あなたは、キャンペーンのパフォーマンスチャートという山を登っています。PPC戦略を立て、準備を整え、今こうして登っているわけですが、楽しい登山になっていますか。それとも厳しい道のりでしょうか。
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百戦錬磨の登山家のように、楽々とチャートを登っていく人もいれば、谷間で道に迷いなかなか抜け出せない人もいます。
その差はどこにあるのでしょう。多くの物事に言えることですが、「テクニック」が明暗を左右します。現在十分なテクニックをお持ちでない方もご心配なく。実践することで誰でも習得可能です。
今回は、KlientBoostとHubSpot(ハブスポット)が手を組んで、 PPCキャンペーンを軌道に乗せるのに役立つ、効果的なテクニックをご紹介します。
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氷山の一角:PPCキャンペーンを隅々まで管理する
キャンペーンにおいて、料金が生じている検索語句と、ターゲティングしているキーワードが整合していないことは珍しくありません。
PPCでは、いわゆる「氷山の一角」という状態になりがちです。キャンペーンのパフォーマンスを高めるためにターゲティングしているキーワードの水面下には、思いもよらない検索語句が「類似パターン」として追加されています。そのため、キーワードと検索語句の比率が、以下のイラストのような状態になってしまいます。
すべての検索語句を把握できていない状態は理想的とは言えません。キャンペーン対象となる検索語句と、ターゲットキーワードの比率が132:1といった状態では、クリックスルー率や平均クリック単価を継続的に改善していくことは難しいでしょう。
このような状態になってしまった場合、どう対処すればよいのでしょうか。弊社ではSKAGs(Single Keyword Ad Groups:単一キーワード広告グループ)という手法を使用して、検索語句とキーワードの比率が1:1になるようにしています。こうすることで広告グループ全体を、より細かく管理することが可能になります。
以下は、SKAGsを使用していないケースの検索語句レポートです。
どの検索語句も、それ自体が悪いわけではありません。ただ検索語句によって、コンバージョン率や成約率が異なります。また、せっかく成果につながる語句があるのに、キーワードに追加しないでいれば、そうした語句を適切に管理して、PPCキャンペーンの改善に役立てることもできません。
では、SKAGsを使用した場合の検索語句レポートを見てみましょう。
全ての行において、検索語句列の語句とキーワード列のキーワードが一致しているのがお分かりいただけるでしょうか。SKAGs手法を使えば、検索語句とキーワードを余すところなく把握し、結果的にPPCアカウント全体をしっかりと管理できるようになります。
さらに、検索語句とキーワードを1:1で対応させられるようになったら、同じように、キーワードと広告の比率も改善できます。そうなれば、クリックスルー率が向上し、以下を達成することが可能になります。
- 品質スコアの向上
- クリック単価(CPC)の削減
- インプレッションシェアの増加
- 平均掲載順位の向上
価値のトラッキング:コンバージョン数vs制約数
PPC対策が改善できたら、PPCキャンペーンのコンバージョン数は向上し、利益も増えるはずです。しかし、実際に利益に貢献しているキーワード、オーディエンス、プレースメントは、どれなのでしょう。
キャンペーンの各要素をトラッキングし、どれが売上につながっているかを見極めなければ、注力すべき要素が分からず、無駄な労力やコストが生じかねません。そこで是非使いたいのがGoogleのValueTrackパラメータです。これを使うことで、訪問者がコンバージョンした際のURLから、自動的にデータをトラッキングすることが可能になります。
また、フォームに非表示(hidden)フィールドを設け、成約データをCRMと関連付ければ、どのリードが実際に利益につながっているか詳細なデータを確認することができます(eコマースには適用されません)。フォームの非表示フィールドにより、どのランディングページURLからコンバージョンに至ったか、訪問者の所在地はどこか、どのキーワードが使用されたのかなど、コンバージョンの詳細を取得することができます。
手動のUTMパラメータでも同様の情報が収集可能です。以下はこうした情報を収集した場合としなかった場合の一例です。一見すると、キーワード1のコンバージョンパフォーマンスが優れているように見えます。
キーワード1のほうがクリック単価が安い。
では、非表示フィールドで成約データを収集した場合を見てみましょう。データを掘り下げて分析することが可能になります。
実はキーワード2のほうがパフォーマンスが高いことが分かる。
