オンラインセミナーを実施する企業が増えています。場所を問わず、数名〜数百名まで様々な規模のセミナーを低コストで実施できるという大きなメリットに注目が集まっています。ただ、十分活用できている企業は、まだそれほど多くはないのではないでしょうか。
本記事ではオンラインセミナーの実施にまだ慣れていない方、もしくはこれから始めようとしている方に向けて、利用するメリット、オンラインセミナー開催の具体的な手順を解説します。
Zoomの使い方ガイド
Web会議ツールの基礎とウェビナーの実施方法を徹底解説!
- Zoomのダウンロードとインストール方法
- Zoomを使ったオンライン会議の方法
- オンライン社内研修の実践方法
- ウェビナーの開催方法
今すぐダウンロードする
全てのフィールドが必須です。
オンラインセミナーとは?
オンラインセミナーとは、「インターネットを通じてWeb会議ツールを用いて開催されるセミナー」のことです。Web上で開かれることから、ウェブセミナーやウェビナーとも言われています。
通信環境の改善やWeb会議ツールの普及、働き方の多様化など様々な要因が重なり、近年はでパソコンやスマートフォンのカメラ・マイクで遠くにいる方でもスムーズにコミュニケーションできるようになってきました。
その環境の中であれば、Web会議だけでなく、オンラインセミナーに踏み出す企業が増えています。場所に縛られず、全国単位で集客できるオンラインセミナーは、今や多くの企業にとってメリットをもたらしてくれる存在となりつつあります。
オンラインセミナーの仕組み
一言でオンラインセミナーといってもいくつか種類があります。代表的な切り口として、リアルタイム配信型と録画配信型、さらには一方向型と双方向型があります。
それぞれの概要や特徴を見ていきましょう。
リアルタイム配信と録画配信
リアルタイム配信とは、配信時間をあらかじめ決めておき、リアルタイムでオンラインセミナーを開催する形式を指します。セミナーの臨場感を演出できる上に、開催者は参加者の反応を瞬時に把握し応えることもできます。
ただ、セミナーの開催者にトラブルがあれば、参加者に伝わってしまう恐れがあります。。
一方録画配信とは、収録しておいたセミナー映像を設定した時間に配信する方法です。収録なので、時間をかけてセミナーを作り上げ、何度でも撮り直せることが利点です。また何度でも配信でき、配信期間の融通も利きやすいため、参加者にセミナーを届けやすいという特徴もあります。
一方で参加者と開催者との間で、質問などのリアルタイムなコミュニケーションはできず、参加者の思いにすぐに応えられない恐れがあるでしょう。
一方向型と双方向型
一方向型とは、オンラインセミナーの開催者が一方通行的にセミナーを進行する方法です。とはいえ、チャットツールを使って参加者からの質問や意見にリアルタイムで応える仕組みもあります。この一方向型では、参加者からの反応に応えないので予定通りにセミナーを進行しやすく参加者の集中力も維持しやすいでしょう。
双方向型とは、参加者の反応を見て質問や意見に応えながら進行するセミナーのことです。参加者にとっては参加意識が湧きやすく、エンゲージメントを高められる可能性が高くなります。
当社HubSpotで開催しているオンラインセミナーも、リアルタイム配信と録画、一方向と双方向全てを組み合わせたオンラインセミナーの形式を採用しています。まずはリアルタイムでオンラインセミナーを実施し、あらかじめプレゼン内容を準備しつつ、投票機能やチャットからの質問を通じて参加者の意見や質問にお答えします。
セミナー終了後は、応募していたけど参加できなかった方に対して録画データをお送りしています。このように、目的やシーンに応じて使い分けるのが良いでしょう。
オンラインセミナー開催者のメリット・デメリット
オンラインセミナーを活用する開催者のメリットには、次のようなもがあります。
- 遠方の顧客でも集客可能
- オフラインに比べてコストを抑えられる
- 録画して二次利用が可能
オンラインセミナーはインターネットを通じて開催されるので、物理的な距離による制約がありません。たとえばセミナーが東京で開催されていても、地方や海外に住んでいる人にも参加してもらえます。
また、会場準備などの手間とコストがかからないのも魅力です。。会場に配備するスタッフや筆記用具などのコストも不要です。すでにWeb会議ツールを導入しているのであれば、追加コストが必要ないのです。
さらに、一度録画しておけば、既存顧客に配布したり、ダウンロード用の資料に盛り込むなど様々な方面で二次利用できます。
一方でオンラインセミナーのは次のようなデメリットもあります。
- 通信や機器のトラブルリスク
- 双方向コミュニケーションが困難
- エンゲージメントを高めるのに工夫が必要
オンラインセミナーでは、通信や機器の不具合や操作ミスでトラブルが起きることがあります。
また双方向では開催者と参加者が、会場という同じ空間を共有しているわけではないので、双方向のコミュニケーションを重視した場合、齟齬が生じることがあるでしょう。
さらにオンラインセミナーでは、参加者がパソコンやスマートフォンの画面越しで参加しているため、オフラインよりも臨場感や当事者意識を感じにくくなります。そのため、セミナーに集中して取り組んでもらうためには、オフラインにはない工夫が必要となります。
オンラインセミナー参加者にとってのメリット・デメリットは?
