ポップアップとは?使用する際の注意点や効果的な活用方法を解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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ポップアップ(pop-up)とは、Webページやアプリケーションの中で自動的に表示されるウィンドウのことです。Webサイトやアプリケーションのコンバージョン率向上を目的として設置されますが、設置方法を誤るとユーザー体験を損ない、逆効果になる場合があるので注意が必要です。

ポップアップとは?使用する際の注意点や効果的な活用方法を解説

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    この記事では、ポップアップの種類や効果的な使用方法、ユーザー体験を損なわずにポップアップを設置する方法を紹介します。ポップアップの効果を最大限にするため、設置前にポイントを確認しておきましょう。

    ポップアップとは

    ポップアップ(pop-up)とは、Webページやアプリケーションの中で自動的に現れるウィンドウのことで、閲覧中の画面とは別の画面で表示されます。

    ポップアップには、ユーザーへの情報提供やユーザーアクションの促進など効果が期待できます。その他、サイトに訪れたユーザーのエクスペリエンスを向上させるために使用されることもあります。
     

    ポップアップはユーザーに嫌われる?

    ポップアップは、ユーザーが閲覧中の画面の前面に表示されるため、ユーザーが必要としているコンテンツが隠れてしまうことがあります。アクションを促すために設置したはずのポップアップが、かえってユーザビリティを低下させる要因になることもあるので注意しましょう

    サイトの閲覧がさえぎられることを嫌ったユーザーが、ポップアップブロックを行うこともあります。ポップアップブロックとは、ユーザーの操作なしで自動的に開かれるウィンドウをすべてブロックする機能で、主要なWebブラウザではポップアップブロック機能が標準搭載されています。

    ポップアップの使用において大切なのは、ユーザー目線に寄り添って設置することです。サイトに訪問したユーザーの気持ちや目的に寄り添った活用をすれば、ユーザビリティが損なわれず、アクションにつながりやすくなります。

    ユーザーが迷いそうな箇所で適切なナビゲーションを表示したり、適切なタイミングで類似・付属の商品を表示したりといった方法でポップアップを活用できれば、満足度の向上も実現できるでしょう。
     

    ポップアップの種類

    Webデザインやマーケティングでは、次の4つのポップアップがよく用いられます。

    • ライトボックス
    • フルスクリーン
    • スライドイン
    • フローティングバー

    それぞれの特徴を理解し、目的に合わせて選択してください。
     

    ライトボックス

    ライトボックス

    ライトボックスは、Webページの上部に表示されるポップアップです。背景を半透明もしくは暗くすることでユーザーの注意をひきつける効果があります。

    ライトボックスの主な特徴は、ユーザーがポップアップ外のコンテンツに注意を向けることを防げることです。セール情報や割引クーポンを表示させたり、セミナー受講の案内を表示させたりと、CTAを特に促したいときに使用されます。
     

    フルスクリーン

    フルスクリーン

    フルスクリーンポップアップは、名前の通りユーザーのブラウザ全体を占める大きなポップアップのことです。

    営業時間の変更やイベント中止のお知らせなど、特に重要なメッセージやオファーをユーザーに伝えたい時に有効です。

    ただし、ブラウザ全体を覆ってしまうためにインパクトが強く、過度に使用するとユーザーの不満を引き起こす可能性があるので使用には注意が必要です。
     

    スライドイン

    スライドイン

    スライドインポップアップは、ページの一部としてスムーズに登場するもので、多くの場合にページのサイドや下部から滑り出してくポップアップです。

    この形状のポップアップは、ユーザーがページをスクロール中に特定のセクションへ到達した際に表示されることが多く、ユーザーの視線を遮らないので不快感を与えることなく自然にユーザーの注意を引くことができます
     

    フローティングバー

    フローティングバー

    フローティングバーは、Webページの上部や下部に固定され、スクロールと共についてくる小さなバー形式のポップアップのことです。

    控えめなサイズであるためにユーザーエクスペリエンスを大きく損ねることなく情報を提供できます。起こして欲しいアクションをユーザーに思い出させるような役割を持ちます。
     

    ポップアップを使用する際の注意点

    ポップアップはユーザーアクションを促すツールですが、誤った使用方法では離脱を引き起こす可能性もあるので注意が必要です。また、SEO面も考慮しておく必要があるため、それぞれの注意点を詳しく解説します。
     

    ユーザーの体験を阻害しない出し方を検討する

    誤ったポップアップの使用方法によってユーザーが求めている情報が遮られたり、求めていない広告を見せられたりすると、ユーザービリティが損なわれます。ポップアップを悪用したフィッシング詐欺も存在するため、ポップアップ広告に不信感を持っているユーザーもいることを認識しておきましょう。

    過度な使用や不適切な内容は避け、次のような点に注意しながらユーザー目線で設置を行ってください。

    • ユーザーにとって意図や目的がわかりやすく、有益な内容であること
    • ユーザーにとって最適なタイミングであること
    • ユーザーの邪魔にならない頻度であること
    • ユーザーの情報収集を阻害しない表示のされ方であること(内容やタイミングに対して最適なポップアップの種類か)
       