クリック単価はキーワード1のほうが安いものの、キーワード2のほうが成約率が高く、利益率も高いことが分かります。コンバージョン数vs制約数をトラッキングすることの価値がお分かりいただけたのではないでしょうか。
こうした詳細を把握することにより、実際の利益につながっているキーワード、オーディエンス、プレースメントを特定できるので、それらに対して、より積極的な策を講じることができます。このPPCテクニックを大いに活用し、利益につながらない要素の予算は削減し、利益につながる要素には、多くの予算を割り当てましょう。
CTA温度計:訪問者の「温度」を測定する
PPCキャンペーンにおいては、すべての訪問者が同じ目的をもってランディングページにたどり着くわけではありません。
通常、ディスプレイネットワークからの訪問者の温度は低く、検索からの訪問者の温度は高めです。以下は、弊社の多くのお客様に当てはまる傾向をイラストにしたものです。
訪問者の温度は、その訪問者がどこから来たかによって異なります。訪問者がランディングページにたどり着いた経路を把握し、コンバージョンファネルのどのあたりにいるのかを理解することは、訪問者の温度に応じたCTAを表示するのに役立ちます。
さまざまなCTAをテストし、訪問者の温度に適したものを見つけましょう。CTAでは、ささいな変更でも大きな違いが現れます。
以下は、それぞれの温度の訪問者に適したコンテンツのアイデアです。
簡単に言えば、訪問者の温度が高ければ高いほど、CTAの温度も高くすることができます。たとえば、ディスプレイ広告からの訪問者は、まだ認知段階にいるので、低温のCTAのほうがレスポンスする可能性が大きくなります。
マイクロPPCコンバージョン:大きなコンバージョンを細かく分けて分析する
PPCキャンペーンは、詳細を把握すればするほど、成果を出すためにできることが多くなります。
コンバージョンに関しても、マクロコンバージョンを、マイクロコンバージョンに分割して分析することで、何を改善すべきか見えてきます。
PPCキャンペーンでボトルネックになっている箇所を洗い出すのに効果的なのが、マイクロコーンバージョンによる分析です。例えば、新しいFacebookキャンペーンを実行中だとしましょう。しかし何故だかまったくコンバージョンが発生しません。しかしここで、サイト/ランディングページへの訪問者の平均滞在時間がたったの4秒だというデータがあれば、問題は広告やランディングページにあるのではなく、ターゲティングにある可能性が高いことが分かります。Facebookでキャンペーンを展開すること自体が適切でないのかもしれません。
以下は弊社で使用している、一般的なマイクロコンバージョンのタイプです。
各マイクロコンバージョンを分析することで、どのような洞察が得られるのか見ていきましょう。
- サイト滞在時間:これは訪問者が自社のサイトに滞在している時間です。この時間が非常に短い場合、コンバージョンを妨げているのは、ランディングページのデザインではありません。それより前の段階、つまり広告キャンペーンやターゲティングオプションに問題があります。
- スクロール深度:訪問者がランディングページをどのあたりまでスクロールしてるかを測定します。あまりスクロールしていないようなら、ランディングページを短くして、ファーストビュー(スクロールしなくても表示される位置)にCTAを表示する必要があるかもしれません。かなり下の方までスクロールしているようなら、オファーに関する詳細な(しかし非常に読みやすい)情報をページの下のほうに追加すると良いでしょう。
- フォームの記入:訪問者のフォーム記入率が悪い場合は、異なるフォーマットを試したり、記入フィールドの多いマルチステップのランディングページを試してみたりしましょう。
- ボタンのクリック:さまざまなコピーや色のCTAボタンを試してみましょう。最適化されていないCTAボタンがランディングページの成功を妨げていることもあります。
マイクロコンバージョンに分けて分析することで、コンバージョンを妨げている要素をピンポイントで特定できるので、速やかに対処し、より高い目標を達成することが可能になります。
終わりに
「氷山の一角」問題への対応、「コンバージョン数vs成約数」のトラッキング、「CTA温度」のテスト、「マイクロPPCコンバージョン」の分析。どのテクニックもPPCキャンペーンのパフォーマンスを大幅に向上してくれます。
さらに、素晴らしいのは、どのテクニックを使っても、競合相手に知られる可能性が非常に低いということです。
皆さんも是非ここで紹介したテクニックを活用し、PPCキャンペーンを成功させてください。これらのテクニックがあれば、パフォーマンスチャートへの頂上へたどり着くのもたやすいはずです。
皆さんはどのようなPPCテクニックを使われていますか? コメント欄で是非共有してください。
編集メモ:この記事は、2016年12月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Johnathan Daneによる元の記事はこちらからご覧いただけます。