採用広報のKPIとは?設定のポイントや重要性を解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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KPI(重要業績評価指標)とは、目標を達成するためのプロセスを数値化し、業務のパフォーマンスを計測するための指標のことです。採用広報の目標達成においても、KPIは施策の進捗管理や課題の抽出を行ううえで重要な意味を持ちます。

採用広報のKPIとは?設定のポイントや重要性を解説

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この記事では、採用広報のKPIの立て方や、設定・運用のポイントを解説します。採用広報におけるKPI設定の重要性は認識しているものの、具体的にどのような項目を設定すれば良いのかわからないという人事担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

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採用広報におけるKPIの立て方

採用広報の適切なアプローチ方法は、どのような人材を採用したいかというターゲットや最終目標によって異なります。そのため、採用広報のKPI(重要業績評価指標)の設定は、企業によって変わるのがポイントです。ここでは、KPIの立て方や目標の管理方法について解説します。
 

採用広報のKPIはステップごとに設定する

採用広報のKPIはステップごとに設定

採用広報を行う際は、ターゲットとなる求職者の採用プロセスを把握し、各ステップに合わせてKPIを設定することが重要です。ターゲットは、次のステップを通して応募?採用へと進んでいきます。

認知→興味→検討→応募→採用

各プロセスの目標を設定したうえで成果を測定することで、どのプロセスに課題があるのかが明確になります。
 

ターゲットのステップに応じたKPI

ここでは、ターゲットのステップに応じたKPIの例を具体的に見ていきましょう。
 

認知

採用プロセスの最初のステップは、ターゲットに「認知」してもらうための活動をすることです。認知段階では、自社サイトや採用動画を使った広報活動を行いましょう。次のように、自社サイトの流入数や採用動画の再生数をKPIとして設定します。

  • 自社サイトの流入数
  • 採用動画の再生数
  • コンテンツの配信数・閲覧数・滞在時間
  • SNS投稿のリーチ数

認知のステップは、採用プロセスの入り口です。そのため、ターゲットがどのようにして求職活動を始めるのか、どのように採用活動をしている企業を見つけるのかを理解し、ターゲットの行動に合った戦略を立てることが重要なポイントになります。

ターゲットの求職活動についてリサーチをして、魅力的なコンテンツを発信しましょう。
 

興味

採用プロセスの2つ目のステップは、ターゲットに「興味」を持ってもらうことです。興味段階では、継続的に見てもらえるようなコンテンツを活用しましょう。KPIとして適切なのは、コンテンツのインプレッションやSNSのフォロー数です。

  • コンテンツのインプレッション
  • SNSのフォロワー数・エンゲージメント率
  • 自社メディアの閲覧数
  • 外部メディアの掲載数
  • 採用動画の視聴回数

興味のステップでは、就職後のポジティブな未来を想像させるようなコンテンツを発信しましょう。就職することによってターゲットが得られるベネフィットを伝えたり、先輩社員のインタビューを発信したりして、業務のやりがいを伝えられると効果的でしょう。
 

検討

採用プロセスの3つ目のステップは、ターゲットに「検討」してもらうことです。他社との差異化をするために、自社の独自性や採用後のベネフィットなどを伝えるコンテンツを活用しましょう。次のように、コンテンツの再生数や自社求人サイトの訪問者数などをKPIに設定します。

  • 求人サイトの閲覧数・滞在時間・ユニークユーザー
  • 自社サイト内の求人ページの閲覧数・滞在時間
  • コンテンツの再生回数

検討段階では、その企業への就職によってターゲットの目標が達成できるのか、どのような活躍が可能なのかなど、就職後の具体的な仕事内容を伝えましょう。具体的には、先輩社員の活躍事例や社員の成長ストーリーをコンテンツにするなどの方法があります。
 

応募

採用プロセスの4つ目のステップは、ターゲットに「応募」してもらうことです。SNSや採用動画などで応募へ誘導するCTAを設置しましょう。応募段階でのKPI設定の指標としてわかりやすいのは「応募者数」ですが、その後の採用広報や発信内容を改善するために、その他の指標も設定しておくと良いでしょう。

  • 応募数
  • 選考への参加率
  • 書類選考率
  • 選考通過率・辞退率

応募段階では、面接までに見ておいてほしい動画やテキストをメールで配信したり、記事を掲載しているメディアを案内したりすると効果的です。応募から面接までの間に応募者をサポートし、熱意を高めるコンテンツを発信することで、企業へのイメージや信頼を高めることができます。
 

採用

採用プロセスの4つ目のステップは、ターゲットを「採用」することです。この段階では、採用後の辞退を防ぐため、個人へ向けたフォローをするメッセージやターゲットを絞った内容の動画などを活用しましょう。KPIの例としては、次のようなものがあげられます。

  • 内定承諾率・辞退率
  • 入社率
  • 定着率
  • 早期離職率

採用段階では、内定者が自社に興味を持ち続けてくれるようなコンテンツの発信が効果的です。内定者へ向けた研修の実施や、質疑応答などを通じて入社後の不安を解消する機会を設けることも、内定者の離脱を防ぐうえで効果的です。
 

採用広報のKPIを設定する際のポイント

効果的な採用広報戦略を実施するためには、KPIの設定方法を知っておく必要があります。ここでは、KPIを設定する際のポイントについて解説します。
 

KGIを明確にする

KGI(重要目標達成指標)とは、プロジェクトの最終的なゴールのことです。KGIを達成するための中間指標がKPIであることから、KGIを先に設定したうえでKPIを考えていくことが重要です。最終目標であるKGIとKPIを連動させることで、効率的に目標を達成することが可能になります。

