多くの読者にダウンロードされる魅力的なホワイトペーパーを作る上で、重要な要素となるのが「表紙」です。ホワイトペーパーの表紙デザインを効果的にデザインするには、どのような点を意識すればよいのでしょうか。
今回は、ホワイトペーパーの表紙が重要な理由や、効果的なデザインにするためのコツについてわかりやすく解説します。ホワイトペーパーの表紙に掲載すべき要素も挙げていますので、ぜひ制作を進める際の参考にしてください。
ホワイトペーパーの表紙デザインが重要な理由
はじめに、なぜホワイトペーパーの表紙デザインが重要とされているのか、その理由を確認しておきましょう。表紙の重要性を理解した上で、デザインを検討していくことが大切です。
理由1:ダウンロード数に影響する
ホワイトペーパーの表紙デザインは、ダウンロード数に少なからず影響を与えます。ターゲットユーザーがホワイトペーパーの存在を知った際、実際にダウンロードして内容を確認すべきか判断するのは、わずか3秒程度のできごとです。
このわずかな時間でホワイトペーパーの魅力を最大限に伝えるには、視覚に訴える魅力的な要素が欠かせません。ユーザーの背中を押す上で、表紙のデザインは重要な要素の1つといえます。
理由2:閲読率を左右する
ホワイトペーパーの表紙デザインは、閲読率(ダウンロードした資料の内容を実際に確認し、読んでもらえる割合)を左右する可能性があります。表紙デザインが洗練されていれば、資料の内容も洗練されたものだろうとユーザーは想像するでしょう。反対に、表紙デザインで期待を削がれれば、そもそも中身に目を通してもらえないかもしれません。
このように、表紙デザインを魅力的なものにすることで、読み始める際の期待値を高める効果が期待できます。
理由3:読者の満足度を最大化する
表紙デザインは、読者の満足度を最大化するためにも重要な要素といえます。表紙を見た読者は、ホワイトペーパーの内容に対して一定のイメージを抱くでしょう。たとえば、グラフをかたどった素材が表紙にちりばめられていれば、データが豊富に掲載されている資料だろうと予想するはずです。
このようにホワイトペーパーの表紙は、内容に対して読者が誤ったイメージや先入観を抱くことのないよう方向づける役割も果たしています。
効果的なデザインにするための5つのコツ
読者に資料の必要性を伝え、ダウンロードを促す表紙デザインにするには、どのような点を意識しておく必要があるのでしょうか。効果的なデザインにするための5つのコツを紹介します。
コツ1:タイトルに「何がわかる資料なのか」を明示する
表紙のタイトルは、ユーザーが必ず確認する重要な要素です。何の課題に対してどのような解決策を提示している資料であるのかが、ダイレクトに伝わってくるタイトルにする必要があります。
たとえば、「マーケティングのコツ3選」というタイトルよりも、「小売業が店舗運営で押さえておくべきマーケティングのコツ3選」のほうが、誰に何を伝えるためのホワイトペーパーなのかが明確に伝わります。抽象的なタイトルや誰に向けて作成された資料なのかが不明確なタイトルは避け、具体性をもたせることが重要です。
下図は当社HubSpotが制作したホワイトペーパーの一例です。資料のテーマを大まかに提示するのではなく、「AIの活用で営業を効率化 最新データから読み解く営業プロセスの変化」とタイトルに具体的な内容を示しています。また、テーマをイメージできる挿絵を入れることで、視覚的に伝わりやすい表紙になっていることも工夫したポイントです。
コツ2:ターゲットに適したビジュアルにする
表紙のビジュアルにこだわることも重要です。こだわるといっても、芸術性の高いデザインにするといった意味ではありません。ターゲットに適したビジュアルにすることで、表紙のイメージから自身がその資料の対象者であることを感じ取ってもらうことが大切です。
たとえば、管理職や会社役員がターゲットのホワイトペーパーであるにもかかわらず、表紙に若手社員と思われる人物の画像が掲載されていたとしたら、どのような印象を受けるでしょうか。
読者は「若手向けの資料らしい」「自分は対象者ではないようだ」と感じるはずです。このように、ターゲットとの親和性を考慮したビジュアルにすることは、ダウンロードをちゅうちょさせないためにも重要なポイントといえます。
下図はHubSpotが制作したホワイトペーパーの表紙です。営業担当者を想起させるイメージ画像を挿入しており、資料の趣旨と対象者を直感的に理解できるような構成を意図しています。
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コツ3:自社のブランドイメージを打ち出す
表紙で自社ブランドのイメージを打ち出すことも大切です。フォントやロゴ、カラーといった要素に一貫性をもたせることにより、提供元の企業が自社のメッセージを込めた資料であることが伝わりやすくなります。