では、参加者側から見たメリット・デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。まずはメリットを確認していきましょう。
- 気軽に参加できる
- 会場までの物理的な移動が不要
- ながら参加が可能
オンラインセミナーでは、わざわざ外出する必要はなく、他の参加者とコミュニケーションをとる必要もありません。オフラインセミナーに比べて移動のコストや手間を省け気軽に参加できるでしょう。
ただし、オンラインセミナーの参加者にもデメリットはあります。
- 最低限の機材やネット環境が必要
- ツールへのログイン・登録が必要
- 通信や機器のトラブル等で参加できなくなる可能性がある
オンラインセミナーが利用できるスマートフォンやパソコン、またWi-Fiなどの通信環境が必要です。環境を整えるには、ある程度のコストや手間もかかります。
活用するツールによっては、氏名や生年月日などの個人情報を登録しなければなりません。手間な上に、情報を登録することに抵抗を感じる人もいるでしょう。
またオンラインセミナーでは、自宅の機器の不具合で受講できなくなることもあれば、開催者側にトラブルが起こることもあります。
オンラインセミナーの活用シーン
オンラインセミナーは、主に次のような場面で活用できます。
- 製品説明会
- 企業説明会・採用説明会
- セミナー・講義・講演会等
- eラーニング
製品説明会
自社の商品やサービスを社外の人や顧客に説明する際に活用できます。
遠方にいて直接説明できないときや、なるべく早く伝えたいときに利用できるでしょう。移動や会場のセッティングのコストを省けるメリットもあります。
採用向けの企業説明会
オフラインが主流だった採用説明会でも活用できます。として次のような場面で活用できます。
- 新卒採用転職希望者向けの企業説明会
- アルバイトの募集
採用活動では、全国にいる優秀な人材を対象にできるでしょう。また重要な取引先や株主への事業や会社の展望を伝えられます。
またチャットツールなどを使って、リアルタイムでの質疑応答もできます。
社内向けのセミナー・講義・講演会
社外向けだけではなく、社内向けにセミナーや講義、講演会を開催することもできます。動画を使った勉強会なら、社員向けに一斉配信できるだけでなく、何度でも視聴できる環境を提供できます。
eラーニング
eラーニングとして英語や経営など、社員に培ってほしい資格やスキルを学んでもらうこともできます。
他にもeラーニングの動画を作成して社外に売り込むのもいいでしょう。
オンラインセミナーの開催手順
オンラインセミナーの手順は、次のようになっています。
- 開催目的の明確化
- 実施内容・日時の企画
- 開催告知と集客開始
- 当日の資料作成
- 参加者へのリマインドメール送付
- 前日の機材&通信チェック
- オンラインセミナー開催
- 終了後のフォローアップ
1.開催目的の明確化
まずは、オンラインセミナーを開催する目的を明確にしましょう。目的がはっきりしないとセミナーの内容やゴールがブレてしまい、参加者が集まりにくい、効果検証ができないなど様々な弊害が起こります。シンプルに、誰に対して、何を伝えたいのかを決めておきましょう。
開催目的としては、たとえば次のようなものがあります。
- 新規顧客開拓(アプローチするための最初の接点を作る)
- ブランディング向上
- 自社の理念を伝えるための啓蒙活動
- 向上
重要なのは、「リードを取りたい」「売上向上に繋げたい」など、企業本位のゴールを主眼に置かないことです。もちろん最終的には自社の利益に繋げて行くべきですが、まず考えるべきは、相手に対してどのような価値を提供するべきなのか、という点です。
相手に価値を提供した上で、自社にもメリットが生まれる、そのような流れを生み出せるよう考えてみましょう。
2.実施内容・日時の企画
目的が決まれば、実施内容と開催日時を決めます。ターゲットのニーズに合わせた内容にすることと、ターゲットが集まりやすい時間帯・曜日を意識して決めましょう。
3.開催告知と集客開始
もちろん、企画するだけでは人を集められないので、開催することを告知して集客しなければなりません。告知と集客に使えるのが、たとえば次のようなものになります。
- リスティング広告
- セミナー専用のランディングページ
- Webサイトへの掲載
