YouTubeはBtoBマーケティングにも有効?成功事例や活用方法を解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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YouTubeの日本国内の月間ユーザー数は2022年10月時点で7,700万人を超え、幅広い世代が利用しています。企業も動画広告の出稿やチャンネル運営などを積極的に行っており、YouTubeの活用はWebマーケティングにおいて重要な役割を担っています。

YouTubeはBtoBマーケティングにも有効?成功事例や活用方法を解説

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    しかし、B2B企業の方にとっては、「YouTubeはB2Cに効果的」といったイメージが強いのではないでしょうか。自社のビジネスでYouTubeを使うイメージは湧きにくいかもしれませんが、うまく利用すれば顧客へ提供する価値をより高めることができます。

    この記事では、B2B企業がYouTubeを利用するメリットや具体的な活用方法、成功事例を解説します。実際にYouTubeマーケティングを実施する際のポイントもご紹介しますので、B2B事業にYouTubeチャンネルを活用したい企業担当者様は、ぜひ参考にしてください。

    B2BでYouTubeを活用するメリット

    B2BでYouTubeを活用するメリット

    B2C向きと思われがちなYouTubeマーケティングですが、B2Bで導入するメリットもあります。まずは次の4つのメリットを見ていきましょう。

    1. 見込みとなるユーザーに見てもらえる可能性がある
    2. 商品価値をわかりやすく訴求できる
    3. 商品・サービスの信頼度を高められる
    4. 二次利用しやすい
       

    見込みとなるユーザーに見てもらえる可能性がある

    国内のYouTube月間ユーザー数は2022年10月時点で7,700万人を突破し、テレビでYouTubeを見る人も3,500万人を超えています。

    出典:「選ばれている、理由がある」-- 生活者・マーケターにとっての YouTube|Think with Google

    ユーザー数が多ければ多いほどリーチできる数は増えるため、一般消費者だけではなく、情報収集をしている企業担当者にYouTube動画が届く可能性は十分にあるでしょう。YouTubeの概要欄に、製品やサービスの詳細ページURLや問い合わせ先などを記載しておけば、見込み客からの問い合わせにつながる可能性もあります。

    さらに、近年、Google をはじめとする検索エンジンでの検索結果にYouTubeなどの動画が表示されるケースも増えており、YouTube・検索エンジン双方からのアプローチが可能になっています。
     

    商品価値をわかりやすく訴求できる

    動画は、写真やテキスト情報では伝えきれない情報を、短時間でわかりやすく提供できる媒体です。

    1971年にアメリカの心理学者アルバート・メラビアン氏が提唱した「メラビアンの法則」では、人間はコミュニケーションの際に言語情報7%、聴覚情報38%、視覚情報55%の割合で影響を受けていると示されています。情報量の多さでは、写真はテキストの7倍、動画はテキストの5,000倍であるともいわれています。そのため、動画を用いることで、短時間に大量の情報を伝えることが可能です。

    顧客にとっても、動画の方が使い勝手や実際の利用シーンをイメージしやすい点がメリットとなるでしょう。
     

    商品・サービスの信頼度を高められる

    動画は写真よりも加工の工程がかかるため、加工の度合いによって、ほぼありのままの状態をアピールできます。

    特に、製造業では工場での生産工程や品質管理体制など、実際の過程を動画として見せることが、安心や信頼を得るために重要です。

    写真や口頭で伝えるだけでは「動き」は伝わりません。また、一部の綺麗な部分を切り取って、実際よりも良いように表現することが可能なため、信頼度は下がってしまいます。一方で、動画は実際の状態をありのままの「動き」として伝えられるので、信頼度の向上につなげられるでしょう。
     

    二次利用しやすい

    動画はYouTubeにアップロードするだけではなく、展示会や商談、SNS、動画広告などにも活用できます

    一度動画を作成しておけば、さまざまなシーンや媒体で自社の情報をユーザーへ届けられる点がメリットです。
     

    B2B企業のYouTube活用方法6選

    B2B企業のYouTube活用方法6選

    続いて、B2B企業がYouTubeを活用するための6つの方法を解説します。

    1. 商談時の企業・商材紹介用
    2. 展示会での興味喚起用
    3. ウェビナーのアーカイブ公開用
    4. カスタマーサクセス
    5. 採用サイト
    6. 動画広告
       

