YouTube広告を利用してみたいものの「広告費用が高そうだし、動画の準備などハードルが高い」という先入観があり、トライできずにいる方も多いのではないでしょうか。
実際には、YouTube広告は自社の予算に合わせた無理のない出稿ができたり、凝った動画でなくても広告効果が得られたり、思いのほか小さくスタートすることができる広告商品です。
本記事では、YouTube広告の仕組みから出稿方法までを詳しく解説を行ます。
広告メニューと出稿方法を解説!YouTube 広告完全ガイド
初めての方にもわかりやすく出稿手順を説明しています。また、YouTube のメディア特性や広告フォーマット、メリットの解説と広告活用戦略についても解説。
- YouTube 広告の概要
- 活用目的と成果指標
- YouTube 広告の活用戦略
- YouTube への出稿手順
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YouTubeとは?
アメリカ合衆国カリフォルニア州のYouTube.LLCが提供する世界最大の動画共有サービスで、全世界に19億人のユーザーがいます。現在、91カ国80の言語に対応しているグローバルプラットフォームです。
YouTube広告とは?
YouTube広告とは、全世界に19億人のユーザーがいる動画共有プラットフォーム上に広告を配信できる仕組みです。
Googleの持株会社であるAlphabet社の決算発表によると、2019年度YouTube広告の収入は151億ドルに達し、対前年比で36%増を記録しています。
YouTube広告の特徴
YouTube広告の特徴は大きく2つあります。
- 視聴課金モデルを採用
- 視聴者の年齢層が幅広い
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
視聴課金モデルを採用している
クリック課金ではない「視聴課金モデル」が採用されていることです。リスティング広告等の運用に慣れている方は、Web広告では「クリック課金」のモデルが一般的であるという認識をお持ちかと思います。
しかし、Alphabet社はYouTube広告を事業化するにあたって、Googleは動画広告ならではの課金体系を生み出したのです。
視聴者の年齢層が幅広い
総務省の「平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、各年代別のYouTube利用率は以下の通りです。
- 10~20代 … 90%
- 30〜40代 … 80%
- 50代 … 64%
- 60代 … 32%
若年層ではほぼ全員がYouTubeを利用していると言ってよいほど利用率が高く、50代〜60代でも利用率の高いメディアだということが覗えます。
YouTube広告を活用するメリット
これだけの幅広い層に対してリーチできる広告媒体は、他にはなかなか見当たりません。さらにYouTube広告の良いところは、Google 広告と同様に広告単価がオークションで決定される点です。
そのため、小規模な広告予算しか持たない中小企業であっても、自社の予算に合わせて広告出稿が可能となるため、さまざまな規模の広告主にメリットがあると言えるでしょう。
YouTube広告のメリットを整理すると、以下の2点が挙げられます。
- 自社の予算に合わせて広告出稿できる
- 幅広い消費者層にリーチできる
YouTube広告の種類
YouTube広告には大きく分けて5つの出稿形式があります。
- True Viewインストリーム広告(スキップ可orスキップ不可)
- True Viewディスカバリー広告
- バンパー広告
- アウトストリーム広告
- マストヘッド広告
それぞれの出稿形式を詳しく見ていきましょう。
True Viewインストリーム広告
みなさんもYouTubeの動画を閲覧していて、広告画面の右下に「あと5秒でスキップできます」という表示がされるのを見たことがあると思います。インストリーム広告は、YouTube、またはGoogle動画パートナーサイトおよびアプリなどに表示される動画形式の広告です。スキップ可能なタイプとスキップ不可の2タイプがあります。
- スキップ可能なインストリーム広告
動画再生後5秒を経過したタイミングでスキップするかどうかを選択できます。課金が発生するのは、ユーザーが動画を30秒以上視聴したか、もしくは動画のリンクをクリックするなどのアクションを起こしたタイミングです。
- スキップ不可なインストリーム広告
スキップ不可の場合は、設定できる動画の長さは15秒以下となります。
目標インプレッション単価制をとっており、広告が表示されるたびに課金されます。
True Viewディスカバリー広告
YouTubeのトップページや検索結果、関連動画の部分などに表示される広告がディスカバリー広告です。
ユーザーがサムネイルをクリックし、広告を視聴することによって、課金が発生します。
バンパー広告
ユーザーが閲覧している動画の途中や前後で再生される動画広告がバンパー広告です。
バンパー広告は、ユーザーが広告をスキップすることができないという点を特徴にしています。バンパー広告は、広告表示回数1,000回ごとに課金が発生するインプレッション課金となります。
アウトストリーム広告
YouTube内で配信されるインストリーム広告に対し、アウトストリーム広告はYouTube以外のサイトで配信される動画広告です。
動画再生が2秒以上視聴される場合だけ広告料金が発生します。
マストヘッド広告
YouTubeを開いた際に最も目立つ、サイト内の最上部左上(PCでは左上、スマホでは最上部)に表示される動画広告です。
YouTubeのホーム画面上部で、最大30秒間音声なしの広告が自動再生されます。
YouTube広告の課金方式は?
