変則的なカスタマージャーニーに対応するには?

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亀山 將(かめやま まさし)
亀山 將(かめやま まさし)

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 私たちはマーケターとしてセールスファネルという概念を持っています。この概念は、直線的な時間の構造にぴったりなだけでなく、人間の思考にも適しています。

変則的なバイヤーズジャーニーへの対応策

カスタマージャーニーを駆使し、顧客体験を最適化することが成功の鍵

本ガイドではカスタマージャーニーマップ作成の基礎から、作成後の運用まで紹介しています。
初心者でも使いやすいテンプレを7種類用意。自社の目的に合ったカスタマージャーニーマップを構築しましょう。

机上の空論に終わらないカスタマージャーニーマップを作成し、顧客に焦点を当てた、成果につながる施策を展開しましょう。

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私たちの脳は、始めがあり、途中があり、終わりがある物事を容易に処理できるようになっています。そのため、この始め→途中→終わりという考え方をセールスファネルにも当てはめ、トップファネル→ミドルファネル→ボトムファネルという正しい順番でコンテンツが消費され成約につながる完璧なシナリオを思い描いているわけです。

しかし、現実のカスタマージャーニーは完璧なシナリオりに進むとは限りません。そこで今回は、見込み客が変則的な動きや不思議な行動をした場合にどのように対処すれば良いか、5つのストーリーをミステリーゾーン(米国で1950年代に流行したSFドラマ)調で説明させていただきたいと思います。

【7種のテンプレ付き】カスタマージャーニーを実務に活かすための入門ガイド

業務ですぐに使える実用的な7種類のカスタマージャーニーマップ・テンプレート付き入門ガイド

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  • 7種類のカスタマージャーニーマップ・テンプレート
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    第1話:時間の作用

    月曜日、あなたはある見込み客に気付きます。その見込み客はトップファネルのオファーの1つとして提供されていたすべてのコンテンツをダウンロードしました。そして同じ週にデモをリクエストしてきました。そこであなたのチームが素晴らしいデモを行いました。企画書を出してほしいと言われ、週の終わりに提出しました。その後…ぱったりと連絡が途絶えてしまいました。

    そこでこちらから連絡してみると、見込み客は最初の頃ほど関心がなくなってしまっていました。先週話したときとはまるで別人のようです。何かに洗脳されてしまっているのではないかと思うほどでした。

    話を聞いてみると、プロジェクトの優先順位が下げられたとのこと。今後半年間はどのような決定も下すことはないそうです。では、このような場合、どうすれば良いのでしょう?

    • 再度連絡を取り、見込み客と話をする
    • コミュニケーション戦略を綿密に立てる
    • 定期的にリマインダーを送ってもよいか尋ねる
    • 見込み客の役に立ちそうなコンテンツや記事を提供する
    • LinkedInでつながる

    フォローアップの電話では、状況に変化がないか確認するようにしましょう。また意思決定プロセスの助けになるようなものを他に何か提供できないか尋ねてみましょう。あらゆる機会を逃さず、他のプロジェクトについても尋ね、自社がサポートできるプロジェクトがないか確認してください。

    第2話:皆どこへ消えた?

    その見込み客はまるで地上から消えてしまったかのようです。もちろん本当に消えてしまったわけではないでしょうが、電話にも出てくれませんし、メールをしても、自動不在通知が返ってくるわけでもありません。おそらくまだ会社にいるはずなのに、以前のようにこちらのメッセージに反応してくれないのです。では、どうすれば良いのでしょう?

    • アプローチを変える―例えばこれまで午後に連絡していたなら、午前中早めに連絡してみましょう。逆もまた然りです

    • 見込み客以外にもリーチする―自社がBtoBなのであれば、その企業で働いているのは見込み客だけではないはずです。同じ企業で該当案件に関わっている可能性がある別の人にもコンタクトし、現状を把握するようにしましょう。また自社のオファーに興味がある人が他にいないか確認しましょう

    • コミュニケーション手段を変える―見込み客との関係にもよりますが、ツイートやSMSメールを使うのも一案です。また場合によっては、フォローアップのために手書きで一筆書くのも良いでしょう

    • 悠然と構える―反応がなくても、ほとんどの場合、見込み客はあなたを無視するつもりはありません。ただ忙しくて優先度が低いだけなのです。必死だと思われかねないメッセージをしつこく送り続けて、せっかく構築した関係を壊さないようにしてください

