オフィスの環境を工夫して仕事の生産性をぐんと高める7つの方法

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戸栗 頌平(とぐり しょうへい)
戸栗 頌平(とぐり しょうへい)

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仕事の生産性を高めるための工夫というと、本人の意識や動機づけに関するアドバイスがよく聞かれます。「自ら目標を設定せよ」「やる気に火をつけろ」「1日の作業計画をミリ秒単位で細かく立てよ」といったものです。

オフィスの環境を工夫して仕事の生産性をぐんと高める7つの方法

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その手のアドバイスが役に立つ場合もあるかもしれませんが、生産性の向上に関しては、オフィスの環境がもたらす影響を見過ごしがちです。スタンフォード大学のバースウェイシブテクノロジー研究所所長、B.J. Fogg氏は、かつてこんなことを言っていました。

「行動をがらりと変える方法が1つだけあります。環境をがらりと変えることです」

この記事では、快適なうえに生産性が高まるオフィス環境を作り上げるためのヒントを7つご紹介します。すべての項目が全員に必ず当てはまるとは限りませんが、役に立ちそうなヒントがあれば、ぜひお試しください。

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    オフィスの環境を工夫して仕事の生産性を高める7つのヒント

    1)日光を取り入れる

    オフィスに日光がさんさんと降り注ぐと、仕事の生産性が上がることが実証されています。そしてもちろん、気分もよくなって、健康的に感じられます。

    オフィスに入る日光と生産性との関係に注目した調査はたくさんありますが、特に説得力があるのが、「Impact of Workplace Daylight Exposure on Sleep, Physical Activity, and Quality of Life」という論文です。その概要には次のようにあります。

    「職場に窓がない群に比べると、窓がある群の方が、就労時間中に浴びる白色光が173%多く、夜の睡眠時間が平均47分長かった。また、より活動的で睡眠効率も高い傾向が見られた」

    オフィスに自然光をたくさん取り入れるのが難しい場合は、代替案の1つとして、OsramやPhilips HueのようなスマートLED照明を使って、日光を模した環境を作り、体内時計のリズムを維持するという方法があります。

    2)部屋を常に暖かくする

    仕事部屋の室温は、自分にとって快適な温度となるように調整できるのが理想的です。

    会社のオフィスとなると、自分だけに合わせて室温を変えることはもちろん難しいでしょうが、空調の設定温度について意見できる機会もあるかもしれません。そのときは、温かいほどベター、と覚えておきましょう。

    米コーネル大学の調査結果によると、職場の室温が摂氏20度を下回ると、働く人のミスが増えて生産性が下がったそうです。発表文には次のように説明があります。

    「1か月にわたる調査で、オフィスの室温を摂氏20度から25度に上げたところ、入力ミスは44%減り、入力の生産量は150%伸びました」

    3)適切な音楽を選んで聴く(あるいは音楽をなくす)

    ノイズ キャンセリング ヘッドホンでお気に入りの曲を聴くのが、「仕事モード」に入る一番の方法だという人は多いものです。実際、この方法で生産性が上がることを示した調査結果は数多くあります。

    ただし、仕事をサクサク進めるのに適した曲を選ぶのは、必ずしも簡単ではありません。興味深い調査結果に基づいて、生産性を高められる曲を集めたプレイリストを、クラシックからビデオゲームのサントラまで、ジャンル別に紹介しています。

    また、音楽を聴くと仕事がはかどらない、という方もご心配なく。実際、音楽によってむしろ気が散ってしまうという、相反する調査結果もあります。音楽を聴きながらでは集中できない方は、静寂を大切にしましょう。あるいは、仕事に取りかかる前に音楽を聴くことで、これからの作業へのやる気を高めるという方法もあります。

    4)植物を置く

    机の上に空いている場所があって、何を置くか決めかねている人も、安っぽい置き物や、愛猫の写真を飾るのはやめておきましょう。(筆者の同僚にも、猫の写真を10枚近く飾っている者がいて、少々心配になります)。代わりに植物を置いてみましょう。シダ類、サボテン、ハエトリグサなどです。

    2014年の調査によると、オフィスに植物を置くと生産性が15%高まるそうです。論文の著者の1人であるAlex Haslam氏は、Entrepreneur誌の記事で次のように話しています。

    「この調査結果が示すように、オフィスの緑化に投資すると、オフィスワーカーの生活の質と生産性が向上するという見返りが得られます。現代のオフィスやデスクはシンプルになっていて、各所にスペースができています。今回の研究結果は、広く取り入れられている『少ないほど豊か』という考え方に疑問を呈しています。時には、『少ないほど乏しい』という場合もあるのです」

    5)黄色でアクセントを付ける

    会社のオフィスというと、グレーなどのくすんだ色合いが中心というところが多くあります。あまり気の散らない環境作りという意味では、そのような配色も意味があるのかもしれませんが、一方で、刺激には欠けます。

    色彩理論によると、最も刺激的とされることが多いのは赤ですが、特に攻撃性という面で、赤は強いマイナスイメージもはらんでいます。職場を活気づけるという意味で、赤より優れている色の1つが黄色です。赤と同じように、生産性にパンチを加えつつも、マイナス面がありません。

    国際カラーコンサルタント協会のFrank Mahnke会長は、著書「Color, Environment, & Human Response」の中で、黄色について次のように述べています。

    「快活かつ精力的で、生気を与える太陽を連想させます。明るい未来、希望、知恵の象徴です。即物的ではなく、開放的です」

    オフィスに飾る新しい絵や、ハエトリグサを入れる新しい鉢を探しているのなら、黄色を多用しているものを選ぶのが、生産性という意味では一番いいようです。

    6)机に風水を取り入れる

    古代中国の考え方にのっとって、調和のとれたポジティブな環境となるように物を配置するのが風水です。家具の配置といったインテリアデザインだけでなく、机の上の配置にも同じ考え方が生かせます。

    風水では、八卦図という「エネルギーマップ」に基づいて、どの方位が生活のどの部分に結び付いているかを判断します。下の図は、八卦を机に当てはめた例です。

    feng-shui-your-desk.png

    (出典: Feng Shui & Beyond

    風水が本当に効果があるのかどうかはわかりませんが、机を片付けることで集中力や情報処理能力が高まることを示す調査結果は実際にあります。

    7)パソコンをマルチディスプレイにする

    ある企業で、カスタマーサービス部門の各社員にパソコンのディスプレイを1台ずつ追加で支給したところ、顧客からの電話の応対にかかる平均時間が12%短縮されたという事例があります。

    ディスプレイが2台になると、画面上の作業空間が広がりますので、ブラウザーのタブやアプリケーションを切り替えながら進める作業の手間が減ります。ディスプレイをもう1台置くと、机の上の物が増えることになり、必要最小限の要素に絞りたい人にとっては理想から離れるかもしれませんが、2台のディスプレイで作業できる利便性は、美観が損なわれることから生じる不満をきっと上回るはずです。

    今回紹介した以外に、オフィスの工夫で生産性を高めるためのヒントがありましたら、ぜひコメント欄でお聞かせください。

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    トピック: 効率化

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