YouTubeは、全世界の月間アクティブユーザーが25億人(2022年1月時点)、日本国内でも7,000万人(2022年10月時点)を超える動画共有プラットフォームです。YouTubeはビジネス目的での活用も広がっていますが、より多くのユーザーに視聴してもらうためには、YouTubeのアルゴリズムを意識したSEO対策が欠かせません。
ビジネス向けYouTube 活用テンプレート18種
YouTube をビジネスに活用する上で欠かせない要素を簡単に作成するためのテンプレートを幅広くご用意しました。
- カスタマイズ可能なYouTube バナーテンプレート5種
- カスタマイズ可能なYouTube サムネテンプレート5種
- YouTube 動画概要欄テンプレート7種
- YouTube 成長戦略ロードマップテンプレート1種
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全てのフィールドが必須です。
本記事では、再生回数を増やすために必要な8つのヒントとSEO対策に役立つ6つのツールをご紹介しています。ぜひ、自社のYouTube運営にお役立てください。
YouTube SEOとは?
YouTube SEO対策とは、ユーザーに動画を見つけてもらいやすくするための施策です。
YouTubeでは、独自の検索アルゴリズムによって、ユーザーが見たい動画を簡単に見つけられるように仕組み化されています。自社動画をより多くのユーザーの画面上に表示し、再生を促すことが、YouTubeにおけるSEOの目的です。
ユーザーは主に次の3つの経路から動画にたどりつきます。
- ホーム画面のおすすめ動画
YouTubeのホーム画面の中央に表示されるユーザー属性にあった動画です。 - 関連動画
ユーザーが再生している動画と関連性のある動画です。PCであれば右サイドバー、スマホであれば下段に表示されます。 - YouTube検索
ユーザーによるYouTubeでの検索です。ヘッダーにある検索窓にチャンネル名や動画タイトル、キーワードを入れることで検索されます。
多くのユーザーからの視聴機会を増やすには、ホーム画面のおすすめや関連動画、YouTube検索で上位表示させ、動画へ誘導する必要があります。
YouTube SEO対策のポイント
YouTube SEO対策では、 YouTubeの独自機能であるブラウジング機能を理解することが大切です。
ブラウジング機能とは、ユーザーの行動履歴(過去に視聴した動画や検索キーワードなど)から自動的にアルゴリズムが判断し、関連性の高い動画をYouTubeのホーム画面に表示する機能です。特に、次の3つのポイントを意識しましょう。
- クリック率の高さ
クリック率とは、YouTubeによるおすすめ動画をユーザーがクリックした割合です。特にインプレッションがカウントされた後の動画の視聴割合を、インプレッションのクリック率と呼びます。インプレッションのクリック率が高いほど、YouTubeからのおすすめ動画に掲載されやすくなります。
Google によると、インプレッションのクリック率は、全チャンネルと動画の半数が2%~10%の範囲にあるとされています。まずは6%~8%を目標にしましょう。
自社のインプレッションのクリック率は、YouTubeアナリティクスの概要ページの詳細から確認できます。 - 再生時間・視聴者維持率は十分か?
ブラウジング機能では、視聴時間が重視されます。再生回数よりも、再生時間や視聴者がどれだけ長く動画を視聴したかを示す視聴者維持率に注目し、改善を続けましょう。 - ユーザー評価
ユーザーによって示される高評価・低評価やコメント内容やコメント数、「興味なし」のフィードバックなどユーザーによる直接的な反応も指標の一つとなります。
YouTube SEO対策8つのヒント
おすすめ動画をはじめ、関連動画や動画検索のランキングで上位に表示されるためのYouTube SEO対策として、次の8つのヒントを参考にしてください。
- キーワードを調査する
- キーワードを含めたタイトルをつける
- 価値が伝わる説明文を書く
- トピックと関連する人気のキーワードをタグとして設定する
- カテゴリーに分類する
- サムネイル画像をカスタマイズしてアップロードする
- SRTファイルを使った字幕や文字起こしを追加する
- カードや終了画面を追加してチャンネルの視聴意欲を高める
1.キーワードを調査する
YouTube SEOにおける動画の最適化はキーワード調査からはじめます。次の手順で行いましょう。
- 自社のビジネスに関するジャンルから、メインのキーワードを選ぶ
- 自社製品やサービスを求めるユーザーの使用頻度の高い関連キーワードを探す
チャンネル アナリティクスのリサーチ機能やキーワードプランナー、YouTube検索などのツールを使って、キーワードを選定しましょう。
- チャンネル アナリティクス
チャンネルアナリティクスのリサーチ機能を利用すると、ユーザーがどのような情報を探しているかを調べられます。