    第3話:突然のリクエスト

    どこからともなく突然、製品/ソリューションのデモがリクエストされました。その見込み客がこれまで目に止まったことはなく、まるで別の惑星からたった今到着したばかりかのようです。見込み客は迅速に決定を下したいと考えており、他のオプションも評価している最中です。あなたは早急に行動しなければなりません。このような急なリクエストにはどのように対応すればよいのでしょう。

    • 落ち着いて対応する―見込み客はすでにリサーチを済ませており、しばらくの間あなたの会社を観察していた可能性もあります。今こそ自社の知識と能力を証明するときです。見込み客とよく話をし、成約の決め手となりそうな詳細を洗い出しましょう

    • 機会の規模を見定める―この潜在顧客にどの程度の時間とリソースを割くべきかを調べ決定します

    • 不思議な見込み客について理解する―早急にリサーチして見込み客のことを知りましょう。また競合している企業がどこなのかを把握してください。見込み客と十分に話し、ニーズやペインポイントを深く理解することが大切です

    • リーダーに報告する―機会の規模にもよっては、すぐにセールスリーダーに関与してもらい、成約につなげる必要があります

    第4話:訪問に適した場所

    その見込み客は、トップファネルのさまざまなオファーをダウンロードしています。ブログも購読してくれていますし、ソーシャルメディアでもフォローしてくれています。しかし、それ以上のエンゲージメントに進む様子がありません。ミドルファネルやボトムファネルのオファーには関心がないようです。

    自社のサービスにぴったりの見込み客のように見えるのですが、何らかの理由でトップファネルに留まっています。次に進ませるにはどうすれば良いのでしょう?

    • 相手が十分な関心を示しており、こちらも質の高い見込み客だと感じているのであれば、決まった担当者を割り当てましょう

    • チームの誰かが、個人メールや電話でコンタクトをしてみましょう。何かサポートが必要な場合、連絡先があるということを相手に知らせておくことが大切です

    • 先に進まない理由を探りましょう。見込み客のイニシアチブについて尋ね、特定のニーズがあるのか、それとも、冷やかし客なのかを見極めてください

    ここでのあなたの仕事は、見込み客の世界から顧客の世界へと導くことです。見込み客が、カスタマージャーニーの終点へと進む手助けになることを行ってください。

    第5話:マシンのその先に

    第4話と同じように、この見込み客もセールスファネルに入ってきました。ただ第4話とは異なり、様々なメールワークフローに反応しています。ミドルファネルのコンテンツもダウンロードしました。ただ、自動化されたマーケティングシステムの最終目的は、ただコンテンツをダウンロードしてもらうことではなく、見込み客にデモや対面のミーティング、無料診断に申し込ませることにあります。

    この見込み客にとって、こうした申し込みを行うのが次のステップとして順当なのですが、なかなかその行動を起こさず、自動化されたフローを辿るばかりです。このような場合には以下の2つのステップを実施すると良いでしょう。

    1. パーソナライズしたコンテンツを作成する―どれほどペルソナ主導でピンポイントにフォーカスした最高のコンテンツであっても、見込み客に直接語りかけることができない場合もあります。特定の業界、企業、役割をターゲットとしたカスタムケースを作成して、見込み客の心を掴みましょう。

    2. 一段上のエンゲージメントを行う―特別に作成したコンテンツを片手に対面のミーティングを設定し、情報をレビューして自社の素晴らしさを証明しましょう。

    コンピューター、電話、ソフトウェア、メールといったマーケティングマシンは、見込み客の注意を引くのに役立ちます。しかしより直接的なアプローチ、人間的なアプローチが必要な場合もあります。ミーティングを設定して、チームの誰かが見込み客とじっくり話をするようにしましょう。見込み客から顧客へのコンバージョンを、自動化されたマーケティングツールだけに頼りすぎてはいけません。

    結論

    これらのストーリーに共通するメッセージがあるとすれば、「“セールスの連続体”は日々起こっている」ということでしょう。完璧なペルソナを体現した買い手は存在しませんし、個々の見込み客とあなたのブランドのそれぞれ微妙に異なる関係性を完全に捉えたワークフローというのも存在しません。

    昔々、インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングと呼ばれるマーケティングが存在しました。しかしつまるところは、「人間マーケティング」が重要なのです。ここで取り上げた各ストーリーでも、マシンによるサービスと人間の力が組み合わされていました。

    コンテンツを書き、状況に反応し、電話で効果的に話し(そして聞き)、会議室に入れるセールスロボットが誕生するまでは、生身のセールス/マーケティングプロフェッショナルたちが必要なのです。思いもよらないような変則的なカスタマージャーニーが発生したときに、頼りになるのはこうした人間力だということです。

    HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

     

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