    1. 商談時の企業・商材紹介用

    企業情報や商材を紹介する動画を見込み客との商談時に活用すれば、自社に対する理解促進につながります。

    例えば、事業紹介動画や自社商品・サービスの利用方法、導入事例などの動画を商談時に紹介すれば、自社への興味や関心を高められます。

    口頭での説明だと、営業担当者によって差が出る可能性もあります。動画を活用すれば説明内容にブレがなくなり、成約率アップも期待できるでしょう。
     

    2. 展示会での興味喚起用

    展示会で自社商品・サービスを紹介する場合にも、動画は大いに役立ちます。サービス説明に活用できるのはもちろん、キャッチーな言葉やインパクトのある動画をモニターで流しておけば、来場者が興味を持ちブースを訪問してもらえる可能性が高まります。

    インパクトのある動画は短時間で人を惹きつけられるため、不特定多数に訴求する必要がある展示会では効果的にはたらくでしょう。
     

    3. ウェビナーのアーカイブ公開用

    ウェビナーのアーカイブ動画をYouTubeにアップすれば、リアルタイムで参加できなかった人にも動画を視聴してもらえます。YouTubeでは限定公開ができるので、申込者のみにURLを伝えて視聴を促すことも可能です。

    ユーザーはいつでもどこでもアーカイブ動画を視聴できるようになるため、「セミナーに興味はあるが日時があわない」などの機会損失が減り、自社との接点につなげられます
     

    4. カスタマーサクセス

    すでに自社サービスを利用中の顧客向けに製品の使い方などを説明し、価値提供するようなカスタマーサクセス目的でも、動画は活用できます。操作方法など簡単な疑問点はYouTube動画を見れば解決できるような仕組みを作っておけば、顧客は問い合わせの手間を省け、顧客満足度の向上につながるでしょう。

    また、会計・労務システム、MAツールといった業務システムの操作サポートや、法律や技術など専門知識の提供などにも動画は役立ちます。
     

    5. 採用サイト

    企業説明や経営者・社員インタビュー、社内で働く姿などをYouTubeで配信すれば、企業の魅力をわかりやすく伝えられます。

    特に、B2Bだと一般の消費者に知ってもらえる機会が少ない企業もあるかもしれません。そうした場合であってもYouTubeで知ってもらうことで、認知度を向上させられ、採用活動にもつなげられるでしょう。
     

    6. 動画広告

    YouTube動画広告はターゲットを絞り込んだ配信が可能です。そのため、自社サービスに興味・関心がありそうなユーザーに広告を届けられます

    また、広告の種類によっては、一定時間以上視聴されると課金されるため、費用対効果を考えながら広告運用を行えます。広告のクリック率やコンバージョン率、完全視聴率なども計測できるので、予算にあわせた効果的な広告運用が可能です。
     

    B2B企業のYouTubeマーケティング活用事例

    続いて、YouTubeマーケティングを活用しているB2B企業アカウントをご紹介します。これからYouTubeチャンネルを開設しようと考えている企業は、ぜひ参考にしてください。
     

    freee株式会社

    freee株式会社<

    出典:freee(フリー)【公式】|YouTube

    freee株式会社はクラウド会計ソフトや給与計算ソフトなどを提供する企業で、YouTubeチャンネルでは会計ソフトの使い方や会計知識について発信しています。

    情報別に再生リストがまとめられており、ユーザーは必要な情報にすぐにアクセスできます。セミナーのアーカイブや導入事例の動画なども多くアップロードされているので、ユーザーはYouTube動画から専門情報を学べます。
     

    サイボウズ株式会社

    サイボウズ株式会社

    出典:サイボウズOfficeチャンネル|YouTube

    サイボウズOfficeチャンネルは、サイボウズ株式会社が提供するグループウェア「サイボウズOffice」の公式チャンネルです。

    サイボウズOfficeの使い方説明動画が豊富で、お試しの申し込みや初期設定、個別機能の使い方からカスタマイズ方法まで丁寧に解説されています。

    機能紹介動画や活用ガイドなどもまとめられており、製品を導入済みの企業だけではなく、見込み客に対しても有益です

    ターゲットと目的が明確で、世界観も統一されたチャンネルです。
     

    Sansan株式会社

    Sansan株式会社

    出典:Sansan, Inc.|YouTube

    Sansanはクラウド名刺管理ソフトや請求書管理サービスなど、営業DXサービスを展開するIT企業です。YouTubeチャンネルでは主にテレビCMや導入企業へのインタビュー動画などがアップロードされています。

