ワークフローシステムとは、企業における申請や承認、決裁などの流れや部門全体の業務プロセスを電子化し、一元管理するシステムまたはソフトウェアを指します。業務プロセスをデジタル化することにより、申請・承認業務を効率化できます。


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ワークフローシステムの特徴や機能は製品によって異なります。そのため、導入による効果を最大化させるには、自社の課題や業務内容に沿ったものを選ぶことが重要です。
本記事では、ワークフローシステムの基本や導入メリット、選び方に加え、12のおすすめの製品を解説します。
ワークフローシステムとは
ワークフローシステムとは、企業内の申請・承認・決裁の一連の流れや部門全体の業務プロセスを電子化し、一元的に管理できるツールのことです。
ワークフローシステムを導入すれば業務の流れを可視化できるため、進捗や課題点の把握が容易になり、業務の効率化だけでなくプロセス改善、内部統制の強化にもつながります。
申請業務だけでなく、作業の依頼・実施・確認などのタスク管理、勤怠管理に対応しているバックオフィス業務一体型のワークフローシステムもあります。
ワークフローシステムを導入するメリット
ワークフローシステムを導入するメリットは、主に次の3つです。
- 業務効率化
- ガバナンスの強化
- 多様なワークスタイルへの対応
それぞれ詳しく解説します。
業務効率化
ワークフローシステムを導入すると、業務効率を大幅に改善できます。従来の紙やメールでのやり取りと異なり、申請や承認、決済などの業務がオンラインで完結し、書類の印刷や提出、郵送などの煩雑な作業が不要になるためです。その結果、業務プロセスの迅速化につながります。
ガバナンスの強化
ワークフローシステムでは決められた業務フローや申請フォーマットを使うため、不正の防止や承認プロセスの透明性の向上が期待できます。また、業務履歴がデータとして保存されるため、監査やコンプライアンスの強化にも有効です。
多様なワークスタイルへの対応
ワークフローシステムの導入は、テレワークやフレックスタイム制など多様な働き方への柔軟な対応にも効果的です。場所を問わず申請・承認をはじめとする業務を行えるため、リモート環境でも円滑な業務運用が実現します。
ワークフローシステムの主な機能
ワークフローシステムには、主に次の機能が搭載されています。
- 申請書のテンプレート・フォーム作成 業務にあわせた申請フォームを作成
- ワークフロー設計 承認プロセスや決裁ルールを自社にあわせてカスタマイズ
- 申請・承認・決済 システム上で申請から承認、決済までの業務を実現
- 他システムとの連携 SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)などの他の業務システムと連携
- 運用管理 ユーザー権限の管理や業務履歴の記録
製品によっては、CSVなどを利用した外部データの取り込みや分析機能を備えたものもあります。製品ごとに搭載機能は異なるため、ワークフローシステムの選定時は自社の業務に必要な機能が揃っているかを確認することが大切です。
ワークフローシステムの主な種類
ワークフローシステムは、提供形態により大きく2つに分類されます。
オンプレミス型
オンプレミス型は、社内サーバーにシステムをインストールして運用するワークフローシステムです。
自社専用のサーバーを使用するため、高いセキュリティとカスタマイズ性が特徴で、大企業や機密情報を扱う企業に適しています。一方で、サーバー構築費などの導入コストが高く、保守・管理の負担が大きい点に注意が必要です。
クラウド型
クラウド型は、インターネット経由で利用できるワークフローシステムです。
導入コストが低く、すぐに運用を開始でき、メンテナンス不要で管理負担が少ないため、中小企業やスピーディーな導入を求める企業に最適です。ただし、オンプレミス型に比べてカスタマイズ性が低く、製品によっては連携できるシステムも限られます。月額・年額で利用料金が発生するため、導入の際にはランニングコストも考慮する必要があります。
自社に合ったワークフローシステムの選び方
ここからは、自社に最適なワークフローシステムを選ぶための4つのポイントをご紹介します。
- 業務内容との整合性
- 既存システムとの連携可否
- 操作性や管理画面の見やすさ
- コスト比較
業務内容との適合性
業務内容や現在のフォーマットを変更せずにワークフローシステムを導入できるかを確認しましょう。自社の業務プロセスに適した機能を搭載しているシステムを選択することが重要です。
業務に際して複数の部門が横断する場合は、複雑な承認ルートにも対応できるよう、データ連携や承認ルートの自由な設定ができると良いでしょう。
既存システムとの連携可否
会計システムやCRMなど、既存のシステムと連携できるかも大事なポイントです。システム連携によりデータを一元管理できれば、業務効率の向上につながります。ただし、複数のシステムを連携する際は、情報漏洩のリスクが高まることに注意が必要です。
操作性や管理画面の見やすさ