たとえば、信頼性が重要なデータを掲載している資料の場合、ポップ体のフォントなどカジュアル過ぎる雰囲気の表紙はなじみません。資料に掲載されているデータも同様に、調査や結果の取りまとめを気軽に実施しているかのような印象を与えかねないからです。自社のブランドイメージを打ち出すためにも、ブランドカラーやブランドロゴを表紙に用いることをおすすめします。
下図はチャットボットの活用方法を解説したHubSpotのホワイトペーパーの表紙です。シンプルなデザインに、背景色にブランドカラーのオレンジを広く使用することで、ブランドイメージを前面に打ち出しています。
コツ4:意識的に余白をつくる
表紙には情報を詰め込まず、適度な余白をつくることが重要です。余白を設けることにより、伝えるべきメッセージに視線が集中しやすくなります。また、余白によって全体が締まった印象を与え、すっきりとまとまっているイメージを伝える効果も期待できるでしょう。
余白が少ない表紙は、余裕がない印象を与えがちです。タイトルの文字を大きくし過ぎたり、文字量を増やし過ぎたりすることのないよう、表紙で伝えるべきメッセージを絞り込んでおく必要があります。
下図はHubSpotが制作したホワイトペーパー表紙の一例です。メインタイトル・サブタイトルの周囲に適度な余白を設けることで、資料の要旨が端的に伝わるデザインとなっています。この例のように、サブタイトルは3行程度以内にまとめ、ポイントを絞って記載することが大切です。
コツ5:シンプルな構成にする
ホワイトペーパーはじっくりと時間をかけて熟読する資料というよりは、短時間で必要な情報を得るための資料です。表紙に関しても掲載する要素を絞り、シンプルな構成にすることをおすすめします。
デザインの要素が多過ぎると、雑然とした印象を与えがちです。結果として何を伝えたい資料なのかが曖昧になり、掲載されている情報が正しく伝わらない恐れがあります。表紙に掲載する要素を増やし過ぎないためにも、基本的にシンプルな構成を心がけることが大切です。
下記はHubSpotのホワイトペーパー制作例です。タイトル・挿絵・背景画像の3要素によるシンプルな構成にすることにより、資料の内容を端的に伝えています。このように、表紙に掲載する情報を厳選することも重要です。
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ホワイトペーパーの表紙に掲載すべき要素
ホワイトペーパーの表紙に掲載できる情報量は限られています。そのため、必要な要素を把握した上で表紙のデザインを検討することは非常に重要なポイントです。ホワイトペーパーの表紙に掲載すべき要素を確認しておきましょう。
タイトル
タイトルにはホワイトペーパーの要旨を端的に記載します。できるだけ短く、内容がダイレクトに伝わる文言にするのが理想です。1行に収まらないような長いタイトルや、情報を詰め込み過ぎたタイトルにならないよう、声に出して読み上げてみることをおすすめします。「一言で伝わる」タイトルにするのがポイントです。
サブタイトル
サブタイトルは、タイトルを補足する情報として記載します。ホワイトペーパーに掲載されている解決策の中身を、読者にとってイメージしやすいものにすることが主な目的です。
たとえば、タイトルが「小売業が店舗運営で押さえておくべきマーケティングのコツ3選」であれば、サブタイトルには「認知拡大・集客・リピーター創出の成功法則」といった具体的な要素を記載するとよいでしょう。
キービジュアル
キービジュアルとは、表紙に掲載する画像やイラストのことです。ホワイトペーパーで伝えているメッセージを視覚的に伝える役割を担っています。同時に、見る人の注意を引く役割も果たす要素です。ターゲットに届けたいメッセージを象徴する画像やイラストを起用しましょう。
発行者情報
ホワイトペーパーの発行者に関する情報も、必ず掲載しておきたい要素の1つです。ロゴや企業名を読者の記憶に残すことにより、接触頻度を高める効果が期待できます。まったく知らない企業よりも、社名を耳にしたことがある企業やロゴに見覚えがある企業に親近感を覚える人は少なくありません。
表紙で自社の存在を知ってもらえるよう、発行者情報を見やすい位置に掲載することが大切です。
魅力的な表紙デザインでターゲットの興味を引きつけよう
ホワイトペーパーの「入口」となる表紙デザインは、より多くの読者に情報を届け、見込み客の創出を強化する上で重要なポイントといえます。表紙が果たす役割やデザインがもたらす効果を十分に理解した上で、効果的なデザインになるよう検討を重ねましょう。今回紹介した5つのコツを参考に、ぜひ表紙デザインをブラッシュアップしてください。