プレスリリースは、顧客や取引先など幅広い対象にリーチできます。プレスリリースを発信する際は、どのようなメッセージを打ち出し、どのような情報をどれだけ載せるのかをしっかり考慮する必要があります。
本記事では、プレスリリース作成の基本を解説した上で、初心者でも使いやすいテンプレートをご紹介します。
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プレスリリースとは?
プレスリリースとは、テレビや新聞などの報道関係者に対して発信する文書を指します。それら報道関係者経由で、他企業や消費者に情報が届けられるのが一般的でしたが、SNSが普及した近年は消費者に直接プレスリリースが届けられることもあります。
いずれにせよ、全てのステークホルダーに向けてメッセージを発信するためのものと捉えるといいでしょう。プレスリリースは、一般的には企業の広報部門や、外部のPR会社などが担当します。
プレスリリースは自社に関するニュースをステークホルダーに認知してもらうことを目的としています。発信する内容は商品・サービスの発表、人事異動、社内のイベントについてなど多種多様です。
プレスリリースを通じて企業としてのメッセージを発信してステークホルダーに届け、最終的には「良い商品を出しているな」「社会的に意義のある取り組みをしているな」「良い会社だな」と感じていただくことでエンゲージメントを高められる内容を意識する必要があります。
リリースは、自社のWebサイトやプレスリリース配信用のプラットフォームの利用、SNSなどインターネット上で発信するのが主流となっています。Eメールやファックス、郵送などの方法もあります。
プレスリリースを配信するメリット
プレスリリースが大々的に取り上げられれば間接的に売り上げが上がったり、ステークホルダーからの評価が高くなったりします。プレスリリースのメリットは広告と比較するとわかりやすいでしょう。
プレスリリースは、メディアに掲載される場合は基本的に費用はかかりません。メディアの編集者や記者がピックアップし、通常記事として発信されます。費用を払って広告枠に掲載される広告とは全く異なります。
メディアに掲載され、広く情報が拡散されれば、(プレスリリース配信サービスの利用料を除いて)ほぼ費用をかけずにPR活動ができるのが最大のメリットでしょう。
ただ、掲載してもらえるかどうか、どのような形式で掲載されるかはコントロールできません。どのメディアに、どのように掲載してほしいのかを考え設計する必要があります。
プレスリリース作成時に押さえたいポイント
プレスリリースでは、報道関係者に要点を簡潔に伝えることが大切です。特に、プレスリリースの内容に興味を持ってもらうためには、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 新しい情報であること
- 事実であること
- 社会的な意義があること
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
新しい情報であること
プレスリリースは基本的に新着情報を発信します。自社商品の新機能に関するプレスリリースであれば、発売日前、もしくは発売と同時に配信しましょう。
正確で信頼できる情報を載せる
自社商品に関する情報であれ、自社独自の調査データであれ、プレスリリースで出す情報はエビデンスが明確になっているものだけに絞りましょう。例えば、新たな化粧品を発表する場合、効果効能は薬機法に沿って表現するべきです。
自社独自の調査データを出す場合は、調査の信頼性(調査対象者の母数が十分にあるか、属性が明記されているかなど)を明記しておくべきです。これはプレスリリースに限った話ではなく、全ての発信で気をつけるべきことですが、メディアに掲載される可能性があるため特に注意が必要です。誤った情報を届けると自社、掲載メディア双方の信頼失墜につながりかねません。
社会的な意義があること
一番意識するべきは、社会的意義や発表の背景がにあるストーリーです。誰向けの、どのような問題を解決するためのサービスなのか、背景にはどのような思いが込められているのかをしっかり盛り込み、社会的に意義のある内容だと認識されるよう設計しましょう。
プレスリリースに盛り込むべき7つの項目
数あるプレスリリースの中から選ばれるためには、プレスリリースの内容が興味深く、読みやすく記載されている必要があります。メディアの目に留まる文章を意識すると、高いライティング技術が必要なのではと思われがちです。
しかし、プレスリリースは要点を押さえてテンプレートに沿って簡潔に書き進めれば、読まれやすい内容に書き上げられます。文字数が限られているプレスリリースでは、要点をまとめてて伝わりやすい表現を心がける必要があります。
ここからはプレスリリースに必要な以下の7つの要素をご紹介います。
- ヘッダー
- タイトル
- サブタイトル
- リード
- キービジュアル
- 本文
- 連絡先
ヘッダー
プレスリリースの冒頭には宛先、差出人、日付を記載します。メディアに取り上げられた際に、この情報がいつ・どこから発信されたのかを伝えるために必要です。
タイトル
プレスリリースの要素のうち最も重要なのがタイトルです。掲載を検討するメディアが最初にチェックするがタイトルだと言われています。話題性・権威性・季節性などを盛り込み、可能な限り実績を数字で表します。
そして、キーワードをタイトルの前方に持ってくると目に留まりやすいです。必要な要素を盛り込んだら、タイトルを30文字程度で興味を引くような内容を簡潔にまとめます。
サブタイトル
タイトルを補足する内容を、数字や固有名詞を使って具体的に記載します。サブタイトルはタイトルを見たときに一緒に確認できるので、タイトルで書ききれなかった情報はサブタイトルにまとめましょう。サブタイトルもタイトルと同じく、数字を使い具体的に、簡潔に内容を伝えるようにしましょう。
リード(導入文)
リードはサブタイトルの下にある概要をまとめたパーツです。メディアが、採用する価値があるかを判断する部分なので5W1Hのうちのいつ(When)、誰が(Who)、何をする(What)を明確に記載しましょう。リードに全ての内容を盛り込む必要はなく、補足的な内容は本文にまとめて記載します。
キービジュアル
プレスリリースを行う商品・サービスなどの写真を添付します。印象に残る画像を1~2枚ほど用意しましょう。メディアはこのキービジュアルを記事のアウトプットとして使うことをイメージするため、見やすく一目で内容が伝わる写真を選びます。
本文
本文には商品・サービスのアピールをするだけではなく、社会的意義や発表に至った背景なども盛り込みます。リードの内容以上に5W1Hを活用して記載します。本文は伝えたいことを全て記載したくなるかもしれません。しかし「新しい情報であること」「事実であること」「社会的な意義があること」というニュースの3条件を満たすものであるかを判断基準に、簡潔に伝わる内容にまとめましょう。
連絡先
メディアから問い合わせが来た際に応対できる連絡先を記載します。なるべくすぐに対応できるよう、会社の内線以外に担当者の携帯電話・スマートフォンの番号も記載しておくといいでしょう。
受け取り手にとって有益な情報を盛り込んだ内容を意識しよう
プレスリリースは、自社が発表したい情報を世に知らせるための手段です。だからと言って、商品のアピールポイントだけを盛り込んだプレスリリースで良いというわけではありません。
発表した商品やサービス、会社としての取り組みは、どのような問題を解決できるのか社会にどのような影響を与えるのかを明記しましょう。つまり、受け取り手に対して有益な情報が入っているかどうかが重要だということです。
プレスリリースを通じて価値提供ができれば、結果的に情報の拡散、商品の認知拡大、企業ブランディングの強化に繋がる可能性があります。