リサーチ機能は、YouTube Studio>チャンネルアナリティクス>リサーチのタブから利用可能です。あわせて読みたい - キーワードプランナー
キーワードプランナーは、「Google 広告」が提供するツールで、無料で利用可能です。
検索ボリュームのあるキーワードやメインキーワードと関連性のあるキーワードなど、ユーザーが使用する傾向のあるキーワードを探す際に有用です。 - YouTube検索
YouTubeのヘッダーにある検索窓にキーワードを入力すると、サジェストワードの一覧が表示されます。サジェストワードは、多くのユーザーの検索結果にもとづいて表示されるため、検索されやすいキーワードを推測できます。
2. キーワードを含めたタイトルをつける
ユーザーは、タイトルとサムネイルから視聴するかどうかを判断します。タイトルをつける際は、次の点に留意してください。
- ユーザーのどのような問題を解決できるのかを伝える
- キーワードをかならず含める
- 検索キーワードと完全一致するようにタイトルをつける
- 文字数は30文字以内にする
単にキーワードを入れるだけでなく、ユーザーが興味を持ち、視聴したくなるようなタイトルをつけましょう。また、長すぎると表示されなくなってしまうため、「わかりやすく簡潔な表現」を目指しましょう。
3. 価値が伝わる説明文を書く
タイトルやサムネイルに興味を持ったユーザーが、さらに詳しい情報を求めた時に目を通すのが動画の下部に表示される説明文です。説明文には次の点を盛り込みます。
- ユーザーが動画から得られる価値を伝える
- 説明文にはかならずキーワードを含め、重要キーワードはなるべく最初の方に入れる
- CTAやリンクなども最初の方に入れる
- 動画が長い場合には、タイムスタンプを入れる
4. トピックと関連する人気のキーワードをタグとして設定する
タグを設定すれば、ユーザーに動画内容を伝えることができます。また、YouTubeのアルゴリズムにも動画の存在が認識され、関連動画として表示されやすくなります。タグ設定では、次の点をおさえましょう。
- キーワードを含める
- 検索されやすいキーワードや複数のキーワードを組みあわせたロングテールキーワードを意識する
5. カテゴリーに分類する
動画のアップロード時に行うカテゴリー設定も、タグと同様に関連動画に表示されやすくなる効果があります。カテゴリーの選択には次の点を考慮します。
- 同一カテゴリーの検索結果の上位では、どのようなユーザーによるどのような内容の動画が表示されているか?
- 同一カテゴリーの視聴者層は自社のターゲットユーザーと共通点を持つか?
- カテゴリーに同様の内容・形式・長さの既存動画はあるか?
6.サムネイル画像をカスタマイズする
サムネイル画像とは、検索結果や動画一覧に表示される画像です。タイトルと同様に、ユーザーが視聴するかどうかの判断に影響を与えます。サムネイルの作成時は次の点を確認しましょう。
- 動画のテーマが即時に伝わるような印象に残るものを作成する
- 画像サイズは、1280×720px、縦横比16:9、2MB以下のJPEG形式、GIF形式、BMP形式、PNG形式のファイルを使用する
7. SRTファイルを使った字幕や文字起こしを追加する
SRTファイルとは、字幕を動画編集ソフトに追加したり、記録したりするためのテキストファイルのことです。字幕や文字起こしを表示することで、ユーザーだけでなく、動画の内容を検索エンジンに知らせるという効果もあります。
8. カードや終了画面を追加してチャンネルの視聴意欲を高める
動画の最後に終了画面を追加し、関連動画や自社サイトへのリンク・チャンネル登録ボタンを掲載します。ユーザーの視聴意欲を高め、次の行動に促す効果が期待できます。
カードとは、別の動画や再生リスト、チャンネル、リンクを5秒間ポップアップ表示させられる機能です。
視聴者が動画の右上に表示されるカードアイコンをクリックすると、カードが表示されます。
YouTube動画公開後はSEO対策の成果を見ながら改善する
動画の公開後はふりかえりを行い、改善を続けましょう。分析には、YouTube Studioのチャンネルアナリティクス機能を利用します。
YouTubeチャンネルアナリティクスでSEO対策の成果を確認する
プロフィールのアイコンから[YouTube Studio]を選択します。遷移先のチャンネルのダッシュボードから[アナリティクス]をクリックします。
[概要]の[詳細]をクリックします。
遷移先のページで、コンテンツごとの視聴回数やトラフィックソースごとの視聴回数を確認できます。また、インプレッション数やインプレッションのクリック率なども表示されます。
個々の数字だけでなく、全体の推移を確認しながら改善方法を探りましょう。
YouTubeでさらにSEO効果を高めるコツ
YouTubeでのSEO対策として、さらに押さえておきたい「フレッシュネス」と「E-E-A-T」についてご紹介します。
フレッシュネス
