ノーコードツールを活用すれば、特別な知識や技術がなくても簡単にWebサイトを構築できます。しかし、メリットばかりではなく、デメリットもあるので、両方を理解した上で目的に応じた最適な選択をする必要があります。
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本記事では、ノーコードツールの概要やメリット・デメリットを解説するとともに、使いやすい5つのおすすめツールもご紹介しますので、これをヒントに自社に最適なツールを探してみてください。
Webサイトを簡単に構築できるノーコードツールとは
ノーコードツールの概要と、そのメリットとデメリットについて解説します。
ノーコードツールとは
ノーコードツールは、プログラミングやコーディングの経験がない初心者でも、マウスによるドラッグ&ドロップといった直感的な操作でWebサイトやアプリを構築できるツールです。
これまでのWebサイト制作においては、サイトの構造を生成するためのHTMLや、文字色やレイアウトなどのデザインを指定するCSSといった開発言語に関する一定の知識が必要でした。
しかし、専門スキルを持つ人材の確保にはコストや時間がかかります。ノーコードツールは、このような課題を解決する手段の一つとして期待されています。
以下のページでHTMLとCSSの基礎や仕組みを解説しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。
ノーコードツールのメリット
ノーコードツールを導入する主なメリットは、次の3つです。
- Webサイト制作の経験がなくても簡単に構築できる
- 訪問者にとって使いやすいWebサイトが作れる
- 制作時間が短縮し、コスト削減にもつながる
Webサイト制作の経験がなくても簡単に構築できる
最大のメリットは、専門知識を持たない初心者でもWebサイトを簡単に構築できることです。ノーコードツールでは、マウスによるドラッグ&ドロップといった直感的な操作やテキストを入力したりするだけで、Webサイトを作ることができます。そのため専任のエンジニアを雇用したり、外部の協力会社に依頼したりする必要はなくなります。
訪問者にとって使いやすいWebサイトが作れる
多くのノーコードツールでは、Webサイトの訪問者にとってわかりやすいデザインがテンプレートとして用意されています。ボタンの配置や色の使い方などはあらかじめ最適な設計がなされており、モバイル端末での表示も自動的に調整されます。これらの機能により、自社のサイト訪問者にとって使いやすく、満足できる体験を提供できるでしょう。
制作時間が短縮し、コスト削減にもつながる
従来のWebサイト制作では、デザインを考え、開発言語でソースコードを書き、動作をテストするなど、多くの工程が必要でした。ノーコードツールでは、あらかじめ用意されたテンプレートからデザインを選び、そこにコンテンツを反映していくだけで、Webサイトを作成できます。これにより、制作時間の短縮はもちろんのこと、コストも大幅に削減可能です。
ノーコードツールのデメリット
ノーコードツールの主なデメリットとして挙げられるのは、次の3つです。
- 機能のカスタマイズに制限がある
- テンプレートを使用するとオリジナリティに欠けることがある
- サイトの規模によっては対応しきれないことがある
機能のカスタマイズに制限がある
担当者が自ら開発言語でコーディングをすることなく、あらかじめ用意されたパーツやテンプレートを活用してWebサイトを作るのがノーコードツールです。そのため、デザインや機能のカスタマイズは無限ではなく、ツールによって制限があります。
たとえば、ツールに最初から備わっている基本的な機能だけではWebサイトの要件を満たせない場合、「プラグイン」と呼ばれる追加のプログラムを使ったり、外部のサービスと連携したりする必要があります。
しかし、ツールによっては使えるプラグインや外部サービスとの連携に制限が生じます。
テンプレートを使用するとオリジナリティに欠けることがある
使用するテンプレートによっては、出来上がったサイトのデザインが他社のサイトと似てしまうことがあります。これは、ノーコードツールに用意されているデザインテンプレートの種類が限られているためです。
その結果、Webサイトを見たユーザーは「どこかで見たことがあるデザインだな」と感じてしまい、その会社の特徴や良さが伝わりにくくなる可能性があります。独自性のあるメッセージや画像、動画などの起用を検討し、ユーザーの印象に残るよう工夫することが大切です。
サイトの規模によっては対応しきれないことがある
ノーコードツールでは、必要な機能やセキュリティ要件を満たせない場合があります。たとえば、オンラインショップの運営においては、商品の在庫管理などデータベースとの連携が必須になります。また会員制のWebサイトでは、ユーザー登録やログイン認証のシステムも構築しなければなりません。ノーコードツールの中にはこれらの機能に対応していないものもあるため、作成予定のWebサイトの要件定義を明確にしたうえでツールを選定しましょう。
ノーコードツールの選定ポイント