- SNS(Facebook、Twitter、Instagram、YouTubeなど)
あらかじめ申し込みフローを作成するなど、申し込みを仕組み化するとトラブルが減ります。
4.当日の資料作成
オンラインセミナーでは、資料は紙ではなく、データで提供します。容量が大きいとダウンロードに時間がかかるため、小さくしておくのがおすすめです。
またセミナー講師の資料やスタッフ間で必要な資料もあるので、あらかじめ共有するプラットフォームを用意しておくと運営がスムーズです。
5.参加者へのリマインドメール送付
申し込みのあった参加者にリマインドメールを送付することで、参加者の失念や急な予定変更による欠席をある程度防げます。
メールは、セミナー情報を記載したものを準備しておきましょう。
6.前日の機材&通信チェック
当日の機材や通信環境によるトラブルがないように、実際にリハーサルして不具合がないか確かめておきましょう。
7.オンラインセミナー開催
当日も機材や通信環境に問題がないかをチェックして、セミナーを開催しましょう。セミナーを通して、参加者との接点を持っておくのもおすすめです。
8.終了後のフォローアップ
セミナー後は、参加者と継続的な接点を維持するために、フォローアップメールやその他のアプローチをすることをおすすめします。
オンラインセミナーで使えるツール7選
それでは、実際にオンラインセミナーを開催する際に利用できるツールを7つに厳選してご紹介します。ツールごとに特徴やできること、できないことがあるため、事前にどういうセミナーを開きたいたいかによって、使用するツールを選択するとよいでしょう。
ツール名 | 最大接続数 | 利用時間制限 | 無料版 | 有料プラン | 機能網羅性 | サポート体制 |
---|---|---|---|---|---|---|
Zoom Webinar | ホスト100人、ゲスト5万人 | なし | なし | 参加人数によってプランが変わる | ◎ | ◎ |
V-CUBE セミナー | 2,000人 | なし | なし | 初期費用¥60,000(税抜き)~ 月額費用¥46,000(税抜き)~ |
〇 | ◎ |
Cisco Webex Events | 200人 | あり | あり | ¥1,490/月/ホスト~ ¥2,980/月/ホスト |
◎ | 〇 |
ネクプロ | ー | ー | なし | ¥5,000/月/ホスト~ | 〇 | ◎ |
コクリポ | 3~300人 | あり | あり | ¥30,000(税抜)/月~ | 〇 | 〇 |
LiveOn | なし | なし | あり | 初期費用¥7,800(税抜) ¥3,000(税抜)/月 |
△ | 〇 |
Adobe Connect | 3~1,500人 | なし | あり | $50/月/ホスト~ | ◎ | ◎ |
オンラインセミナーを失敗させないためには?
オンラインセミナーを失敗させないためには、次の3つのポイントを意識してください。
- 必ず事前準備・リハーサルをする
- 質疑応答などの変動要因を加味する
- オンラインセミナー特有の盛り上げ方を心得る
オンラインセミナーの特有の盛り上げ方をするには、運営者側の独自の工夫が必要です。とはいえ難しく考えすぎる必要はなく、オンラインセミナーだからこそ使える投票機能やチャット機能を活用して、参加者と開催者との双方向なコミュニケーションを作りましょう。
チャット機能の良いコメントにすぐ反応したり、クイズ形式で質問して投票機能で答えてもらったりなど、たくさんの工夫ができるはずです。
そうすれば、参加者の満足度やエンゲージメントは自然と向上するでしょう。
まずは小規模なオンラインセミナーからスタートしてみよう
オンラインセミナーは、運営サイドにとってはコスト面やコンテンツの二次利用ができ、また参加者にとっても参加のハードルが低まってより気軽に出席できるなど、様々なメリットがあります。
今回の記事で、メリットや開催までの大枠の流れは把握できたかと思います。まずは小規模なオンラインセミナーから始めて、慣れるにしたがって規模を大きくしていくと良いでしょう。もし自社での企画・運営が難しいと感じた場合は、Webセミナーの開催経験が豊富な会社にアウトソーシングするのも手です。オンラインセミナーの開催方法やアフターフォローなど、より詳しく知りたい方は以下の資料をご覧ください。