冒頭でも触れた通り、YouTube広告は視聴課金を展開しているのが特徴です。
視聴課金だけでなく、CPM(Cost Per Mille。広告が1,000回表示されたら課金)やクリック課金(動画のサムネイルやURLをクリックした時点で課金)など、出稿形式によって様々な課金方法を選択できます。
詳しい課金方式は以下の記事をご覧ください。
【YouTube広告】視聴課金モデルごとの広告単価を徹底解説
YouTube広告出稿前の準備
YouTube広告を出稿をする前に、最低限準備しておくべきものは以下の2つです。
- 広告用動画の作成
- Google 広告アカウントの開設
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
広告用動画の作成
まずは広告のコンセプトを決定し、コンセプトに即した動画の構成や脚本を作成していきます。脚本ができたらキャストを集め、撮影機器を取り揃えた上で、実際の撮影に進んでいきます。
撮影した動画は、YouTube広告用に最適化するよう編集を行うことで、ようやく広告コンテンツが完成します。
ただ、自社で脚本を作り、機材を揃えて撮影を行うのは、多くの企業にとってハードルが高いでしょう。
最近では、動画制作を引き受ける企業やフリーランサーに動画制作を依頼できるクラウドソーシングサービスやクリエイティブプラットフォームも複数存在します。
そこでクリエイティブプラットフォームを活用し、動画制作を外注で進めることも検討材料の1つにしてよいでしょう。
Google 広告アカウントの開設
広告用の動画が準備できたら、次にGoogle 広告のアカウントを開設しましょう。開設自体は非常に簡単で、大枠は以下の3ステップで完結します。。
- Google広告のページに移動し、「今すぐ開始」をクリックする
- 目標(またはキャンペーン)を設定する
- 支払い情報を設定する
以下の記事で、アカウント作成方法を詳しく解説しているので、気になるかたはご覧ください。
【2020年版】Google広告の使い方ーアカウント作成から出稿方法まで解説
YouTube広告の出稿手順
続いて、YouTube広告の出稿手順について解説を進めてまいります。
動画をYouTubeにアップロードする
まず最初に、広告用の動画をYouTubeにアップロードしましょう。
アップロードはYouTubeの公式ページからはもちろんのこと、スマホのYouTubeアプリからも進めることができます。
Google広告アカウントからキャンペーンタイプを選択する
次にGoogle 広告のアカウントのページメニューから「キャンペーン」 をクリックし、「新しいキャンペーンを作成」 を選択します。
次にキャンペーン目標を選択します。
- 見込み顧客の獲得
- ウェブサイトのトラフィック
- 商品やブランドの比較検討
- ブランド認知度とリーチ
そして、キャンペーンタイプで「動画]」を選択します。
Google広告アカウントからキャンペーンのサブタイプを選択する
キャンペーン目標によって、キャンペーンのサブタイプを選択することになります。
キャンペーンのサブタイプは、以下より選択します。
- スキップ可能なインストリーム
- バンパー
- スキップ不可のインストリーム
- アウトストリーム
- 広告シーケンス
最後に、キャンペーン名を設定します。
入札戦略の設定
続いて、入札戦略を設定します。
入札戦略は自社の広告目的に合わせて、以下4つの分類より、最適な入札戦略を選択します。
- コンバージョンを重視したい場合 … スマート自動入札を使用