ノーコードツールを選定する際は、以下のポイントに留意する必要があります。
- 社内の担当者が簡単に使える
- 利用目的に応じた機能がある
- デザインテンプレートが豊富にある
社内の担当者が簡単に使える
ノーコードツールを導入するのであれば、社内でWebサイト構築から更新作業までを完結させられるかどうかが重要です。無料トライアルが可能なツールもあるので、社内の担当者数人で実際の操作感を確認しましょう。
利用目的に応じた機能がある
ノーコードツールの中には、コーポレートサイトやECサイトなど、様々な種類のWebサイトに対応できる機能を実装しているものがあります。自社の目的に必要な機能が充実しているツールを選ぶことで、最終的なゴールに短期間で到達することができるはずです。
デザインテンプレートが豊富にある
ノーコードツールを選ぶ際は、前述のサイトの目的に応じたデザインテンプレートが豊富に用意されているかも重要なポイントとなります。テンプレートの種類や数は、ツールごとに差があります。ツール選びで迷ったら、実際に作られたサイトの事例を見てみるのも一つの方法です。自社のイメージに合ったデザインの多いツールを選ぶことで、理想のWebサイトに近づきやすいでしょう。
代表的なノーコードツール5選
ここからは、自社の目的に最適なWebサイト構築が可能な5つのおすすめツールをご紹介します。
HubSpot Content Hub
HubSpotが提供する「Content Hub」には数百種類のデザインテンプレートが用意されており、選択したテンプレートは用途に応じてカスタマイズすることも可能です。
また、ブログ記事の制作を支援するAI機能が備わっています。記事のテーマやアイデアを入力すると、AIが記事タイトルや本文の執筆、画像生成まで実行します。担当者はこのアウトプットに手を加えてブラッシュアップすることで、ブログ記事制作の効率化と品質向上を実現できます。
Content Hubは、HubSpotのCRMが自動連携されるのも特徴の1つです。Webサイト上でフォーム送信や資料ダウンロードなど何かしらのコンバージョンを経たユーザーの情報は自動的にCRMに登録され、いつ、どのページを閲覧したのか、どの資料をダウンロードして、サポート窓口にどのような問い合わせをしたのかなど行動履歴を時系列で確認できます。CRMの情報をもとに、訪問したユーザーによってコンテンツを出し分けできるパーソナライズ機能も実装しています。無料で利用できる機能が多く、有償版のトライアルも可能です。
Wix
「Wix」は、900種類以上のデザインテンプレートが用意された自由度の高いノーコードツールです。ネットショップやネット予約システムなどのWebサイトに必要な多くの機能が実装されています。
ペライチ
「ペライチ」は、1ページ完結型のWebサイトを無料で簡単に制作できるサービスです。商品販売に特化したサイト制作が得意で、オンライン決済、予約システム、メルマガなど、ビジネスに必要な機能をオールインワンで提供しています。
パソコンだけでなく、外出先や移動時の空き時間を活用して、スマホからでも気軽にサイトを更新できる点も特徴です。コストや手間がかからないノーコードツールとして、個人事業主の方などの間でも利用が拡大しています。
Jimdo
「Jimdo」は、マウス操作だけでデザイン性の高いWebサイトが作れるノーコードツールです。
Jimdoでは、2種類のWebサイトの作り方が用意されています。
「ジンドゥー AI ビルダー」は、すぐにWebサイトを作成したい人向けのサービスです。プログラミングやデザインの専門知識は一切不要で、AIナビのガイドに従って操作すれば、自動的にWebサイトが完成します。
また「ジンドゥークリエイター」はカスタマイズ性に優れており、HTMLやCSSといった開発言語を使って細かいカスタマイズができるので、自分好みのWebサイトを作成したい方におすすめです。
STUDIO
「STUDIO」は、デザインテンプレートの書体やアニメーションの細部まで編集できることが特徴のノーコードツールです。Webサイト内のテキストやコンテンツの配置をピクセル単位で調整できるため、デザインをこだわりたい方におすすめです。
また、デザイナーが制作したテンプレートを購入することも可能です。サイトの利用用途や業界・業種に最適なデザインテンプレートを選べる点も、特徴のひとつといえるでしょう。
自社の目的に最適なノーコードツールを選ぼう
ノーコードツールを選ぶ際は、まずは作成したいWebサイトの目的を明確にすることと、自社での運用のしやすさの確認を重視しましょう。
そのうえで、Webサイトを利用するユーザーに対してより良い体験を提供できる設計になっているかも確認するべきポイントです。
自社のユーザーにとってわかりやすいUI/UXが実現できるツールでなければ、どれだけ流入があっても直帰率や離脱率が高まり、Webサイトに設定した目的の達成も困難になるでしょう。
自社にとっての使いやすさと、ユーザーにとっての使いやすさの双方を兼ね備えたツールを導入できるよう、記事内で紹介したポイントを参考に選定してみてください。