    導入事例が豊富で、官公庁やメーカー、不動産デベロッパーなど幅広い業界の企業が紹介されています。これから製品の導入を検討している人にとって、具体的な活用事例や実績などを豊富に知れるのは大きなメリットとなるでしょう。
     

    B2BでのYouTubeマーケティング成功のポイント

    B2BでのYouTubeマーケティング成功のポイント

    最後に、B2BビジネスにおけるYouTubeマーケティング成功のポイントを4つご紹介します。ただ成功事例を真似るだけでは、自社の強みを十分に生かせなかったり、ユーザーニーズに合わなかったりして、再生されない可能性もあります。

    YouTube動画ならではのポイントを理解して、自社のYouTubeマーケティングにご活用ください。
     

    ターゲット設定を明確にする

    YouTube動画を見てほしいターゲットはどんな企業(担当者)なのか、どんなニーズにこたえるべきなのか、何をゴールとするのかを明確にして、動画を作成するようにしましょう。

    例えば、見込み客に自社商品について知ってもらい、問い合わせ数を増やしたいのであれば、社員のインタビューや社内の様子よりも、商品の紹介動画を多く投稿する必要があります。すでに自社製品を導入済み企業の顧客体験を向上させたいのであれば、製品の便利な使い方やFAQなどを動画にすると良いでしょう。

    また、動画のカテゴリを設定したり、チャンネル全体のコンセプトを統一したりするなど、どうすれば視聴者が情報を探しやすくなるのか、興味を持つのかを工夫することが重要です。
     

    SEO対策を行う

    YouTube動画はGoogle などの検索エンジンでの検索結果にも表示されます。そのため、適切なSEO対策を行うことで、検索流入を増やすことができます

    タイトルや概要欄のキーワード設定や再生時間、サムネイルを工夫するなど、Webサイト同様SEO対策も忘れずに行いましょう。

     

    更新頻度を落とさない

    常に新しい情報がアップロードされているチャンネルと、更新されていないチャンネルでは、前者の人気が出るのは明らかでしょう。定期的に動画をアップすることで、再生回数も増え、結果的にチャンネル登録者の増加にもつながります

    また頻繁に更新を続けていると、動画編集や発信に慣れ、作業工数を少しずつ減らせるメリットもあります。

    毎日更新は必要ありませんが、定期的にアップロードするようにしましょう。
     

    字幕や図解を活用する

    YouTube動画を音声なし・倍速で視聴するユーザーに対応できるよう、動画には字幕をつけるようにしましょう。アメリカの広告会社の調査では、視聴者の75%がスマートフォンで動画を見る際、音声なしで見ているとの結果が出ています。

    出典:Sharethrough|75% of people watch mobile videos on mute: What that means for advertisers(英語)

    YouTubeには「自動字幕起こし機能」もありますが、音声の認識ミスは少なくありません。情報をより正確に伝えるためには、字幕は必須といえるでしょう。さらに、口頭説明でわかりにくい内容は図や表、イラストを使い、視覚的に理解できるよう工夫すると、ユーザーの理解に役立ちます。
     

    B2B視点を持ったYouTubeチャンネル運営を

    B2Cマーケティングのイメージが強いYouTubeですが、商談や展示会、ウェビナーなど、B2B企業にとって多くの活用方法があります。

    YouTubeマーケティングを成功させるためには、B2B視点に立った企画・運営が重要です。ターゲットや目的を明確にして、自社の見込み客や既存顧客が何を求めているかを理解し、どうすれば見やすい動画になるか、を常に意識してチャンネルを作り上げていくようにしましょう。登録者数も増えてブランド力や売上の向上、顧客体験の向上につながります。ぜひ、本記事で紹介した活用方法や事例を自社のYouTubeチャンネル運営にお役立てください。

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