【YouTube広告】視聴課金モデルごとの広告単価を徹底解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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Alphabet社によると、2019年度YouTube広告の収入は151億ドルに達したとのことです。この数字を見ると、YouTubeの広告媒体としての利用が加速的に広がっていることがわかります。

【YouTube広告】視聴課金モデルごとの広告単価を徹底解説

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一方で、リスティング広告等のネット広告と比較すると、まだまだYouTube広告を活用できている広告主は少ないため「YouTube広告は大手広告主向けの媒体なのではないか?」「YouTube広告は出稿費用が高いのではないか?」という先入観を持つ方も多いかもしれません。

しかし、YouTube広告は非常にリスクが低いためトライしやすく、中小企業でも利用しやすい環境が整っています。

本稿では、YouTube広告の料金体系と単価設定について解説し、YouTube広告を費用対効果よく活用するためのコツをご紹介します。

広告メニューと出稿方法を解説!YouTube 広告完全ガイド

初めての方にもわかりやすく出稿手順を説明しています。また、YouTube のメディア特性や広告フォーマット、メリットの解説と広告活用戦略についても解説。

  • YouTube 広告の概要
  • 活用目的と成果指標
  • YouTube 広告の活用戦略
  • YouTube への出稿手順

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    YouTube広告の特徴

    YouTube広告の料金体系の特徴を確認していきましょう。

    YouTube広告の基本的な課金方式は「視聴課金モデル」

    YouTube広告では、原則として”クリック”ではなく”視聴”に対して課金される「視聴課金モデル」が採用されています。
     

    YouTube広告の種類別課金方式

    YouTube広告には5つの広告出稿形式があります。

    1. インストリーム広告
    2. ディスカバリー広告
    3. バンパー広告
    4. アウトストリーム広告
    5. マストヘッド広告

    それぞれの出稿形式と料金体系について詳しく見ていきましょう。
     

    1. インストリーム広告

    インストリーム広告には、スキップ可能な広告とスキップ不可の広告の2種類が存在します。

    ・スキップ可能なインストリーム広告の表示形式
    みなさんもYouTubeの動画を閲覧する際、広告画面の右下に「あと5秒でスキップできます」と表示されているのを見たことがあると思います。

    YouTubeの動画ページまたはGoogle動画パートナーサイトやアプリに表示され、再生形式動画再生の前後や途中で再生される動画広告で、動画再生後5秒を経過したタイミングで広告をスキップするかどうかを選択できます。

    ・課金形式
    ユーザーが動画を30秒視聴したか、30秒経過する前に動画を操作した場合に、広告料金が発生する課金形式をとっています。

    テレビCMとは異なり、スキップ可能なインストリーム広告は30秒以上視聴されないと課金されないので、広告主に寄り添った仕組みだと言えます。

    ・スキップ不可インストリーム広告の表示形式

    スキップ可能なインストリーム広告と同様の表示形式で、YouTubeの動画ページまたはGoogle動画パートナーサイトやアプリに表示される動画広告です。

    ・再生形式
    スキップ不可インストリーム広告は、YouTube動画の再生前や再生中、再生後に配信される15秒以下の動画広告です。その名の通り「スキップできない(最後まで見なければいけない)」のが特徴です。

    ・課金形式
    スキップ不可のインストリーム広告は、目標インプレッション単価制をとっており、広告が表示されるたびに課金される仕組みです。
     

    2. ディスカバリー広告

    ・表示形式
    YouTubeのトップページや検索結果、関連動画の部分などに表示される広告がディスカバリー広告です。

    具体的には、以下の3箇所で表示される動画広告です。

    ①YouTube検索結果
    ②YouTubeの関連動画の横
    ③モバイル版YouTubeのトップページ

    ・仕組み
    サムネイル+テキストで表示され、クリックされると広告動画が再生されます。ユーザーの能動的なアクションである「クリック」を得て再生される広告であることが特徴です。

    ・課金形式
    ユーザーがサムネイルをクリックして広告が視聴されて、初めて課金が発生します。

    ユーザーが「クリックする」=「興味がある」と捉えるならば、ディスカバリー広告はコンバージョン率の高さが見込める出稿形式と言えるでしょう。
     

    3. バンパー広告

    ・表示形式
    ユーザーが閲覧している動画の途中や前後で再生される6秒以下の動画広告がバンパー広告です。

    ・仕組み
    バンパー広告は「ユーザーがスキップすることができない」という特徴を持っています。

    ・課金形式
    バンパー広告で課金が発生するのは「広告表示回数1,000回」ごとのインプレッション課金です。

    6秒という限られた時間でインパクトを与えられる動画クリエイティブを持っている広告主にとって、バンパー広告は商材の認知度を飛躍的に高められる可能性のある出稿形式と言えるでしょう。
     

    4. アウトストリーム広告

    ・表示形式
    インストリーム広告がYouTubeの”中”で配信される動画広告だとすると、アウトストリーム広告はYouTubeの”外”で配信される動画広告となります。