- クリックを重視したい場合 … クリック単価制を使用
- 露出度を重視したい場合 … 目標インプレッションシェア、インプレッション単価制、視認範囲のインプレッション単価制のいずれかを使用
- 視聴やインタラクションを重視したい場合 … 広告視聴単価制を使用
予算と日付の設定
予算タイプとキャンペーン開始日・終了日を設定します。
まず、予算の種類として「日別」か「キャンペーン」のいずれかを選択します。
- 日別 … 1日に支払い可能な平均額
- キャンペーン … キャンペーン期間中に支払い可能な合計額
次に、予算の配分方法として「標準」もしくは「集中化」を選択します。
- 標準 … 予算を均等に配分する
- 集中化 … できるだけ早く予算を使用する
動画の掲載場所を選択する
Google広告アカウント内の「ネットワーク」から、動画キャンペーンを表示する場所を以下の3つの中から選択します。
項目名 | 項目名 |
---|---|
YouTube Search(YouTube検索) | YouTubeの検索結果ページやYouTubeのホームページ、チャンネル、動画ページ等に表示されます。(TrueViewディスカバリー広告のみ使用可能) |
YouTube Videos(YouTube動画) | TrueView広告をディスプレイ広告やインストリーム広告で表示します。YouTube Videosを選択することによって、動画広告をGoogle Display Networkで再生される動画の前後や途中に表示させる選択ができます。 |
ディスプレイネットワークの動画パートナー | Google動画パートナーのサイトやアプリに広告を表示できます。 |
次にキャンペーン先の言語と地域を選択し、最後にコンテンツ除外設定を選択して、掲載場所の選択が完了します。
動画広告を作成する
最後の作業となる動画広告の作成は、以下の8ステップとなります。
- 「セクション」より、アップロードした動画を検索するか、YouTubeの動画の URL を入力
- 対象となる動画広告フォーマットを選択
- 最終ページURL(広告をクリックしたユーザーに表示するランディングページの URL)を入力
- 表示URL(最終ページURLの短縮版か最終ページURLと同じもの)を入力
- 行動を促すフレーズを入力
- 見出しを入力
- 広告の名前を入力
- 「保存して次へ」をクリック
広告を作成したら、Googleの審査が開始され、ほとんどの場合1営業日以内に完了します。
失敗しないコツは、「誰に何を伝えたいのか」を明確にすること
YouTubeは全世界19億人という膨大なユーザーにリーチできるプラットフォームです。それだけ巨大なプラットフォームであるにも関わらず、広告主が自社の状況に合わせた詳細なターゲティング設定が可能な点や、認知拡大・リード獲得・購買などあらゆる目的に合わせて様々な出稿形式を選択できる点がYouTube広告の強みと言えます。
動画広告は情報量が多く、ターゲットユーザーに合ったクリエイティブを作成し、適切なターゲティング設定と配信形式を選択すれば、自社に興味を持ってもらえる可能性は高くなります。逆に、ユーザー視点が欠落した広告配信をすると、観る側に不快な思いをさせ、企業のブランディングを毀損するリスクがあります。皆さんも、興味のない広告が頻繁に出てきてうんざりした経験はあるのではないでしょうか。
YouTube広告に限らず、広告を配信する際は、誰に、どのような情報を、どのようなかたちで届けるべきかを考えましょう。