YouTubeでは、新しく投稿された動画が上位に表示されやすい傾向があります。多くの人が関心を持つニュース性の高い動画やトレンドテーマを扱った動画が上位表示されているのを見たことがあるかもしれません。こうした動画を上位に表示する機能がYouTubeのフレッシュネスアルゴリズムです。
フレッシュネスアルゴリズムを活用するには、鮮度の高い情報を提供しましょう。鮮度の高い情報の提供を意識することで更新頻度が高くなれば、結果的にチャンネル全体の評価を高めることにもつながります。
ただし、毎日投稿、週1投稿のように、単純に数を増やすことには意味はありません。あくまでも質を重視してください。
E-E-A-T
E-E-A-TとはGoogle による検索品質評価ガイドラインです。これまでは「E-A-T」として示されていましたが、2022年12月15日のアップデートで新たな基準が追加され「E-E-A-T」となりました。
既存のE-A-Tは、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)の頭文字を取ったものです。今回のアップデートでは、新たに経験(Experience)が加わりました。
専門性や権威性、充分な経験に加えて、トピックに関する公的資料などの1次情報によって信頼性が担保されていることがE-E-A-Tでの評価につながります。例えば、自社製品の紹介動画を配信する場合であれば、長年開発に携わっている関係者へのインタビューや実際に製品を愛用しているユーザーの感想を採用して、より信頼性の高いコンテンツ作成を目指しましょう。
YouTube SEO対策ツール6選
ここからは、YouTubeのSEO対策に役立つ6つのツールをご紹介します。
1. VidIQ Vision for YouTube
VidIQ Visionは無料で利用できる動画の分析ツールです。Chromeの拡張機能としてChrome Web Storeから入手できます。
VidIQ Visionでは、動画の評価数や視聴者数の伸び、平均視聴時間などが表示されます。また、動画に関連するタグや過去動画との比較、独自のSEOスコアをもとにした改善点も確認できます。
2. Tube Buddy
Tube BuddyはYouTube動画の作成からSEO、宣伝など動画関連のあらゆるステップを数値化し、管理できるツールです。英語のみの仕様ですが、自動翻訳機能によって動画のタグなどは日本語で表示されます。
Tube Buddyには無料プランがあり、基本的なSEO機能を利用できます。
3. キーワードエクスプローラー
Ahrefsが提供するキーワードエクスプローラーは、Google やYouTube、AmazonやBingなどのキーワードボリュームを推定取得できるツールです。キーワード候補の紹介や難易度、キーワードから得られるであろうトラフィックを推測して出してくれます。
料金:月額12,500円(ライトプラン)、25,000円(スタンダードプラン)、50,000円(アドバンスドプラン)、125,000円(エンタープライズプラン)※2022年12月時点
4. Canva
デザインツールのCanvaには数多くのテンプレートが用意されており、テンプレートを利用して、魅力的なサムネイル画像を簡単に作成できます。YouTubeサムネイルに特化したテンプレートも無料で利用できるので、デザイン初心者にもおすすめです。
5. Marketing Hub
HubSpotが提供するMarketing Hubでは、SEOアナリティクス機能を搭載しており、キーワード選定やコンテンツの最適化を助けます。さらに、コンテンツをキーワードごとにまとめた「トピッククラスター」を形成し、カテゴリーに分けて管理できます。
料金:月額96,000円(Professional)、月額432,000円(Enterprise)※2022年12月時点
6. Cyfe
Cyfeはビジネスデータを可視化できるツールです。機能のひとつであるYouTubeダッシュボードを利用すれば、視聴回数、平均視聴時間などの主な指標を視覚化できます。
2022年12月時点では、日本語に対応していませんのでご注意ください。
料金:月額19ドル(Starter)、月額29ドル(Standard)、月額49ドル(Pro)、月額89ドル(Premier)~※2022年12月時点
YouTube SEO対策はユーザー視点が大切
YouTube SEO対策では、アルゴリズムを理解したうえでユーザー視点に立ち、ユーザーが動画を見つけやすくなるように工夫することが大切です。
ユーザーの困りごとを把握し、どのような言葉で検索するかを検討してみましょう。ユーザーの興味を引く表現をタイトルに入れ、説明文にはユーザーが動画から得られる価値を伝えてください。ユーザーが動画を見つけやすいように、タグやサムネイルを工夫することも大切です。また、ユーザーがさらに自社製品やサービスを理解できるように、終了画面に関連動画を表示したり、自社サイトへのリンクを貼ったりすることも有効です。
YouTubeという多くのユーザーとの接点となるツールによって成果をあげられるよう、SEO対策を実施しましょう。