採用広報におけるKGI設定で意識したいのは、採用人数と人材の質の2点です。目的や自社の状況に応じて、優先順位を決めましょう。

また、KGIの設定によって、社内全体で採用広報が達成したい目標を共有できるのもメリットです。他部署から採用広報業務について理解してもらうことができ、協力を得やすくなります。
 

SMARTの法則に基づいて考える

採用広報のKPIを設定する際には、SMARTの法則を意識しましょう。

  • 具体的で明解であること(Specific)
    採用広報のKPIを設定する際は、「営業部門の社員を3人採用する」など、何を達成したいのか、どのような結果を得たいのかを具体的かつ明確にする必要があります。
  • 数値として表せること(Measurable)
    KPIは、測定可能なものを設定しましょう。応募者数や採用人数などの数値の指標を設定することで、進捗状況や成果を正確に把握することができます。
  • 達成が可能であること(Achievable)
    現実的で達成可能なKPIを設定することもポイントです。現場の受け入れ態勢や採用広報にあてることができるリソースなどを考慮し、目標を達成するための具体的な手段やステップを検討します。
  • 関連性があること(Relevant)
    KPIは、採用広報の戦略や組織の目標と関連性を持たせる必要があります。組織の目標に合わせて採用活動を行うことで、将来的に必要となるスキルや実績を持った人材の採用につながり、事業計画の達成に貢献できます。
  • 期限が明確に定められること(Time-bound)
    KPIを設定する際は明確な期限を設定することが重要です。各採用ステップで目標達成の期限を設けることで、最終目標までのスケジュールを立てやすくなります。不測の事態によってスケジュールが遅延した場合に備えて、余裕を持って計画を立てることが重要です。
     

採用広報でKPI設定が重要な理由

ここでは、採用広報でKPIの設定が重要な理由について解説します。
 

採用広報の進捗を定量的に管理できる

採用広報のKPIを設定することで、目標と現状の進捗を可視化して定量的に管理ができるようになります。KPIを設定して進捗と照らし合わせることで、次のように大幅な進捗の後れや施策の失敗を防ぐ効果が期待できるでしょう。

  • 採用に関するコンテンツの目標月間配信数が不足
  • SNSのフォロワー数目標が未達
  • 広報メディアからの応募を◯月までに〇〇件という目標が未達

また、明確なKPIを設定することでチーム内での情報共有がしやすく、各担当がやるべきことが明確になり、目標がブレる心配がなくなります。
 

課題の発見・改善に役立つ

採用広報におけるKPIの設定をすることで、客観的な数値に基づいて分析が行えるようになります。課題を発見しやすくなり、改善点も具体的に見えてくるでしょう。

また、ゴールから逆算した改善プロセスがはっきりするため、やるべきことを明確化でき、場当たり的な施策から脱却できるのもメリットです。KPIを設定することで発見できる課題や改善案の例は、次のとおりです。

  • 採用サイトからの流入数はKPI通りに伸びているが、応募者の増加数が比例していない
    ⇒離脱ポイントを明確にしたうえで採用サイトのコンテンツや導線を改善する
  • SNSのフォロワー数はKPI通りに伸びているが、応募者が増加しない
    ⇒フォロワーが採用のターゲットに沿っているかを見直し、発信内容を改善する
  • 応募者はKPI通りに増加したが、途中辞退が多く採用人数の伸びが遅れている
    ⇒採用広報の発信内容が自社の実態と異なっていないか見直す 選考中の連絡対応が適切か見直す
     

採用活動への貢献度を適切に評価できる

KPIを適切に設定することで採用活動の成果を可視化でき、経営層が採用広報の貢献度を正しく評価できます。担当者も目標の粒度が細かくなり、目の前の何に力を入れれば良いかがはっきりとするため、モチベーションを高めやすいといったメリットもあります。

また、他部署からも理解を得やすくなるため、採用広報に協力してもらえるようになるでしょう。
 

採用広報のKPI運用は課題抽出・改善が前提

採用広報のKPIを設定しても、目標に関する進捗や成果を振り返らなければ意味がなくなってしまいます。採用広報の進捗を定点的に評価し、課題を抽出・改善するため、次のようにPDCAを回しましょう。

  • Plan(計画)
    目標・目的を設定し、実行計画を立案します。その際に、なぜ目標を設定するのか、なぜ計画が必要なのか仮説を立てて計画することが大切です。
  • Do(実行)
    Planで設定した、目標・目的を達成するための計画を実行します。
  • Check(測定・評価)
    Doで実行した内容の確認を行います。計画通りに進んでいない場合は、なぜ計画通りに進まなかったのかを入念に検証しましょう。
  • Action(対策・改善)
    Checkで検証した結果について、今後どのように対策・改善を行うと良いのか検討しましょう。

KPIの設定とPDCAはセットで考え、リアルタイムに数値を管理するとより効果的です。設定した目標に対する振り返りやネクストアクションの策定を徹底することで、KPIを達成しやすくなります。
 

採用広報の戦略にKPIの目標管理を取り入れよう

採用広報の活動をより効果的なものにしていくために、KPIの設定は欠かせません。まずはKGIを設定し、それに紐づいたKPIをステップごとに設定します。

成果が見えてきたらPDCAを回していくことで、最終目標へと効率的に近付けます。採用広報に対して、KPIによる目標管理を取り入れ、採用活動をブラッシュアップしていきましょう。

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トピック: 採用管理

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