操作が難しいシステムでは、導入後の定着が難しい場合があります。直感的な操作が可能か、管理画面が見やすいかなど、操作性も考慮しておくと良いでしょう。トライアルが可能な製品であれば、実際に操作性を試してみるのもおすすめです。
コスト比較
導入コストや運用コストを比較し、自社の予算内に収まるかどうかも確認しましょう。製品によっては、初期費用、月額(年額)費用、オプション費用、メンテナンス費用、サポート費用が発生し、それぞれ異なるためです。一般に、クラウド型は初期費用を抑えられるものの、ランニングコストが高額になる製品もあるため注意が必要です。
おすすめのワークフローシステム12選
ここからは、おすすめのワークフローシステムを次の5つの特徴に分類してご紹介します。
- スモールスタートが可能な中小企業向けシステム
- カスタマイズや多言語対応が可能な大企業向けシステム
- Excelフォーマットが利用可能なシステム
- バックオフィス業務一体型のシステム
- システム連携に強いシステム
それぞれの特徴を理解して、自社に合う製品を選びましょう。
スモールスタートが可能な中小企業におすすめのワークフローシステム3選
予算を抑えて導入し、徐々に定着を図りたい場合には、スモールスタートができるワークフローシステムを選ぶのがおすすめです。ここでは、クラウド型が提供されており、初期費用がかからず導入しやすいツールをご紹介します。
Create!Webフロー
Create!Webフローは、直感的な操作が可能なワークフローシステムで、クラウド型とオンプレミス型の両方を提供しています。
シンプルなUIで操作しやすく、初心者でも手軽に業務フローのデジタル化が可能です。
- クラウド型 or オンプレミス型
- 初期費用 0円
- 月額費用 500円/ユーザー
- オンプレミス型は69万円~
- 公式サイト https://www.createwebflow.jp/about/
ジョブカンワークフロー
出典:ジョブカンワークフロー
ジョブカンワークフローは、クラウド型で最短即日に導入できるワークフローシステムです。
機能制限がある無料プランも提供しており、低コストで導入できます。有料プランでも月額費用が300円/ユーザーのため、運用コストを抑えたいスモールビジネスに最適です。
- クラウド型のみ
- 初期費用 0円
- 月額費用 300円/ユーザー
- 公式サイト https://wf.jobcan.ne.jp/
X-point Cloud
X-point Cloudは、紙イメージの申請書が使えるクラウド型ワークフローシステムです。
ノーコードで入力できるため学習コストが少なく、導入のハードルが低いのが特徴です。
- クラウド型のみ
- 初期費用 0円
- 月額費用 基本料金20,000円、500円/ユーザー
- 公式サイト https://www.atled.jp/xpoint_cloud/
カスタマイズや多言語対応が可能な大企業におすすめのワークフローシステム3選
ここからは、大企業におすすめのワークフローシステムを3つご紹介します。どれも複雑なワークフローにも柔軟に対応可能で、日本語以外にも英語などの他言語に対応しています。
楽々WorkflowIl
楽々WorkflowIIは、クラウド型とオンプレミス型を提供しており、業務プロセスの自動化と柔軟なカスタマイズが可能です。
部門をまたがった複雑なフローにも対応しており、ユーザー・組織管理機能も備えているため多くの部門やグループ会社がある大企業に適しています。日本語・英語・中国語の他、言語追加機能でドイツ語やフランス語などにも対応可能です。
- クラウド型 or オンプレミス型
- 初期費用 5万円
- 月額費用 基本料金 1万円、500円/ユーザー
- オンプレミス型 基本ライセンス250万円~
- 公式サイト https://www.sei-info.co.jp/workflow/
kickflow
出典:kickflow
kickflowは、クラウド型でありながら高度な承認フローの設定が可能なワークフローシステムです。ワークフローシステム初のAI機能&オートメーション機能を搭載しています。
豊富なAPI・Webhookにより多様な外部システムと連携が可能で、日本語と英語に対応しています。50ユーザーライセンス以上の契約となるため、中堅~大規模な組織向けです。
- クラウド型のみ
- 初期費用 要問い合わせ
- 導入費用 要問い合わせ
- 公式サイト https://kickflow.com/
AgileWorks
出典:AgileWorks
AgileWorksは、複雑な承認プロセスを効率化できる高機能ワークフローシステムです。
承認フローの動作を事前検証できる機能が備わっているため、組織の新設や統廃合などが多い大規模企業でもメンテナンスの負担を軽減できるのが特徴です。検索・集計機能もついており、日本語・英語・中国語に対応しています。
- クラウド型 or オンプレミス型
- 初期費用 0円
- 月額費用 30万円
- オンプレミス型 基本ライセンス240万円~
- 公式サイト https://www.atled.jp/agileworks/