    SEOへの悪影響に配慮する

    ポップアップの入れ込みにより、Webページの読み込み速度(ページスピード)が遅くなると、SEOに悪影響が出る可能性があります。

    Google の公式ページにも、「ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用する」と記載されています。

    参考:ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用します | Google 検索セントラル ブログ

    また、ポップアップ広告がインタースティシャル広告に当てはまる場合もあります。インターステシャル広告とは、ユーザーのコンテンツ閲覧を妨げるプロモーションを目的としたページ要素のことです。

    Google の公式ページでは、検索結果ランキングの要因であるページエクスペリエンスシグナルに「煩わしいインタースティシャルやダイアログを避ける」を含んでいると明記しています。

    参考:煩わしいインタースティシャルやダイアログを避ける
     

    ポップアップの効果的な活用方法

    ここでは、ポップアップを上手に活用するためのポイントを解説します。
     

    目的を明確にする

    まずは、ユーザーに何を伝えたいのか、どのようなアクションを取って欲しいのかなど、ポップアップの目的を明確にしてデザインします。

    ポップアップの目的はさまざまですが、主に次のようなポップアップの使用目的があります。
     

    アップセルやクロスセル施策

    類似商品や関連商品を表示してクロスアップを狙ったり、最新モデルを表示してアップセルを狙ったりするポップアップです。平均単価や売り上げアップを目的として使用されます

    アップセルやクロスセル施策

     

    重要な情報の共有

    営業時間の変更やイベントの中止など、重要なお知らせがある場合にもポップアップが活用できます。重要な情報であれば、大きめのライトボックスやフルスクリーン形状のものが良いでしょう。

    重要な情報の共有

     

    コンバージョン率の向上

    コンバージョン率の向上のため、ECなどではお得なセール情報やクーポンをポップアップに表示させることがあります。特にユーザーがサイトに訪問した直後にお得な情報を掲示すると、初頭効果により印象に残りやすくなります

    お得なセール情報

    クーポンをポップアップ

     

    メールリストの獲得

    リードの醸成に有効なメールマガジンですが、メールリストの獲得にもポップアップが活用できます。買い物かごやチェックアウトページから離脱アクションが行われた際に、メルマガ登録でお得な情報が受け取れるなどのメッセージを表示させ、新規登録を促すことが可能です。

    メールリストの獲得

     

    適切なタイミングと内容

    ポップアップを表示するタイミングや表示内容は、ユーザーのサイトやアプリ閲覧を邪魔しないよう配慮することが大切です。

    ユーザーの立場になり、適切なタイミングで適切な内容のポップアップを設置することで、顧客満足度やコンバージョン率の向上につながります
     

    サイトを訪れたタイミング

    サイトに訪れたタイミングでポップアップが表示される例として一般的なのがCookieの使用承認です。

    2022年の個人情報保護法の改正により、Cookieによるサイト閲覧記録が個人関連情報に該当するとされました。そのため、サイト運営側は閲覧者の同意を得る必要があります。

    多くのサイトでは現在、ユーザーがサイトに訪れたタイミングでCookieの使用同意を得るためにポップアップを活用しています。

    適切なタイミングと内容

     

    戻るボタンを押したタイミング

    ユーザーが戻るボタンを使用して買い物カゴやチェックアウト画面から離脱するタイミングで、よくある質問や問い合わせへのアクセスを促すポップアップを表示させると、離脱理由がわかり、ユーザーのサイト離脱を防ぐことにもつながります。

    よくある質問以外にも、割引やプレゼントを提示するとユーザーのカゴ落ちを防ぐ効果も期待できます。

    戻るボタンを押したタイミング

    ポップアップはサイトユーザーのカスタマージャーニーを参考にし、その他にもさまざまなタイミングを考慮して設定してください
     

    シンプルでわかりやすくする

    ユーザーが直感的にすぐに理解できるよう、ポップアップはシンプルなデザインにしましょう

    テキストは、「メルマガに登録」などではなく「割引を受け取る」「お得な情報を受け取る」などにすると、ユーザーが受け取るベネフィットを理解しやすくなります。

    「割引を受け取る」

    ページで使用しているカラーとコントラストが強いカラーをポップアップに使用すると視認性の向上やユーザーの注意を引くことが可能です。しかし、カラーを選択する際にはあくまでもサイトのテーマカラーやアクセントカラーに合わせることを意識しましょう

    テーマカラーやアクセントカラーに合わせる

     

    ポップアップは適切に設置しよう

    ポップアップはWebサイトやアプリケーションのコンバージョンを向上させることもできますが、過度な使用や不適切なコンテンツはユーザビリティの低下を引き起こします。

    ポップアップを設置する際にはユーザー目線を大切にし、サイトの目的だけでなくユーザーの目的も同時に達成できるように心がけるようにしましょう。

    ユーザーニーズを理解し、適切なポップアップを設置してコンバージョン率の改善を目指してください。

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