    ・仕組み
    アウトストリーム広告は、YouTube以外のサイトやアプリなどのGoogle動画パートナーサイトに配信することができる広告です。

    アウトストリーム広告を活用することで、YouTubeユーザー以外の層に対しても動画広告をアプローチすることが可能になったというわけです。

    ・課金形式
    アウトストリーム広告では、動画再生が2秒以上視聴された場合にのみ料金が発生します。
     

    5. マストヘッド広告

    ・表示形式
    YouTubeを開いた際に最も目立つ、サイト内の最上部左上(PCでは左上、スマホでは最上部)に表示される動画広告です。

    ・仕組み
    マストヘッド広告は、YouTubeホーム画面の上部で最大30秒間音声無しで広告が自動再生されます。ミュートアイコンをクリックすると、広告で流れている動画の音声を有効にできます。

    自動再生が終わるとメインの動画はサムネイル表示になり、動画またはサムネイルをクリックするとその広告のYouTube再生ページに移動します。

    ・課金形式
    マストヘッド広告は、固定の日別単価(CPD)制と固定のインプレッション単価(CPM)制のいずれかで課金されます。
     

    適切な入札戦略を設計するポイント

     

    YouTube広告には様々な表示、課金形式があります。どの広告をどう活用するか、出稿前にしっかり入札戦略を練っておきましょう。

    では、実際どのように入札戦略を設計すればいいのでしょうか。目的別に2つの例を見てみましょう。
     

    例1「ターゲット層への露出を増やしたい」

    「広告予算はそれほど確保できないけどとにかく露出を増やしたい。できるかぎりターゲット層にリーチしたい」と考えているのであれば、スキップ可能なインストリーム広告が適しているでしょう。

    【理由1】
    広告がスキップされれば費用は発生しないが、広告がスキップされても自社サービスの認知度向上につながる可能性が高い。 

    【理由2】
    広告が30秒以上流れた場合は費用が発生するが、媒体の特性上広告を30秒以上見るユーザーは自社サービス購入の見込みが高いと考えられる。

    つまり、認知度を向上させながら、購入見込みの高い顧客に対して効率的にアプローチできるわけです。

    また、インストリーム広告は、年齢・性別・地域など細かいターゲティングが可能であることも大きな魅力です。
     

    例2「比較検討中のユーザーに自社の強みを理解してもらいたい」

    購入を検討しているユーザーに向けて自社の優位性を伝え、コンバージョンに繋げたいということであれば、ディスカバリー広告がおすすめです。

    【理由1】
    ユーザーが能動的に「クリック」して再生されるため、モチベーションの高いユーザーに見てもらいやすい。

    【理由2】
    テキスト、画像のみの広告と比べて動画は情報量が多いため、自社の強みをより伝えやすい。

    「自発的な”クリック”というスクリーニング」を通ったユーザーのみにリーチできる広告としては、非常にコストパフォーマンスが高いと言えるのではないでしょうか。
     

    YouTube広告の予算はどうやって管理する?

    さまざまなタイプが存在するYouTube広告の課金体系ですが、どのように予算管理を行うべきでしょうか。

    YouTube広告では広告主の目的に合わせた予算管理を行えるよう、7つのキャンペーンタイプが用意されています。それぞれの詳細を確認してみましょう。

    ①販売
    ウェブサイトやアプリ、実店舗などでの売上を目的とするキャンペーンです。

    ②見込み顧客の獲得
    メールアドレスの獲得など、サイト上のコンバージョン獲得を目的とするキャンペーンです。

    ③ウェブサイトのトラフィック
    ウェブサイトへのユーザー集客を目的とするキャンペーンです。

    ④商品やブランドの比較検討
    自社ブランドの魅力を伝え、他社との比較検討で勝つためのメッセージを伝えることを目的とするキャンペーンです。

    ⑤ブランド認知度とリーチ
    より多くの幅広いユーザーによる認知を得ることを目的とするキャンペーンです。

    ⑥アプリのプロモーション
    アプリをユーザーにインストールしてもらうことを目的とするキャンペーンです。

    ⑦目標を設定せずにキャンペーンを作成する

    上記①〜⑥に縛られず、目標を自由に設定することができます。

    そして、詳細な予算は「キャンペーンの合計」もしくは「日別」で設定できます。

    上記の中で細かくトライアルアンドエラーを繰り返し、最適な予算管理が実現できるよう進めていきましょう。
     

    動画活用の第一歩としてYouTube広告を利用してみるのも◎

    冒頭のAlphabet社決算でもお分かりいただける通り、YouTube広告を利用する広告主は驚異的なスピードで増えています。

    一方で、Chromeのアップデートにより2020年8月からYouTube広告の一部がブロックされるという方針も発表されています。

    広告配信プラットフォームは常に生まれ変わり続けるもので、YouTube広告もどこまでその効果が継続できるかは未知数です。

    しかし、広告コンテンツが文字から動画へと移行していく流れは間違いなく加速していきます。広告としての動画コンテンツを活用していくための第一歩としてYouTube広告にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。

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