Excelフォーマットを利用できるワークフローシステム2選
Excelフォーマットを利用できるワークフローシステムを2種類ご紹介します。
コラボフロー
出典:コラボフロー
コラボフローは、Excelでデザインしたフォームをそのまま活用できるワークフローシステムです。
業務の移行をスムーズに行えるだけでなく、APIなど外部サービスとの連携も充実しています。クラウド版とオンプレミス版を提供しており、小規模~大規模まで対応可能です。
- クラウド型 or オンプレミス型
- 初期費用 無料
- 月額費用 500円/ユーザー
- オンプレミス版 要問い合わせ
- 公式サイト https://www.collabo-style.co.jp/
Styleflow
出典:Styleflow
Styleflowは、ExcelやWordとの親和性が高く、既存の書類フォーマットを活用できるクラウド型ワークフローシステムです。
マルチデバイス対応で、スマホやタブレットでも使用できます。低コストでワークフローシステムを導入したい中小企業に最適です。
- クラウド型のみ
- 初期費用 記載なし
- 月額費用 300円/ユーザー
- 公式サイト https://promotion.styleflow.jp
バックオフィス業務一体型ワークフローシステム2選
ここからは、バックオフィス業務を一元化できるワークフローシステムを2種類ご紹介します。
バクラク申請
出典:バクラク申請
バクラク申請は、経費精算や稟議承認などのバックオフィス業務を一元管理して効率化できるクラウド型ワークフローシステムです。
押印申請・休暇申請・出張申請から経費に関する申請まで幅広くカバーし、各種申請の紐付けも可能です。
- クラウド型のみ
- 導入費用 記載なし
- 月額費用 10,000円~
- 公式サイト https://bakuraku.jp/workflow/
チームスピリット
出典:TeamSpirit
チームスピリットは、勤怠管理や工数管理、経費精算機能などのバックオフィス業務を一元化できるクラウドワークフローシステムです。
自社が抱える課題に応じて、単体や組み合わせて利用できるため、小規模~大企業まで幅広い企業で導入できます。
- クラウド型のみ
- 導入費用 記載なし
- 月額費用 300円/ユーザー~
- 公式サイト https://www.teamspirit.com/
システム連携に強いワークフローシステム2選
多様な業務システムを利用している企業に最適な、連携性に優れたワークフローシステムを2種類ご紹介します。
kintone
出典:Kintone
サイボウズ株式会社が提供するkintoneは、クラウド型の業務改善プラットフォームです。プログラミングの知識がなくてもノーコードでワークフローやさまざまな業務を効率化できるアプリを作成できます。
日報や案件、問い合わせ、タスク管理などの業務をワークフローとあわせてデジタル化したい場合に最適です。豊富なプラグインで200以上のサービスと連携できるのも特徴です。
- クラウド型
- 初期費用 0円
- 月額費用 1,000円/ユーザー
- 公式サイト https://kintone.cybozu.co.jp/
皆伝!ワークフロー
出典:皆伝!ワークフロー
皆伝!ワークフローは、他システムとの連携に強く、他言語対応により大手グローバル企業に選ばれている統合型ワークフローシステムです。
交通系ICカードや出張手配サービスなどの外部サービス、基幹システムとも連携可能で、データ処理の迅速化や一元化により会計・人事領域のフロント業務をサポートします。クラウド型とオンプレミス型の両方に対応しています。
- クラウド型 or オンプレミス型
- 初期費用 要問い合わせ
- 月額費用 要問い合わせ
- 公式サイト https://www.slcs.co.jp/products/kaiden_series/index.html
システム導入時の注意点
ワークフローシステムの導入効果を最大化するには、現状の業務プロセスを見直して改善することが重要です。導入前に、現在の業務プロセスに非効率な箇所がないかを確認しておきましょう。
また、多機能なシステムを導入しても、活用しきれないというケースもあります。本記事でご紹介したポイントを意識して適切なワークフローシステムを選択するとともに、導入後に備えてサポート体制やトレーニングの有無も確認しておくと良いでしょう。
自社に合ったワークフローシステム導入で業務効率化を目指そう
ワークフローシステムは、業務の電子化と効率化を実現する重要なツールです。導入することで、業務の迅速化、ガバナンス強化、多様なワークスタイルへの対応など、多くのメリットを享受できます。本記事でご紹介した選定ポイントやおすすめの製品を参考にすると、自社の業務に適したシステムを選びやすくなります。
なお、HubSpotはAI搭載のワークフロー機能を備えており、営業・マーケティング・カスタマーサポートの部門を横断した業務プロセスの自動化が可能です。社内や顧客の行動をトリガーに、担当者の割り当てやメール配信、通知送信などの一連の流れを自動化できるので、ぜひお試しください。