなウェブサイトとアプリ上に広告を配信して、Facebook広告キャンペーンの範囲をFacebook以外にも広げられます。モバイルアプリでFacebook Audience Networkのパブリッシャーが使用されている時間は、SnapchatとTwitterの使用時間の合計を50%も上回っています。各ブランドはこのネットワーク内で、自社のFacebookオーディエンスが頻繁にアクセスするウェブサイトやアプリに、ネイティブ広告、バナー広告、全画面広告、インストリーム動画広告、リワード動画広告(視聴すると特典がもらえる動画広告)を表示できます。